どこからともなく鳴り出す軽快な例の音楽(デスメタル調)――
表示される謎のテロップ――"邪禍様の三分以上クッキング"
「――――ヒャアアアァァアアーーハッハッハッハッハァアァアーーッ!」
「人間共ッ!」 「俺様の三分間クゥッキングが始まったぞ、目ェん玉よォーくかァっぽじって見ィてな!」
『さて始まりました、邪禍様の三分以上クッキング、……司会は僕が務めさせて頂きます』
『……あっ、ごめんなさい、普段は喋っていませんのでわかりませんよね』
『僕は"豊穣と風の翼蛇"です――"ケツァルコアトル"とも呼ばれていますね』 『性格設定が、ユウトと被っているのが悩みです……』
{そして、[onomatopoeia]ってトマトっぽい、いやいや斧っぽい……なんてわけのわからない会話で作られちゃった僕!}
{無理矢理擬音要素足すのに、ピーアピーアなんて鳴き声設定付けないでよ!} {というわけで、僕は出番のない"オノマトピーア"だよ!}
{ここでも出現頻度は低いけれどね!} {キャラかぶり?} {ボスとヘケメトも結構被ってるよね!} 「うゥるせェ!」
「じゃアー、さァっそく始めるぞォッ!」
「今回作るのは、あァの素ゥん晴らしい"黒霧"の力をよォり引ィき出す為の生ィき物だ」
「まず用意すゥるのは"レヴィアタンの鱗"一枚!」 『僕よりも有名なだけあって、性能は申し分ないです』
「……痛ェッ、指切ィったァッ!」 『……不慮の事故が発生しましたが、"血"は何かと力がありますし、むしろ好都合と思いましょう』
「ヒャハハハ、不ゥ慮の事ィ故じゃあねェ!」 「今、指を切ィったのはわァざとだ、俺様の血をアァクセントにすゥるためのなァァアア」
『(……ごめんなさい、どう考えても不慮の事故としか…………)』
{カレーで例えるなら白いご飯ってところだね!}
「鱗の魔力を活ィかしつつ、魔力充填をより良くするために……惜ォしみなく投入してやるッ!」
『それは、濃闇の魔金属じゃあないですか!』 『邪禍様、よく手に入りましたね』
「ヒャハハハ、俺様がこォの世界に来ゥる前に手ェに入れてから、温めていたんだぞ」 『貴重ですものね』 「半分残して置ォくけどな!」
{カレーで例えるなら、お皿ってところだね!}
「ヒャハハハ、カァノッサ機ィ関とのコォネクトで手ェに入れた"哲学者の卵"――」
「実はなァ、そォいつを使ってこォんなモン作ってたんだ」
『哲学者の卵をベースに、邪禍様の魔力や2月の上旬に人間から手に入れた闇魔力の塊を混ぜて作られたのですよね』
「そォーだ!」 「名ァ前は"エピベテア"――悪しき闇の幼体、卵って言ィったところだァァアア」
「漆黒の宝石に纏われた闇……伸ォびて寄ィ生すれば、……ヒャハハハッ!」
『それをまさか……』 「投入ッ!」 「"哲学者の卵"の根ェ付く性質を遺憾なく発揮してもォらうッ」
{カレーで例えるなら、肉ってところだね!}
「そォーだ、"黒影"から手ェに入ィれていた"ドォス黒い怨念エェネルギー"があァったんだ」
「なァんか良ォい方面に働きそォーだからな、ぶゥち込んでやるッ!」
{カレーで例えるなら、人参ってところだね!}
「こォこで俺様の魔ァ力――"生命と変化の、混沌の魔ァ力"をたァっぷりぶゥち込むッ!」
『生命を作られる際にも魔力は使われますが、それとは別に材料として投入することも可能なのですよ!』
「ヴゥゥ…………ヴォオオエエエエエッ」 『(酔っ払った人間みたい……)』
「……ヒャハハハ、泥ッ泥で濃厚な俺様の魔ァ力、こォんだけあァれば良ォいだろッ」
{カレーで例えるなら、じゃがいもってところだね!} 『あの……じゃがいもだらけじゃあないですか』
