*サノス Thanos **概要 【ヴィラン】 エターナルズ/タイタン人/男性 [[アベンジャーズ]]最大最強の敵。 アメコミ史上に名を残す、MARVEL世界最強ヴィランの一角。 土星の衛星タイタン生まれ。通称「狂えるタイタン人」。 その行動指針は混沌と狂気。宇宙の全生命を憎み、愛する死の女神「デス」に捧げる供物とばかりに殺戮を繰り返す。 明確な最終目的が判然とせず、「何がしたいのかわからない」「頭がおかしい」と評価される事も。 心の平静を取り戻していた時期もあり、時折ヒーロー陣営の強力な戦力として活躍する事もある。 何度か宇宙を救う事さえあったが、逆に世界滅亡級の大事件を引き起こしたり加担する事も多い。 数々の因縁のあるアダム・ウォーロックは宿敵だが、意外と仲が良く、必要となればあっさり協力する。 ---- **エピソード ***オリジン -エターナルズは地球人と似た外見、かつ美貌の持ち主揃いの種族で、サノスの紫の肌や顎の縦皺などはその平均からはかけ離れている。なぜサノスだけそんな外見で生まれてきたかは分かっていない。 --エターナルズの病気の一つ、「デヴィアント・シンドローム」とされ、ミュータントかデヴィアントしか罹らないと考えられている。 --サノスはデヴィアント・ジーンを持っており、これが突然変異を起こしてデヴィアント・シンドロームを起こしたとされる。 --しかし、この病気は、サノス意外には見つかっていない。 --その容貌のためにサノスは孤独な育ち方をした。双子の弟エロスを除き誰もサノスと関わりたがらなかった。 --だんだん、そしてどんどん人格がねじれて行き、問題行動の果てにタイタンを追放されてしまう。時が流れ、帰還した彼は故郷と同胞への一大爆撃を敢行したのだった。 -不幸な育てられ方を反映してか、ネビュラやガモラなど、「子どもを拾って養子にして、強力な能力者に育て上げ、最後に殺す」ということを繰り返している。 ***死の女神への愛 -死の女神「デス」を信奉……というより、男として愛している。 --インフィニティガントレット編で、死神である彼女の気を惹きたい一心で全宇宙の半分の生命を抹消した事はあまりに有名。 --大物らしく冷静沈着で尋常ならぬ精神力を誇るサノスも、例外的にデスから冷たくされると簡単に取り乱してしまう。 ---デッドプールがデスがラブラブなのに嫉妬し、不死の呪いを掛けた。 ***地球侵攻 -アイアンマン誌で侵略の尖兵が登場し、謎のボスとしてチラ見せされたのが初登場。その目的はコズミックキューブだった。 -その攻撃を察知したドラックスが地球を訪れ、アイアンマンに助けを求め、戦いが始まった。 -キャプテンマーベル、デアデビル、アベンジャーズ、等々、各方面に登場し、戦いを繰り返し、コズミックキューブの力を手にするが、結集したヒーローによってキューブを破壊され、倒された。 ***インフィニティ・ガントレット -アダム・ウォーロックと共にメイガスと戦ったが、ウォーロックの持つソウル・ジェムを狙い、殺害。 --サノスはジェムを集めて惑星破壊兵器を建造するが、ソウル・ジェムの内部から復活したアダムに石に変えられてしまった。 -復活後、ジェムの力を統合する「インフィニティ・ガントレット」を手に入れ、MARVEL宇宙を司る最高位の神の地位にまで登りつめた。 --手に入れた力を使い、神殿や愛人を産みだしてみても心は満たされず、デスへの愛の証として「全宇宙の全生命の半数」を捧げる事を思いつき、念じるだけで全生命の半数を抹殺した。 ---このときガントレットをはめた手の指を弾いた。これが映画でいう「スナップ」である。 --自己満足のため、エロス、ネビュラ、メフィストを道化役として神殿に配置して悦に入っていたが、この事が後の敗因につながる。 --事態を重く見たアダムは、ヒーローの中から特に選りすぐりの精鋭選抜チームを編成。サノスへの一斉攻撃を敢行するが、結果は全滅に終わった。 --ヒーロー全滅の後、全宇宙から最高位の神、宇宙管理者や超越存在が揃って攻撃を仕掛けるが、これも全滅。 --無力なゾンビとして飾られていたネビュラにガントレットを奪われた事が直接の敗因となる。が、アダムに「内に秘めた、負けたいという願望こそが敗因」とも指摘されている。 -敗北の後、ガントレットを手にしたアダムによって事件は「無かった事」とされ、全ての犠牲者が元通り蘇った。 --サノスは一人、田舎の星で農耕生活をしてのんびりと過ごす。初めて彼は心の安息を得た。 -後に、アダムの人格内部から発生した邪悪な超存在を倒すため、彼と再び共闘。監視者「インフィニティ・ウォッチ」の一員となる。 ***ヴィラン復帰 -全宇宙のデータを内包したロボットを狙い、ヴィランチームを結成して再び地球を攻撃。 -その後、時折ヒーローと共闘する事もあったが、ヴィランとして戦歴を重ねていく。 --エジプトのアクエンアテンがコズミックパワーを得てヒーローを壊滅させた際は、タイムスリップしてアクエンアテンを倒している。 ---その狙いは全能の力で宇宙を消去する事だったが……(アダムによって防がれる) --ソーと戦った際、惑星リジェルIIIを破壊した。 ---が、後にギャラクタスの襲来からリジェル人を救おうともしている。この際、ギャラクタスを利用した黒幕を倒すため、サノスはギャラクタスと共闘した。 ***アニヒレーション~サノス・インペラティブ -アニヒラスや古代神族と共に宇宙侵略を開始するが、ドラックスの手で殺害されてしまう。 --が、あまり間を置かずに謎の繭の中から復活。 ---瀕死のノヴァがデスとサノスが共にいる姿を見ているので、実際にここで一度死んでいる模様。 -不死世界キャンサーバースの王(平行世界のキャプテン・マーベル)を卑劣な策(演技)で倒し、アース616を不死者の脅威から救いつつ、莫大な数の不死者をデスに捧げた。 --が、ここでデスに無視されたため、またも取り乱してしまった。相変わらずである。 --激怒して暴走したサノスはノヴァとスターロードの捨身の攻撃により生死不明となった。 ***インフィニティ -特に説明も無く「アベンジャーズ アッセンブル」誌で復活するが、アベンジャーズとガーディアンズの手で撃退されている。 -2013年アベンジャーズ系大型クロスオーバー「インフィニティ」にて大ボスとして派手に復活。異星の兵力「ブラックオーダー」を率いて地球侵略を開始した。 --折悪しくアベンジャーズの主戦力はインカージョン現象や、宇宙統制艦隊ビルダーズの襲来に対して出払っており、地球は苦戦を強いられる事となった。 -サノスは圧倒的戦力を誇示し、インヒューマンズを包囲。命の保証と引き換えに「全ての若者の抹殺」を要求。当然交渉は決裂。 --アティランごと出撃したブラックボルトと正面から激突し、勝利。アティランはNY上空で粉砕され、テリジェンミスト散布事故を引き起こした。 ---このアティラン崩壊は、敗北と種の滅亡をも覚悟したブラックボルトの計画の一端だったが…… ここでは詳細を割愛する。 --地球侵攻の真の目的は自身の息子セインを殺す事だった。理由らしい理由は特に語っていなかったが、何よりも最優先で捜索を命じていた。 ---そのセインの能力により結晶体の中に封印され、アベンジャーズに確保されてしまう。自身を倒せる力があると、サノスは知っていたのだろうか…… ---他にも各地で子供を数多く作っていたようで、星々を渡り歩いては子殺しを繰り返していた。セインはその最後の一人だった。 ***世界の終わり -インカージョン、及びシークレットウォーズ(2015)では全次元世界衝突現象の解決のため、他の次元世界を破壊して正史世界を守る戦いに身を投じる。 --並行世界で殺戮を行う事で正史世界の地球が救われるという状況は、まさに彼にとって打ってつけの役どころだった。 --全次元が統合され、ドゥームが神の力を手にした後、案の定その力を狙って動くが、返り討ちにあっている。 ***シビルウォーII~敗北~投獄~病の果てに -正史世界が蘇った後、「空白の八ヶ月」を挟んで、コズミックキューブを狙って地球再侵攻を企てている事が予知能力者によって発覚。アベンジャーズによる先制攻撃を受け、企みを挫かれている。 --この戦闘の際、ウォーマシン(ローディ)を返り討ちにし、致命傷を与え、怒りに燃えるキャプテンマーベル(キャロル)によって倒され、捕らえられる。 -この後、投獄と脱獄を繰り返す中、致命的な病に侵されている事が発覚。 -衰弱状態で尚戦いを繰り返し、ついに、最強の力を身に着けた息子・セインがサノスの前に立ちはだかる。 --サノスはこの戦いの果て、自身のアイデンテイティとも言える、あるものを捨て去る事となる。 ***復活・インフィニティジェム、再び -復活後、「キングサノス」との戦いを経て、再びインフィニティジェム収集を目指し、ガントレットを造り上げる。 --この動きを察知したガモーラは、サノスの命を狙うが…… ---- **能力・技能 壮絶な能力を思う様振るった事で、アメコミマニア以外の人間まで知れ渡った「最強談義」で頻繁に引き合いに出されるキャラクター。 特に有名なのは「インフィニティ・ガントレット」の力によって神をも越える力を発揮した[[エピソード]]。 が、しばしば各エピソードで見せる万能・全能の力は一時的に身に付けたものであり、本人の保有する能力という訳ではない。 一方で、本人自身の戦闘力も極めて強力な部類である事もまた事実であり、最強ヴィランのうち一人として数えられる。 ***身体能力 -ギリシャの神々をモチーフに創作されたエターナルズはもともと強力な種族だが、サノスはバイオテクノロジーで自らの身体をさらに強化した。 --腕力、防御力は尋常ではなく、インフィニティ編では本気を出した強化装甲付きのハルクを軽くあしらい、相手するまでもないと部下任せにしている。 --完全な不死者を殺せる一方でサノス自身は絶対死ねず勝手に再生復活するという変な能力を持つ。デスと関わりすぎた影響か。 -アポカリプスにも言えるが、満遍なく色々な能力を持っているので欠点らしい欠点が存在しない。 ***知力・精神力 -本人によると運命からは全く影響を受けないらしい。 --特に強力な能力はテレパシーを用いた精神攻撃(ギャラクタスにも効く)と精神攻撃への超耐性であろう。基本的にはサノスに精神攻撃は無効。 ---ただ、『他者からの圧力』『精神系能力による攻撃』などには無敵に近い一方で『自身に起因するある種の精神面の脆さ』はあるとされる。 ---たとえばギャラクタスと同等の力を持つテネブレスやイージスからの恫喝、アニヒラスからの脅し、オーディンからの降伏勧告などならばサノスは全く恐れないし屈しない。&br()またインフィニティジェムから所持者へ常時流し込まれる『宇宙全ての情報』はなまじの者では廃人になってしまう。それを処理しきれた事も精神の強靭さを証明している。 ---しかし、インフィニティ・ガントレットにおいて、アダム・ウォーロックに「自分が支配者の器でないことを知っているから、無意識に敗北を望んでいる」と指摘されると、実際過去にもサノスは自分で自分の敗北の要因を作っており、否定するどころか肯定同然に協力を約束。そうして本当に敗れ去り、その敗北の結果を受け入れて笑みを浮かべる彼の姿でエピソードは閉じる。 ----まあ、ハイスペック設定ゆえにそういう理由でもつけないと彼が負ける展開にもってきづらいという制作上の都合もあろうが…… -ではサノスの一番強力な能力は?となると、彼の非常に高い知力が挙げられる事も(アニヒレーションTPBの巻末解説参照)。 --武力を用いずに話術で格上も格下も関係なく心理操作するのが必殺技、という冗談がある。インフィニティ・ウォーでメイガスは「この銀河でサノス以上の策士は存在しない」と言及。 --暴走したソーやエルダーズのチャンピオンと戦った時も、互角に渡り合えているにもかかわらずわざわざセコい勝ち方を選んだ。 --テレポートや宇宙関係の技術力が高いが、基本的には分野を問わず様々な学問に精通。遺伝子組み換えで自分とアイアンマン達5人をそれぞれ掛け合わせたクローンを5体作成している。 ---- **メディア展開 ***ゲーム -対戦格闘ゲームが大流行していた時期、『MARVEL SUPER HEROES』(1995年)にボスキャラとして登場。同時期に『インフィニティガントレット』が翻訳された事もあり、日本国内での知名度が高まる。 -ARPG『MARVEL ULTIMATE ALLIANCE』(2006年)ではエンディングで次回予告的にチラ見せ登場したが、続編に登場する事はなかった。 --が、13年の時を経て、2019年、『MARVEL ULTIMATE ALLIANCE 3』が発売され、無事伏線を消化する事が出来た。 -MMORPG「MARVEL HEROES」(2013年)では初期から真のラスボス&レイドボスとして予定されており、長く伏線を張っていたストーリーもサノスとの対決直前まで描かれていたが、2017年、開発・運営会社から社員が次々と辞職(ブラック企業体質が原因とフォーラムで噂されていた)。大型アップデートを目前にしてサービス終了という結末を迎え、サノスの出番は結局デモムービーのみで終わってしまった。 ***映画 -実写映画「アベンジャーズ」(2012年)ラストで、まさかの登場。「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」(2014年)では黒幕として暗躍。 --続く「エイジ・オブ・ウルトロン」(2015年)ではチラ見せ程度の登場で、映画でのヒーローとの直接対決は「インフィニティ・ウォー」(2018年)でようやく実現する。 ***アニメ -アニメ「アベンジャーズ・アッセンブル」ではシーズン3から登場し、アベンジャーズと対決。後にブラックオーダーも登場している。 -上記「アッセンブル」と世界観を同じくする(?)アニメ版「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」にも登場。主を失った後のブラックオーダーの末路も描かれている。 --本作は映画版と設定の共通点が多く、映画版ガーディアンズ1の続きのような雰囲気で視聴する事が出来る。