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経営管理学辞典 藤芳誠一著

  • モチベーション=動機づけ=やる気を起こさせること.
             しかし,本来は第三者から強制的に行使されるものではなく,
             個人の自発的行動を引き起こすもの.

  • モチベーションの定義
 ブルーム(V.H.Vroom)
「自主的活動の代替的形態間における個人あるいは低次の有機体によって作られる選択を統制すプロセスである.」  
 ジョーンズ(M.R.Jones)   
「行動がいかに始動し,エネルギーを与えられ,持続され,方向づけられ,停止されるのか.そしてこれらが進行するプロセスで,いかなる主観的反応が有機体的に生起するかに関連している.」
 ベレルソンとスタイナー
「活力を与え,活性化を行い,行動を目標に指導する内的な状態.」
 藤芳氏             
管理職能としてのモチベーション
「管理者が部下の個人的な欲求や期待を理解し,それを反映することのできるリーダーシップを通じて,部下の個人的目的ならびに組織目的の達成のための行動へ部下を導く過程.」

  • モチベーション理論
→内容論-欲求理論
⇒マーレイ系
⇒マズロー系-ハーズバーグ
→過程論
⇒動因理論(ハル)
⇒認知過程論(レヴィン・トールマン)
⇒期待理論(ブルーム・ポーター・ローラー)
⇒衡平(公平)理論(アダムス)
⇒認知的不協和理論(フェスティンガー)

  • 内容論=人間がどのような動機づけを持っているのか,その内容や種類,および関連性を明らかにしようとする実体的ないし内容的アプローチ.

◇マーレイの欲求理論
=人間が持っていると考えられる欲求を「欲求リスト」として提示した。「心因的要求」と呼ばれる20個の社会的動機としてまとめられている。

※欲求リスト 屈従・達成・親和・攻撃・自律・中和・防衛・恭順・支配・顕示
       傷害回避・屈辱回避・養護・秩序・遊戯・拒否・感覚・性・救援・理解

◇マクレランドの達成欲求理論
=達成・親和・権力の3つの欲求がパーソナリティとの関連でかなり個人によって強弱の差があり、組織内における人間の活動と深く関わりをもつ。
※達成動機の基準
 ①卓越した基準を設定し、これに挑戦すること
 ②独自な方法で達成しようとすること
 ③長期間かかって達成できることを期していること

※達成動機の強さ
 測定する方法として、マーレイの主題統覚検査を利用

※達成志向型人間
 達成動機の強い人間⇒×金銭
           ○職務の中にある何らかの優秀さの基準
           これにより、職務を成し遂げようとする。

◇マズローの欲求理論
自己実現欲求
尊敬欲求   
所属欲求
安全欲求   
生理的欲求

※低次の欲求の充足⇒高次の欲求
 低次の欲求が満たされると、欠乏欲求が生まれ、より高次の欲求を欲する。

※「自己実現欲求」は他の欲求と異なり、その満足がさらにこの欲求を増大させる。

※ 自己実現欲求⇔革新的業務・能力開発
尊敬欲求(対人的側面・自己確認的側面)⇔昇進
所属欲求⇔人間関係
安全欲求⇔雇用保障・労働環境
生理的欲求⇔賃金

◇アルダーファーのERG理論
※マズローを批判・修正
※E(existence needs):生存の欲求
 R(relatedness needs):人間関係の欲求⇒マズローの対人面
 G(growth needs):成長の欲求⇒マズローの自己確認的側面
※E→R→Gの漸次的移行を認めながらも、それらの同時的発現、さらにその逆行も有り
 うる。

◇ハーズバーグの動機づけ・衛生理論
※「職務満足」に関する主張=人々を仕事の上で幸せにする要因と不幸にする要因とは別個の要因である。

※人間の基本的な欲求
 ①“動物としての”人間の欲求-不快を回避したい欲求⇒職務不満に結びつく
 ②“人間としての”人間の欲求-精神的成長により潜在能力を実現したいという欲求。アブラハム的本性。⇒職務満足に結びつく

