対訳【ヨッフム盤最適化版】
訳者より
- 私はあんまり他の方が既に訳しているものを改めて訳すことはしないのですが、今年はウェーバーの没後200年のアニヴァーサリーでもありますし、彼の代表作でもある「魔弾の射手」、今私が進めておりますオペレッタ(ジングシュピール、コミックオペラ…)の翻訳最適化プロジェクトにおいても重要な位置にある作品ということもありまして取り上げて見ることとしました。最適化対象の音盤には管理人さんが動画対訳にも使える1959年録音のヨッフム/バイエルンRSO盤がなかなかに翻訳にチャレンジし甲斐のある名演奏でしたので今回はこちらで行きます。この音盤の魅力は別の項で書くとして、今回良かったのはこの盤、おそらく歌のパートと台詞のパートが同じ歌手によって担われているため、歌とドラマの繋がりが非常に自然なのと、話の流れが弛緩しないようにかなり思い切って台詞部分を刈り込んでいるので話のテンポが早くて物語に思わずのめり込めるところ。一気呵成にお話が展開して行く楽しさは他の録音の追随を許しません。
この録音の魅力について
- 教養主義・知性主義の落とし穴に嵌ってしまった「クラシック音楽」の世界ではこういう分かりやすい筋で耳に心地よい音楽に溢れるオペラは段々ウケなくなっているんでしょうか。最近あんまり「魔弾の射手」の新録音が話題となることも少ないような気がします。往年の大指揮者はこれ、けっこう手掛けていますがその大部分が1950年代に固まっているような感じ。1951年のルドルフ・ケンペ/ドレスデンNOH、同年のオットー・アッカーマン/ウィーンpo、1954年のウィルヘルム・フルトヴェングラー/ウィーンpo(ライブ)、1955年のエーリッヒ・クライバー/ケルンRSO、1958年のヨーゼフ・カイルベルト/ベルリンpoと10年の間にはとんでもない面子が揃っています。この並びの中で1959年のオイゲン・ヨッフム/バイエルンRSOは少々小粒に見えてしまいますが、私の印象では錚々たる名歌手を揃えてこの猥雑な田舎芝居を本気で造り上げた、というもの。ドイツの精神性だの、クラシックの芸術性だのといった教養主義には背を向けて、ひたすら分かりやすいエンターテイメントを目指した という感じでしょうか。とにかくオケも歌も隅から隅まで分かりやすい。こうなると思わず私のような破天荒な日本語訳もつけて見たくなるというものです。
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最終更新:2026年06月05日 07:31