薔薇色の世界 ◆7RGbmc1fRg
慟哭を終えたのび太はひどく憔悴していた。
恐らく『ドラえもん』という人物は家族と同等か、それ以上とも言える絆で結ばれた友人なのだろう。
そんな人物がのび太を探すためのTV番組に出演していなかった……。のび太を見捨てた。
阿部は自らの軽率な発言を後悔する。
そもそも阿部が見た特別番組に出演している家族がのび太の両親だという確証すらなかったのだ。
そんな不確かな情報を伝え、意図はどうあれ結果的にのび太を傷つけた。
恐らく『ドラえもん』という人物は家族と同等か、それ以上とも言える絆で結ばれた友人なのだろう。
そんな人物がのび太を探すためのTV番組に出演していなかった……。のび太を見捨てた。
阿部は自らの軽率な発言を後悔する。
そもそも阿部が見た特別番組に出演している家族がのび太の両親だという確証すらなかったのだ。
そんな不確かな情報を伝え、意図はどうあれ結果的にのび太を傷つけた。
「ドラえもん……なんで……どうして……」
先程からのび太は塞ぎこみ、ブツブツと独り言を呟くばかりだ。
遅かれ早かれ名簿は確認しただろう。それだけならばこんなことにはならなかった。
阿部の行動さえなければ、友人たちとの再会を目指しきっとのび太は奮起していた。
その在り得たはずの未来を、阿部高和は殺したのだ。
遅かれ早かれ名簿は確認しただろう。それだけならばこんなことにはならなかった。
阿部の行動さえなければ、友人たちとの再会を目指しきっとのび太は奮起していた。
その在り得たはずの未来を、阿部高和は殺したのだ。
阿部は赤ん坊をあやす様、のび太の背を軽く叩く。
人生は常にベストな結果を出せるとは限らない。
しかしプロの自動車整備工として、常に完璧な仕事をするように阿部は心がけている。
言わばここはミスの許されない場面だった。
顧客の車に傷を付け、それに気づかず納品したようなものなのだ。
人生は常にベストな結果を出せるとは限らない。
しかしプロの自動車整備工として、常に完璧な仕事をするように阿部は心がけている。
言わばここはミスの許されない場面だった。
顧客の車に傷を付け、それに気づかず納品したようなものなのだ。
(……こりゃクビになっても仕方がないな)
大人として、いい男として、のび太のフォローはしっかりとしなければならない。
自分のケツくらいはきっちり拭く。
阿部はのび太を伴い、付近の民家を探し移動していく。
自分のケツくらいはきっちり拭く。
阿部はのび太を伴い、付近の民家を探し移動していく。
*
湾口から離れると、ちらほらと民家が見え始めた。
そのひとつに目をつけ、阿部とのび太は玄関へと足を踏み入れる。
そのまま家の中を歩き回り、目的の部屋を見つけた。
その部屋に入る前にと阿部はいくつか小道具を拝借し、ツナギのホックを下まで下げ生まれたままの姿となる。
そのひとつに目をつけ、阿部とのび太は玄関へと足を踏み入れる。
そのまま家の中を歩き回り、目的の部屋を見つけた。
その部屋に入る前にと阿部はいくつか小道具を拝借し、ツナギのホックを下まで下げ生まれたままの姿となる。
「男同士、一緒にひとっ風呂浴びようじゃないの! なにせ10年振りだからな。しっかり俺が背中を流してやるよ」
「え……でも、その……」
「遠慮するな。きっといい気持ちだぜ?」
「え……でも、その……」
「遠慮するな。きっといい気持ちだぜ?」
もごもごとのび太は口ごもる。
恥ずかしいのもそうだが、元気づけようとしてくれている阿部の明るさに着いていけないのだろう。
しかし阿部はそんなのび太を気にせず慣れた手つきで素裸に剥いてしまった。
そしてのび太の背を押し浴室に入り、温度調節をしたコルクを捻る。同時にシャワーヘッドから出てきたのは、温かい水。
恥ずかしいのもそうだが、元気づけようとしてくれている阿部の明るさに着いていけないのだろう。
