少女観察記 ◆BUgCrmZ/Lk
退屈だ。
そう思いながら、私は一人何もない空間で寝転ぶ。
何もないというのは正確ではないし寝転ぶというのも正確ではないか。
何もないというのは正確ではないし寝転ぶというのも正確ではないか。
ここはとある少女の意識の中。
私は意識の海を漂うクラゲのようなものだ。
意識の海には全てがあり何もない。
肉体など存在しなければ、当然寝転がるなどという行為もできない。
私は意識の海を漂うクラゲのようなものだ。
意識の海には全てがあり何もない。
肉体など存在しなければ、当然寝転がるなどという行為もできない。
それが私二階堂永遠という存在だ。
この会場の人間すべてをゾンビにしてやるのが私の夢であり役割なのだが。
まだまだゲームは序盤。
死体が増えるまでやることがないというのが正直なところだ。
まだまだゲームは序盤。
死体が増えるまでやることがないというのが正直なところだ。
そうだな、退屈しのぎに本でも読もうか。
意識の海にずらりと並ぶ、記憶という名の彼女の本を。
意識の海にずらりと並ぶ、記憶という名の彼女の本を。
■■■■■■■■
未来人か。
なるほどなかなかに面白い。
もっとも彼女からしてみればその自覚はなく、自分が未来人なのではなく周りが過去人なのだろうけど。
なるほどなかなかに面白い。
もっとも彼女からしてみればその自覚はなく、自分が未来人なのではなく周りが過去人なのだろうけど。
だけれど未来と言っても世界は思いのほか劇的な変化はなく、現代と対して代わり映えしない。
技術水準は向上し、世界は惑星を飛びだし宇宙へと向かっているようだが、変なチューブを走る車もないし、人々はギンギラな全身タイツも来ていない。
なんとも夢のない話だ。
技術水準は向上し、世界は惑星を飛びだし宇宙へと向かっているようだが、変なチューブを走る車もないし、人々はギンギラな全身タイツも来ていない。
なんとも夢のない話だ。
彼女は未来の生活水準からみてもそれなりに裕福な家庭に育ってきたようだ。
そのせいか欲しいモノを欲しいままに与えられ、ずいぶんと甘やかされて育ったみたいだねぇ。
その中でも興味を持ったのはヲタク文化か。いい趣味だ。
彼女の時代ではすでに衰退した文化なようだから、読み漁っているのはヲタク文化が最も発展した現代の資料が主なようだね。
両親が歴史文学を調査する職に就いていたこともあり、資料確保には事欠かない環境だったようだしね。
そのせいか欲しいモノを欲しいままに与えられ、ずいぶんと甘やかされて育ったみたいだねぇ。
その中でも興味を持ったのはヲタク文化か。いい趣味だ。
彼女の時代ではすでに衰退した文化なようだから、読み漁っているのはヲタク文化が最も発展した現代の資料が主なようだね。
両親が歴史文学を調査する職に就いていたこともあり、資料確保には事欠かない環境だったようだしね。
だが、その一方で学園生活では、その奇特な言動のせいで周囲から浮いていたようだね。
人間が外れたものに冷たく容赦ないのはいつの世も変わらないということか。悲しいねぇ。
もっとも、本人は気にしてないようだけれど。
いや、正確には気にしていないふりをしていただけか。
読み漁った冒険世界に意識をやって、本当の自分は別にいるという設定を創り。
だから、こんな馬鹿な奴らと付き合う必要はない、そう思い込んでいるようだ。
だからと言ってわざわざトイレで昼食をとる必要はないと思うのだけど、よくよくわからないね。
人間が外れたものに冷たく容赦ないのはいつの世も変わらないということか。悲しいねぇ。
もっとも、本人は気にしてないようだけれど。
いや、正確には気にしていないふりをしていただけか。
読み漁った冒険世界に意識をやって、本当の自分は別にいるという設定を創り。
だから、こんな馬鹿な奴らと付き合う必要はない、そう思い込んでいるようだ。
だからと言ってわざわざトイレで昼食をとる必要はないと思うのだけど、よくよくわからないね。
彼女のパーソナリティとしてはこんなところか。
おっと、少し熱中しすぎたか。
いつの間にか、彼女は二人組の男と接触したようだ。
脂ののった太った男が田崎紀夫。小柄な中肉中背の男が猪目道司だったか。
確か田崎はごく普通の大学生だが、猪目の方は連続殺人犯だったはずだ。
ふむ。友好的な顔をして二人一緒に並んでるあたり、なるほど、猪目はそういう道を選んだか。
なかなか面白い展開だ。
いつの間にか、彼女は二人組の男と接触したようだ。
脂ののった太った男が田崎紀夫。小柄な中肉中背の男が猪目道司だったか。
