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ナイトウィザード!クロスSS超☆保管庫
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ナイトウィザード!クロスSS超☆保管庫

第10話

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だれでも歓迎! 編集
「そういや、ロンバルディアってのは誰なんだ?」
相も変わらず赤い月が照らすクアトリーの街の入り口で柊がたずねる。
「ドラゴンだ。前にARMSに協力してもらったことがあってな。あいつがいなければグラブ・ル・ガブルへ行くのは難しいだろう」
柊の疑問にブラッドが答える。
「へえ…ドラゴンか。乗るのは初めてだな」
それを聞いて、柊はファンタジーRPGではお馴染みの姿を思い浮かべていた。
「あ、見て!あれがロンバルディアだよ!」
「へえ、どれどれ…ドラゴン?」
リルカの指差した方を見て、柊は首を傾げる。
そちらから飛んできたのは一機の巨大な飛行機だった。
戦闘機を思わせる流線形のフォルムだが、カラーリングは特撮映画にでも出てきそうな赤と白と青。
それは減速して墜落するようにまっすぐ柊たちに向って降りてくる。
地面に激突する寸前、それは飛行機からヒト型へと変形する。そして、合成音を思わせる声でしゃべった。
「久しいな。ARMSよ。我の力を借りたいとのことだが、思ったよりも大所帯だな」
「ああ。すまないが、グラブ・ル・ガブルまで行きたい。連れて行ってくれないか」
「よかろう。その位ならばお安い御用だ」
「う~ん。ドラゴンって言うよりは変形ロボだな」
その姿を見て柊は率直な感想を洩らす。
爬虫類を思わせる顔や2枚の翼はドラゴンに見えなくもないが、変形機構と鎧を着込んだような姿はヒーローが乗り込むロボットを連想させた。
「え?ファルガイアではドラゴンって言ったらこれだよ?」
「いや、まあそうなんだろうけどよ…」
どこか納得のいかない柊であった。

「この先は我自ら案内しよう。皆は休んでくれてかまわんぞ」
「そうか…すまない。ロンバルディア、頼む」
ロンバルディアに乗り込み、つくまでの間は特にすることが無い。
各々はそれぞれ自らの装備の最終点検をしたり持ってきたアイテムの確認をして過ごす。

ARMと擬体と言う整備点検が必須である武器を扱う3人は各々の武器を点検する。
「ふう…俺のはOKみたいだ。2人はどうだ?」
「ああ、俺も点検はとうに終えている。時間があればカスタマイズも考えたが、今回はこれで行くしかないな」
「私の方も、問題無い。元々整備点検の不備が命にかかわる身体だからな。抜かりはない」

リルカが回復アイテムなのであろう食糧がパンパンに入ったバッグを持っているのを見て、晶がたずねる。
「あれ?回復アイテムとかはリルカが持つの?ブラッドさんやアシュレーさんが持った方がよくない?」
「え?ああ、いいの。ミスティック使えるの私だけだから」
「ミスティック?」
「うん。アイテムの真の力を引き出すって技。クレストソーサレスの必修なんだ。
アイテムの力を引き出せなくっちゃクレストグラフの力も引き出せないとかで」
「へえ、そんなのがあるんだ」

ロンバルディアに乗り込み、柊はグラブ・ル・ガブルについて尋ねる。
それに答えたのはティムとプーカだった。
「それで、グラブ・ル・ガブルとやらはどんなところなんだ?」
「はい。このファルガイアの地下に広がる。原初の青い泥のガーディアンが実体化したものです」
「泥?」
「そうなのダ。グラブ・ル・ガブルは原初の泥。世界の始まりのガーディアンなのダ」
「ふ~ん。なんかすげえんだな」
「ですが、グラブ・ル・ガブル事態は自我を持っていないので、何かの意思に乗っ取られると大変なことになってしまうんです」
「そっか。となるとあいつ…ベアトリーチェはそこにいるってわけだな」
「はい。恐らくは…!?」
衝撃が襲い、ロンバルディアが揺れる。7人に緊張が走る。
「…ロンバルディア、何があった?」
アシュレーがロンバルディアに尋ねる。
「…砲撃を、受けた。2時の方向。かなりの威力だ。並大抵の代物では無いな」
「そうか…」
「悪いがアシュレーたちはここで降りてくれ。我はそいつを倒しに行く」
「分かった」
ロンバルディアが地面すれすれを飛び、7人はロンバルディアから飛び降りる。
全員が無事降りたのを確認したロンバルディアは砲撃のあった方へと飛び去った。

遠くで聞こえる砲撃音とロンバルディアの咆哮を聞きながら、ブラッドが言う。
「なるほど、ここはすでに敵の勢力圏と言うわけだな」
「ああ、どうやらここにベアトリーチェがいるのは間違いな…みんな、ここから離れろ!」
何かを察したアシュレーが叫ぶ。とっさにブラッドがティムを、アシュレーがリルカを抱えてそこから飛びすさる!
その一瞬のち

ゴガァアアアアアアアアア!

