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ナイトウィザード!クロスSS超☆保管庫
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ナイトウィザード!クロスSS超☆保管庫

第03話02

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軽子坂学園が、魔界に堕ちたのは、今から3ヶ月ほど前…学園世界が誕生するよりも前のことである。
魔界を旅して強力な力を手にし、魔神皇と名乗るようになった挟間偉出夫(はざまいでお)が引き起こした軽子坂学園の魔界堕とし。
それに巻き込まれた軽子坂学園の人間は次々とハザマの手で6つに分けられた魔界に送り込まれ、様々な責苦にさいなまれた。
文字通りの意味で地獄のような暮らし。
だが、それは最初はすぐに終わりを告げた。
軽子坂学園が魔界に落ちて1ヶ月もしないうちに、ハザマが倒されたのだ。
倒したのは悪魔召喚プログラムを入れたパソコンを持った少女と、学園一の不良少年。
この2人は用務員室のマンホールから密かに旅だち…ハザマを倒した。
詳しいことは誰にも分からなかったし、魔界から帰れるようになったわけではないが、それでも一応の平和は戻った。
生徒たちが魔界でも比較的安全な場所で魔界の住人たちと暮らしていた、そんなときである。
ハザマが復活したのは。
復活したハザマは依然以上に残虐で容赦無く軽子坂学園の生徒たちを責めた。
以前からハザマの信奉者であった大月と言う教師を手足にして生徒たちをとらえ、あるものは精神を壊して悪魔を使役する魔神皇の忠実な僕たるダークサマナーにされ、
またあるものはハザマの“実験”の犠牲者として死んでいった。
そして、そんなハザマに戦いを挑んでいたのが、パソコンに詳しい佐藤と言う少年と、玲子たち3人の“ガーディアン憑き”であった。
彼らはハザマを再び倒し、魔界から人間の世界へ帰るために戦っていた。だが…

―――傲慢界 回復の泉

「他の3人…佐藤くん、チャーリーさん、ユミさんはハザマくん…いいえ。魔神皇に捕まってしまったわ。
 もう、魔神皇と戦っているのは私と桜花さんだけ…」
清浄な気の満ちた、癒しの泉。そこを管理するエルフに魔界の金を渡し、休息をとりながら、タバサは玲子に話を聞いていた。
「正直、今の私たちだけでは限界。今ここで戦い続けても、魔神皇には勝てない、いいえ。たどりつくことすら出来ない」
怜子が悔しげに唇をかみしめる。俯き、言葉を絞り出す。
「もう、私ではハザマくんは止められない…」
「…だから、私たちを、カゲモリを頼った?」
その呟きを確認するように…タバサが問う。
「はい~。私が言ったんです」
それに答えたのは、桜花だった。
「学園世界で、魔神皇と戦える“組織”は執行部かカゲモリくらい。彼らの力を借りるため、1度魔界を脱出する必要がある。
 佐藤さんが作ったプログラムは元々はそのためのものだったんです~。外部のパソコンと回路を開いて、向こう側に転送するために。
 完成前に佐藤さんが捕まってしまったので、転送できたのは“精霊”として悪魔召喚プログラムで召喚可能な私くらいで、
 あとはマグネタイト切れの強制帰還を利用して向こうから“引きずりこむ”しかなかったんです」
そう言うと、タバサの方を見て済まなそうにいう。
「すみません~。ロクな説明もせずに巻き込んでしまって。しかし、私たちだけでは、他の帰還の方法はとれなかったもので」
「他の方法…魔神皇を、倒す?」
タバサが初めに思いついた方法を口にする。それに桜花はかぶりを振って、言う。
「いいえ~。魔神皇を倒そうと思ったらこの3人では難しいでしょうし、倒しても魔界から帰れるとは限りません。
 前に倒されたときは帰れなかったわけですから」
「じゃあ、どうするの?」
タバサの問いに桜花は真面目な顔をしていう。
「実は1つだけ、この魔界から学園世界につながる道…私のここに来る時に通ってきた道があります。そこからなら学園世界の輝明学園に出られます。
 けれど、そこは本当に危険な道なんです。幽霊である私だけならともかく、玲子と2人だけではまず抜けられないでしょう」
そして、言葉を継ぐように玲子が改めて、タバサに言う。
「すみません。タバサさん自身が帰るための選択肢が他にない状態で、こんなことを言うのは、ずるいことだって分かっています。
 それでも言います。私たちを、学園世界へ連れて行ってください。私たちに、力を貸して下さい」
言い終え、じっと真剣な表情でタバサを見る。そこには強い意志が宿っていた。
「…分かった。それで、どうすればいい?」
その意思の強いまなざしを見て、タバサは2人を信用することにした。彼らの目に、嘘は無い。
それに、目的のために汚れることも厭わない姿勢。それはタバサには人ごとには思えなかった。
かつて、母のために様々な“汚れ仕事”を引き受けていたタバサには。
タバサの返答にほっとしたような空気が流れる。2人の緊張が目に見えてとけたのが分かる。
「はい。まずは、この傲慢界を守る悪魔を倒す必要があります」
玲子が天井を見上げながら、言う。
「桜花さんが通ってきた、魔界と学園世界をつなぐ穴は、魔神皇の封印が強すぎて人間では通れない大きさらしいんです。
 それを広げるために、封印を解く鍵…堕天使ヴィネの持つ“リング”を手に入れる必要があります」
玲子と桜花、そしてタバサが立ち上がる。
「幸い、堕天使ヴィネはそんなに強くありません。私たち3人ならば、まず負けないと思います。行きましょう」
タバサがこくりと頷いた。

