第3幕

第1場
(新郎新婦の寝室。背景の中央には美しく飾られたベッドがある。開け放たれた張り出し窓の傍には、低い寝椅子がある)

(舞台の奥から音楽が聞こえる。その歌声は初めは遠かったが、だんだんと近づいてくる)

(男女による)婚礼の合唱

<男女>
誠の心に導かれ、
愛の祝福を受けてください!
強き勇気で愛を勝ち取り、
幸せな夫婦となるのです。
若き戦士よ!お進みください!
若きお花よ!お進みください!
賑やかな宴はもうおしまい・・・
心の歓びを手にしてください!

(背景の左右のドアが開かれる。右から登場するのはエルザを導く女達、左からはローエングリンを導く男達とハインリヒ王である。燈明をかざした侍童たちが、その前を進む)


香り高き寝室は愛に飾られ、
光を逃れた者を迎え入れます。
誠の心に導かれ、
愛の祝福を受けてください!
強き勇気と清らな愛で、
幸せな夫婦となるのです。

(二つの行列が舞台中央で出会うと、エルザは女達によってローエングリンの手に委ねられる。二人は抱きしめ合い、舞台中央に立ち止まったままでいる。

侍童たちはローエングリンの豪華なマントを脱がせ、ベルトをゆるめて剣を取り外すと寝椅子の前にそれを置く。

女達もまたエルザの華麗なコートを脱がせる。

その間8人の女達が、ローエングリンとエルザを取り巻く輪になってゆっくりと歩く)

<8人の女達>
(輪になって歩いたあとに)
神がお二人を嘉(よみ)したもう如く、
私達もあなた様方の歓びを願い奉ります。
(さらに2度目の歩みを始める)
愛の幸福に伴われたこの時間を
どうか末長くお思いください!

(ハインリヒ王はローエングリンとエルザを抱擁して祝福する。侍童たちは出発を促す。
人々は再び行列を整え、歌を歌いながら新郎新婦の脇を通りすぎ、男達は右側から、女達は左側から寝室を後にする)



<男女>
誠の心に見守られ、
愛の祝福、ここにあれ!
強き勇気と愛の幸(さち)によって
契り交わした夫婦となるのです。
若き戦士よ!おくつろぎください!
若きお花よ!おくつろぎください!
賑やかな宴はもうおしまい・・・
心の歓びを手にしてください!
香り高き寝室は愛に飾られ、
光を逃れた者を迎え入れます。

(2つの行列がすっかり舞台を去ってしまうと、扉は最後尾の侍童たちによって閉ざされる。歌声はどんどん彼方へと遠ざかっていく)


誠の心に見守られ、
愛の祝福、ここにあれ!
強き勇気と愛の幸(さち)によって
契り交わした夫婦となるのです。


第2場
(人々の行列が寝室から出て行ってしまうと、エルザは幸せのあまり感極まったように、ローエングリンの胸に顔をうずめる。歌が遠ざかっていくのを聞きながら、ローエングリンは寝椅子に腰をかけ、エルザをやさしく引き寄せる)


<ローエングリン>
甘き歌は消えていきました。二人きりです。
初めて二人きりですね・・・お会いした時以来。
いま私たちはこの世から遠く離れ、
心のやり取りを垣間見ることは誰にも許されません。
エルザ!私の妻!清らかで可愛らしい花嫁よ!
幸せですか?どうか教えてください!

<エルザ>
幸せなんて言おうものなら、なんと冷たい女かと思われますわ・・・私は天上の至福を手にしているのですもの!
あなたに向かって心が甘く燃え立つのを感じる時、
私が吸い込むのは、神のみが与えてくださる歓喜です。
あなたに向かって私が甘く燃えるのを感じる時、
私が吸い込むのは、神のみが与えてくださる歓喜です。

<ローエングリン>
可愛い人・・・あなたご自身が幸せだとおっしゃるのなら、
私に与えてくださるのもまた天上の至福なのです!
あなたに向かって心が甘く燃え立つのを感じる時、
私が吸い込むのは、神のみが与えてくださる歓喜です。
私が甘く燃えるのを感じる時・・・etc

<エルザ>
私が甘く燃えるのを感じる時・・・etc

<ローエングリン>
私達の愛は何と気高いことでしょう!
一目も見たこともないのに、互いに予感し合っていたのですから。
私があなたの戦士に選ばれた時、
愛の小道が敷かれたのです・・・
あなたに少しも罪がないことは、あなたの瞳でわかりました。
だから私は、あなたの眼差しの命ずるまま、あなたの慈悲の心に仕えようとしたのです。

<エルザ>
ですが、その前から私はあなたと出会っていたのですよ。
あの幸せな夢に現れてくださったではありませんか・・・
だから私は、この現実の世界であなたを見た時、
あなたが神に命じられてやって来たことがわかりました。
あの時、私はあなたの眼差しに溶けていき、
あなたのお足を川のように取り巻き、
野原に香る花のように、
歓喜してあなたの歩みに頭を垂れたかったのです。
でもこれは愛なの?どう言えばよいのでしょうか・・・
この言いようもなく幸せな言葉。
でも、ああ!あなたのお名前・・・それを知ることはできない・・・かけがえない人を名前で呼ぶことができない!

<ローエングリン>
エルザ!

<エルザ>
あなたの口から私の名前を聞くのは、なんて心地よいことでしょう!でも、私があなたの名前を響かせてはならないのですか?
せめて愛の静けさの中にいる時だけはお許しください・・・
私がその名を口にすることを。

<ローエングリン>
可愛い妻よ!

<エルザ>
誰もいない二人きりなのですよ・・・
決して世間が耳にすることはないはずです!

<ローエングリン>
(親しみを込めてエルザを抱きしめ、開け放った窓の外にある花壇の庭を指し示す)
かぐわしい甘い香りをともに吸い込みませんか?
ああ・・・なんと優しく五感をくすぐることか!
神秘にあふれ、風に乗って伝わる香りの魔法に、
何一つ問いかけずに、私は身を任せます。
あの魔法もそうでした・・・可愛いあなたを初めて見た瞬間、
あなたと私を結び合わせた魔法も。
あなたの素姓を問う必要はなかった・・・
目にした瞬間・・・すぐに心からあなたを理解したからです。
この香りが、たとえ謎めいた夜から流れてこようと
私の五感を魅惑するのと同じように、
あなたの清らかさは、たとえ重き罪の疑いをかけられようと、
私の心に火をつけずにはいなかったのです。

<エルザ>
(恥ずかしさを抑えながら、素直にローエングリンに寄り添う)

ああ・・・私があなたにとって価値ある存在なら、
私はあなたの前にただ消えてしまう存在ではいけない・・・
私に良い所があるからこそ、あなたと一緒になったのなら、
私はあなたのために苦しんでもよいはずです!
苛酷な訴えに苦しめられている私の姿をあなたは見ました・・・
ああ・・・私もまた、あなたの苦しみを知りたいのです。
どんなことでも勇気をもって耐え抜きますから、
あなたの心を悩ますものを教えてください!
全世界に黙っていなければならないほどの
秘密なのですか?
世界がそれを知るようになれば、
災いが待ち受けているというのですか?
仮にそうだとして、私がそれを知ったとしても、
私は大丈夫です。
どんな脅迫に晒されても私が口を割ることはありません。
あなたのためなら、私は死んでもいいのですから!

<ローエングリン>
あなたは・・・!

<エルザ>
ああ・・・私を信じて我が心に誇りを与え、
私が取るに足らない女として消えてしまわないようにしてください!あなたの秘密を私に教えて、
あなたがどなたなのか分かるようにしてください!

<ローエングリン>
ああ・・・おやめなさい!エルザ!

