ウルトラマン超闘士激伝の最終回

ブラック指令に操られたウルトラセブン21(ツーワン)が、ウルトラの国の秘宝ウルトラキーを奪ったことで、地球は未曽有の危機に陥る。
だがそこにウルトラマンが、そして全宇宙に散っていたウルトラセブン、エース、タロウ、グレートの4人が現れた。


ブラック「あ あ…… あ……ッ!! よっ…四守護闘士(ファイター)……!!! ま…まさか全員が現れるとはっ……!!!」
エース「フフフッ……! 驚いてくれちゃってるみたいだなっ!!」
グレート「オレたち東西南北の四守護闘士のそろいぶみなど めったに見られるもんじゃねぇ! 少々驚いてくれないとこまるぜ……!!」
セブン「宇宙最大の秘宝ウルトラキーを これ以上悪事に利用させるわけにはいかないっ! いまオレたちの全力をもって…… ブラック指令!! おまえを……叩く!!!」
ブラック「ぐっ……!!」
タロウ「……かくごしろッ!!」
タロウがウルトラホーンを巨大化させ、超闘士となった。
ジェロニモン「ブ ブ ブラック~ッ!!! 闘士怪獣をっ……!! メタルモンスをはやく総動員しろッ!!! このサタンモアに残る全空軍をっ……はやくゥゥゥッ!!!」
ブラック「ウウウッ!! 全軍出動ッ──!!!

戦闘機械獣メタルモンスの大群が現れる。

セブン「…来るぞっ…!!」
エース「わかってねぇなぁ 強さの違いが…!!」
ウルトラマン「…ネオス……!!」
ネオス「……ハイッ!!!」
ウルトラマン「そのウルトラミラーを使えっ!!! そして21を救うんだっ!!!」
ネオス「ええッ!? そ それではっ…!!! このミラーは…自分たちのためにっ…!!!」
セブン「ウルトラミラーは“幻の鏡”…!! すなわちその隠し場所は異空間の中だったのさ…!! オレたち守護闘士が四人そろわないとミラーはこの宇宙に出現しないっ…!!」
ネオス「…!! それで…先輩がたが……!!」
タロウ「…そうだ! そのミラーの力があれば21はかならず救える ウルトラミラーはただの防御用アイテムじゃないんだ!!」
ネオス「……先輩がた… みなさんが… わざわざ我々のためにっ…!!!」
エース「ヘッ! いいってことよ! さあッ せっかく頭数をそろえたついでだあッ!!! エンペラ空軍っ! この場で… ぶっつぶしたろうぜ──ッ!!!!

ウルトラマンたちとメタルモンスたちとの激闘が始まる。

ブラック「うううッ……」

一方でネオスは秘宝ウルトラミラーを手に、ブラック指令に操られたままのセブン21と対峙する。

ネオス「ハァ ハァ…」
セブン21「ゼエ ゼェッ……!!」

セブン21がウルトラキーで放つ攻撃を、ネオスがウルトラミラーで防ぐ。

セブン21「ゼエッ ゼエッ!!」
ネオス (い いかん!! このままでは救うまえに21が死ぬ……!! ウルトラキーの連続発射はすさまじい負担をかけているんだ!! だが… かといって…!! まともにこのミラーでキーのエネルギーをはねかえせば21とて ひとたまりもない!! どうすれば… どうすればいい!!? …21…!! …21…!! 21…ッ!!! 21…!!!)
セブン21「!!! ウウッ……」
ネオス「!」

ウルトラミラーの鏡面がセブン21を写し出す。鏡面の中では、セブン21は頭を抱えて苦しんでいる。

ネオス (そうか…!!! タロウ先輩は言った! ウルトラミラーはただの防御用アイテムではないと…!!! 魂を…真実を写し出す神秘の鏡!!!)
セブン21「ウウッ…!!」
ネオス (21が…苦しんでいるッ…!!!)

セブン21目がけ、ネオスがウルトラミラーを突きつける。

ネオス「21!!! 見ろッ!!! 私の魂をッ…!!! 心をッ!!! そして…!! おまえのほんとうの心もっ…!!!

セブン21「うわああ──ッ!!
ネオス「見ろォォッ──!!! 21──ッ!!!!!


セブン21「オイッ」

ネオスとセブン21が宇宙警備隊に配属されたばかりの頃の回想──
セブン21がネオスに声をかけ、互いの額のビームポイントを指す。

セブン21「おまえ なんかオレと同じようなのがついてるじゃねぇか 席番もとなりあわせだし なんか縁がありそうだな オレたち…!」
ネオス「遺伝的にビームポイントが直線になるウルトラ人は人口二千人に一人だという… ウルトラの星の人口は百八十億人だから 九百万人はいる計算になる それが出会うことは たいして珍しいことだとは思わんが…」

セブン21 (な なんだ この野郎…! まるっきし おもしろくねぇヤツ…!!)



…そうさ まるっきし おもしろくないヤツ!
…いつもいつもオレに差をつける… アタマにくるヤツ……!!

そんなヤツをいつから…? なんで…? なんで…

こんなに好きになっちまったんだ!!?


セブン21「アアアアアアア──ッ!!!! (ネオスッ!!!!)」


一方でウルトラマンたちの活躍により、メタルモンスたちは全滅する。

グレート「ホレ これでしまいだ…!! !!