―――傲慢界 1F

(…気配がする)
それが、タバサが最初にこの魔界に来て感じた感想だった。
「気をつけてください。ここは、魔界。いつ“悪魔”に襲われてもおかしくありません」
玲子の言葉に頷きながら、タバサは愛用の杖をしっかりと握る。
息をひそめ、襲撃に備えつつ、タバサたちは慎重に進む。
(―――来る…っ!?)
タバサの感覚が何かが現れるのを察知し、杖を構え…現れた悪魔に硬直する。
あそぼ…あそぼ…あそんで…あそんで…
現れたのは何人かのおかっぱの少女たち。それだけならばこの魔界に現れるのはおかしい。
だが、普通の少女にはありえぬ特徴。
膝から先が消失し、向こう側が透けて見えると言う特徴が彼女たちを魔界にふさわしいものとしていた。
それはすなわち。
「…幽霊!?」
思わず緊張と共に声を上げる。
「はい。悪霊“ハナコさん”ですね」
対する玲子の方は落ち着き払っている。よく見ると、銃も準備していない。
「大丈夫です。この子たちは、襲ってきません」
「どういうこと?」
「ほら。あれです」
よく見ると少女たちは桜花を取り囲んでいた。
おねえちゃん…おうかおねえちゃんだ…
変に透き通った声に含まれるのは…明らかな歓喜。ハナコさんたちは桜花と戯れていた。
「はいはい~。みなさんお久し振りですね~」
彼女たちに取り囲まれた桜花は、多くの妹たちと遊ぶ姉のようにうっすらとほほ笑んでいる。
幽霊たちが舞い戯れる、怖いような微笑ましいような、なんとも言えない空間が形成される。
「…あれは?」
「えっとですね。桜花さんは悪りょ…幽霊とはすぐ友達になれるんですよ」
玲子が苦笑して言う。
悪霊は銃弾が効かないことが多く貴重なMPを消費せざるを得ない厄介な相手。
その事を知っているだけに玲子は桜花のこの“力”と言うか“人柄”に、何度か助けられ、感謝をしていた。
「それじゃあ、私たちはちょっと行かなきゃいけないところがあるので失礼しますね~」
にこやかに手を振り、桜花とハナコさんは友好的な雰囲気で別れる。
「これ、貰っちゃいました~」
そう言ってキラキラと輝く玉を2人に見せる。
「それは?」
「宝玉ですよ~。使うと体力が回復するんです。1回使うと壊れるので使い捨てですけど」
タバサの問いに答えながら桜花は玲子に宝玉を渡す。
それをポケットに入れながら、玲子がタバサに言う。
「こんな風に、話し合い次第では戦いを回避できることもあります。なんで悪魔が出てきてもいきなり攻撃はしないでください」
「分かった。任せる」
玲子の言葉にタバサがこくりと頷いた。