しかし阿部はそんなのび太を気にせず慣れた手つきで素裸に剥いてしまった。
そしてのび太の背を押し浴室に入り、温度調節をしたコルクを捻る。同時にシャワーヘッドから出てきたのは、温かい水。
「わぁ……!」
シャワー、電気、家。
現代人にとってみれば当たり前のことだが、のび太からすれば何もかもが懐かしい。
ボディソープを濡らしたタオルに取り、阿部は風呂椅子に座らせたのび太の背を流す。
真っ白いタオルがあっという間に10年分の垢で黒くなり、拝借した新しいタオルでまた背を流す。
現代人にとってみれば当たり前のことだが、のび太からすれば何もかもが懐かしい。
ボディソープを濡らしたタオルに取り、阿部は風呂椅子に座らせたのび太の背を流す。
真っ白いタオルがあっという間に10年分の垢で黒くなり、拝借した新しいタオルでまた背を流す。
「どうだ? いい気持ちだろ?」
「はひ……!なんだか阿部さん、お父さんみたいだ……」
「フフッ、嬉しいこと言ってくれるじゃないの。さぁ……次は髭剃りだ」
「はひ……!なんだか阿部さん、お父さんみたいだ……」
「フフッ、嬉しいこと言ってくれるじゃないの。さぁ……次は髭剃りだ」
男二人が入るには少々狭い浴室に湯煙が立ち込める。
阿部はシェービングクリームを手に取ると、自分も昔父から教わったのを思い出しながら、のび太に髭剃りの仕方を教えてやるのだった。
阿部はシェービングクリームを手に取ると、自分も昔父から教わったのを思い出しながら、のび太に髭剃りの仕方を教えてやるのだった。
*
「んっ……?」
姫神秋沙と共に歩みを進めていた人吉善吉がピタリとその足を止める。
姫神は不思議そうに善吉を見上げるも、すぐにその理由を察した。
点在する民家の中に一軒だけ、灯りを点けている家が確認できる。
こんな夜中に電灯なぞ付けたら目立って仕方ないろうに。
だが灯りが点いているということは確かに人がいるという証拠だ。
そこにいるのはよほどの自信家か、マヌケか……もしくは罠か。
姫神は不思議そうに善吉を見上げるも、すぐにその理由を察した。
点在する民家の中に一軒だけ、灯りを点けている家が確認できる。
こんな夜中に電灯なぞ付けたら目立って仕方ないろうに。
だが灯りが点いているということは確かに人がいるという証拠だ。
そこにいるのはよほどの自信家か、マヌケか……もしくは罠か。
「姫神、ちょっと行って俺が様子を見てくる。その間だけここに隠れててくれ」
「うん……。無理はしないでね。人吉君。」
「うん……。無理はしないでね。人吉君。」
姫神を残し善吉は慎重に民家へと近づいていく。
もしこの家に潜む参加者が殺し合いに乗っていた場合は制圧、拘束するのがベストだ。
だが今は姫神もいる。出来れば戦いは避けたいし、様子見程度で済ませるのが賢明だろう。
相手には気づかれないよう偵察、『過負荷』ならばすぐ様引き返し姫神と合流。
相手がめだかちゃんならば最高なのだが、開始早々そんなラッキーがあるとは思えない。
もし見知らぬ参加者であった場合は、スキル『欲視力(パラサイトシーイング)』を行使する。
もしこの家に潜む参加者が殺し合いに乗っていた場合は制圧、拘束するのがベストだ。
だが今は姫神もいる。出来れば戦いは避けたいし、様子見程度で済ませるのが賢明だろう。
相手には気づかれないよう偵察、『過負荷』ならばすぐ様引き返し姫神と合流。
相手がめだかちゃんならば最高なのだが、開始早々そんなラッキーがあるとは思えない。
もし見知らぬ参加者であった場合は、スキル『欲視力(パラサイトシーイング)』を行使する。
スキル『欲視力(パラサイトシーイング) 』
善吉が庶務戦で臨死体験した際に訪れた謎の教室で、安心院なじみから貸し与えられたスキル。
効果は、『相手の見ている視界を盗み見る』というもの。