「エェネルギー補ォ給の効率を良ォくするには……こォれだァッ!」
『人間の悲鳴などを食べるアスモゥ族の身体の一部、ですね』 「そォの機ィ能を応用させて貰うぜェェエエ」
{カレーで例えるなら、チーズってところだね!} 『微妙なところに来ましたね』
「……そォー言ィえば、偶然"負のエネルギーの塊"を拾ってたなァ…………」
「俺様も苦手だが、間ァ違いなく良ォい作ァ用を発揮するはず!」
{カレーで例えるなら、ホットガラムマサラってところだね!} 『いきなり変なところに飛びましたね』
「ヒャァァアアアーーーーーハッハッハッッハァッ!」
「こォこでメェインの登場!」 『黒い霧の素ですね』 「今回はこォいつをベースに、魔物を作る」
「だァから、幾ら"エピベテア"が支ィ配済みとは言ィえ……再支配が必要になァるッ!」
『ですから、私達が護衛として出ているんですよね?』 「そォーだ」
『……試験管ごと、素を魔力泥に突き刺しましたね』 「試ィ験管から出ァしたら減ェっちまうからな」 『大丈夫だと思いますけれど……』
{カレーで例えるなら、勿論ルーってところだね!} 『(……じゃがいも役がルーに見えるのですが…………)』
「闇と光は相反しィあうもの!」 「だァが、"母"の血を入れればお互いを潰し合ァわない」
『僕のお母さんの血、ですか』
{例えば赤と青と緑の絵の具を混ぜ合わせちゃうと汚くて赤の良さも青の良さも緑の良さも現れないよね!}
{でも、この血を入れるとね、潰し合うどころかむしろ相乗効果を生み出してくれるんだ!} 『……カレーは?』
「ヒャハハハ、全部の材料を入ィれたら……魔ァ法陣展開ィィッ!」
「"材料"を混ァぜ合わせて……一つの生き物にすゥるッ!!」
――数十分後――
『流石邪禍様、強大な力の合成に成功しましたね!』 「ヒャ、ヒャハハッ!」
{レヴィアタンの鱗と濃闇の魔金属で出来た、人間の頭くらいの大きさの壷みたいだけど――あ、サザエみたいな蓋がある}
「こォの中に、素ゥん晴らしい"混沌の種"が入っていィるんだ」
『ある程度弱らせないと支配しづらいんですよね?』 「無ゥ抵抗なら問題ねェ」
「……黒霧ッ!」 「俺様の部ゥ下になれェェエエッ!」
『ああっ、蓋が開いて出てきた闇が邪禍様に食い込んでいるっ!』 {エネルギーをチューチュー吸い取っているみたいだね!}
「――ヒャハハハ、こォれなら"母"の魔ァ力も十二分に活ィかせるゥゥウウ!」
「俺様の予ォ定が正しければッ!」 「壺の中にあァる"元・哲学者の卵"――"核"を殴れば怯むッ!」 「弱るッ!」
「――――」 デュクシデュクシ 「……ヒャハッ、エェネルギードォレインが弱った、動きも鈍った!」
「今だァァアアアッ!」
――――
『邪禍様やりましたね!』 「なァんとか……支ィ配成功だァァアア」
「壷の中はまァさしく"混沌"だァ――蝕(哲学者の卵)、負、怨、闇――そォして俺様の魔力」
「そォいつらが坩堝してやァがるぜェェエエ、ヒャハハハ」
「もォし後で追加してェモノが増えても、一度支配しちまったなら楽に混ァぜられるッ!」
「こォれなら!」 「レナールとは味の違ェ、素ゥん晴らしい混沌を運べる」
「――――ヒャハハハ!」 「……休憩したら、"母"を捕ォらえに行くぞォォオオ」
「底知れぬ混沌を導くこォの壷……よォし、こォいつの名前は深淵の門――"アビスゲート"だッ!」 {それ知ってるよ、地層を冥無無に書き換える技だよね!} 「違ェッ!」
これは――黒い霧を貰った後、魔海にある住居にて行われていたらしい、調理の風景である