Getaway
ま、諦めたらそこで試合終了じゃん?
◇ ◇ ◇
伊吹翼は諦めることを良しとしなかった。
この絶望的な状況でも、自分達にできることはまだ残されている。
例えば、この島の何処かで怖がっている誰かに勇気づけたり、反抗の意志を秘めている誰かと協力して脱出方法を探ったり。
考えれば考える程、やるべきことは湧き出してくる。
だって、自分達はアイドルなのだから。不測の事態が起ころうとも諦めない心を育んできたことを翼は忘れてはいない。
この絶望的な状況でも、自分達にできることはまだ残されている。
例えば、この島の何処かで怖がっている誰かに勇気づけたり、反抗の意志を秘めている誰かと協力して脱出方法を探ったり。
考えれば考える程、やるべきことは湧き出してくる。
だって、自分達はアイドルなのだから。不測の事態が起ころうとも諦めない心を育んできたことを翼は忘れてはいない。
「っし! とりあえずは行動あるのみ!」
そして、胸に秘める反抗心が燃えてくる。
逆境? 上等じゃないか、そんなもの仲間と一緒に踏み越えてやろう。
この程度で壊れる絆を自分達は築いていない。
逆境? 上等じゃないか、そんなもの仲間と一緒に踏み越えてやろう。
この程度で壊れる絆を自分達は築いていない。
「舐めないでよね、プロデューサー。怖いからって人を殺せる訳ないじゃん」
翼は信じている。トップアイドルを目指し、互いに切磋琢磨しあった時間を。
それは輝きであり、純白な想いであり――願いだった。
誰もが大まじめに目標を掲げていた。年甲斐もなく大の大人でさえも、あの事務所では夢を抱いていた。
それは輝きであり、純白な想いであり――願いだった。
誰もが大まじめに目標を掲げていた。年甲斐もなく大の大人でさえも、あの事務所では夢を抱いていた。
「私もみんなも! 殺し合いになんか、絶対に負けない!」
信じる理由など、これだけで十分だ。
何もかもが不透明で無知なれど、皆が集まればきっとどうにかなる。
何もかもが不透明で無知なれど、皆が集まればきっとどうにかなる。
「……だって、そうじゃないと――今まで私達が信頼しあってきたのが馬鹿みたいじゃん」
楽観的な考えであるけれど、そうでもしないとやっていられなかった。
元来、明るい性格である翼は人を疑うことなどしたことがないし、裏切ったこともない。
この状況だって力を合わせればきっと何とかなる、と彼女はまだ信じていた。
元来、明るい性格である翼は人を疑うことなどしたことがないし、裏切ったこともない。
この状況だって力を合わせればきっと何とかなる、と彼女はまだ信じていた。
◇ ◇ ◇
知っている、私は大人だから。
◇ ◇ ◇
秋月律子は殺し合いに対して、思っていたよりも恐怖心が湧き上がらなかった。
未だ、頭がこれを現実と認めていないのか。それとも、とっくに壊れてしまっているのか。
どちらにせよ、律子は取り乱す訳でもなく、冷静に殺し合いについて思考する。
乗るか、乗らないか。
まず、乗らないという選択肢は悪手だ。
いつどこで監視されているかもわからない状況で安易に反抗の意を示す程、律子はバカじゃない。
かといって、乗るといっても、こんな序盤からペースを上げて殺し合いを促進させても、後半が辛いだけだ。
未だ、頭がこれを現実と認めていないのか。それとも、とっくに壊れてしまっているのか。
どちらにせよ、律子は取り乱す訳でもなく、冷静に殺し合いについて思考する。
乗るか、乗らないか。
まず、乗らないという選択肢は悪手だ。
いつどこで監視されているかもわからない状況で安易に反抗の意を示す程、律子はバカじゃない。
かといって、乗るといっても、こんな序盤からペースを上げて殺し合いを促進させても、後半が辛いだけだ。
(現状維持。今は乗らないスタンスだけど、機が熟したら――という感じですかね)
ならば、第三の選択肢である“どちらのスタンスにも転がらない”が最良の初手だろう。
ひとまずはあまり乗り気ではないことを押し出して、この島を探索する。
そして、脱出方法、首輪の解除方法が見つかれば万々歳だ。
わざわざ、同僚を殺すこと無く五体満足で脱出できるならそれに越したことはない。
