概要
アレッシア・オッタス?による、欺瞞と偏見に満ちたアンヴィル?の紹介本。
価値 | 1 |
重量 | 1 |
見た目 | 本(小) |
本文
全8ページ。
アンヴィル?は海辺にあり、一見するととても美しく見えます。しかし、細部に目を向ければ不愉快なものが多く目につくでしょう。水辺の景色は魅力的なものですが、町の外の船着場や港の周辺では船乗りや物乞いなど、汚い身なりの人々がうろついています。アンヴィル城?は清潔でよく管理されているし、城壁に囲まれた家々のうち、いくつかはきれいで立派です。しかし、それ以外の家は住む人も無く荒れ果て、あるいはみずぼらしく剥がれ落ちた壁土がそのままにされています。町中では異常者や酔っぱらいの姿がいたるところに見られます。
アンヴィル城?
アンヴィル?の領主は、ミローナ・アンブラノクス?伯爵夫人です。彼女の夫、コルヴァス・アンブラノクス?は何年も前に失踪しましたが、軽薄で不真面目な人物で、馬鹿騒ぎをしては醜聞を振りまく癖があったため、伯爵夫人は彼がいなくなってかえって平穏な生活を送れるようになったといわれています。伯爵夫人自身は、高潔で敬虔な素晴らしい領主であると人々から慕われています。もしも彼女が衛兵に命じて船乗りや物乞い、怠け者、泥棒たちをみな町の外に追い出したなら、アンヴィル?は今よりずっと住みやすくなるでしょう。
アンヴィル?の地区
アンヴィル?は5つの地区に分かれています。アンヴィル城?は街壁の外の港を見下ろす場所に建っており、チャペルゲート地区の門から道が城へと続いています。壁に囲まれた街は3つの地区、東のチャペルゲート地区、西のウェストゲート地区、そしてその間に位置するギルドゲート地区に分かれています。港は街壁の外にあり、ウェストゲート地区の門から行くことができます。
チャペルゲート地区
シロディール?中を探しても、ここより美しい聖堂にはお目にかかれないでしょう。聖堂と街壁の間には美しいディベラ?像のある静かな庭園があり、瞑想にもってこいです。聖堂の向かいには素敵な庭園と、礼拝する人々を風雨から守ってくれる屋根つきの回廊があります。残念なことに、住民たちはこのような素晴らしい聖堂にほとんど興味を示さず、礼拝する住民もごくまれです。頭の軽い女司教のせいなのか、伯爵夫人が自ら礼拝に来て模範を示そうとしないからなのか、どちらの理由かはわかりません。
ギルドゲート地区
アンヴィル?の最も栄えている地区はギルドゲート、正門、もしくは北門を入ったところにあります。この地区には、アンヴィル?で最も立派な建物と最もみすぼらしい建物が隣り合って建っています。ギルドはよく管理されたきれいな建物のほうに属します。この地の魔術師ギルド?と戦士ギルド?はシロディール?各地のギルドの中でも特に野心的で生産的です。魔術師ギルド?の代表者であるキャラヒル?は魔術の研究者として名声を得ており、交霊術、召喚術、黒魔術を公に批判しています。戦士ギルド?は人材に恵まれて精力的に活動しており、シロディール?にある他のギルドに見られるような無責任でやる気の無い態度とは無縁です。それに対して、魔術師ギルド?のすぐ隣の建物は閉鎖された廃屋で、見苦しく荒れ果てていて本当に目障りです。
ウェストゲート地区
ウェストゲート地区は、アンヴィル?の住宅街です。この地区にある家はみすぼらしく、荒れるにまかせてあります。住民はだらしがなく無気力ですが、唯一の例外はアンヴィル?の有名人、アルゴニアン?の女流作家クイルウィーブ?でしょう。彼女は下層階級の人間や犯罪者の悲惨な運命や陰謀の計画を描いた低俗な本を何冊か出しています。彼女の存在は、アルゴニアン?が罪深く不誠実で、役立たずの人間未満の存在だという偏見を助長しているといえます。
港
船着場は補修がされておらず、荒れ果てて不潔です。船倉や今にも崩れそうな港湾倉庫からはあらゆる種類の悪臭が立ち上っています。役立たずたちがどこからか集まってきては、ここで日向ぼっこをしたり、噂話や無駄話をしたり、ワインやエールを買うために物乞いをしようか、盗みを働こうかと考えたりするのです。そこではミラベル・モネー?という優しい女性が家のない船乗りのために宿を提供していますが、残念ながらその間違った慈善は単に酔っぱらいと怠け者を甘やかすことにしかなっていません。そんな無益なことをしている暇があるならば、彼女はあの不道徳な怠け者たちに九大神の教えと生産的な仕事を教えるべきでしょう。港はそんなありさまですが、南に行くと素敵な灯台があり、その上に上って遠く眺めれば、アンヴィルの城、町、そして港もそれほど不愉快には見えないでしょう。
九大神?があなたを守り導いてくださいますように!
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