<エルザ>
私の忠誠を信じて、
あなたの出自の高貴さを明るみに出してください!
決して後悔させませんから、どこから来たかおっしゃってください・・・神よ・・・私に沈黙し続ける力を与えてください!

<ローエングリン>
(厳しくも真剣な顔つきで、二三歩後じさりする)
これ以上ない信頼を寄せてくれてありがとう。
あなたの誓いをもちろん私は信じていますよ。
ですが、あなたが私にとってどんな女性以上にも価値ある存在なのは、私の命令を守って揺らがないからこそなのです。
(そう言うとすかさず再び愛情にあふれた様子でエルザに話しかける) 可愛くも清らかな人・・・私の胸へ・・・
私の燃える心のそばに来てください。
優しく私を見つめるあなたの瞳に、
我が生涯の幸福を読み取れるようにしてください!
ああ・・・私が歓喜に満ちて、
あなたの息吹を吸い込めるようにしてください・・・
強く・・・ああ!もっと強く身を寄せて下さい。
私があなたに包まれて幸せでいるために!
あなたの愛は、あなたのために私が捨てたものに
十分以上に釣り合うものです。
神の見そなわす全世界に私の運命ほど
高貴なものはありません。
王が私に王冠をくださろうとも、
私はそんなものには目もくれません。
私の払った犠牲に釣り合うものは、
ただあなたの愛にしか有り得ません!
だから決して疑ったりしないでください。
あなたの愛こそが私の誇るに足る贈り物なのです!
なぜなら私は、苦しみの夜から来たのではなく、
輝ける喜びの国から来たからです!

<エルザ>
何ですって?何てことを耳に!
何ということをおっしゃるの!
私の心を惑わし、
悲しませようというのですね!
あなたが別れてきた世界は、
そんなにも至福の世界なのね・・・
歓びの国から来たあなたは、
もう帰りたいと思っているんでしょう!
惨めな私に、どうして信じられるというの?
あなたが私ごときの忠誠で満足できるなどと・・・。
きっと朝が来れば、あなたは私を愛したことを後悔して、
去って行ってしまうに違いない!

<ローエングリン>
やめてください!なぜ自分をそんなに苦しめるのです!

<エルザ>
あなたこそなぜ私を苦しめるの!
あなたが私のもとにとどまっている日を
なぜ私は数えなければならないの?
あなたがいつまで滞在するか気にしているうちに、
きっと私の頬は色あせ、
あなたは私のもとを去り、
私は不幸の中に取り残される!

<ローエングリン>
あなたの魅力が薄れるはずはありません。
疑う必要などありません!

<エルザ>
ああ・・・あなたを私につなぎとめるほどの強い力を、
私が持っているはずがありましょうか?
あなたという魔法に満ちた存在は、
奇跡の道を歩んでこられた・・・
ああ・・・どうしたら私は元通りになれるの?
あなたにいてもらえる保証がどこにあるというの?
(激しく興奮してびくっと飛び上がると、そのまま固まって、まるで何かに耳を澄ますように)
何か聴こえない?何かがやって来ない?

<ローエングリン>
エルザ!

<エルザ>
ああ・・・違うわ!
(宙の一点を見つめたまま)
あらっ・・・あそこに・・・白鳥が・・・白鳥が!
水面に白鳥がやってくる・・・
あなたが呼んだのね・・・小舟を曳いてやってくる!

<ローエングリン>
エルザ!やめるのです!妄想を鎮めるのです!

<エルザ>
私の心を静めるものはない。
何物も私の妄想を取り払うことはできない。
ただ一つのことだけが私を救う・・・たとえ命が奪われたとて・・・私はあなたが誰なのか知りたいの!

<ローエングリン>
エルザ・・・何をしようというのです?

<エルザ>
優しくて不実な人・・・
聴いて・・・私は問いかけずにはいられません!
私にお名前を教えて!

<ローエングリン>
やめなさい!

<エルザ>
どこから来て・・・!

<ローエングリン>
ああ!

<エルザ>
どんな素姓なの?

<ローエングリン>
ああ!何ということを!

<エルザ>
(エルザは舞台の背後を背にしているローエングリンの前に立っていたので、抜き身の剣をかざして後ろの扉から押し入って来たフリードリヒと四人の貴族に気づく)

たいへん!剣を・・・剣を!

(寝椅子の前に置いてあった剣を素早くローエングリンに渡し、手早く彼は剣を鞘から抜く。

ローエングリンは剣を構えたフリードリヒを一撃のもとに打ち伏せる。驚いた貴族達は剣を取り落し、ローエングリンの足もとにひざまずく。その間、彼の胸に飛び込んでいたエルザだったが、やがて気を失ってゆっくり床へと沈んでいく)



<ローエングリン>
(ひとりで立ち尽くしたまま)
ああ・・・私達の幸せは全て消え去りました!
(エルザのほうに屈み込み、やさしく彼女を抱き起こして寝椅子の上に横たえる)

<エルザ>
(目を見開きながら)
神よ・・・私をお憐れみください!

(朝は今にも明け初めようとしている。燃え尽きようとする蝋燭は、今にも消え入らんばかりである。ローエングリンが手で合図すると、貴族達が立ち上がる)

<ローエングリン>
この打ち倒されし男を、王の裁きの場に運ぶがよい!

(貴族達はフリードリヒの遺体を持ち上げ、後ろの扉を通って去って行く。ローエングリンが呼び鈴の綱を揺らすと、四人の女達が左から現れる)


<ローエングリン>
(女達に)
王の御前に連れて行くために、
私の可愛い妻エルザの衣裳を整えてください!
私は王の御前にてお答えするつもりです。
その時この方は夫の素姓を知ることとなるでしょう。

(ローエングリンは悲しげな重々しい足取りで右の扉から去って行く。女達は身動きできずにいるエルザの手を取り、左の扉から退場させる。ゆっくりと朝の薄明かりが広がっていく。蝋燭はすっかり燃え尽きている。軍隊ホルンの吹奏が、城の中庭から盛り上がってくるように聞こえて来る)


第3場
(第1幕と同じシェルデ河のほとりの沃野。燃えるような朝焼け。次第に昼間の明るさになっていく。

軍勢を引き連れた一人の方伯が舞台前方の右側へと行進してきて、馬から下り、従僕に馬を引き渡す。2人の貴族の少年が盾と槍を渡すと、方伯は地に旗竿を刺し、軍勢はそのもとに結集する。


第2の方伯が同じように入場してくると、早くも第3の方伯のトランペットの音が近づくのが聞こえる。

第3の方伯も同じように入場する。新たに出て来た兵士の群れがそれぞれの旗のもとに結集する。方伯や貴族達は挨拶を交わし、互いの武具を品定めし、それを褒め合ったりする。

第4の方伯が随臣を連れて右側から登場し、舞台奥の中央に進み出る。

左からハインリヒ王のトランペットが聞こえると、皆は急いで自分の旗印のもとに整列する。王はザクセンの軍勢とともに、左手から現れる)


<全ての男達>
(王が「裁きの樫」の木陰に現れると)
ばんざい!ハインリヒ王!
ハインリヒ王よ、ばんざい!

<ハインリヒ王>
感謝するぞ・・・愛するブラバントの者どもよ!
我が胸はなんと誇らしく燃えることか・・・
すべてのドイツの地には
力強き軍勢が満ちあふれている!
いま王国に敵が攻めてこようとも、
我らは力強く迎え撃とうではないか・・・
もはや敵が、荒れ果てた東方から
出て来る勇気が持てないほどに!
ドイツの地にはドイツの剣を!
王国の勢威を見せようではないか!

<全ての男達>
ドイツの地にはドイツの剣を!
王国の勢威を見せようではないか!