このスキルの強力さは、『他人が見ている世界を知ることにより、他人がどう考えているか推測、予想することが出来る』という一点に尽きる。
もしこのスキルをポーカーや対戦型アーケードゲームに利用すれば負けなしだろう。
なにせ相手の手札や手元が丸見えなのだ。そしてそれはつまり、相手の考えや行動が読めるということを意味する。
球磨川など、一見して危険人物と分からないようなヤツでもこのスキルを使用すれば騙し討ちを喰らうこともない。
善吉が庶務戦で臨死体験した際に訪れた謎の教室で、安心院なじみから貸し与えられたスキル。
効果は、『相手の見ている視界を盗み見る』というもの。
このスキルの強力さは、『他人が見ている世界を知ることにより、他人がどう考えているか推測、予想することが出来る』という一点に尽きる。
もしこのスキルをポーカーや対戦型アーケードゲームに利用すれば負けなしだろう。
なにせ相手の手札や手元が丸見えなのだ。そしてそれはつまり、相手の考えや行動が読めるということを意味する。
球磨川など、一見して危険人物と分からないようなヤツでもこのスキルを使用すれば騙し討ちを喰らうこともない。
灯りの漏れる窓に近づき善吉は妙なことに気づく。
これは……シャワーの音? さらによく見れば僅かに開いた窓の隙間から湯気まで漏れ出ている。
どうやらこの民家にいる参加者は風呂に入っているらしい。
これは……シャワーの音? さらによく見れば僅かに開いた窓の隙間から湯気まで漏れ出ている。
どうやらこの民家にいる参加者は風呂に入っているらしい。
(おいおい……まさか本当にめだかちゃんじゃないだろうな? いや、でもめだかちゃんなら……)
『女同士仲良く胸襟を開いて話そうではないか! ワーハッハッハッ!』
あり得る……十分あり得る……。
怯えた女の子を安心させるためとか、説得のためとかなんかそういう理由で……。
もうめだかちゃんとは10年以上幼馴染みをやっているが容易にその光景が想像できた。
いや、ちょっと待て? もし只今入浴中である人物が女性であったのなら俺はただの覗き魔になってしまうんじゃないか?
いやいや、そもそも他人の視界を覗こうなんてしてる時点で犯罪に片足入れてるような気もするし……。
いやいやいや、状況が状況だ。それにまったくの他意はないんだ。あくまで安全確保のため。煩悩などないッ!
善吉が意を決し覗き、改め偵察を敢行しようとする。だが同時に背後から何者かに羽交い絞めにされた。
怯えた女の子を安心させるためとか、説得のためとかなんかそういう理由で……。
もうめだかちゃんとは10年以上幼馴染みをやっているが容易にその光景が想像できた。
いや、ちょっと待て? もし只今入浴中である人物が女性であったのなら俺はただの覗き魔になってしまうんじゃないか?
いやいや、そもそも他人の視界を覗こうなんてしてる時点で犯罪に片足入れてるような気もするし……。
いやいやいや、状況が状況だ。それにまったくの他意はないんだ。あくまで安全確保のため。煩悩などないッ!
善吉が意を決し覗き、改め偵察を敢行しようとする。だが同時に背後から何者かに羽交い絞めにされた。
「……おっと、暴れるなよ。抵抗するなら俺も容赦しないぜ」
凄まじい力だ。ごつごつとした男の太い腕が善吉を拘束する。
反射的に善吉はスキル『欲視力(パラサイトシーイング)』を行使。背後の男の視界を盗み見る。
反射的に善吉はスキル『欲視力(パラサイトシーイング)』を行使。背後の男の視界を盗み見る。
男の視界からは『過負荷』特有の気持ち悪さは感じられない。
そして男が善吉に向ける目も敵意や害意ではあるが殺意ではない。
つまり怪しい行動をしていた善吉を取り押さえに来ただけなのだ。
ならば争う必要はない。事情を説明し、仲間になってもらえば……!
