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ナイトウィザード!クロスSS超☆保管庫
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ナイトウィザード!クロスSS超☆保管庫

第01話02

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nwxss

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だれでも歓迎! 編集
この世界の学生達は、実はそんなに弱くはない。


 「狙射(シュート)っ!」

 空気を裂いて落下地点を目指すミサイルに、一閃の光条が放たれた。
 それは カレイド(万華鏡)の魔法。それこそはありとあらゆる魔術法則を無視し、「魔法使い」が作った「空想を現実に奇跡として成す」アーティファクトの力。
 しかしその狙撃式魔力弾を、ミサイルは魔力感知型自動誘導センサーによってかわした。
 イリヤが思わず呟く。

「あー……やっぱダメかぁ。ねぇルビー、誘導弾にするのは無理?」
『地味なんでイヤです。
 まぁ、冗談は置いといて。誘導弾もできなくはないでしょうが、イリヤさんはぶっつけ本番で確実に当てる自信ありますー?』
「……やめとくよ」

 誘導弾の練習、やっておかないとなーと思うイリヤであった。
 それはともかく。
 確実にミサイルに当て、撃破するのはセンサーのせいで難しいとこの場の全員が認識している。
 サファイアが現状を整理した。

『センサーでこれほど完璧に回避されてしまうと、当てるのは難しいかと。
 弾速最大の狙射でも無理では、より遅い砲射では迎撃は不可能です』
「……つまり、回避できない状況になれば構わないということ?」

 美遊が言った言葉に、なるほど。とルビーが頷いた。

『結局のところ、あれは爆薬を詰めたミサイルってことなわけですね。
 確実に当てて破壊、という手段を取るよりはハデに回避不可能なだけの弾幕を張って掠らせて誘爆狙い、と』
『しかし美遊様。誘爆という手段を取るのならば、周囲への被害を考慮する必要があるかと』

 サファイアの冷静な言葉に答えたのは、イリヤだった。

「なんだ、だったら簡単だよ。わたし『達』は一人じゃない。
 一人が攻撃、その後すぐもう一人が防御。それでなんとかなるんじゃないかなー、と思うんだけど」

 どうかな? と尋ねるイリヤに、美遊は微笑んで頷いた。

「……うん。きっと、二人なら大丈夫。
 イリヤは弾幕をお願い。私は一度見たことがあるから志向制御平面を理論的に形成できるし、イリヤの方が散弾射は得意」
「まかせて!
 よーっし―――それじゃ、行こうかルビーっ!」
『オーケーですイリヤさんっ! いつにもまして友情パワーがほとばしってて私としては嬉しい限りですよーっ!
 豪華絢爛、リリカルマジカルクレイジーに、ド派手に根こそぎ跡形もなくで参りましょうっ!』

 イリヤが美遊の少し前に出る。桃色のリボンが風になびいた。両手で掴んだステッキを、思い切り振りかぶる。
 そんな彼女を見ながら、美遊は頼もしげに自身のステッキを見つめた。

「サファイア、わたし達も。志向制御平面の物理エネルギーへの対応の細かい応用はお願い」
『すでに術式応用を開始。いつでも作戦を開始できます』

 その言葉を背後に聞きながら、イリヤが声をかけた。

「じゃあ行くよミユ。カウント3で開始ね!
 1、2ーのぉっ!」

 さんっ!という少女たちの声が空に響き。
 蒼穹を爆光の渦と大量の魔法陣が染め上げた。


 ***

世界に唐突に生まれた崩壊の危機など、笑顔で吹っ飛ばしてしまうくらいには。


 大鎌と刀が幾度も打ち合う。
 大鎌を振るう少女は、くくった髪を揺らしながら身の丈ほどもある鎌を重そうな素振り一つ見せずに振りまわし続ける。
 大質量の武器を、しかし特に疲れた様子もなく振り回し、振り下ろし、薙ぎ払う。

 それに相対するのは一振りの刀を持った赤く長い髪の少女。
 俗に野太刀と呼ばれる大きさの刀である。
 小柄な少女は、やはり身の丈ほどもある刀を打ち下ろし、突き出し、振りかざす。

 金属同士が硬質な音を響かせながら、一合、二合と打ち合っていく。
 赤い髪の少女が速度で勝るものの、大鎌の少女はまるで視点が複数あるかのように、死角からの攻撃に対しても正確に迎撃を行っている。
 結果、大鎌の少女がやや防戦状態であるものの、赤い髪の少女が攻めあぐねる、という展開で小康状態を保っていた。

 しかし、両者ともそれではらちがあかないことはわかっている。
 ならば。
 二人の少女が互いの武器を一際強く打ち合わせ、反動で距離を離す。
 同じことを考えている少女達は、生まれたほんのわずかな時間でその決断を行動に移す。

 すなわち、次の一撃に全力を注ぎ込み目の前の敵を全力をもって排除する―――っ!