<ハインリヒ王>
あの男はいずこに?
神がブラバントの名声と偉大を高めんとして遣わした男は。

(脅えた人々が押し合いへし合いしている。4人のブラバントの貴族達が担架に乗せたフリードリヒの遺体を運んできて、舞台の中央に下ろす。皆は気味悪そうに見交わし、問い交わす)



<男達>
何を連れて来たのだ?何を伝えたいのだ?
テルラムントの男達だ!

<ハインリヒ王>
誰を連れて来たのだ?私に何を見せたいのだ?
お前達の姿なぞ見たくもないぞ!


ブラバントの守護者のご意志です・・・
この者が誰かは、あのお方が明らかにします!

(多数の侍女を引き連れたエルザが舞台に現れ、よろめきながら、ゆっくりと舞台前方に進んでくる)


<男達>
見よ!貞節なるエルザがやって来る!
だがあの蒼ざめた暗い顔はどうしたことだ!

<ハインリヒ王>
(エルザを迎えに行き、自分と向かい合う
一段高い座席へと彼女を導く)
なにゆえに、そんなにも悲しい顔を?
別れがそれほどまでに心にしみるのか?

(エルザは顔を上げようとするができない。その時、舞台後方が人でごった返す)

<数人の男達>
道を空けよ!ブラバントの勇士だ!

(第1幕と同様に完全に武装したローエングリンが随臣を連れずに一人で登場し、真剣な面持ちで荘重に舞台前方に進み出る)


<全ての男達>
ブラバントの勇士よ、ばんざい!
ばんざい!ばんざい!

<ハインリヒ王>
(再び樫の木の木陰にしつらえられた自分の座に戻る)

よくぞ参られた!勇士よ!
あなたがこの野に呼び集めた兵士は、
戦意にあふれて、あなたを待っている。
あなたに率いられれば、勝利は疑いない。

<男達>
我らは戦意にあふれて、あなたを待っている。
あなたに率いられれば、勝利は疑いない。

<ローエングリン>
我が主人であります王よ・・・申し上げます・・・
徴兵に応じたこの勇士達を
私は戦に連れて行くことができないのです!
(一同は非常な戸惑いを隠し切れない)

<王と男達>
何ということを!
何とひどいことをおっしゃられるのだ!

<女達>
何ということでしょう!

<ローエングリン>
いま私がここに来たのは皆さんの戦友としてではなく、
訴えを聴いていただくためなのです。
(そう言ってフリードリヒの遺体から覆いを取り去ると、それを見た一同は嫌悪のあまり顔を背ける)
まず最初の訴えを皆さんの前で申し上げますから、
正当なる判決を下すようお願いします。
「この男は、昨夜私をいきなり襲撃したのです。さあ・・・
私がこの者を打ち倒した行為は正しかったでしょうか?」

<王と男達>
(厳粛にフリードリヒの遺体に手を伸ばしながら)
あなたの手で地に打ち伏せられた如く、
神からの罰がこの男には下るがいい!

<ローエングリン>
もう一つの訴えをお聞きください。
世界中に聞こえるような大声で私は訴えましょう。
「神によって結ばれた私の妻は、
惑わされ、私を裏切ったのです!」

<男達>
エルザ!どうしてそんなことが?
どうして禁を冒したのです?

<ハインリヒ王>
エルザ!なにゆえ禁を冒したのだ?

<女達>
(嘆くような身振りでエルザを見つめながら)
ああ悲しい・・・エルザ様!

<ローエングリン>
皆様は以前お聴きになったはずです・・・この女性は私に、
私が誰なのかを決して問いたださないと約束しました。
それなのに、この人は大事な誓いを破り、
不実な者のささやきに心を奪われてしまったのです!
(一同はこの上なく激しい衝撃を受ける)
疑惑に駆られた無法な問いへの答えを
もうこれ以上引き延ばすわけにはまいりません・・・
敵であれば、いかに迫られようとも、私は答えずともよかった。
しかし今は、名前と素姓を告げねばならぬのです。
(彼の表情は次第に神々しく変容していく)
よくよくお聞きください・・・私が日の目を避けねばならぬ者であるかを。世界中の人々に、王に、王国に向かって、
私は自分の秘密をありのままにお話しします。
(すっくと立ち上がって)
お聴きあれ・・・私の出自があなた方に劣るかどうかを!

<男達>
いかなる前代未聞の話を聴くことになるのだろう?
ああ・・・このような告白などする羽目にならねばよかったのに!

<ハインリヒ王>
いかなる話を聴くのだろうか?
ああ・・・このような告白などする羽目にならねばよかったのに!

<ローエングリン>
(神々しく変容した表情で宙を見つめながら)
あなた方が近づくことのできない遠い国・・・
そこにはモンサルヴァートという名の城があります。
その中央には光り輝く神殿が建っており、
その美しさは地上に並び立つものがないほどです。
神殿内には奇跡の祝福を受けた聖杯があり、
最高の聖遺物として見守られています。
ですから、これを見守る者は至純の者達・・・
天使によって地上に遣わされた最も清らかな人間達なのです。
毎年、天からは鳩が舞い降り、
奇蹟をもたらす聖杯の力を新たに強めるのですが、
その聖杯こそ「グラール」・・・グラールによってこそ
至福にして至純の信仰が騎士団に与えられるのです。
グラールに奉仕するために選ばれた者達を
グラールは超自然的な力で守ります。
ですから、その者達はいかなる悪にも惑わされることなく、
死に直面しても、死の闇のほうが逃げだしていくほどなのです。
しかし、グラールによって遠き土地に送られる者、
徳高き正義の戦士と呼ばれ、
聖なる力を失うことのない者は、
騎士としての正体は悟られないままなのです。
グラールの祝福は、あまりにも気高いがゆえに、
秘密が明かされれば世の人の目からは姿を消さねばならぬのです。
それゆえに騎士を疑ってはなりません。
正体を知れば、騎士は去らねばならぬのですから。
お聴きください・・・これこそ禁問への答えです!
「私こそグラールによって遣わされた身。
王国の王冠をいただくは、我が父パルツィヴァール。
グラールの騎士である私は、ローエングリンという名なのです」

<ハインリヒ王、男達、女達>
最高の素姓に輝くお方の話をうかがったぞ・・・
聖なる歓喜の涙のあまり、我が目は燃えてしまいそうだ。

<エルザ>
(全ての希望が打ち砕かれたように)
大地が揺れる!なんという夜なの!
ああ!風を!惨めな私に風を!
(よろめき倒れようとする彼女をローエングリンは腕で抱きとめる)

<ローエングリン>
ああ、エルザ!何ということをしてくれたのです!
初めてあなたを見た時、
私の心は愛に燃え上がりました。
すぐに見抜いたのです・・・新たな幸せが来ることを・・・
素姓を秘密にすれば与えられる
気高い奇蹟の力を、
私は、あなたの清らかな心に奉仕させようとしたのです。
なのになぜ、その秘密を引き裂いたのです?
もはや私は・・・ああ!あなたのもとを去るしかないのです!

<男達、女達、ハインリヒ王>
なんてことだ!悲しすぎる!

<エルザ>
あなた!いやです!
行かせません!
悔いあらためますから、ここにいて見守って!・・・etc

<ローエングリン>
それはできません!行かねばなりません!可愛い妻よ!

<男女>
ああ!

<エルザ>
私は激しく悔い改めますから、どうか逃げないでください!
罰するというのなら、甘んじて受けますわ!

<女達>
ああ・・・去って行かねばならぬとは!

<エルザ>
罰するというのなら、甘んじて受けますわ!

<ローエングリン>
それはできません!行かねばなりません!可愛い妻よ!