そして男が善吉に向ける目も敵意や害意ではあるが殺意ではない。
つまり怪しい行動をしていた善吉を取り押さえに来ただけなのだ。
ならば争う必要はない。事情を説明し、仲間になってもらえば……!
だがここで善吉は気づく。男が自分に向ける目は、常人のそれとは少し違うことに。
『過負荷』ならば劣等感、『異常』ならば優越感と言った風に他人を見ている。
しかしこの男が自分に向ける目はそのどちらにも当てはまらない。そしてそれが『普通』のものでもないことは善吉自身よく分かっている。
『ウホッ!いい男…』 『オレ、ホモなんです』
『ヒャッホーイ!』 『3連結だ!』
『俺には俺さえいれば…な!』
『小早川大尉どの 愛しておりました…』
男が善吉に向ける目、それは薔薇色の世界。男と男がぶつかり、愛しあう、まさに『男の世界』と呼ばれるヤマジュン・パーフェクト……!
そして善吉の背に押し当てられた男の固い逸物……男たちの魂の輝きに気づいた善吉は……
『過負荷』ならば劣等感、『異常』ならば優越感と言った風に他人を見ている。
しかしこの男が自分に向ける目はそのどちらにも当てはまらない。そしてそれが『普通』のものでもないことは善吉自身よく分かっている。
『ウホッ!いい男…』 『オレ、ホモなんです』
『ヒャッホーイ!』 『3連結だ!』
『俺には俺さえいれば…な!』
『小早川大尉どの 愛しておりました…』
男が善吉に向ける目、それは薔薇色の世界。男と男がぶつかり、愛しあう、まさに『男の世界』と呼ばれるヤマジュン・パーフェクト……!
そして善吉の背に押し当てられた男の固い逸物……男たちの魂の輝きに気づいた善吉は……
「アッ――――――――――!!!!」
会場内に善吉の叫びが響き渡った。
どう考えてもヤバイ。ヤバ過ぎる。殺すとか殺されるのとは別の、まったく違ったベクトルの恐怖が善吉を襲う。
もうそれだけは死んでもされたくない、母さんに泣きついて情けなく助けを求めても今だけは許されるだろう。
どう考えてもヤバイ。ヤバ過ぎる。殺すとか殺されるのとは別の、まったく違ったベクトルの恐怖が善吉を襲う。
もうそれだけは死んでもされたくない、母さんに泣きついて情けなく助けを求めても今だけは許されるだろう。
「勘弁してください!俺ホントそういう趣味ないッスから!」
「おいおい、暴れんなよ、元気一杯なんだなぁ。だが俺もおさまりがつかないんだよナ。トコトン相手してやるぜ(戦闘的な意味で)」
「おいおい、暴れんなよ、元気一杯なんだなぁ。だが俺もおさまりがつかないんだよナ。トコトン相手してやるぜ(戦闘的な意味で)」
どんな状況でも対応できるよう鍛え上げたソバットも流石にこんな状況は想定してはいなかった。
めだかちゃんを守るために修練してきたと言うのに、まさか自分が男に、性的な意味で狙われるとは。
球磨川に植えつけられたトラウマが再発した時よりも恐ろしかった。
めだかちゃんを守るために修練してきたと言うのに、まさか自分が男に、性的な意味で狙われるとは。
球磨川に植えつけられたトラウマが再発した時よりも恐ろしかった。
「お前ここでおっ始める気か? いいぜ、俺も小僧に負けるほどヤワな鍛え方はしてない。覚悟しな。(主に戦闘的な意味で)」
「イヤだ―――!!それだけはイヤだ―――!!!(性的な意味で)」
「おいおい、誘ったのはお前さんだぜ? 今更待ったはないんじゃないの?(もちろん戦闘的な意味で)」
「イヤだ―――!!それだけはイヤだ―――!!!(性的な意味で)」
「おいおい、誘ったのはお前さんだぜ? 今更待ったはないんじゃないの?(もちろん戦闘的な意味で)」
男は既に全裸だった。ヤル気満々である。
しかも『欲視力』を発動しっぱなしにしている。このまま自分が掘られる光景を相手目線で見ながら掘られることになるのか。
最悪を通り越して地獄だ。現実だとは思えない。
殺し合い、球磨川、今の状況、その全部がそれぞれ、究極の最悪ばかり。
そしてここに更なる珍入者が加わる。
しかも『欲視力』を発動しっぱなしにしている。このまま自分が掘られる光景を相手目線で見ながら掘られることになるのか。
