優先権

優先権/Priority (インスタント・タイミング)

※この項目は初心者ガイドなどのターン進行表を見ながら読むことをお勧めします。

優先権とは、プレイヤーが呪文や能力をプレイしてもよい権利のことである。「あなたがインスタントをプレイできるとき」とは、あなたが優先権を持っているときのことを表す。
権利と言っても特別なときにしか発生しないと言う訳ではなく、「俺が先だった」等と喧嘩にならないための単なる順番である。
 ── MTGWikiより

まず、プレイヤーが優先権を得るのは以下のタイミングである。
これらを俗に「インスタント・タイミング」と呼ぶ。
また、これらのうちメインフェイズのみは特別に「ソーサリー・タイミング」と呼ぶ。(ソーサリー・タイミングはインスタント・タイミングの一種。)

  • アップキープ・ステップ
  • ドロー・ステップでアクティブ・プレイヤーがカードを引いた直後
  • メインフェイズ
  • 戦闘開始ステップ(戦闘前と戦闘後の両方)
  • 攻撃クリーチャー指定ステップで攻撃クリーチャーが決定された直後
  • ブロック・クリーチャー指定ステップでクリーチャーがブロックされた直後
  • 戦闘ダメージ・ステップで戦闘ダメージが与えられた直後
  • 戦闘終了ステップ
  • 終了ステップ(「このターン」「ターン終了時まで」効果が終了したり、クリーチャーのダメージが回復する直前)
  • いずれかの誘発型能力が誘発した直後
  • スタック上の呪文や能力が解決された直後
のいずれかの場合で、これらの状況になった時に、まずアクティブ・プレイヤー(そのターンを進行しているプレイヤー)が優先権を得る。
なお、いずれの場合も、そのタイミングで誘発する誘発型能力がある場合、それらが誘発した後(解決される前)に優先権が発生する。

  • 優先権を持っているプレイヤーは、インスタント呪文や起動型能力を(自分のメインフェイズならばその他のカードも)プレイすることができる。(プレイされた土地以外のカードはスタックに乗る。土地は場に出る。)
  • 優先権を持っている間は、(コストを支払えるならば)いくらでも呪文や能力や土地をプレイしてもよい。
    • プレイしない場合、優先権を放棄することができる。具体的には「優先権をパスします。」「ゲームを進行してよろしいですか?」などと宣言する。

プレイヤーが優先権を放棄した場合、今度はその対戦相手が優先権を得る。(多人数戦の場合はターンの進行順に得る。)
  • 後からプレイされた呪文のほうが先に解決することに注意。
  • すべてのプレイヤーが連続して優先権を放棄した場合、(大貧民なら場札が流れる状況)スタックの一番上に乗っている呪文や能力や戦闘ダメージが解決される。スタック上に何も乗っていない場合は、ステップが進行する。
    • いずれかの対戦相手が呪文や能力をプレイした場合、ふたたび自分に優先権が回ってくることになる。誰もプレイしない場合、スタック上の呪文や能力や戦闘ダメージが解決されるか、次のステップになるまで優先権は回ってこない。
    • スタック上の呪文や能力が解決された後は、再びアクティブ・プレイヤーが優先権を得る。

なお、起動型のマナ生成能力(マナ能力)のみ、呪文や能力によるマナの支払いを求められた際には優先権に関係なくプレイすることができる。

優先権行使の実例

優先権が問題になるのは、次のような場面である。
プレイヤーAのターンのメインフェイズに、プレイヤーAは閉ざされた扉を場に出した。
対戦相手であるプレイヤーBはそれをすぐに破壊するために「ブレイクするドクヲ」の1番目の能力を使いたい。
(「閉ざされた扉」の2番目の能力は、相手が「ブレイクするドクヲ」の能力を起動?した後では使えない。)
そこで、アクティブ・プレイヤーであるAは優先権を行使して、相手の「ブレイクするドクヲ」の能力起動前に「閉ざされた扉」を能力をプレイすることができる。(それに対抗してBが能力を使っても、扉の能力はすでに処理待ちの状態であるため、これを防ぐことはできない。)
※ Bは相手が「閉ざされた扉」の能力を起動するかどうかを確認してから、「ブレイクするドクヲ」の能力を起動するかどうかを決定することができる。

優先権放棄の実例

プレイヤーNは自分がコントロールするクリーチャーでプレイヤーMを攻撃した。このときMは攻撃を防ぐ手段がなかった。
Nは「あと3点のダメージを追加すればこのゲームに勝てる」と考え、手札の「AA拡大」を唱えようと思った。
NはプレイヤーMのデッキに「マターリの時」が入っていることを知っていたので、「何か対抗手段ある? ないならこれ唱えるけど」といって「AA拡大」をMに見せた。
この場合のNの言動は「実質的な“優先権の放棄”にあたる」(審判の裁定より)ので、Nはこのタイミングで「AA拡大」を唱える権利を失い、今度はMが優先権を得た。
Mは何もせずに優先権を放棄し、ゲームは次のステップに移って戦闘ダメージが確定。結局Mは3点のライフを残して自分のターンを向かえることができ、状況を逆転できるカードを引くことができた。
※ 「相手に対処手段があるかどうかを聞いてから呪文や能力を使うかどうかを決定するのは反則」と言い替えることもできる。「優先権」ルールの導入の目的の1つはそれの明文化である。

最後に

以上で優先権の解説は終わりである。
優先権は基本ルールの中では非常に難しい概念なので、初心者相手に戦うときやカジュアルプレイではあまり気にしないほうがいいかも知れない。
が、ルール上の疑問を解決するために、最低1人は知っている人がその場にいたほうがよい。
また、呪文や能力をプレイできるタイミングに関するルールなので、マスターすれば戦略の幅が大きく広がり有利に戦いを進められるだろう。
最終更新:2009年07月13日 06:50
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