確か田崎はごく普通の大学生だが、猪目の方は連続殺人犯だったはずだ。
ふむ。友好的な顔をして二人一緒に並んでるあたり、なるほど、猪目はそういう道を選んだか。
なかなか面白い展開だ。
「それ何のコスっすか? オッドアイとかマジパネェ、マジパネェっすよ!」
「ふふふ。この漆黒の力を秘めた我が衣に目をつけるとは、なかなか見どころがあるじゃないの」
「ふふふ。この漆黒の力を秘めた我が衣に目をつけるとは、なかなか見どころがあるじゃないの」
見れば、興奮気味な田崎と彼女が会話を弾ませていた。
まあ、田崎からすればコスプレ女子中学生ってだけで崇めるに値する存在なのだろうけど、このノリで迫れば普通の女の子はドン引いちゃうだろうね。
そうでなくとも、いわゆる思春期の女の子というのは田崎のような典型的なヲタクは嫌いそうなものだが。
まあ、田崎からすればコスプレ女子中学生ってだけで崇めるに値する存在なのだろうけど、このノリで迫れば普通の女の子はドン引いちゃうだろうね。
そうでなくとも、いわゆる思春期の女の子というのは田崎のような典型的なヲタクは嫌いそうなものだが。
しかし彼女は田崎に同類の臭いを感じ、いわゆる同志に出会えたことに彼女は内心でかなり喜んでいるようだ。
未来ではそういう趣味は希少なようだからね、その手の仲間に出会えたのは初めての経験なのだろう。
表には出さなようにしているみたいだけどその喜びは割とバレバレだ、まったくかわいいものだ。
未来ではそういう趣味は希少なようだからね、その手の仲間に出会えたのは初めての経験なのだろう。
表には出さなようにしているみたいだけどその喜びは割とバレバレだ、まったくかわいいものだ。
しかし、私が言うのもなんだが、彼女はいささか警戒心が足りないな。
彼女の心理的には、いつも妄想していた状況が現実になっている興奮状態が半分、殺し合いという恐怖を誤魔化すための虚勢が半分と言ったところか。
どちらにせよ周囲に対する注意力が足りなさすぎる。
ほらほら、キミが田崎と盛り上がってる最中で、猪目がキミの肢体を見ながら下卑た笑いをしているよ。
彼女の心理的には、いつも妄想していた状況が現実になっている興奮状態が半分、殺し合いという恐怖を誤魔化すための虚勢が半分と言ったところか。
どちらにせよ周囲に対する注意力が足りなさすぎる。
ほらほら、キミが田崎と盛り上がってる最中で、猪目がキミの肢体を見ながら下卑た笑いをしているよ。
「盛り上がってるところに水を差してわるいんだが。
状況が状況だ、話を戻していいかい?
というより既に死者も出ている。つい先ほど俺たちも少女の死体を見たところだ。
間違いなく危険人物がいるヤバイな状況だ。
こんなところで単独行動は危険だ、なるべく集団行動をとった方がいいと思って俺と彼は行動を共にしているんだが。
どうだい、キミも俺たちと一緒に行動しないかい?」
状況が状況だ、話を戻していいかい?
というより既に死者も出ている。つい先ほど俺たちも少女の死体を見たところだ。
間違いなく危険人物がいるヤバイな状況だ。
こんなところで単独行動は危険だ、なるべく集団行動をとった方がいいと思って俺と彼は行動を共にしているんだが。
どうだい、キミも俺たちと一緒に行動しないかい?」
危険人物がいる、か。
よく言う。
大したタヌキだ。十中八九君が殺したんだろうに。
よく言う。
大したタヌキだ。十中八九君が殺したんだろうに。
それにしても、女の子の死体か。
興味をそそられるね。
今はどうしようもないけど。
興味をそそられるね。
今はどうしようもないけど。
「ふん。時空の使者であるこの私の下僕として共に行きたいというのならば、考えてやらなくもないわ!」
「ありがとうございます!」
「ありがとうございます!」
いやはや、テンション高いね二人とも。
猪目は二人のやり取りを見て若干引いているけども。
まあ正常な反応だ。
一番の異常者であるこの男が正常というのも皮肉な話だけど。
猪目は二人のやり取りを見て若干引いているけども。
まあ正常な反応だ。
一番の異常者であるこの男が正常というのも皮肉な話だけど。
「……そ、そうかい。まあなんにせよよろしくな。お嬢ちゃん」
「お嬢ちゃんじゃないわ。私はファンガール・Jよ!」
「お嬢ちゃんじゃないわ。私はファンガール・Jよ!」
やれやれ。
まんまと話の流れは猪目のペースだね。
彼女は変な興奮状態になってろくに判断力が働いてないみたいだし。
まあ、初めて趣味を共有できる人間が現れたのだから、普段の彼女の生活を思えば分らないでもない、かな?