※満足・不満足の要因はトレード・オフの関係にない

※動機づけ要因:職務満足へ導く要因。職務を通して、精神的成長と自己実現を可能にする要因を持つ。 
 衛生要因:職務不満へ導く要因。職場から不快な状況を取り除き、良好な環境を維持する可能性を持つもの。

  • 過程論=人間が自己の欲求や期待に基づいて、どのような心理過程を経て行動に向かう
     のかということに焦点を当てたアプローチ

◇ハルの動因理論
=欲求がどのように発生し、いかなる心理的プロセスを通して人間行動
         を一定の方向に導くのかを解明。
※行動を何らかの方向に向ける心的エネルギー「D」
 過去の学習・強化経験の結合である習慣の強さ「SHR」
 ⇒刺激「S」-反応「R」に基づく人間の行動の強さ「SER=f(SHR×D)」

※人間がS-Rによって満足を得れば得るほど、S-R結合はより強化され、より強い習 慣になる。
 ⇒動機づけられる人間行動を過去の学習経験によって説明しようとする=強化理論
 ⇒認知理論との違いはココ!!

◇トールマンとレヴィンの認知過程論※トールマン:対象が動物
 レヴィン:対象が人間

※彼らとハルの相違点
 ⇒過去の強化の必要性を否定し、むしろ環境認知の手がかりが将来の行動を決定すると考察した点。

※ 行動A─────────────→行動B
     個人にとって高い誘意性をもつと認知される⇒動機づけ
⇒個人に対して環境の持つ誘意性がプラスかマイナスか、それがどのように認知されるかが問題となる。

◇フェスティンガーの認知的不協和理論
※認知=環境に関する、自分自身に関する、自分の行動に関する、あらゆる知識・意見または信念という意味。

※個人が不協和を認知するとそれを解消しようとするモチベーションが発生し、不協和の認知が強ければ強いほどモチベーションは強いものとなる。

◇ブルームの期待理論
※「期待」・「誘意性」・「道具性」の3つの概念を用いて行動へのモチベーションを説明しようとした。

※「期待」:努力することによって、ある行動水準に到達できるという本人の確信度を意味する。
「誘意性」:個人がとった行動によってもたらされる結果に対する魅力の度合い。
cf.第一次結果(高い業績)⇒第二次結果(昇進や昇給etc)
「道具性」:第一次レベルのある結果を獲得することによって、第二次レベルの諸結果を獲得することが、どの程度可能であるかを示す。

※モチベーションは「期待」・「誘意性」・「道具性」の積和で示される。

◇ポーターとローラーの期待理論
※努力「E」・業績「P」・成果あるいは結果「O」を明確に区別することで、ブルームの期待理論を修正。

※①努力で業績が得られるかの期待「E→P期待」
 ②その業績が結果的に望ましい成果につながるという期待「P→O期待」
 ③得られる成果や報酬が自分にとって魅力があるのか判断
 ④得られた成果や報酬がさらに二次的あるいは付加的な成果や報酬を生むのか

※①~④のプロセスを通して人間は最も有利な行動を選択する。
 しかし、人間の情報認知・処理能力には限界がある。よって「完全なる合理性」を前提
 とした期待モデルには限界がある。

  • 外的報酬と内的報酬
※モチベーション→行動→報酬→満足

※外的報酬:給料・昇進・労働時間・作業環境・管理と監督のタイプ
 内的報酬:達成感・責任感・自己実現感・成長と成功感
 外的報酬<内的報酬

※内的報酬を重視する目標管理では不十分
 ⇒シェイモン(E.H.Schein)
サイモン(H.A.Simon)
バス(B.A.Bass)とポーターの合理化人の諸側面をもつリアル・マン
最終更新:2009年09月10日 21:05
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