<男女と王>
ああ!悲しい!去って行かねばならぬとは・・・
神から遣わされた高貴なお人が!
天の祝福に去られてしまったら、
我らはどこに慰めを見出せるというのです?
哀れな我ら!おとどまりください!
天の祝福に去られてしまったら・・・etc

<エルザ>
私の知っているとおりの神聖なお人ならば、
神のような恩寵を忘れないでください!
悲しみの中で重い罪を償う哀れな私なのです・・・
慈悲の心で近くにいてください!
突き放さないで!どんなに私の犯した罪が重くとも!

行かないで・・・ああ!惨めな私を捨てないで!・・・etc

<ローエングリン>
すでにグラールがお怒りなのです・・・私がまだ帰らないでいることに!行かねばなりません!行かねば!
あなたの犯した罪への罰はただ一つだけです!
ですが、ああ!その罰は、あなた同様、私をも激しく苦しめます!
私達は離れ離れにならねばなりません・・・
それが罰であり、それが罪の償いなのです!

(エルザは叫び声をあげて、床に崩れ落ちる)

<王と全ての男達>
(猛烈な勢いでローエングリンを取り囲む)
お待ちを!行かないでください!
兵士たちは指揮官を待ち望んでいるのです!
お待ちを!・・・etc

<ローエングリン>
王よ、お聴きください!私はお伴することは許されません!
グラールの騎士は、ひとたび正体が知られたからには、
仮に掟を破って戦おうとも、
もはやいかなる力も発揮できぬのです!
ですが、偉大なる王よ・・・私は予言いたします・・・
あなたという清らかな王には、偉大な勝利が与えられますぞ!
遠い将来に至るまで、ドイツの地に東方の部族が
勝ちに乗じて押し寄せることは決してありません!

(活気に満ちた興奮が一同に広がる。その時、空っぽの小舟を曳いた白鳥がローエングリンの初登場の場面と同じように川面に現れ、こちらに近づくのが見える)

<一部の男達>
(舞台後方から)
白鳥だ!白鳥だ!
白鳥だ!またあそこに!

<その他の男達>
(舞台の前方から後方を見やりながら)
白鳥だ!また近づいてくる!

<女達>
(そのすぐ近くの舞台前方でエルザを取り巻きながら)
白鳥だ!ああ・・・近づいてくるぞ!

<全ての男達>
近づくぞ!白鳥が!

(白鳥は舞台前方にある川の湾曲部に差しかかる)


<エルザ>
(気絶から覚めて体を起こすと、座席で体を支えながら岸辺を見やる)
ひどいわ!ああ・・・あの白鳥!
(そのままずっと凍りついたように姿勢を変えない)

<ローエングリン>
私がぐずぐずしているので、グラールが迎えをよこしたようです!
(エルザ以外の一同が激しい緊張と期待にあふれて見守るなか、ローエングリンは岸辺に歩み寄り、白鳥のほうにうつむくと、愁いに満ちた表情で白鳥を見つめる)
可愛い白鳥よ!
ああ・・・できればこんな悲しい最後の旅を
あなたにはさせたくありませんでした!
あと1年が経ち、
あなたに定められた奉仕の年月が過ぎ去れば・・・
グラールの力によって自由になったあなたと
別の姿で再びお会いできたというのに!
(激しい心の痛みをあふれさせ、エルザのいる舞台前方へと振り返る)
ああ・・・エルザ!あとせめて1年でもお傍にいて、
幸せなあなたをこの目で見守りたかった!
そうすればグラールのお導きにより、
死んだと思っていたあなたの弟君が帰ってきたはずなのに。
(一同、思いもよらなかったこの発言に驚愕する。ローエングリンはエルザに自らの角笛と剣、そして指輪を手渡す)

弟君はいずれ帰ってきますが、私は一生離れたままです・・・
ですから、この角笛、剣、指輪をあなたから渡してください。

この角笛は、弟君に危険が迫る時の助けとなりましょうし、
剣は激しい戦の時に勝利を与えてくれるでしょう・・・
ですが指輪は、弟君に私を思い出していただくためのものです・・・かつて、あなたをも恥辱と苦難から救い出したこの私を思い出すための!
(表情を変えることすらできないエルザに繰り返しキスしながら)
さらばです!お元気で!お元気で・・・可愛い妻よ!
さらばです!これ以上ここにいてはグラールの怒りを受けます!
さらばです!お元気で!

(エルザは反射的にローエングリンの体をつかむが、ついに力尽き、女性達の腕の中に沈みゆく。ローエングリンは彼女達にエルザを委ねると、急いで岸辺へと走り去って行く)


<ハインリヒ王、男達、女達>
ああ!悲しい!優しくも高貴なお方よ!
どうして我らを、こんなにひどく苦しめるのです!

<オルトルート>
(歓喜したような身振りで、舞台前方に進み出る)
帰るのだ!帰れ!高慢な勇士め!
私は嬉しくてならないから、愚かなエルザにも教えてやるよ。
お前の小舟を誰が曳いているのかをね!
以前巻き付けた鎖のおかげで、あたしには分かったのさ・・・
あの白鳥が誰なのかを。
あれこそブラバントの跡継ぎなんだ!

<全員>
なんだと!

<オルトルート>
(エルザに向けて)
騎士を追っぱらってくれて有難うよ!
あの勇士は白鳥に連れられて帰っていくが、
あいつがもう少し長くここにいたら、
お前の弟も自由の身にしたに違いないのさ!

<男達>
なんと忌わしい女だ!おい!
お前が厚かましくも口に出していることは恐ろしい犯罪だぞ!

<女達>
なんと忌わしい人!

<オルトルート>
思い知るがいい!これは神々の復讐さ!
以前はご加護を受けていたくせに、お前達が裏切った神々のね!

(荒々しい恍惚感に浸りながら、皆を見下すように立ち上がったままでいる)
(すでに岸辺に着いていたローエングリンだったが、オルトルートの言葉を一語一句聞き逃してはいなかった。彼は黙ってひざまずき厳かな祈りを捧げると、グラールが遣わした白い鳩が小舟の上に舞い降りてくる。ローエングリンはその姿に気づくと、感謝に満ちた眼差しで飛び起き、白鳥の首にかかっていた鎖を外す。
すると白鳥はすぐに消えてしまい、そこからローエングリンは銀色に輝く衣裳に身をつつんだ少年を連れて来る。彼こそゴットフリートであり、ローエングリンは彼を川の中から岸辺へと導く)




<ローエングリン>
ご覧ください!これこそブラバント公です!
あなた方を率いるお方です!

(ゴットフリートの姿を見たオルトルートはその場に崩れ落ちる。ローエングリンは素早く小舟に乗りこむ。鳩は自らに鎖を結わえ、すぐに舟を曳いて進む。
エルザは最後の喜ばしくも浄化された表情を見せながら、ゴットフリートが舞台前方に歩んで王にお辞儀する姿を見つめる。一同は幸せな驚きに満ちて彼を見つめ、なかでもブラバントの者達は忠誠を誓わんと彼の前にひざまずく。それからゴットフリートは駆け寄って、エルザの腕に飛び込む)

<エルザ>
(しばし幸せに我を忘れていたが、すぐにあわてて岸辺を見やる。しかし、もはやローエングリンの姿は見当たらない)

あなた!私の大事なひと!

(遥か彼方にローエングリンが再び見えてくるが、彼は小舟の上で盾にもたれながら悲しげにうつむいている)


<エルザ>
ああ!

<ハインリヒ王、男達、女達>
なんと悲しいこと!

