【概要】
昼の国南部に位置する
〝教会〟の為だけの都市であり、聖地である。
諸々の事情で更地となってしまったが
大司教フレデリックを始めとした教徒たちの手によって
徐々に復興の道を歩みつつ有る。観光名所は巨大な鬼の遺骸とそれに並ぶ
機兵ヴァルゴ
そして結婚式を挙げることも可能な真新しい大聖堂である。また、
大司教の妻がレシピを再考した『甘味 剣ヶ団子』は名産である。
現在、
混沌の大司教の悪意によって大司教であるフレデリックが不在となっている。
その為、かつて彼の指揮下であった騎士、アレクサンデル公が大司教代理を務めている。
もっとも彼は政治向きの人ではないため、実質的に都市の機能は大きく落ちている。
昼の国南部に位置する〝教会〟のためだけに人々が集う都市。
外界から隔離された土地には無数の聖堂や修道院が立ち並び、多くの教徒が生活を共にしている。
その歴史は古く、数百から千年前後の昔にまで遡る。その為、長い知識の蓄積によって
様々な魔術や学術論が生み出されており、非常に深い叡智の都市ともなっている。
そういった知識の集積する図書館は外部の人間でも立ち入ることが出来、それ目当ての来訪をするものも居るとか。
純粋に歴史的な趣も強いため、はしゃぎ過ぎなければ観光としても良い場所かもしれない。
またゼン=カイマは他の宗教的集団とは違って陸の孤島とも言える場所に自らの手で都市を切り開いた側面があるからか
数多くの騎士団を傘下に持っている。それぞれ由来は異なるものの、教徒、騎士、共に時の大司教に従うようである。
現在(2014年春~初夏)は彼ら騎士団を主として教徒の多くが
〝聖地巡礼〟に向かっており、先導するのは
第三近衛騎士団長 兼 ゼン=カイマ大司教である『フレデリック・シャリエール』である。詳しくは後述。
【近衛騎士団】
ゼン=カイマの全てを守護する為に、都市の成り立ちと共に結成された騎士団である。が、現在は解散している。
メンバーは全員が精鋭であり、非常に高い信仰心と戦闘能力、神学の知識などを有する事が加入の最低条件となる。
近衛騎士団は長い歴史の中で特に優れた時期を第一、第二と特別に番号を付けて呼称する習わしがあり
特に黎明期の物を第一に、その百年後の拡張期の物を第二とし、現在の騎士団は〝第三近衛騎士団〟と呼ばれている。
一つ前のものから数百年後になっての順列であることから、その優秀さは言うまでもないことであろう。
事実、彼らは諸国の人に仇なす存在に対する遠征を時折実行しており、騎士団長自身もまた個人で討伐などに赴くこともある。
かつての〝聖地巡礼〟を指揮したのは主として近衛騎士団の面々であり、次点で他の騎士団員である。
この行為の理由は『汚れきった教会の浄化と戒め』であるとされ、巡礼の発布時にはフレデリック自身が
汚職と賄賂に手を染めた司教の一人をテレビ中継中であるにも関わらず殺害し、強引に大司教となっている。
その為、ゼン=カイマの聖地巡礼は巡礼先の教会諸派閥、またゼン=カイマに居た汚職司教達によって糾弾されており
巡礼先の『
風の国・大聖宮ヴィンド』、『
夜の国・希望の灯』、『聖都スラウロット』では
結果的に悪徳に塗れた司教や教徒が裁かれた、ということも特筆しておくべきか。以下は各都市の情報である。
- 〝大聖宮ヴィンド〟
風の国に位置する聖地。世界中を布教して回った聖人ヨナの没した地であり、大きな聖堂は『大聖宮』と呼ばれる。
フレデリック率いるゼン=カイマ勢力が最初に立ち入った地であり、その際は大きな衝突も在ったものの
最終的にはこの地の大司教とフレデリックとで和解、武装解除を宣して事なきを得たのだった。
- 〝希望の灯〟
夜の国に位置する聖地。大仰な聖堂などではないものの、丘陵の上に立てられた灯台が礼拝の地である。
此処には聖女エイレネが生み出した〝永久に消えない炎〟が灯されており
事実、既に辿れる限りの記録の上ではこの灯台は周囲四方を眩く照らしだしている。
かつて聖女エイレネの信仰は異端とされ、彼女は忌むべきとされた古い夜の国へ追いやられた。
しかし彼女は尚も一人で彼の地を巡り、やがて人々の希望として奇跡の炎を生み出した。
希望の灯はそういった彼女の思いが形を持ったものであり、現在も人々を導き続けている。
- 〝聖都スラウロット〟
教会の本拠地と言っても差し支えない、最大規模の派閥が位置する土地である。
この地には複数名の聖人が眠っており、予定では巡礼の最終到達点となっている
都市そのものについて詳しく知りたい場合は『旧wiki』をご参照頂きたい。
【聖地巡礼以降のゼン=カイマにおける宗教的改革】
壊滅したゼン=カイマは復興の道を進み始めて一から街を作り始めるにつけ、同時にその信仰のあり方も見直すことになった。
まず聖職者の強すぎる権限、これは正に教会の堕落と腐敗の根本的かつ直接的原因であった。
ゼン=カイマの長であるフレデリック・シャリエールはこれを廃し、神の下に全ての人は平等であるという聖書の記述どおりに立ち返った。
つまり司教・司祭といった特権階級を廃し、万民が平等に「神」と「聖書」のみを信じるという基本に回帰するのである。
勿論大司教も同じ。現在は復興を指揮するために一定の権限を有しているが、宗教的には何の力も持たない。(政治的には指揮権限を有する)
便宜上ゼン=カイマを治める長を大司教と呼ぶが、信仰上の立場は他の信者と全く変わらない。
現在は大司教はフレデリック・シャリエールが務めているが、一定期間を終えるとゼン=カイマの全ての民の中から選挙で選ばれることとなる。
かつて司教や司祭の立場にあった者は、「正しい信仰を指導する者」として「牧師」となった。
こうしてフレデリックが腹心の部下エルヴェツィオ・サルヴァトーリに語った通りに、ゼン=カイマは〝十字架一つからやり直す〟こととなったのである。
そしてもう一つ。フレデリックは、難しくて神学校を修了でもしない限り読めなかった聖書を全ての民が読めるよう、平易な文で翻訳した。
全ての民が聖書を読めるようにすることにより、皆が正しい神の教えを理解できるようにしたのである。
聖書は特別な立場の物のみが読むものにあらず。全ての民が読み、理解し、そして信仰するべきものである。
―――かつて〝詳しいのは聖書のみ〟と妻に語ったフレデリックが翻訳した聖書は、万民に広く「正しい神の教え」を広める結果になった。
そう、これは聖書に詳しかったフレデリックだからこそ為せた大業である――――。
(こちらの設定はマリアさんの方に考えて頂きました。この場を借りて感謝致します)
最終更新:2015年06月09日 03:29