概要
アレッシア・オッタス?による、欺瞞と偏見に満ちたブラヴィル?の紹介本。
価値 | 1 |
重量 | 1 |
見た目 | 本(小) |
本文
全9ページ。
ブラヴィル?は例えるなら、下水口のふたにぞっとするほど汚らしいごみがたくさん溜まっているような光景を思い起こさせる町です。この町はシロディール?中で最も貧しく、最も汚く、最も古ぼけて、最もみすぼらしく、最も多くの犯罪者、酔っぱらい、スクゥーマ?中毒者が住みつき、最も多くの住人が獣じみた下等人種もしくは外国人です。あとはここにデイドラ?を崇拝する邪神教の集会でも加われば、間違いなく極悪非道、品性下劣な最悪の町と言えるでしょう。しかし、おぞましいことに、ブラヴィル?では実際にそれよりも邪悪で堕落した邪神崇拝が秘密裏に行われているという噂です。
この町は陰気で殺伐としており、常に重苦しい空気が漂っています。また、気候はじめじめとしており、大気は汚れています。というのも、町の下水が流れ込むラーシウス川?の淀みからは悪臭が立ち上り、ニベン湾?の低地には同じく悪臭を放つ沼地が広がっていて、疫病と害虫の温床になっているのです。
町の建築物の見苦しさと乱雑さは度を超しています。住宅、商店、ギルドの建物の柱はひび割れ、裂け、腐って柔らかく、緑のカビで覆われています。いっそのこと崩れ去ってしまえばその後に新しくましな家を建てることもできるでしょうが、彼らは今ある家の上にまた汚らしい家を建て、そのおかげで家々は三階、四階とまるでこやしの山のように見苦しくその高さを増してゆくのです。物乞い?や泥棒は通りの頭上に張り出したバルコニーで無為に時間を潰し、ごみやガラクタを不運な通行人の頭の上に投げ捨てるのです。建物の屋根の上にぐらぐら揺れながら建っている信じられないほど不潔な小屋に、一家全員が暮らしていたりします。
ブラヴィル?の住民は不愉快で不誠実です。彼らの生活は洞窟に住むゴブリン?より少しましな程度で、今にも崩れそうな不潔な小屋に勝手に住みついています。町の住民は2つの階級に分けることができるでしょう。一方は密輸業者、スクゥーマ?中毒者、強盗、泥棒、殺人者たちで、もう一方はこうした犯罪者がカモにする物乞い?や愚鈍な役立たずたちです。
ブラヴィル?の支配者は犯罪者のリーダーたちです。町の衛兵?は、スクゥーマ?密売人の親玉に雇われています。エルスウェーア?とブラック・マーシュ?にほど近いこの町に多くのアルゴニアン?とかカジート?が住んでいるのは不思議なことではありませんが、オーク?の多さには驚かされます。しかし、これらの下等な人種たちは他の下等な人種と問題なく共存しています―― ちょうど泥棒や獣がお仲間を見つけては群れ集うのと同じように。
ブラヴィル?の町は区画整理などされていませんが、不運にもこの町を歩くことになった人々のためにいくつかの目印をご紹介しましょう。城へは、崩れそうな橋で川を渡って東へ。聖堂は西です。商店やギルドは東側の壁と川を背にして並んでいます。聖堂と商店・ギルドの間の地域はブラヴィルのスラム街です。
城は、ブラヴィル?で唯一の石造りの建物です。この城は庶民の住む掘っ立て小屋と同じぐらい汚く建てつけも悪いですが、それでもアンヴィル?や帝都?で一番貧しい物乞い?の家と比べれば少しはましかもしれません。レギュラス・タレンティウス?伯爵は家柄も良く、かつてはトーナメントでチャンピオンになり名声を得たこともありますが、領民に言わせれば今では単なる役立たずの酔っぱらいです。伯爵の息子のゲリアス・タレンティウス?は典型的な親の七光りで、犯罪者とスクゥーマ?中毒者が好き勝手に振る舞える社会の維持に大いに貢献しています。
聖堂の建物の石でできた部分は、崩れるがままでカビに覆われています。木材を組み合わせただけのぼろぼろの柵で囲まれた墓地は乱雑に荒れ果てています。女司教はマーラ?の敬虔な信奉者ですが、九大神見捨てられたこの町の犯罪と不正は彼女の手には負えないでしょう。女司祭は聖堂を訪れる数少ない人々に好かれていますが、この町の大多数の住民は生涯一度も聖堂に足を踏み入れることはないのです―― 盗みや物乞い?に入る場合を除いては。
また、この町の宿屋の評判も最悪です。宿屋に入るには、まず玄関に寝そべった酔っぱらいと彼らが吐いたものを乗り越えなければならないでしょう。宿の中では、暗がりのごろつきや博徒やスリが、不注意な旅行者をあっという間にカモにしてしまいます。そのような宿に泊まろうとする物好きな旅行者は、眠っている間に殺されたとしても文句は言えません。
それに比べれば、ギルドはまだ清潔で酔っ払いも見当たらず、比較的平穏が保たれている場所といえます。もし必要に迫られてブラヴィル?で夜を越すことになった時は、戦士ギルド?か魔術師ギルド?に止まるのが最善でしょう。ギルドにいる人々も野蛮で不道徳ですが、少なくとも安全に眠れる場所だからです。
商店もブラヴィル?の他の部分と比べれば、まだましと言えるでしょう。商店は泥棒対策のために厳重に見張られており、店内では暴行や殺人の心配はありません。
もしあなたが何かの不運でブラヴィル?を訪れることになってしまったとしたら、町に入ってすぐにそこから出たくなることでしょう。そのときは気をつけてください、町を出るあなたの後ろから追いはぎと殺し屋の群れが追ってこないように。
九大神?を称え祈りましょう!
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