さっきまでアシュレーたちの立っていた地面から巨大なドリルが飛び出し、大地をえぐる。

キュイイイイイイイイイイ…

それと同時に甲高いモーター音を上げて別の1体が7人の前までローラーで移動してくる。
「おいおい…敵まで巨大ロボットかよ!」
敵は2体。1体はドリルと一つ目のついたドラム缶に足が生えたもの、もう1体は角の生えた人型ロボット。
「一筋縄でいきそうな相手じゃあねえな…って5人ともどうした!?」
柊と晶はすぐに魔剣を抜き、背中あわせに立って2体のロボットを警戒する。
それに対し唖然としてその2体を見ていた5人は柊の言葉にようやく我に帰って戦闘態勢を取る。
「…ここは私が足止めをする。お前たちは、先に行け!」
カノンが叫ぶ。
「大丈夫なのか?こいつらは…」
「倒すのはともかく足止めならば、な。だが、このデカブツ相手にはティムのコンバインが必要だ。
私と一緒に残ってくれ、ティム!」
「はい。分かりました!」
「了解なのダ!」
「…分かった、2人とも危ないと思ったらすぐに退却してくれ!死ぬなよ!」
そして、アシュレーたちはグラブ・ル・ガブルへと駈け出した。
それを阻もうとするロボット2体をカノンが牽制する。
2体は目標をカノンとティムの2人に変え、向きなおった。
「…なんでキュベレイとアースガルズが…?」
ロボットに有効な雷を司るヌァ・シャックスのミーディアムを取り出しながらティムがカノンに尋ねる。
「さあな。だが今確実なこと、それは戦わなければ死ぬと言うことだ!」
カノンが答えながらようやく温まってきた身体から様々な武器を展開する。

目の前の2体、かつての仲間の忠実なしもべであるゴーレムたちとの戦いに備えて。

背塔螺旋、グラブ・ル・ガブルまで続く唯一の道である、地下へと続く螺旋階段を5人は下りる。
「柊くん、そっち行ったよ!」
「おう!くらいやがれ!」
途中何度もモンスターが現れ、戦いとなるが、ぴったりと息のあったコンビネーションを見せる柊と晶が大型モンスターを瞬時に斬り伏せ、
「食らえ!マルチブラスト!リルカ、頼んだ!」
「任せて!ミスティック…ミニキャロット!いっけえブラッド!」
「トドメだ。ロックオンプラス、パルスクラスター!」
お互いのことを知り尽くしたARMSメンバー3人が雑魚をなぎ払うことで足止めすら出来ず撃破される。
「長えな。まだ続くのか?」
更に進み、塔内にいくつか存在する部屋の1つで、延々と続く螺旋階段に厭気がさした柊が3人に尋ねる。
「この部屋で最後だ。この奥に、グラブ・ル・ガブルがある」
ARMの弾丸を補充しながら、アシュレーが答える。
「そうか…よし、行こうぜ!」
その答えを聞いて元気が出た柊が立ち上がった、そのときだった。
「みんな!なにか、来る!」
晶が全員に警告を発する。それと同時に壁がぶち破って巨大な身体が飛び出した!
「ちっ…またロボットかよ!」
柊は剣を構えて言う。
飛び出してきたのは先ほど見た、角の生えたロボットにそっくりなロボット。
「一気に行くぜ…くらいやがれ!」
「ダメ!レンジ!」
速攻勝負とばかりに突っ込む柊の一撃。