(エルザの体から魂が抜け去り、ゴットフリートの腕の中で、滑るようにゆっくりと地面に沈んでいく)
(ローエングリンの姿はどんどん遠ざかっていってしまう)
DRITTER AKT

ERSTE SZENE
Das Brautgemach, in der Mitte des Hintergrundesdas reichgeschmückte Brautbett;an einem offenen Erkerfenster ein niedriges Ruhebett.
Musik hinter der Szene; der Gesang ist erst entfernt, dann näherkommend.


Brautlied der

MÄNNER und FRAUEN
Treulich geführt ziehet dahin,
wo euch der Segen der Liebe bewahr'!
Siegreicher Mut, Minnegewinn
eint euch in Treue zum seligsten Paar.
Streiter der Jugend, schreite voran!
Zierde der Jugend, schreite voran!
Rauschen des Festes seid nun entronnen,
Wonne des Herzens sei euch gewonnen!

Rechts und links im Hintergrunde werden Türen geöffnet; rechts treten Frauen auf, welche Elsa, links die Männer mit dem Könige, welche Lohengrin geleiten. Edelknaben mit Lichtern voraus.

Duftender Raum, zur Liebe geschmückt,
nehm' euch nun auf, dem Glanze entrückt.
Treulich geführt ziehet nun ein,
wo euch der Segen der Liebe bewahr'!
Siegreicher Mut, Minne so rein
eint euch in Treue zum seligsten Paar.

Als die beiden Züge in der Mitte der Bühne sich begegneten, ist Elsa von den Frauen Lohengrin zugeführt worden; sie umfassen sich und bleiben in der Mitte stehen.
Edelknaben entkleiden Lohengrin des reichen Obergewandes, gürten ihm das Schwert ab und legen dieses am Ruhebette nieder;
Frauen entkleiden Elsa ebenfalls ihres kostbaren Obergewandes.
Acht Frauen umschreiten währenddessen langsam Lohengrin und Elsa.

ACHT FRAUEN
nach dem Umschreiten
Wie Gott euch selig weihte,
zu Freuden weihn euch wir.
Sie halten einen zweiten Umgang
In Liebesglücks Geleite
denkt lang der Stunde hier!

Der König umarmt und segnet Lohengrin und Elsa. Die Edelknaben mahnen zum Aufbruch. Die Züge ordnen sich wieder, und während des Folgenden schreiten sie an den Neuvermählten vorüber, so dass die Männer rechts, die Frauen links das Gemach verlassen.

MÄNNER und FRAUEN
Treulich bewacht bleibet zurück,
wo euch der Segen der Liebe bewahr'!
Siegreicher Mut, Minne und Glück
eint euch in Treue zum seligsten Paar.
Streiter der Tugend, bleibe daheim!
Zierde der Jugend, bleibe daheim!
Rauschen des Festes seid nun entronnen,
Wonne des Herzens sei euch gewonnen!
Duftender Raum, zur Liebe geschmückt,
nahm euch nun auf, dem Glanze entrückt.

Die beiden Züge haben die Bühne gänzlich verlassen; die Türen werdenvon den letzten Knaben geschlossen. In immer weiterer Ferne verhallt der Gesang.

Treulich bewacht bleibet zurück,
wo euch der Segen der Liebe bewahr'!
Siegreicher Mut, Minne und Glück
eint euch in Treue zum seligsten Paar.


ZWEITE SZENE
Elsa ist, als die Züge das Gemach verlassen haben; wie überselig Lohengrin an die Brust gesunken. Lohengrin setzt sich, während der Gesang verhallt, auf dem Ruhebett am Erkerfenster nieder, indem er Elsa sanft nach sich zieht.

LOHENGRIN
Das süsse Lied verhallt; wir sind allein,
zum erstenmal allein, seit wir uns sahn.
Nun sollen wir der Welt entronnen sein,
kein Lauscher darf des Herzens Grüssen nahn.
Elsa, mein Weib! Du süsse, reine Braut!
Ob glücklich du, das sei mir jetzt vertraut!

ELSA
Wie wär' ich kalt, mich glücklich nur zu nennen,
besitz' ich aller Himmel Seligkeit!
Fühl' ich zu dir so süss mein Herz entbrennen,
atme ich Wonnen, die nur Gott verleiht;
fühl' ich zu dir so süss mich entbrennen,
atme ich Wonnen, die nur Gott verleiht!

LOHENGRIN
Vermagst du, Holde, glücklich dich zu nennen,
gibst du auch mir des Himmels Seligkeit!
Fühl' ich zu dir so süss mein Herz entbrennen,
atme ich Wonne, die nur Gott verleiht;
fühl' ich so süss usw.

ELSA
Fühl' ich so süss usw.

LOHENGRIN
Wie hehr erkenn' ich unsrer Liebe Wesen!
Die nie sich sahn, wir hatten uns geahnt;
war ich zu deinem Streiter auserlesen,
hat Liebe mir zu dir den Weg gebahnt:
Dein Auge sagte mir dich rein von Schuld -
mich zwang dein Blick, zu dienen deiner Huld.


ELSA
Doch ich zuvor schon hatte dich gesehen,
in sel'gem Traume warst du mir genaht;
als ich nun wachend dich sah vor mir stehen,
erkannt' ich, dass du kamst auf Gottes Rat.
Da wollte ich vor deinem Blick zerfliessen,
gleich einem Bach umwinden deinen Schritt,
als eine Blume, duftend auf der Wiesen,
wollt' ich entzückt mich beugen deinem Tritt.
Ist dies nur Liebe? Wie soll ich es nennen,
dies Wort, so unaussprechlich wonnevoll,
wie ach! dein Name - den ich nie darf kennen,
bei dem ich nie mein Höchstes nennen soll!

LOHENGRIN
Elsa!

ELSA
Wie süss mein Name deinem Mund entgleitet!
Gönnst du des deinen holden Klang mir nicht?
Nur, wenn zur Liebesstille wir geleitet,
sollst du gestatten, dass mein Mund ihn spricht.

LOHENGRIN
Mein süsses Weib!

ELSA
Einsam, wenn niemand wacht;
nie sei der Welt er zu Gehör gebracht!

LOHENGRIN
sie freundlich umfassend und durch das offene Fenster auf den Blumengarten deutend
Atmest du nicht mit mir die süssen Düfte?
O wie so hold berauschen sie den Sinn!
Geheimnisvoll sie nahen durch die Lüfte,
fraglos geb' ihrem Zauber ich mich hin.
So ist der Zauber, der mich dir verbunden,
da als ich zuerst, du Süsse, dich ersah;
nicht deine Art ich brauchte zu erkunden,
dich sah mein Aug' - mein Herz begriff dich da.
Wie mir die Düfte hold den Sinn berücken,
nahn sie mir gleich aus rätselvoller Nacht:
So deine Reine musste mich entzücken,
traf ich dich auch in schwerer Schuld Verdacht.

ELSA
birgt ihre Beschämung, indem sie sich demütig an ihn schmiegt
Ach, könnt' ich deiner wert erscheinen,
müsst' ich vor dir nicht bloss vergehn;
könnt' ein Verdienst mich dir vereinen,
dürft' ich in Pein für dich mich sehn!
Wie du mich trafst vor schwerer Klage,
o wüsste ich auch dich in Not;
dass mutvoll ich ein Mühen trage,
kennt' ich ein Sorgen, das dir droht!
Wär' das Geheimnis so geartet,
das aller Welt verschweigt dein Mund?
Vielleicht, dass Unheil dich erwartet,
würd' aller Welt es offen kund?
Wär' es so und dürft' ich's wissen,
dürft' ich in meiner Macht es sehn,
durch keines Drohn sei mir's entrissen,
für dich wollt' ich zu Tode gehn!

LOHENGRIN
Geliebte!

ELSA
O mach mich stolz durch dein Vertrauen,
dass ich in Unwert nicht vergeh'!
Lass dein Geheimnis mich erschauen,
dass, wer du bist, ich offen seh'!