最悪を通り越して地獄だ。現実だとは思えない。
殺し合い、球磨川、今の状況、その全部がそれぞれ、究極の最悪ばかり。
そしてここに更なる珍入者が加わる。
「キャっ―――!?ひ、人吉……君……!?」
姫神秋沙が善吉の悲鳴を聞き駆けつけていた。
理解の範疇を超えたその光景に姫神は顔を赤らめ思わず自らの目を手で覆う。
理解の範疇を超えたその光景に姫神は顔を赤らめ思わず自らの目を手で覆う。
(あ……ありのまま 今 起こった事を話すわ。
人吉君が。全裸の。……『いい男』に。後ろから抱きつかれていた。
何を言っているのかわからないと思うけど。私も何が起こっているのかまったく分からない。
BLとか。薔薇とか。そんなチャチなものとは断じて違う。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったわ……。)
人吉君が。全裸の。……『いい男』に。後ろから抱きつかれていた。
何を言っているのかわからないと思うけど。私も何が起こっているのかまったく分からない。
BLとか。薔薇とか。そんなチャチなものとは断じて違う。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったわ……。)
少女はその指の隙間からこっそりと薔薇色の世界を網膜に焼きつける。
……見てはいけないと分かっているのだが、なぜか見てしまいたくなる衝動にかられる。
……見てはいけないと分かっているのだが、なぜか見てしまいたくなる衝動にかられる。
「姫神―――ッ!!頼む、お願いだッ!助けてくれッ!!」
「おや?あれはお前さんの友達か?ヤル気ってわけじゃないの?」
「おや?あれはお前さんの友達か?ヤル気ってわけじゃないの?」
お互いがお互いを見つめ合う。喧騒はあるが、彼らの間に殺気はなかった。
――やがて、阿部は善吉を解放し、民家の中へと手招きする。
迷いながらも確実に三人、いや……四人はひとつの場所に集結していく。
――やがて、阿部は善吉を解放し、民家の中へと手招きする。
迷いながらも確実に三人、いや……四人はひとつの場所に集結していく。
615 名前: ◆7RGbmc1fRg[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 17:05:10 ID:WYtDv9..0 [7/10]
*
「ホンット勘弁してくださいよ阿部さん!」
「ははっ、悪い悪い。でも人吉が言えたことじゃないだろ? あからさまに怪しい奴がいたんだ。誰だって警戒するだろ?」
「じゃなんで全裸だったんッスか!!?」
「ほらアレ、風呂上りだったから。仕方ないだろ?」
「ははっ、悪い悪い。でも人吉が言えたことじゃないだろ? あからさまに怪しい奴がいたんだ。誰だって警戒するだろ?」
「じゃなんで全裸だったんッスか!!?」
「ほらアレ、風呂上りだったから。仕方ないだろ?」
普通せめてパンツを履くのが常識だと思う。
姫神、善吉、阿部に加え、のび太の4人はとりあえず簡素な情報交換を済ませる。
阿部は元のツナギを着直し、のび太はヒゲを剃り、ボロボロだった服も着替え身なりを整えた。
今ではパリっとした白のYシャツと、ネイビーのスラックス姿。
これでもう浮浪者や野人と思われることはない。
姫神、善吉、阿部に加え、のび太の4人はとりあえず簡素な情報交換を済ませる。
阿部は元のツナギを着直し、のび太はヒゲを剃り、ボロボロだった服も着替え身なりを整えた。
今ではパリっとした白のYシャツと、ネイビーのスラックス姿。
これでもう浮浪者や野人と思われることはない。
「で……姫神はどっからどこまで見てたんだ?」
「えっと……『誘ったのはお前さんだぜ?』のあたりからずっと……」
「えっと……『誘ったのはお前さんだぜ?』のあたりからずっと……」
善吉は頭を抱え項垂れた。
最悪である。一番見られたくないところから見られていた。
そういえば姫神の善吉を見る目が微妙に変わったような気がするのは気のせいだろうか?
