CSRという概念は2‐1からもうかがえるように、非常に「新しい」考え方である。学術的にも未だ確立されておらず、CSRに関して多数の定義が存在する。
CSR研究の第一線で活躍している研究者の定義づけを以下列挙する。
- 「経営活動のプロセスに社会的公正性や論理性、環境への配慮などを組み、アカウンタビリティを果たしていくこと(谷本寛治)」
- 「企業組織と社会の健全な成長を保護し、促進することを目的として、不祥事の発生を未然に防ぐとともに、社会に積極的に貢献していくために企業の内外に働きかける制度的義務と責任(水尾順一)」
- 「CSRとは、単に倫理的・道徳的問題としてのみ論ぜず、企業の維持・発展のために各種ステークホルダーの協力関係を確保することである(十川廣國、『CSRの本質』企業と市場・社会、2005)」
- 「CSRは、ステークホルダーの立場から、経済的価値だけではなく社会・環境業績を高めることで、企業価値を増大させようとする活動である。(櫻井通晴『コーポレート・レピュテーション』2005)」
- 「CSRは、広義の企業価値に結びつく活動(伊藤邦雄「CSRによるコーポレート・ブランド経営」、高厳+日経CSRプロジェクト編『CSR 企業価値をどう高めるか』2004)」
- 「企業の様々なステークホルダーに対する、自らの収益性、成長性以外のコミットメントを企業目標の一つと考え戦略的にマネジメントの根幹として捉えること(岡本大輔「企業評価+企業倫理」)」
- 「ステイクホルダーに対して負わなければならない社会的責任性と,それを継続出来るサスティナビリティを経営戦略と融合させたもの」(横山)
最終更新:2009年09月11日 12:13