ゼロエミッション

廃棄物を出さない企業活動、地域社会、経済社会」の意で、1994年に国連大学(東京青山)が提唱し世界に発信したコンセプト(つまり、日本発)。企業単位の「ごみゼロ」と同義で使われることが多いが、本来は企業の範囲にとどまらない社会に及んだ概念である。


ゼロエミッション型産業クラスター
ゼロエミッションの目指す「A社が排出する廃棄物を、B社が原材料として使い、B社が排出する廃棄物をC社が原材料とする・・・といった新しい産業連鎖のグループを作って、最終的に地域全体の廃棄物をゼロにする」というクローズドシステム。


ゼロエミッション工場
  • 廃棄物ゼロをほぼ達成した工場」の意。ゼロエミッションの本来の意味とはズレるが、現実的なゼロエミッション達成のための第一歩と評価される。
  • 日本では1990年代中ごろから見られるようになったが、その先駆けとなったのがビール業界であり(キリンビールは全工場にてゼロエミッション工場を実現した初めての企業)、現在では業界の裾野を広げ、その数も年々増加している。

  • しかし、明確な定義がなく、企業ごとにその実現度合いが異なる。ここに一つの定義を示す。

①工場から出る埋め立て廃棄物をゼロとする。
②廃棄物の対象範囲は、全廃棄物(産業廃棄物+事業系一般廃棄物+生活系廃棄物)とし、再資源化率を100%とする。
③ただし、工場廃棄物の特性に応じて、再資源化が困難なものについては、再資源化(率)の除外項目とする。

  • しかしながら、各企業がこのレベルを達成したとしても本来のゼロエミッション達成にはならない。ゼロエミッション工場も進展の必要があると言える。

レベルⅠ 埋め立て廃棄物ゼロ型(ごみゼロ工場
     →出たものを処理する。

レベルⅡ 発生量抑制型(ゼロエミッション工場
     →出ないようにする。

レベルⅢ 地域ゼロエミッション貢献型(真のゼロエミッション工場
     →出たものを他工場が材料として使う。

ゼロエミッション工場を実現したとされる日本企業の事例を見ると、大部分の工場がレベルⅠであり、ゼロエミッション工場と呼ぶには未熟だと言える。また、ゼロエミッション工場の実現を宣言するものの、実際には廃棄物の対象範囲は産業廃棄物のみであり、一般廃棄物を対象外としている企業や、再資源化率が100%に満たない工場も多々見られる。


最終更新:2009年06月06日 23:53
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