ひとまずはあまり乗り気ではないことを押し出して、この島を探索する。
そして、脱出方法、首輪の解除方法が見つかれば万々歳だ。
わざわざ、同僚を殺すこと無く五体満足で脱出できるならそれに越したことはない。
(けれど、無理でしょうね。私が開くならこの殺し合い、付け入る隙も与えない)
律子は楽天家ではない。自分の置かれている状況を客観的に判断し、そこから答えを導き出せる理知的な人物だ。
そんな律子が断言する。この殺し合いはまともに考えたら“穴”がない。
最後の一人になるまで生き残る他、生きて元の日常に帰る保証が存在しないと認める他ないのだ。
そんな律子が断言する。この殺し合いはまともに考えたら“穴”がない。
最後の一人になるまで生き残る他、生きて元の日常に帰る保証が存在しないと認める他ないのだ。
(ただし、まともだったらの話ね。もしも、あの人にちょっとした遊び心……もしくはわざと穴を用意しているのだとしたら)
色々と決断を早計にするには自分は情報が足りなさ過ぎるのだ。
無知で憐れな一参加者。それが秋月律子の現状であり、変えられない事実だ。
だから、知らなければならない。この殺し合いで賭けられるリスクの限度を。
リスクを見極め、それから殺し合いについてスタンスを決めてからでも遅くはないはずだ。
無知で憐れな一参加者。それが秋月律子の現状であり、変えられない事実だ。
だから、知らなければならない。この殺し合いで賭けられるリスクの限度を。
リスクを見極め、それから殺し合いについてスタンスを決めてからでも遅くはないはずだ。
(……全く、厄介ね。考えれば考える程ドツボにはまっていく。
人並みに怯える感性だったり、脳天気に人を信じることができたらどんなに楽だったか)
人並みに怯える感性だったり、脳天気に人を信じることができたらどんなに楽だったか)
間違えることなく、最良を取り続ける。
失敗したら、即座に死ぬ。本当に、割に合わないクソッタレな催しだ。
失敗したら、即座に死ぬ。本当に、割に合わないクソッタレな催しだ。
「ま、それも私よね」
ともかく、律子はどんな汚い手を使うことになろうとも、生きていたいのだ。
理由も簡素、単純に何となく。
夢を貫くには生き辛いこの怠い世界が、それなりには好きだと実感してしまった。
ならば、進むしか無い。仲間を蹴落としてでも、この島にいる全員に嘘をついてでも――生き延びる。
理由も簡素、単純に何となく。
夢を貫くには生き辛いこの怠い世界が、それなりには好きだと実感してしまった。
ならば、進むしか無い。仲間を蹴落としてでも、この島にいる全員に嘘をついてでも――生き延びる。
(貴方の思惑とか抜きにして、ね。私はまだ死にたくないのよ)
何とかなる、と彼女は信じていなかった。
【一日目/朝/D-4】
【伊吹翼】
[状態]健康
[装備]なし
[所持品]支給品一式、不明支給品1~2
[思考・行動]
1:信頼。こんなことで絆は壊れない。
[状態]健康
[装備]なし
[所持品]支給品一式、不明支給品1~2
[思考・行動]
1:信頼。こんなことで絆は壊れない。
【一日目/朝/E-4】
【秋月律子】
[状態]健康
[装備]なし
[所持品]支給品一式、不明支給品1~2
[思考・行動]
1:不信。情にほだされないように、冷静な対応を。
2:現状は様子見。乗るべきと判断したら乗る。
[状態]健康
[装備]なし
[所持品]支給品一式、不明支給品1~2
[思考・行動]
1:不信。情にほだされないように、冷静な対応を。
2:現状は様子見。乗るべきと判断したら乗る。
| IMPRESSION | 時系列順に読む | アイドル活動をしてるんだが、もうアタシは限界かもしれない |
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| IMPRESSION | 投下順に読む | アイドル活動をしてるんだが、もうアタシは限界かもしれない |
| GAME START! | 秋月律子 | Lion Heart |
| GAME START! | 伊吹翼 | エスケープフロムディストピア |