"トリスタンとイゾルデ"

対訳

オペラへのプロローグ

  • このプロローグは、私がこの作品を訳しながら、数ある「回想のセリフ」から想像を膨らませて、「オペラ」としての『トリスタンとイゾルデ』の前史を再構成したものです。したがって、ワーグナーが主に準拠している12世紀ドイツの詩人ゴットフリートの叙事詩、また、19世紀末のフランス人ベディエの『トリスタン・イズー物語』、さらにアーサー王伝説群などを参考にしつつも、あくまで独自の解釈をしています。

訳者より

  • イゾルデの「愛の死」=今回、この部分を最初に訳出したのですが、そのきっかけはYouTubeで、アストリッド・ヴァルナイの歌う「愛の死」(50年も前の録音ですが・・・)を初めて聴いたことにあります。私の愛聴する「トリスタンとイゾルデ」のCDは、フルトヴェングラー・フラグスタート盤でして、これはもちろん素晴らしいのですが、イゾルデを歌うのを聴いたことがなかったヴァルナイの「愛の死」にも感動しました。そのため、繰り返し聴くうちに訳してみようと思ったわけです。下から5行目のAll(もともと「宇宙」の意味があります)を「宇宙のすべて」と表現しましたが、ここは、まさに宇宙がイゾルデという巫女を通じて我々に語りかけているように思えてなりません。

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最終更新:2024年03月01日 23:42