LOHENGRIN
Ach, schweige, Elsa!

ELSA
Meiner Treue
enthülle deines Adels Wert!
Woher du kamst, sag ohne Reue -
durch mich sei Schweigens Kraft bewährt!

LOHENGRIN
streng und ernst einige Schritte zurücktretend
Höchstes Vertraun hast du mir schon zu danken,
da deinem Schwur ich Glauben gern gewährt;
wirst nimmer du vor dem Gebote wanken,
hoch über alle Fraun dünkst du mich wert!
Er wendet sich schnell wieder liebevoll zu Elsa
An meine Brust, du Süsse, Reine!
Sei meines Herzens Glühen nah,
dass mich dein Auge sanft bescheine,
in dem ich all mein Glück ersah!
O gönne mir, dass mit Entzücken
ich deinen Atem sauge ein:
Lass fest, ach! fest an mich dich drücken,
dass ich in dir mög' glücklich sein!
Dein Lieben muss mir hoch entgelten
für das, was ich um dich verliess;
kein Los in Gottes weiten Welten
wohl edler als das meine hiess.
Böt' mir der König seine Krone,
ich dürfte sie mit Recht verschmähn.
Das einz'ge, was mein Opfer lohne,
muss ich in deiner Lieb' ersehn!
Drum wolle stets den Zweifel meiden,
dein Lieben sei mein stolz Gewähr!
Denn nicht komm' ich aus Nacht und Leiden,
aus Glanz und Wonne komm' ich her!

ELSA
Hilf Gott, was muss ich hören!
Welch Zeugnis gab dein Mund!
Du wolltest mich betören,
nun wird mir Jammer kund!
Das Los, dem du entronnen,
es war dein höchstes Glück;
du kamst zu mir aus Wonnen
und sehnest dich zurück!
Wie soll ich Ärmste glauben,
dir g'nüge meine Treu'?
Ein Tag wird dich mir rauben
durch deiner Liebe Reu'!

LOHENGRIN
Halt ein, dich so zu quälen!

ELSA
Was quälest du mich doch!
Soll ich die Tage zählen,
die du mir bleibest noch?
In Sorg' um dein Verweilen
verblüht die Wange mir -
dann wirst du mir enteilen,
im Elend bleib' ich hier!

LOHENGRIN
Nie soll dein Reiz entschwinden,
bleibst du von Zweifel rein!

ELSA
Ach, dich an mich zu binden,
wie sollt' ich mächtig sein?
Voll Zauber ist dein Wesen,
durch Wunder kamst du her;
wie sollt' ich da genesen,
wo fänd' ich dein' Gewähr?
Sie schreckt in heftigster Aufregung zusammen und hält an, wie um zu lauschen.
Hörtest du nichts? Vernahmest du kein Kommen?

LOHENGRIN
Elsa!

ELSA
Ach nein!
vor sich hinstarrend
Doch, dort - der Schwan - der Schwan!
Dort kommt er auf der Wasserflut geschwommen -
du rufest ihm - er zieht herbei den Kahn!

LOHENGRIN
Elsa! Halt ein! Beruh'ge deinen Wahn!

ELSA
Nichts kann mir Ruhe geben,
dem Wahn mich nichts entreisst,
als - gelt' es auch mein Leben -
zu wissen, wer du seist!

LOHENGRIN
Elsa, was willst du wagen?

ELSA
Unselig holder Mann,
hör, was ich dich muss fragen!
Den Namen sag mir an!

LOHENGRIN
Halt ein!

ELSA
Woher der Fahrt!

LOHENGRIN
Weh dir!

ELSA
Wie deine Art?

LOHENGRIN
Weh uns, was tatest du!

ELSA
die vor Lohengrin steht, welcher den Hintergrund im Rücken hat, gewahrt Friedrich und seine vier Genossen, welche mit gezückten Schwertern durch eine hintere Tür hereinbrechen.
Rette dich! Dein Schwert, dein Schwert!

Sie reicht das am Ruhebett angelegte Schwert hastig Lohengrin, so dass dieser schnell es aus der Scheide, welche sie hält, ziehen kann.
Lohengrin streckt Friedrich, welcher nach ihm ausholt, mit einem Streiche tot zu Boden; den entsetzten Edlen entfallen die Schwerter, sie stürzen zu Lohengrins Füssen auf die Knie. Elsa, die sich an Lohengrins Brust geworfen hatte, sinkt ohnmächtig langsam an ihm zu Boden.

LOHENGRIN
steht allein aufrecht
Weh, nun ist all unser Glück dahin!
Er neigt sich zu Elsa hinab, erhebt sie sanft und lehnt sie auf das Ruhebett.

ELSA
die Augen aufschlagend
Allewiger, erbarm dich mein!

Der Tag ist in allmählichem Anbruche begriffen; die tiefer herabgebrannten Kerzen drohen zu erlöschen. Auf Lohengrins Zeichen erheben sich die vier Edlen.

LOHENGRIN
Tragt den Erschlagnen vor des Königs Gericht!

Die Edlen nehmen die Leiche Friedrichs auf und entfernen sich mit ihr durch eine Tür des Hintergrundes. Lohengrin läutet an einem Glockenzuge; vier Frauen treten von links ein.

LOHENGRIN
zu den Frauen
Sie vor den König zu geleiten,
schmückt Elsa, meine süsse Frau!
Dort will ich Antwort ihr bereiten,
dass sie des Gatten Art erschau'.

Er entfernt sich mit traurig feierlicher Haltung durch die Tür rechts. Die Frauen geleiten Elsa, die keiner Bewegung mächtig ist, nach links ab. Der Tag hat langsam begonnen zu grauen; die Kerzen sind verloschen. Wie aus dem Burghofe heraufhört man Heerhörner einen Aufruf blasen.

DRITTE SZENE
Die Aue am Ufer der Schelde, wie im 1. Akt. Glühende Morgenröte, allmählicher Anbruch des vollen Tages.
Ein Graf mit seinem Heergefolge zieht im Vordergrunde rechts auf, steigt vom Pferde und übergibt dies einem Knechte. Zwei Edelknaben tragen ihm Schild und Speer. Er pflanzt sein Banner auf, sein Heergefolge sammelt sich um dasselbe.
Während ein zweiter Graf auf die Weise wie der erste einzieht, hört man bereits die Trompeten eines dritten sich nähern.
Ein dritter Graf zieht mit seinem Heergefolge ebenso ein. Die neuen Scharen sammeln sich um ihre Banner; die Grafen und Edlen begrüssen sich, prüfen und loben ihre Waffen usw.
Ein vierter Graf zieht mit seinem Gefolge von rechts her ein und stellt sich bis in die Mitte des Hintergrundes auf.
Als von links die Trompeten des Königs vernommen werden, eilt alles, um sich um die Banner zu ordnen. Der König mit seinem sächsischen Heerbann zieht von links ein.

ALLE MÄNNER
als der König unter der Eiche angelangt ist
Heil König Heinrich!
König Heinrich Heil!

KÖNIG HEINRICH
Habt Dank, ihr Lieben von Brabant!
Wie fühl' ich stolz mein Herz entbrannt,
find' ich in jedem deutschen Land
so kräftig reichen Heerverband!
Nun soll des Reiches Feind sich nahn,
wir wollen tapfer ihn empfahn:
Aus seinem öden Ost daher
soll er sich nimmer wagen mehr!
Für deutsches Land das deutsche Schwert!
So sei des Reiches Kraft bewährt!

ALLE MÄNNER
Für deutsches Land das deutsche Schwert!
So sei des Reiches Kraft bewährt!