カツーン

「ぬなッ!?」
それをロボットは両手からだしたバリアで防ぐ。バリアに阻まれ、柊の魔剣はロボットに傷1つつけられない。
ロボットはバリアを纏ったままその拳を柊に向けて放つ。バリアに触れた壁が削られていく。
「うおおおおおッ!?」
まともに食らったらやばい。経験と勘から柊は必死で回避を行う。
僅かにバリアに触れた髪の毛の先が文字通りの意味で『消滅』した。
「なんだありゃ!?かてぇってレベルじゃねえぞ!?」
咄嗟に距離を取りながら、柊は叫ぶ。
「あいつには強力なバリア機構がついてるんだ。普通に攻撃してもダメージは与えられない!」
「ええッ!?それじゃ倒しようがないじゃない!」
「大丈夫だ!あいつの手の甲に発生装置がついてる!あいつのバリアは1回攻撃を防ぐと次に攻撃を防げるようになるまでタイムラグがある。
そこを狙って攻撃をすれば…」
晶の疑問に答えながら、アシュレーが右の手の甲のバリア発生装置を撃つ。
ヒビが入ったところでブラッドが正確無比な射撃でだめ押しをして完全に破壊した。
「破壊することは可能だ」
その直後、左手の発生装置から再びバリアを発生させるロボット。
「となると、もう1個ぶっ壊すには…だれか1人がおとりになる必要があるってこと…か!?」
「そう言うことになる…な!」
ロボットから矢継ぎ早に繰り出されるミサイルをかわしながら柊とアシュレーが会話する。
「それなら、私がやるよ!」
「晶が?」
柊たちの会話を聞き、晶が言う。
「うん。今のメンバーの中じゃ一番身軽なの私だし、手を狙うのは銃の方がやりやすいでしょ?
それに私ならもし食らっても、大丈夫だから」
「食らっても大丈夫?どういうことだ?」
「ああ、それは…来た!みんな、行くよ!」
ロボットとて敵に十分な作戦タイムを与えるほど愚かでは無い。
その巨体で突撃してくる。
「いっけえ!」
まずは晶がスライディングで下をくぐりロボットの後ろに回り込んで一撃を加える。
ロボットはとっさに腰を回しバリアでその一撃を防ぐが、無理な体勢で防いだせいで直後の反撃が甘いものとなる。
それを余裕で回避して晶は叫ぶ。
「2人とも、後は頼みました!」
「任せろ!」
「了解した!」
バリアが消滅するタイミングを見計らってあらかじめ準備していた2人がほぼ同時にバリア発生装置を射撃する。
2発の弾丸が吸い込まれるようにロボットの拳にあたり、バリア装置は砕け散った。
「レンジ、これつけて!」
リルカが柊に鞄から取り出した何かを放る。とっさに受け取った柊はその指輪を適当な指にはめた。
それと同時に柊の体に電気が流れるような感覚が伝わり、魔剣が放電を始める。
「なるほど、便利なアイテムだ!ありがとよ、リルカ!」
意図を理解した柊が魔剣をもって突進する。
「くらいやがれー!!!!!!!!!!」
全力で生命力とプラーナを攻撃に叩き込み、柊はロボットのど真ん中に魔剣を突き刺す。

グガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ…

ロボットの弱点である雷の属性を帯びた攻撃は、ロボットを一撃で戦闘不能に追い込んだ。

戦いが終わり、5人は治療と次の、おそらく最後の戦いの準備を行う。
「やるじゃねえか。晶!」
「ふふん。これでも鍛えてるからね。今じゃレベルも12まで上がったよ」
「おお、道理で強ええはずだ。俺と同じレベルたあ恐れいったぜ!」
「まあ、魔王といっつも戦ってるからね。柊くんこそ、ウィザードでレベル12ってすごいじゃない!」
「おう、苦労してるからな。魔王と戦ったり魔王と戦ったり」
「あはは。それじゃ私と変わんないじゃない」
「ああ、それもそうだな…ん?3人ともどうした?」
強敵への勝利の達成感で高揚する魔剣使い2人と違い、ARMS3人の顔は対照的に暗い。
「そう言えば、皆さんあのロボットに詳しかったですけど、戦ったことがあったりするんですか?」
先ほどの戦いを思い出し、バリアのことや弱点の雷、それらを完全に把握していた3人に晶がたずねる。

3人は顔を見合せる。無言。沈黙が辺りを包む。
「なあ、ヒイラギよ…」
「なんだ?ブラッドのおっさん」
3人を代表してブラッドが柊に尋ねる。
「テレパスタワーで、お前と話していたアンゼロットと言う女の話は、信用できるものか?」
「あん?そうだな…まあ、普段はともかくまじめな声でしゃべる時のあいつが嘘をついたのは見た事ねえな。
けど、それがどうした?」
「うむ、あのアンゼロットと言う女が言っていたな?今回の敵は人間を取り込みそいつの望んだとおりに世界を変える、と」
「ああ、んなこと言ってたような…もしかしてそいつが誰なのか分かったのか!?」
「ああ。おそらく、だが」
ブラッドは残骸と化したロボットを見る。

ゴーレム。ファルガイアに残る、超文明の戦闘兵器。
ノーブルレッドが自らのために残した遺産であるそれを使役できるものは、このファルガイアには1人しかいない。


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