最悪である。一番見られたくないところから見られていた。
そういえば姫神の善吉を見る目が微妙に変わったような気がするのは気のせいだろうか?
「そうか……あのインデックスって子は君の友達だったのか……。すまん、辛いことを無理に聞いちまって……」
「ううん。いいの。でも今は早く。あの子を弔ってあげたい……。あのままじゃ。かわいそう……」
「ううん。いいの。でも今は早く。あの子を弔ってあげたい……。あのままじゃ。かわいそう……」
インデックスを想う姫神の目はまた潤みはじめる。
それに敏感に反応したのはのび太だった。
自分は友達に裏切られた、姫神は友達を失った。
自分と姫神秋沙は同じなのだと思えた。
それに敏感に反応したのはのび太だった。
自分は友達に裏切られた、姫神は友達を失った。
自分と姫神秋沙は同じなのだと思えた。
「なるほど、それで君たちは学校を目指してたってわけか。そういうことなら付き合うぜ。人手もいるだろ?」
「あ、ああっ……構わねぇよ阿部さん。それと……よろしくな!野比さん!」
「のび太で……いいでふっ……善吉さんは、やっぱりお兄さんでふから……」
「そ、そうか……ならよろしく頼むぜ、のび太」
「あ、ああっ……構わねぇよ阿部さん。それと……よろしくな!野比さん!」
「のび太で……いいでふっ……善吉さんは、やっぱりお兄さんでふから……」
「そ、そうか……ならよろしく頼むぜ、のび太」
のび太は急に人が増え動揺しているようだった。
のび太については姫神と善吉も簡潔にだが事情を聞かされている。10年間孤島で生活し、行方不明となっていた少年。
今では善吉より年上の大人と言える年齢に達している。
しかしのび太は善吉から見ても、体ばかり大きくなり、彼のなかの時間は小学生で止まってしまっているようだった。
のび太については姫神と善吉も簡潔にだが事情を聞かされている。10年間孤島で生活し、行方不明となっていた少年。
今では善吉より年上の大人と言える年齢に達している。
しかしのび太は善吉から見ても、体ばかり大きくなり、彼のなかの時間は小学生で止まってしまっているようだった。
当面の目標はD-5の高等学校を目指し、インデックスを弔ってやることに決まった。
あとは行動あるのみだ。阿部はのび太の分の荷物もまとめてやりながら出発の準備をする。
しかしのび太は俯き、気が進まない様子だ。その理由は阿部ならば理解できる。
学校という施設、のび太の昔の友人達を結びつける数少ない施設。
もう社会人となり、働きに出ているであろう彼らだが、小学校のころ突然姿を消したのび太の名が名簿にあるのだ。来る可能性はある。
もしそこにのび太の友人たちがいたなら、のび太はどんな顔をして彼らに会えばいいのだ?
そして彼らは、長年見ることのなかったのび太と再会し、何を言うのだ?
友情は……10年の時を超えられるのだろうか?
もう彼らは、自分のことなんて忘れてしまっているのではないか……そう、のび太は考えていた。
あとは行動あるのみだ。阿部はのび太の分の荷物もまとめてやりながら出発の準備をする。
しかしのび太は俯き、気が進まない様子だ。その理由は阿部ならば理解できる。
学校という施設、のび太の昔の友人達を結びつける数少ない施設。
もう社会人となり、働きに出ているであろう彼らだが、小学校のころ突然姿を消したのび太の名が名簿にあるのだ。来る可能性はある。
もしそこにのび太の友人たちがいたなら、のび太はどんな顔をして彼らに会えばいいのだ?
そして彼らは、長年見ることのなかったのび太と再会し、何を言うのだ?
友情は……10年の時を超えられるのだろうか?