KÖNIG HEINRICH
Wo weilt nun der, den Gott gesandt
zum Ruhm, zur Grösse von Brabant?

Ein scheues Gedränge ist entstanden; die vier brabantischen Edlen bringen auf einer Bahre Friedrichs verhüllte Leiche getragen und setzen sie in der Mitte der Bühne nieder. Alles blickt sich unheimlich fragend an.

DIE MÄNNER
Was bringen die? Was tun sie kund?
Die Mannen sind's des Telramund!

KÖNIG HEINRICH
Wen führt ihr her? Was soll ich schaun?
Mich fasst bei eurem Anblick Graun!

DIE VIER EDLEN
So will's der Schützer von Brabant;
wer dieser ist, macht er bekannt!

Elsa, mit grossem Gefolge von Frauen, tritt auf und schreitet langsam, wankenden Schrittes in den Vordergrund.

DIE MÄNNER
Seht, Elsa naht, die Tugendreiche!
Wie ist ihr Antlitz trüb und bleiche!

KÖNIG HEINRICH
der Elsa entgegengegangen ist und sie nach einem hohen Sitze, ihm gegenüber, geleitet
Wie muss ich dich so traurig sehn!
Will dir so nah die Trennung gehn?

Elsa versucht vor ihm aufzublicken, vermag es aber nicht. Grosses Gedränge entsteht im Hintergrunde.

EINIGE MÄNNER
Macht Platz dem Helden von Brabant!

Lohengrin, ganz so gewaffnet wie im ersten Akt, tritt ohne Gefolge auf und schreitet feierlich und ernst in den Vordergrund.

ALLE MÄNNER
Heil dem Helden von Brabant!
Heil! Heil!

KÖNIG HEINRICH
hat seinen Platz unter der Eiche wieder eingenommen
Heil deinem Kommen, teurer Held!
Die du so treulich riefst ins Feld,
die harren dein in Streites Lust,
von dir geführt, des Siegs bewusst.

Die MÄNNER
Wir harren dein in Streites Lust,
von dir geführt, des Siegs bewusst.

LOHENGRIN
Mein Herr und König, lass dir melden:
Die ich berief, die kühnen Helden,
zum Streit sie führen darf ich nicht!
Alle drücken höchste Betroffenheit aus.

Der KÖNIG und die MÄNNER
Hilf Gott!
Welch hartes Wort er spricht!

DIE FRAUEN
Hilf Gott!

LOHENGRIN
Als Streitgenoss bin ich nicht hergekommen;
als Kläger sei ich jetzt von euch vernommen!
Er enthüllt Friedrichs Leiche, von deren Anblick sich alle mit Abscheu abwenden.
Zum ersten klage laut ich vor euch allen
und frag' um Spruch nach Recht und Fug:
Da dieser Mann zur Nacht mich überfallen,
sagt, ob ich ihn mit Recht erschlug?

Der KÖNIG und die MÄNNER
die Hand feierlich nach der Leiche ausstreckend
Wie deine Hand ihn schlug auf Erden,
soll dort ihm Gottes Strafe werden!

LOHENGRIN
Zum andern aber sollt ihr Klage hören,
denn aller Welt nun klag' ich laut,
dass zum Verrat an mir sich liess betören
das Weib, das Gott mir angetraut!

Die MÄNNER
Elsa! Wie mochte das geschehn?
Wie konntest du dich so vergehn?

KÖNIG HEINRICH
Elsa! Wie konntest du dich so vergehn?

DIE FRAUEN
mit klagenden Gebärden auf Elsa blickend
Wehe dir, Elsa!

LOHENGRIN
Ihr hörtet alle, wie sie mir versprochen,
dass nie sie wollt' erfragen, wer ich bin?
Nun hat sie ihren teuren Schwur gebrochen,
treulosem Rat gab sie ihr Herz dahin!
Alle drücken die heftigste Erschütterung aus
Zu lohnen ihres Zweifels wildem Fragen,
sei nun die Antwort länger nicht gespart:
Des Feindes Drängen durft' ich sie versagen,
nun muss ich künden, wie mein Nam' und Art.
Mit immer steigender Verklärung seiner Mienen
Jetzt merket wohl, ob ich den Tag muss scheuen:
Vor aller Welt, vor König und vor Reich
enthülle mein Geheimnis ich in Treuen.
sich hoch aufrichtend
So hört, ob ich an Adel euch nicht gleich!

DIE MÄNNER
Welch Unerhörtes muss ich nun erfahren?
O könnt' er die erzwungne Kunde sich ersparen!

KÖNIG HEINRICH
Was muss ich nun erfahren?
O könnt' er die Kunde sich ersparen!

LOHENGRIN
in feierlicher Verklärung vor sich herblickend
In fernem Land, unnahbar euren Schritten,
liegt eine Burg, die Montsalvat genannt;
ein lichter Tempel stehet dort inmitten,
so kostbar, als auf Erden nichts bekannt;
drin ein Gefäss von wundertät'gem Segen
wird dort als höchstes Heiligtum bewacht:
Es ward, dass sein der Menschen reinste pflegen,
herab von einer Engelschar gebracht;
alljährlich naht vom Himmel eine Taube,
um neu zu stärken seine Wunderkraft:
Es heisst der Gral, und selig reinster Glaube
erteilt durch ihn sich seiner Ritterschaft.
Wer nun dem Gral zu dienen ist erkoren,
den rüstet er mit überird'scher Macht;
an dem ist jedes Bösen Trug verloren,
wenn ihn er sieht, weicht dem des Todes Nacht.
Selbst wer von ihm in ferne Land' entsendet,
zum Streiter für der Tugend Recht ernannt,
dem wird nicht seine heil'ge Kraft entwendet,
bleibt als sein Ritter dort er unerkannt.
So hehrer Art doch ist des Grales Segen,
enthüllt - muss er des Laien Auge fliehn;
des Ritters drum sollt Zweifel ihr nicht hegen,
erkennt ihr ihn - dann muss er von euch ziehn.
Nun hört, wie ich verbotner Frage lohne!
Vom Gral ward ich zu euch daher gesandt:
Mein Vater Parzival trägt seine Krone,
sein Ritter ich - bin Lohengrin genannt.

KÖNIG HEINRICH, die MÄNNER und FRAUEN
Hör' ich so seine höchste Art bewähren,
entbrennt mein Aug' in heil'gen Wonnezähren.

ELSA
wie vernichtet
Mir schwankt der Boden! Welche Nacht!
O Luft! Luft der Unglücksel'gen!
Sie droht umzusinken; Lohengrin fasst sie in seine Arme

LOHENGRIN
O Elsa! Was hast du mir angetan!
Als meine Augen dich zuerst ersahn,
zu dir fühlt' ich in Liebe mich entbrannt,
und schnell hatt' ich ein neues Glück erkannt:
Die hehre Macht, die Wunder meiner Art,
die Kraft, die mein Geheimnis mir bewahrt,
wollt' ich dem Dienst des reinsten Herzens weihn:
Was rissest du nun mein Geheimnis ein?
Jetzt muss ich, ach! von dir geschieden sein!

DIE MÄNNER und FRAUEN, KÖNIG HEINRICH
Weh! Weh! Weh!

ELSA
Mein Gatte! Nein!
Ich lass dich nicht von hinnen!
Als Zeuge meiner Busse bleibe hier! usw.

LOHENGRIN
Ich muss, ich muss! mein süsses Weib!

DIE MÄNNER und FRAUEN
Weh!

ELSA
Nicht darfst du meiner bittern Reu' entrinnen,
dass du mich strafest, liege ich vor dir!

DIE FRAUEN
Weh, nun muss er von dir ziehn!

ELSA
Dass du mich strafest, liege ich vor dir!