まんまと話の流れは猪目のペースだね。
彼女は変な興奮状態になってろくに判断力が働いてないみたいだし。
まあ、初めて趣味を共有できる人間が現れたのだから、普段の彼女の生活を思えば分らないでもない、かな?
まあ、私としては彼女に死なれたところでスキルカードに戻って次の所有者を待つだけなのだけど。
少しだけお節介を焼いておこうか。
私としても、憑りつくならむさい男よりは女子中学生の方がいいしね。
まあ、今の状態の私にできる事なんて、無意識に介入する程度なのだけど。
少しだけお節介を焼いておこうか。
私としても、憑りつくならむさい男よりは女子中学生の方がいいしね。
まあ、今の状態の私にできる事なんて、無意識に介入する程度なのだけど。
少しだけ彼女の意識に介入する。
これで彼女はなんとなく猪目に対して受け入れがたい感情を抱くようになったはずだ。
まあ、なんとなくはなんとなくに過ぎないので、明確な意思には逆らうほどの強制力はないけれど、今私ができるのはこの程度。
後は彼女次第かな。
これで彼女はなんとなく猪目に対して受け入れがたい感情を抱くようになったはずだ。
まあ、なんとなくはなんとなくに過ぎないので、明確な意思には逆らうほどの強制力はないけれど、今私ができるのはこの程度。
後は彼女次第かな。
ま、どう転ぼうと構わないけれど、せいぜい退屈させないで欲しいね。
【一日目・黎明/C-7林】
【ファンガール・J】
【状態】健康
【装備】S&W M10(5/6)
【スキル】『ネクロマンサー』(浸食率11%)
【所持品】基本支給品、不明スキルカード、果物ナイフ、予備弾薬(48/48)
【思考】
1.とりあえず田崎達と行動する
※猪目がなんとなく気に食いません
【ファンガール・J】
【状態】健康
【装備】S&W M10(5/6)
【スキル】『ネクロマンサー』(浸食率11%)
【所持品】基本支給品、不明スキルカード、果物ナイフ、予備弾薬(48/48)
【思考】
1.とりあえず田崎達と行動する
※猪目がなんとなく気に食いません
【田崎紀夫】
【状態】健康
【装備】なし
【スキル】なし
【所持品】基本支給品、不明スキルカード、不明支給品1~2
【思考】
1.ファンちゃんマジパネェktkr!
【状態】健康
【装備】なし
【スキル】なし
【所持品】基本支給品、不明スキルカード、不明支給品1~2
【思考】
1.ファンちゃんマジパネェktkr!
【猪目道司】
【状態】健康
【装備】なし
【スキル】『未来予知』
【所持品】基本支給品、不明スキルカード、不明支給品2~4
【思考】
1.生き残って自由になる。
2.ファンガールをどうするか?
【状態】健康
【装備】なし
【スキル】『未来予知』
【所持品】基本支給品、不明スキルカード、不明支給品2~4
【思考】
1.生き残って自由になる。
2.ファンガールをどうするか?
20:そして彼の受難は続く | 時系列順 | 22:蛮勇引力 |
20:そして彼の受難は続く | 投下順 | 22:蛮勇引力 |
11:せっかくだから今の内に自殺しとくか | ファンガール・J | 23:ドーン・オブ・リビングデッドを夢見て |
04:ヒストリー・オブ・バイオレンス | 田崎紀夫 | 23:ドーン・オブ・リビングデッドを夢見て |
04:ヒストリー・オブ・バイオレンス | 猪目道司 | 23:ドーン・オブ・リビングデッドを夢見て |