もう彼らは、自分のことなんて忘れてしまっているのではないか……そう、のび太は考えていた。
詳細な事情を知らない善吉はどうしてこうなっているのかが分からない。
事情を知りすぎている阿部は、のび太をどう元気づけてやればいいか考えあぐねる。
だがこの場で唯一の大人は自分であり、数時間とはいえのび太との付き合いは長いのだ。
やはりここは自分が行かねばと、阿部が口を開きかけたとき
事情を知りすぎている阿部は、のび太をどう元気づけてやればいいか考えあぐねる。
だがこの場で唯一の大人は自分であり、数時間とはいえのび太との付き合いは長いのだ。
やはりここは自分が行かねばと、阿部が口を開きかけたとき
「行こう?のび太さん」
姫神秋沙が、野比のび太に手を差し伸べる。
何気ない姫神のその行動が、のび太の10年前の記憶を掘り起こした。
何気ない姫神のその行動が、のび太の10年前の記憶を掘り起こした。
『こんにちは、のび太さん』
『どうしたの?のび太さん』
『のび太さん』『のび太さん』『のび太さん……』
『どうしたの?のび太さん』
『のび太さん』『のび太さん』『のび太さん……』
しずかちゃん……のび太が想いを寄せる女の子。
もちろん姫神としずかちゃんでは髪型も、声も、年齢も、服装も、何もかもが違う。
ただ彼女が偶然口にしたのび太の呼び名が、しずかちゃんのものと同じだった。
洪水のように押し寄せる過去の記憶の奔流。
真面目で、おしとやかで、困った人を見かけると放っておけないやさしいしずかちゃん。
ジャイアンたちにいじめられても、しずかちゃんだけは僕を庇ってくれた。
会いたい。もう忘れてしまっているかもしれないけど、しずかちゃんにだけはまた会いたい。
のび太はそう強く願い、涙をYシャツの袖で拭きながら姫神の手を取る。
もちろん姫神としずかちゃんでは髪型も、声も、年齢も、服装も、何もかもが違う。
ただ彼女が偶然口にしたのび太の呼び名が、しずかちゃんのものと同じだった。
洪水のように押し寄せる過去の記憶の奔流。
真面目で、おしとやかで、困った人を見かけると放っておけないやさしいしずかちゃん。
ジャイアンたちにいじめられても、しずかちゃんだけは僕を庇ってくれた。
会いたい。もう忘れてしまっているかもしれないけど、しずかちゃんにだけはまた会いたい。
のび太はそう強く願い、涙をYシャツの袖で拭きながら姫神の手を取る。
(どうやら……俺の出る幕じゃなさそうだな……)
善吉も姫神も、本当に気持ちのいい若者たちだ。
こんな奴らばかりなら、殺し合いなんて起こらないんじゃないか?
阿部はフッと笑い、そんな考えが出てしまう自分を甘いと戒める。
――だが、これは悪くない感情だ。信じることを忘れたら、それはもう人間ではなくなる。
こんな奴らばかりなら、殺し合いなんて起こらないんじゃないか?