―――傲慢界2F

「ふう…今日は一旦ここで休みましょう。銃弾の補給もしたいですし。それで良いですか?タバサさん」
「分かった」
思えば2人の手で魔界に来たのは夜のこと。それから考えるともう明け方くらいの時間のはず。
休まなければこの先辛いと言う玲子の判断を支持し、悪魔に襲われる心配のない魔界の村でタバサたちは泊まることにした。
武器屋で玲子の銃の銃弾を購入し、村の一角へと向かう。そこには「軽子坂学園ワンダーフォーゲル部」と書かれたキャンプ用品と焚火の跡があった。
「ここは?」
「はい。ここは元々私たちの“拠点”だったんです」
玲子が少しだけ寂しげに、言う。
「拠点?」
「はい。ダークサマナーは軽子坂学園を拠点にしてて、魔界にはほとんどやってきません。
 だから、魔神皇が復活したあとは、私たちはこの魔界で魔神皇と戦うための準備をしていました」
自分と同じく死にかけたとき“ガーディアン”を得て魔法の力に覚醒めた2人の“ガーディアン憑き”と、
“あの子”ほどでは無いにせよ悪魔召喚プログラムを扱う事ができた駆けだしサマナーの佐藤。
それに玲子と“喋ることができ、自分の意思を持って動く特殊なガーディアン”である桜花を加えた5人。
「…しばらくはうまく行ってました。だけど、あるとき魔神皇の命令を受けたダークサマナーの一団に襲われて…」
魔界で力をつけ、桜花と言う強力なガーディアンがいたとは言え、多勢に無勢。このままでは全滅する。
そんな風に追いつめられたときのことだった。
「他のみんなが、私を逃がしてくれたんです。私と桜花さんが、一番魔神皇を倒せる可能性が高いって…」
「ええ。悪いとは思いましたが…私の力では私が直接護っている玲子を逃がすのが精いっぱいでした」
桜花も玲子と同じく、暗い表情で悔しそうに言う。
「他の3人がどうなったのかは分かりません。ただ、殺されずに連れ去られたと聞きました」
「ですから~、いずれ助け出そうと思っているんです~」
桜花の一見軽い口調には、強い力が込められていた。玲子と桜花。この2人の目に宿るのは、静かな決意。
「……」
その決意にタバサは自らと同じものを感じ取る。
(母さま…)
ゲルマニアにある親友の実家に残してきた、母を思う。
敵地であるガリアから助け出したことですぐに身の危険に襲われることこそないが、彼女の心は未だにエルフの秘薬で壊れたままだ。
(必ず、助ける。だから、待ってて…)
2人を見て、久し振りにそれを思い出したタバサは、決意を新たにする。彼女が…“カゲモリ”になったときと、同じ決意を。
だから今は…
「今日は、もう寝る。休息をとれるときに取っておくのは、重要」
冷静に行動する必要がある。考えうる限りの最善をつくし続ける必要が。
「そうですね。疲れていては、できることもできません」
玲子が頷き、傍らの桜花を見る。眼と眼で通じあい、桜花が頷いて、言う。
「それでは~タバサさんと玲子さんはし~っかり休んでくださいね~。私は何かあった時のために見張りをしてますんで。
 …ちなみに幽霊は寝ても寝なくても一緒なので、心配はご無用ですよ~」
「…分かった。頼んだ」
タバサが玲子から寝袋を受け取りつつタバサが桜花にごく自然に頼む。
少しの間とは言え、行動を共にしたことでタバサが最初に感じていた桜花への恐れは、もう無い。
「はい~それではお休みなさい~」
桜花の声を聞きながら、タバサは静かに目を閉じる。連続での戦闘と、多くの出来事。
その疲れもあり、すぐに浅い眠りへとつくことができた。

