或る日、事件に巻き込まれる事も無くアンゼロットに無理矢理に
招聘される事も無く、呑気に卒業後の春休みを満喫してのんびりと
寛いでいた柊の元に、薔薇の刻印が彫り込まれている古めかしい鞄が
唐突に窓を突き破って飛び込んで来て序でにベッドでごろ寝していた
柊の水月に鋭角に鞄の角をめり込ませながら激突した後に、静かに
部屋の床に独りでに降り置かれた。
暫く激突の痛みに悶絶していた柊では在ったが、鞄が視界に入ると
どうにも気になって、近寄って鞄の蓋の留め具に手を伸ばしてみた。
すると、留め具はすんなりと柊の手で開き、鑑定には素人の柊から
見てもとても美麗で高級そうなゴシックロリータ風の紅いドレスを
纏った美少女型のビスクドールがまるで眠っているかの様に納めら
れていた。
一緒に鞄の中に納められていたゼンマイの螺子に気付いた柊は、
ビスクドールを手に取ってその背に有った穴にゼンマイの螺子を
差し込んで慎重に回してみた。
最初は何の変化も見られなかったので、拍子抜けして御約束の如く
その人形のスカートを摘んで中を覗こうとした時に、いきなりその
人形の足が動いて柊の顔面中央に見事な蹴りを突き込んだ。
招聘される事も無く、呑気に卒業後の春休みを満喫してのんびりと
寛いでいた柊の元に、薔薇の刻印が彫り込まれている古めかしい鞄が
唐突に窓を突き破って飛び込んで来て序でにベッドでごろ寝していた
柊の水月に鋭角に鞄の角をめり込ませながら激突した後に、静かに
部屋の床に独りでに降り置かれた。
暫く激突の痛みに悶絶していた柊では在ったが、鞄が視界に入ると
どうにも気になって、近寄って鞄の蓋の留め具に手を伸ばしてみた。
すると、留め具はすんなりと柊の手で開き、鑑定には素人の柊から
見てもとても美麗で高級そうなゴシックロリータ風の紅いドレスを
纏った美少女型のビスクドールがまるで眠っているかの様に納めら
れていた。
一緒に鞄の中に納められていたゼンマイの螺子に気付いた柊は、
ビスクドールを手に取ってその背に有った穴にゼンマイの螺子を
差し込んで慎重に回してみた。
最初は何の変化も見られなかったので、拍子抜けして御約束の如く
その人形のスカートを摘んで中を覗こうとした時に、いきなりその
人形の足が動いて柊の顔面中央に見事な蹴りを突き込んだ。
「ぶへっ!? な、人形が動いただぁっ!?」
蹴りに因って柊の手から溢れ落ちた人形は両足を揃えて優雅に床に
降り立った後に柊に向き直り、手にしていたお洒落な西洋傘の先端を
柊に向けて突き付けながらその整えられた眉をしかめつつ柊を睨み付けて
大声で批難をぶつけた。
降り立った後に柊に向き直り、手にしていたお洒落な西洋傘の先端を
柊に向けて突き付けながらその整えられた眉をしかめつつ柊を睨み付けて
大声で批難をぶつけた。
「ちょっと! いきなりレディのスカートの中を覗こうなんて失礼じゃ
有りませんこと!? 幾ら私(わたくし)の螺子を巻いてくれた方とは
おっしゃっても、赦せる事と赦せない事が有りますわ!
さぁ、今直ぐ土下座して私に謝りなさい!」
「な、いきなり何だよ!? っつか、謝ろうにも御前、名前何だよ!?」
有りませんこと!? 幾ら私(わたくし)の螺子を巻いてくれた方とは
おっしゃっても、赦せる事と赦せない事が有りますわ!
さぁ、今直ぐ土下座して私に謝りなさい!」
「な、いきなり何だよ!? っつか、謝ろうにも御前、名前何だよ!?」
いきなりな事態にうろたえる柊に対して、柳眉を逆立てていた美少女人形は
居住まいを正して自身のスカートの裾を両手で摘んで軽く上げながら
優雅に頭を下げて挨拶する。
居住まいを正して自身のスカートの裾を両手で摘んで軽く上げながら
優雅に頭を下げて挨拶する。
「そう言えば自己紹介が未だでしたわね。
私の名は深紅、稀代の人形師ローゼンの造りし
薔薇乙女(ローゼンメイデン)の第五ドールですわ。
して、無礼な人間、御前の名前は? そして、早く私に謝りなさい。
今なら、私の下僕にしてあげる事で赦してあげるわ」
私の名は深紅、稀代の人形師ローゼンの造りし
薔薇乙女(ローゼンメイデン)の第五ドールですわ。
して、無礼な人間、御前の名前は? そして、早く私に謝りなさい。
今なら、私の下僕にしてあげる事で赦してあげるわ」
此処まで聞いて、柊は直感で察した。
この深紅とか云う人形、アンゼロットと同種の奴だ!と。
この深紅とか云う人形、アンゼロットと同種の奴だ!と。
こうして、柊と薔薇乙女との奇妙且つ優雅且つ過激な日常が始まった……。