地産米の消費拡大のために、街では「もっと米を食べようキャンペーン(仮称)」を実施中です。
米は栄養バランスに優れ、かつ、いろいろなおかずと相性が良くて食べあきない、
調理も手軽な万能食材の一つです。
おいしいご飯で健康になろう!
参考1)
もしも上記のイラストがポスターとして本当にこの街に貼られてたら!…な
短編小説を頂きました。(「+」をクリックすると読めます)
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【ポスターの怪】 |
【ポスターの怪】
優秀な狗はお使いもできる。
日本鬼子の家で飼われている番犬もまた、そんな仕事のできるペットであった。
首から掛けたポーチには、店員に見せる購入品リストと紙幣が入っている。勿論釣り銭が合わなければ店の人間を威嚇する。
しかし街中の主婦たちが従える良く吠える大型犬や、歩道すれすれを猛スピードで駆け抜けるトラックにも動じない彼が、
あるポスターの前で往生していた。
『お米たべろ!!』
攻撃的な煽り文句だった。
張り紙など意識しなければ全く見ないため、今まで気付かなかった。
よくよく観察すれば、それは寂れた商店街の至る店に出回っている。
最近増えている町おこしの一環なのだろう。
しかし今問題にしているのはそんなことではない。
彼が目を奪われたのは、キャンペーンガールを務めている女の方だった。
湯気を立てた白米の盛られた茶碗と箸を手に笑顔を見せている女の頭には、二本の角が覗いている。
賢い番犬はすぐに気付く。あれは飼い主だと。
いつの間にこんな仕事を請け負っていたのか。ここに至って彼はようやく、あの家の収入源を知ったのだった。
そのポスターの貼りだされている小さな酒屋の店内から、いかにも人の良さそうな中年店主が出てきた。
客と思しき主婦と、世間話に花を咲かせている。
「最近変なアニメのステッカーを張った車がやたら増えたと思ったら、あの女の子のせいだったんだねえ。
あちこちカメラで撮影してく連中もいるし、気味が悪いったらないよ、本当に」
嫌悪感も露わなそのおばさんを、店名の入った前掛けを締めた店主は諌める。
「そう言うなよ。これからはああいう観光客がこの町を潤してくれるんだからさ。それにな」
店主は嬉々とした表情で続ける。
「あのポスターの娘に、次は地酒のキャンペーンをやってもらうことになってるんだ。これでまた町は賑やかになるぞ」
おいおい。
彼が人間の言葉を操れたのなら、本当かよと問い質していただろう。
主婦が店主に問う。
「ところで、あの頭の角は何なんだい」
「さあねえ。役所からあのポスターを持ってきた職員さんも、あの扮装の理由は知らないらしいんだ。
それどころか、あのモデルがどこから派遣されて来たのかさえ誰も把握してないって話だ」
「なんだか気味が悪いねえ。もしかして本当の鬼が山から下りて来たんじゃないかい?」
その通りだよ。
彼が人間の言葉を操れたなら、そう教えてやっていただろう。
しかし賢い番犬は無駄に吠えたりしない。彼は声一つ上げずに、本来の目的である買い出しの任に戻るのだった。
おわり
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【募集】
この街の背景などに使いまわせるキャンペーン専用のポスター画像を作成してくださる方を募集中です。
サイズ)
印刷OKサイズで作るぜ!って方は、B3縦(たて515mm×よこ364mm)に天地左右5mmづつ
…ですが、さすがに印刷はしないと思うので縦横比がB版縦ならなんでも。
内容)
女の子がおいしそうにご飯を食べようとしているところ。(参考1画像参照)
キャラクターはオリジナルでお願いします。
官庁広報とか食品産業とかのそれっぽい感じで。
キャッチコピー)
同時に募集。「もっと米を食べよう」は仮称です。
キャッチコピーのみの応募もOK。
目的)
鬼子作品を描いてて背景に困った時などに、塀や店舗内の壁にこのポスターが貼ってある
ことにして略して描けば間が持つ(笑)
最終更新:2010年12月27日 17:23