―――傲慢界5F 支配者の部屋

傲慢界の最上層。半日の時間をかけ、何度かの交渉と戦いを経たタバサたちは支配者の部屋へとたどり着いた。
「ここです。ここに、この傲慢界の支配者がいるはずです」
玲子が緊張した面持ちで言う。堕天使ヴィネは魔界の支配者の中では弱い部類に入る。
桜花と玲子の2人に妖獣マンティコアを倒す実力を持ったすご腕のメイジであるタバサ。
実力を考えれば3人で挑んで負けるはずはないとは言え、その実力はここにたどり着くまで戦った相手とは一線を画している。
決して油断していい相手では無い。
「…おかしいですね」
部屋の前に立った桜花が首をかしげる。
「どうかしたんですか?桜花さん」
「はい~。…何かのプラーナを“2つ”感じます」
桜花の答えに玲子が首をかしげる。
「2つ?おかしいですね。ヴィネが他の誰かと一緒にいると言う事ですか?」
「分かりません。ただ…1つは非常に弱々しいプラーナです。恐らくは…殺されかけたものの」
桜花は慎重に言葉を選び、感じ取ったことを2人に説明する。
「ヴィネが何か…人か悪魔を殺しかけていると言うこと?」
タバサの問いに、桜花はふるふると首を横に振る。
「いいえ~。死にかけてる方のプラーナは悪魔なんですが…もう1つが変です。人と悪魔が混じり合ったような…」
そこまで言って、桜花は顔を曇らせ、言葉を切る。
「…とにかく~。ここで考えていても仕方ありません。どのみちこの部屋でリングを手に入れないと先には進めないんですから、行きましょう」
「そうですね。タバサさん。準備はいいですか?」
玲子の問いにタバサはこくんと頷き、3人は歩を進める。
(間違っていて欲しいんですが…多分、間違いでは無いんでしょうね…)
進みながら、桜花は顔をしかめる。プラーナの塊とでも言うべき勇者の幽霊である桜花は、かなり正確にプラーナの正体をつかんでいた。
それが人と悪魔が混じり合ったもの…侵魔や冥魔の“アモルファス”に酷似した存在であること。
そしてそれが玲子と桜花の知る人間のものであることを。

「グ…な、何故…」
傲慢界の魔界の支配者、堕天使ヴィネが自らの身に起きたことを信じられず、うめく。
1つは、自らがたった1人に殺されかけようとしていること。
そしてもう1つは…
「ふん…分からないか?お前が無能だからだ」
それが、あの魔神皇に逆らう叛逆者の一味であること。
「無能…だと?」
「そうだ」
その、眼鏡をかけたひ弱そうな少年が言う。
「お前は知っていたはずだ。僕たちが、ここに逃げ込んでいたことを。なのにそれを報告しようとしなかった。
 僕たちを処分しようとすればいつでもできる。そんな“傲慢”にとらわれていたがために。
 それだけじゃない。お前はより強い力を得ることを怠った。
 今のお前は悪魔を指揮する並みのダークサマナー1人にも劣る雑魚…支配者なんて名乗っていい存在じゃない」
非難と侮蔑をたっぷりと込めて、少年は更に続ける。
「そして今、お前は魔神皇の与えた“チャンス”にも失敗した。残念だよ。いや、喜ぶべきか?“実験”が、成功したんだからな」
「くぅ…」
少年の言葉にヴィネは悔しそうにうめく。事実だった。
魔神皇の使者だと言う少年が、ヴィネに持ちかけたチャンス…目の前の少年に勝てば、支配者のままでいられる。
そう言われ、ヴィネは全力でこの少年と戦い…敗北した。
「と言うわけで、お前は支配者たる器では無いってことになった」
そう言って少年は腕を振り上げる。
「ひ、ひぃ!?」
それを見て慌てて逃げようとしたヴィネの背に。
「だからさ、死ねよ。負け犬」
獣のように鋭い爪を持った剛腕が振り下ろされ、ヴィネは絶命した。
「ふぅ…これで終わりだな。後は…」
少年は腕を元に戻し、ゆっくりと入口の方を見て、言う。
「久し振りだね。玲子さん、桜花さん…その子が魔神皇と戦っている“外”の人間ってやつなの?」
つい今しがた入ってきた3人に対して。