ブラック指令の乗る戦艦サタンモア自らが、ウルトラマンたちに迫る。

グレート「でけぇのできたかっ…!!!」
セブン「…せっぱつまったなっ!!!」
ブラック「ウオオオ──ッ
エース「…お手上げだぜ! ものわかりの悪ィヤツはよ……!! 強さの次元がちがうのが まだわかんねぇのかいっ!!! メタリウム光線!!
セブン「ワイドショット!!!!
グレート「バーニングプラズマ!!!!
タロウ「ストリウム超光波!!!!

4人の必殺光線がサタンモアに命中。

ブラック「ぐああああッ…!!!」
ジェロニモン「なッ なんとかせいッ ブラック……!!!」

とどめのウルトラマンの鉄拳でサタンモアが真っ二つ。ジェロニモンはどうにか脱出する。

ジェロニモン「ひいッ… ひいいいッ も もうダメじゃッ ブラック指令 この責任はどうっ…!?」

ブラック指令は単身、空へ飛び去っている。

ジェロニモン「……あああッ……!! いつの間に…ッ!!?」
ブラック「も…もはやここまで……!! 命あってのモノダネよっ…!!!」

しかしそこに、ウルトラキーを手にしたネオスが立ち塞がる。

ネオス「どこへ行く…!!?」
ブラック「ネ…ネオスッ!!」
ネオス「…これだけのまねをしておいて 自分だけにげようなどとは… ゆるせんっ!!!」
ブラック「ウ…ウルトラキーを…ッ!!? す…すると」

背後には、正気を取り戻したセブン21が。

ブラック「闘士セブン21…!!!」
セブン21「オレの相棒の言うとおりだぜ… あんたにゃあ まだ礼も言ってねぇ… よくも…よくもオレを好きなようにあやつってくれたなァァッ…!!!」
ブラック「う… あああ──っ!!!」
セブン21「…受けとりなっ…!!! オレのこの…怒りのすべてをこめた ヴェルザードをよッ!!!

セブン21の放った必殺のヴェルザードが、ブラック指令の体を裂く。

ブラック「ぐえッ くっ… くそっ… こっ こんなっ… こんなはずでは…なかったの…に…」

ブラック指令が消滅。

ジェロニモン「ブ…ブラック指令」
グレート「他人(ひと)の心配してる場合じゃねぇぜ オッサン」
ウルトラマン「ウルトラベルのありか… すなわちエンペラ軍の本拠地を教えてもらおうか…!」
ジェロニモン「…うううっ…」

そのとき突如、空を裂いて巨大な手が現れる。

一同「!!? な…なんだッ…!!?」

巨大な手が地面に突き刺さり、ジェロニモンを掴みとる。

一同「あッ ジェロニモンを…」「あ あれはっ…!! まさかッ…!!」

空を裂いて現れた巨大な異形の姿は、ウルトラ戦士たちの仇敵、エンペラ星人。

一同「エンペラ星人!!!!!!

ジェロニモン「おおお… エンペラ星人さま…!!!」
ウルトラマン「待て!! …あれは幻影だ…!」
エンペラ星人「そのとおり さすがは超闘士ウルトラマン だが この幻にもジェロニモンを救うくらいの力はあるぞ まだまだこいつには やってもらわねばならんことがあるのでは…! …今回は諸君らウルトラ戦士のすばらしい活躍に敬意を表して このように余の姿を明かした いずれかならず出会うことになるであろうからな そのとき…余は三つの秘宝すべてをこの手にしているであろうがっ…! ククククッ…!!」
ウルトラマン「そうはいかない! 秘宝はかならずとりもどす…!!」
エンペラ星人「…ウルトラマン… 余さえいなければ宇宙最強の男だったろうに かわいそうなやつよ 闘士ザム星人ではないが 余も楽しみにしておるぞ おまえと戦う日をな! フハハハッ!! ハハハッ…」

エンペラ星人が姿を消す。

一同「…あれがエンペラ星人か!!」「…おそるべき殺気だった…」「これからますます激しい戦いになりそうだぞっ!!」「おおっ のぞむところよ!!!」


セブン21「あ… あの…」
ネオス「隊長! 21を… 21をゆるしてやってください!!」
セブン21「!!」
ネオス「罰があるなら この私がっ……!!」
セブン21「…ネオス…!! チクショウッ」

涙をあふれさせるセブン21。

ウルトラマン「…… ゆるすもゆるさないもない だれもあれが21本人のしでかしたこととは思っていない ウルトラミラーが真実を写し出してくれたじゃないか ほんとうのおまえは…21! いま そうして友の胸に顔をうずめて泣いているおまえだ…!!」

セブンたち4人も、セブン21に笑顔を贈っている。

ネオス「隊長……」
ウルトラマン「…もし罪ほろぼしがしたいのなら 宇宙を守る戦いのなかでしろ! いいな!!」
ネオス「ハイッ!!
セブン21「…ありがとうございます… 隊長!!! オレ…もっともっと強くなって かならずエンペラ軍をこの宇宙からたたきだしてみせますっ!!!」
ネオス「自分もでありますっ!!!」
エース「その意気だぜっ!!」
タロウ「だけど強さばかりじゃいけないぞ ほんとうにたいせつなのは  みんなの宇宙をかならず守りぬきたいというその気持ち…! ウルトラ魂なんだからね…!!」
ウルトラマン「ほぅ… いいことを言うな タロウ」
タロウ「なに言ってるんですか あなたがボクに教えてくれたことですよ! 闘士ウルトラマン…!」
ウルトラマン「ええッ!!?」
セブン「ぷ──っ」
一同「アハハハッ」



──彼らの戦いに終わりはない!!

輝け!! ウルトラマン!!! ぼくらの星たちよ!!!



ウルトラマン超闘士激伝 おわり

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最終更新:2019年01月28日 23:30