 その、二人の少女が己の力を限界まで隠して0距離で開放することまで、まったく同じ思考で少女が距離を詰めた、その時だった。


 横薙ぎに大鎌を振るう―――その動きの機転になる左肩を、見知らぬ右手が掴んで止め。
 刀をすくい上げるように振るう―――利き腕の右肘を、同じ人間の左手が押し留めていた。


 壮絶な刃の饗宴の間に割って入ったのは、一人の少女。
 赤いマントをなびかせて、桃色を基調とした制服を着ただけの、武器を持たぬままに不敵な笑みを浮かべる少女。
 はっ、と笑みを吐き出しながら、彼女は―――ベホイミは、挑発的に言葉を紡ぐ。

「いーかげん、大人になってもらえないッスかね。
 そろそろ同じ人が起こす事件止めるのもメンドくなってきたわけッスよ。
 いつも通り、一言だけ言わせてもらうッス。『止まれ―――」

 でなければ、と言いながら彼女は笑みを崩さぬまま、自身が動きを止めている少女達に視線を向けて。
 続きの口上を口にした。


 ***

そんな世界の危機の最前線で、悲劇を生まないために、戦場に赴き続ける者達がいた。


 黒いローブを来た少年少女達が、口々になにやら叫ぶ。
 同時に光が生まれ、空気が破裂し、炎が吹き上がる。
 彼らは魔術士の育成機関・『牙の塔』に所属する魔術士だ。
 天人と呼ばれるものの血を受け継ぎ、声を媒介に世界を一時的に変革する術を持つ彼らは魔術士と呼ばれ、その異能を思う存分発揮する。

 その彼らが何と戦っているのかと言えば、同じ年頃の少年少女達だ。

 そちらは学ランにセーラー服の子ども達。
 それだけならば普通の学生の可能性もあるかもしれないが、やはり彼らは普通の学生ではありえない。
 彼らが手をかざす、それだけで虚空に光のゲートが開く。
 ゲートからは風が渦巻き、動物が現れ、雷が迸る。
 異世界とこの世界との門の開閉を可能とする能力を持った少年少女達―――門の守護者・ゲートキーパー。
 インベーダーと呼ばれる侵略者達を狩る、ゲートキーパーの集団『ゲートキーパーズ』。彼らが所属するのが、この楯神高校なのだ。

 きっかけは単純なことだったものの、一度始まった争いはなかなかおさまりはしない。
 学校の境は、いまや戦場さながら。
 未だ死人は出ていないものの、いつ出てもおかしくはない。そんな混戦乱戦がすすみ極限状態の中。


 突如現れた太陽の如きオレンジ色の光の筋が、戦場を灼く。


 次いで、光の筋の後を追うように場の全体を衝撃波が吹き荒れる。
 まったく予期しなかった方向から、あまりに広範囲を吹き荒れた暴風と衝撃波に、戦場が一時硬直する。
 その場にいる全員が、目の前にいる相手を見ることも忘れてオレンジの光条の発射地点を見た。

 そこにいたのは、短めのスカートを風に煽らせている茶髪の少女。
 右手を前に突き出したまま、余裕をもったまま戦場全体を見つめている。
 ……なお。
 おまけのように彼女の後ろには息を荒げて顔を伏せている黒髪短髪つんつん頭の少年がいたりもする。

 ともあれ。
 彼女は―――御坂美琴は、その場の視線全てに宣戦布告するように、不敵な笑みのままに告げる。

「まぁ、くだらないはじまりにしろ、ケンカが始まった以上どっちも退けない気持ちはわからないでもないけどね。
 アンタらも、くだらないことで死人が出るとかはもっとくだらないと思わない?
 だからあえて言わせてもらうわよ。
 『止まりなさい―――」

 でないと、と彼女は自分を見つめる数多くの目に対し、何一つ気負うことはなく。
 ただ単に真実を告げるように、口上の続きを口にする。


 ***

彼らの名を―――



 5mほどの大きさの人型兵器「ナイトメアフレーム」。
 同じくらいの大きさの、白い土人形「無尽」。
 それらは、がっちりと組み合ったまま力を拮抗させていた。
 真正面から手と手で組み合い、互いに互いを倒そうとする。
 拮抗したその状態を、無尽がナイトメアを放り投げようとすることで終わらせようとしたその時だ。


 ―――上空から、『斬撃』が降ってきたのは。


 ナイトメアを放り投げようとした無尽の左前腕が、肘関節から叩き『斬られ』る。
 投げられかけたナイトメアは、しかし推進力の他に姿勢制御機能も果たす、脚部装備の補助ホイール・ランドスピナーにより倒れることはなかった。
 一旦両者は距離を離し、状況を把握しようとする。
 そんな混乱の最中に、両者に声がかけられた。

「……ったく、本当に面倒事が減らねぇな。片付ける側の身にもなってくれ」

 その声は両者の足元から。
 言葉の内容の割に疲れを感じさせない、それでいて不敵な声。
 先ほど無尽の腕を斬り落とした斬撃の影響で彼らの足元は土ぼこりが舞っている。
 それを、不意に吹いた突風が晴らすとそこには。

 巨大な鋼の刃を地面に突き刺して、ヘーゼルの髪を風にあおらせることなく、目つきの悪い青年―――柊蓮司が立っている。
 彼は声のままの不敵さで、両者に向けて宣言する。

「―――執行委員だ。
 時間がないから、前置きはこれだけで済ますぜ」

 自分の身体の数倍の大きさのヒトガタ2体を相手に、怖れることなくただ宣言する。

「止まれ。
 でなけりゃ、勝手に止めるぞ」




―――『生徒会執行部員』、と言う。


 おしまい。

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