阿部はフッと笑い、そんな考えが出てしまう自分を甘いと戒める。
――だが、これは悪くない感情だ。信じることを忘れたら、それはもう人間ではなくなる。
そして阿部はもう一人の、自分だけが知る若者の名を心のなかで呼ぶのだ。
――――――――――道下正樹
お前も強く生きるんだ。こんな殺し合いに負けるんじゃないぞ。
善吉や、姫神や、のび太のような。美しく輝く、この薔薇色の若者たちのように……。
善吉や、姫神や、のび太のような。美しく輝く、この薔薇色の若者たちのように……。
【F-6・民家/1日目・黎明】
【阿部高和@くそみそテクニック】
【状態】健康
【装備】 なし
【持ち物】基本支給品一式、不明支給品1~3
【思考】
基本: 殺し合いから脱出する
1: 高等学校に向かい善吉たちと共にインデックスを弔う
2: のび太を両親と会わせてやりたい
3: のび太が落ち着いたら支給品を確かめる
【備考】
※参戦時期は原作終了後
※阿部が見た番組が本当にのび太の両親のものかは不明です。
【阿部高和@くそみそテクニック】
【状態】健康
【装備】 なし
【持ち物】基本支給品一式、不明支給品1~3
【思考】
基本: 殺し合いから脱出する
1: 高等学校に向かい善吉たちと共にインデックスを弔う
2: のび太を両親と会わせてやりたい
3: のび太が落ち着いたら支給品を確かめる
【備考】
※参戦時期は原作終了後
※阿部が見た番組が本当にのび太の両親のものかは不明です。
【人吉善吉@めだかボックス】
【状態】 健康
【装備】 生徒会制服
【持ち物】 支給品一式、ランダム支給品1~3(確認済み)
【思考】
基本: 殺し合いを止める。
1: 姫神を守る
2: 高等学校に向かい姫神と共にインデックスを弔う
3: 球磨川達は殺しはしないとおもうけど……。
【備考】
※生徒会選挙会計戦における爆発寸前より参戦。
※姫神から学園都市の話を聞きましたが懐疑的です。ただ嘘だとは決めつけていません
※確認済みの支給品はあまり役に立つものではありません
【状態】 健康
【装備】 生徒会制服
【持ち物】 支給品一式、ランダム支給品1~3(確認済み)
【思考】
基本: 殺し合いを止める。
1: 姫神を守る
2: 高等学校に向かい姫神と共にインデックスを弔う
3: 球磨川達は殺しはしないとおもうけど……。
【備考】
※生徒会選挙会計戦における爆発寸前より参戦。
※姫神から学園都市の話を聞きましたが懐疑的です。ただ嘘だとは決めつけていません
※確認済みの支給品はあまり役に立つものではありません
【姫神秋沙@とある魔術の禁書目録】
【状態】 深い悲しみによる無気力状態 (少し回復?)
【装備】 歩く教会@とある魔術の禁書目録
【持ち物】 支給品一式、ランダム支給品1~2(確認済み)
【思考】
基本:殺し合いには乗らない。
1: 高等学校に向かい善吉と共にインデックスを弔う
2: 上条君に会いたい
3: 男の子同士……ドキドキ
【状態】 深い悲しみによる無気力状態 (少し回復?)
【装備】 歩く教会@とある魔術の禁書目録
【持ち物】 支給品一式、ランダム支給品1~2(確認済み)
【思考】
基本:殺し合いには乗らない。
1: 高等学校に向かい善吉と共にインデックスを弔う
2: 上条君に会いたい
3: 男の子同士……ドキドキ
【備考】
※参加時期は大覇星祭後です。
※確認済みの支給品は歩く教会以外あまり役に立つものではありません
※歩く教会の効果によって吸血鬼を引き付けることはありません。
※参加時期は大覇星祭後です。
※確認済みの支給品は歩く教会以外あまり役に立つものではありません
※歩く教会の効果によって吸血鬼を引き付けることはありません。
【野比のび太@ドラえもん】
【状態】健康(21才の姿)、精神的に不安定
【装備】 白のYシャツ、ネイビーのスラックス
【持ち物】 基本支給品一式(食料をかなり消費)、不明支給品1~3
【思考】
基本: 家に帰ってパパとママに会いたい! しずかちゃんにも会いたい。
1: 阿部さんたちに着いて行く
2: 阿部さんと会えてよかった
3: スネ夫やジャイアンに会ったら……
【備考】
※参戦時期は単行本14巻「無人島へ家出」でドラえもんに救助される直前
【状態】健康(21才の姿)、精神的に不安定
【装備】 白のYシャツ、ネイビーのスラックス
【持ち物】 基本支給品一式(食料をかなり消費)、不明支給品1~3
【思考】
基本: 家に帰ってパパとママに会いたい! しずかちゃんにも会いたい。
1: 阿部さんたちに着いて行く
2: 阿部さんと会えてよかった
3: スネ夫やジャイアンに会ったら……
【備考】
※参戦時期は単行本14巻「無人島へ家出」でドラえもんに救助される直前
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| 帰ってきた少年 | 野比のび太 | |
| 阿部高和 | ||
| 先へと | 姫神秋沙 | |
| 人吉善吉 |