「佐藤…くん?」
その少年を見て、茫然と玲子は呟く。
「ああ、そうさ。良かった。無事だったんだね」
いつもの気弱そうな笑みを浮かべ、佐藤は玲子に言う。
「佐藤君こそ!良かった!他の2人は!?」
喜び、駆け寄ろうとした玲子の前に大きな杖が突きだされる。それに止められる形で、玲子は足をとめた。
「…タバサさん?」
「待って。様子がおかしい」
背中に流れる冷汗を感じながら、タバサが不思議そうな顔をする玲子に告げる。
長い間様々な“モンスター”と戦ってきたタバサの勘が告げている。目の前の少年は…
「…まさか、こんなことまでするなんて…」
桜花が怒りを秘めた声で、言う。
「…どういうことですか?」
2人の態度に嫌な予感を感じ、玲子が2人に問う。
それに答えたのは、佐藤だった。
「…ねぇ玲子さん。“チェフェイ”って知ってる?」
何気ない口調で玲子が問いかける。
「チェフェイ?」
「そう、こことは違う魔界…貪欲界の支配者たる悪魔。そいつがさ、この前、“外”に行って来たんだ。
 魔界の悪魔の力がどれだけ外の連中に通用するかってね」
(外に行った悪魔…狐?)
佐藤の言葉で、タバサはここ最近、一狼とライズが調べていた悪魔絡みの事件を思い出す。
各所に現れては、能力を奪っていく狐の面をした女の事件を。
「で、まあチェフェイは残念ながら負けて帰って来たんだけど…チェフェイのデータから、面白いことが分かったんだ」
何でも無いことのように、佐藤は“魔神皇に近しいものしか知り得ぬこと”を話す。
「面白いこと?一体何を言ってるの?それより、他の2人は…」
そんなことをペラペラと喋る佐藤に、玲子は首をかしげ、問い返す。
「普通悪魔はそのままでは実体化を保てない。マグネタイトの供給を受け続けて初めて実体化を保てる。
 だから、常に悪魔はマグネタイトの供給を受けてないと、どんどん衰弱していく」
佐藤は玲子の問いなどお構いなしに一方的に喋り続ける。
「でもね…それを防ぐ方法が分かったんだ。簡単さ。人間と悪魔を“合体”させるんだ。
 もちろん誰でもいいわけじゃない。ただの人間では悪魔に飲み込まれて完全に悪魔と化しちゃうから意味が無い。
 けれど、例外的に強い魂…桜花さんの言うプラーナってやつを持ってる人間と悪魔が“合体”すると、
 マグネタイトなしで行動できる悪魔並みの力を持った人間…魔人が誕生スル」
佐藤の声がひび割れて行く。その肉体が膨れ上がり、異常な速度で全身に毛が生えそろう。
「覚えてイルカ?俺の最高ノ相棒…アノふろっぴーカラデテ来タけるべろす…俺ハ、アイツト合体シテ、力ヲ得タ…」
その姿は、まさに“魔獣”と人の融合。
「オレハ“魔人”ケルベロス…魔神皇サマニ逆ラウモノハ…殺ス!」
完全に変身を終え、化け物と化した佐藤が、3人に、紛れも無い殺気をぶつけ、吠えた。

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