LOHENGRIN
Ich muss, ich muss! mein süsses Weib!

DIE MÄNNER und FRAUEN, der KÖNIG
Weh! Wehe! Musst du von uns ziehn,
du hehrer, gottgesandter Mann!
Soll uns des Himmels Segen fliehn,
wo fänden dein' wir Tröstung dann?
Weh uns! O bleib!
Soll uns des Himmel Segen fliehn usw.

ELSA
Bist du so göttlich als ich dich erkannt,
sei Gottes Gnade nicht aus dir verbannt!
Büsst sie in Jammer ihre schwere Schuld,
nicht flieh' die Ärmste deiner Nähe Huld!
Verstoss mich nicht, wie gross auch mein Verbrechen!
Verlass mich, ach! verlass die Ärmste nicht! usw.

LOHENGRIN
Schon zürnt der Gral, dass ich ihm ferne bleib'!
Ich muss! Ich muss!
Nur eine Strafe gibt's für dein Vergehn!
Ach! mich, wie dich trifft ihre herbe Pein!
Getrennt, geschieden sollen wir uns sehn:
Dies muss die Strafe, dies die Sühne sein!

Elsa sinkt mit einem Schrei zurück.

DER KÖNIG und ALLE MÄNNER
Lohengrin ungestüm umdrängend
O bleib, und zieh uns nicht von dannen!
Des Führers harren deine Mannen!
O bleib usw.

LOHENGRIN
O König, hör! Ich darf dich nicht geleiten!
Des Grales Ritter, habt ihr ihn erkannt,
wollt' er in Ungehorsam mit euch streiten,
ihm würde alle Manneskraft entwandt!
Doch, grosser König, lass mich dir weissagen:
Dir Reinem ist ein grosser Sieg verliehn!
Nach Deutschland sollen noch in fernsten Tagen
des Ostens Horden siegreich nimmer ziehn!

Lebhafte Erregung. Man sieht auf dem Flusse den Schwan mit dem leeren Nachen auf dieselbe Weise wie bei Lohengrins erstem Erscheinen anlangen.

EIN TEIL der MÄNNER
im Hintergrunde
Der Schwan! Der Schwan! Der Schwan!
Der Schwan! Seht dort ihn wieder nahn!

DIE ÜBRIGEN MÄNNER
im Vordergrunde, nach hinten gewandt
Der Schwan! Seht dort ihn wieder nahn!

DIE FRAUEN
im nächsten Vordergrunde um Elsa
Der Schwan! Weh, er naht!

ALLE MÄNNER
Er naht, der Schwan!

Der Schwan kommt um die vordere Flussbiegung herum.

ELSA
aus ihrer Betäubung erweckt, erhebt sich, auf den Sitz gestützt, und blickt nach dem Ufer
Entsetzlich! Ha, der Schwan!
Sie verbleibt lange Zeit wie erstarrt in ihrer Stellung.

LOHENGRIN
Schon sendet nach dem Säumigen der Gral!
Unter der gespanntesten Erwartung der übrigen tritt er dem Ufer näherund neigt sich zu dem Schwan, ihn wehmütig betrachtend
Mein lieber Schwan!
Ach, diese letzte, traur'ge Fahrt,
wie gern hätt' ich sie dir erspart!
In einem Jahr, wenn deine Zeit
im Dienst zu Ende sollte gehn -
dann, durch des Grales Macht befreit,
wollt' ich dich anders wieder sehn!
Er wendet sich im Ausbruch heftigen Schmerzes in den Vordergrund zu Elsa zurück
O Elsa! Nur ein Jahr an deiner Seite
hatt' ich als Zeuge deines Glücks ersehnt!
Dann kehrte, selig in des Grals Geleite,
dein Bruder wieder, den du tot gewähnt.
Alle drücken ihre Überraschung aus. Lohengrin überreicht Elsa sein Horn, sein Schwert und seinen Ring
Kommt er dann heim, wenn ich ihm fern im Leben,
dies Horn, dies Schwert, den Ring sollst du ihm geben.
Dies Horn soll in Gefahr ihm Hilfe schenken,
in wildem Kampf dies Schwert ihm Sieg verleiht;
doch bei dem Ringe soll er mein gedenken,
der einst auch dich aus Schmach und Not befreit!
Während er Elsa, die keines Ausdrucks mächtig ist, wiederholt küsst
Leb wohl! Leb wohl! Leb wohl, mein süsses Weib!
Leb wohl! Mir zürnt der Gral, wenn ich noch bleib!
Leb wohl, leb wohl!

Elsa hat sich krampfhaft an ihm festgehalten; endlich verlässt sie die Kraft, sie sinkt ihren Frauen in die Arme, denen sie Lohengrin übergibt, wonach dieser schnell dem Ufer zueilt.

KÖNIG HEINRICH, die MÄNNER und FRAUEN
Weh! Weh! Weh! Du edler, holder Mann!
Welch harte Not tust du uns an!

ORTRUD
tritt im Vordergrunde auf, mit jubelnder Gebärde
Fahr heim! Fahr heim, du stolzer Helde,
dass jubelnd ich der Törin melde,
wer dich gezogen in dem Kahn!
Am Kettlein, das ich um ihn wand,
ersah ich wohl, wer dieser Schwan:
Es ist der Erbe von Brabant!

ALLE
Ha!

ORTRUD
zu Elsa
Dank, dass den Ritter du vertrieben!
Nun gibt der Schwan ihm Heimgeleit:
Der Held, wär' länger er geblieben,
den Bruder hätt' er auch befreit!

DIE MÄNNER
Abscheulich Weib! Ha, welch Verbrechen
hast du in frechem Hohn bekannt!

DIE FRAUEN
Abscheulich Weib!

ORTRUD
Erfahrt, wie sich die Götter rächen,
von deren Huld ihr euch gewandt!

Sie bleibt in wilder Verzückung hoch aufgerichtet stehen.
Lohengrin, bereits am Ufer angelangt, hat Ortrud genau vernommen und sinkt jetzt zu einem stummen Gebet feierlich auf die Knie. Aller Blicke richten sich in gespannter Erwartung auf ihn hin. Die weisse Gralstaube schwebt über dem Nachen herab. Lohengrin erblickt sie; mit einem dankbaren Blicke springt er auf und löst dem Schwan die Kette, worauf dieser sogleich untertaucht. An seiner Stelle hebt Lohengrin einen schönen Knaben in glänzendem Silbergewande - Gottfried - aus dem Flusse an das Ufer.

LOHENGRIN
Seht da den Herzog von Brabant!
Zum Führer sei er euch ernannt!

Ortrud sinkt bei Gottfrieds Anblick zusammen. Lohengrin springt schnell in den Kahn, den die Taube an der Kette gefasst hat und sogleich fortzieht. Elsa blickt mit letzter freudiger Verklärung auf Gottfried, welcher nach vorn schreitet und sich vor dem König verneigt. Alle betrachten ihn mit seligem Erstaunen, die Brabanter senken sich huldigend vor ihm auf die Knie. Dann eilt Gottfried in Elsas Arme.

ELSA
nach einer kurzen freudigen Entrückung, wendet hastig den Blick nach dem Ufer, wo sie Lohengrin nicht mehr erblickt.
Mein Gatte! Mein Gatte!

In der Ferne wird Lohengrin wieder sichtbar; er steht mit gesenktem Haupte traurig auf seinen Schild gelehnt im Nachen.

ELSA
Ach!

KÖNIG HEINRICH, die MÄNNER und FRAUEN
Weh!

Elsa gleitet langsam entseelt in Gottfrieds Armen zu Boden.
Lohengrin wird immer ferner gesehen.


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@wagnerianchan
最終更新:2015年01月31日 10:19