――真白は、純粋潔白の天使なんかじゃない。
そのユーザー名は、彼女の祈り。其れは、彼女が渇望する心の在り方。
如何なる状況でも、どんな泥沼でも――穢れることなき清らかな心が欲しい。
そのユーザー名は、彼女の祈り。其れは、彼女が渇望する心の在り方。
如何なる状況でも、どんな泥沼でも――穢れることなき清らかな心が欲しい。
彼女は妹達の前では明るく振る舞い、暖かな存在。ゆえにいのりや仔猫から懐かれている。
特にいのりは真白を過大評価する傾向にあるが――実際の真白はそこまですごい人間じゃない。
むしろ等身大の、どこにでも居るような一般人だ。
特にいのりは真白を過大評価する傾向にあるが――実際の真白はそこまですごい人間じゃない。
むしろ等身大の、どこにでも居るような一般人だ。
ゲームは上手い。kawaiiムーブも得意。だがそんなものは趣味に過ぎず、世の中にはもっとすごい人間が沢山いる。VRCに限っても、真白は女声というものを習得してないからボイスロイドに頼ってるのだ。
ゆえに真白は閻魔という圧倒的な悪意を前に惨敗した。
創造武具は想いの力。フレイヤが閻魔に対抗出来たのは様々な要因も関係するが――最も大きな理由は心の在り方。
創造武具は想いの力。フレイヤが閻魔に対抗出来たのは様々な要因も関係するが――最も大きな理由は心の在り方。
悪い言い方をしたら壊れてるが、良い言い方をするならばヒーローに近い。彼女は知らず知らずのうちに既にその領域に近付いている。
如何なる状況でも諦めず、最後は必ず立ち上がる。他者の笑顔を守るために、自分の損得を考えず、それどころか命すらも差し出せる。これはヒーロー像の一つであろう。
如何なる状況でも諦めず、最後は必ず立ち上がる。他者の笑顔を守るために、自分の損得を考えず、それどころか命すらも差し出せる。これはヒーロー像の一つであろう。
例えば、仮面ライダーゴーストの天空寺タケル。
彼は他者の幸せのために自分が復活する機会を逃した。というよりも、その権利を相手に与えた。
彼は他者の幸せのために自分が復活する機会を逃した。というよりも、その権利を相手に与えた。
例えば、仮面ライダー剣の剣崎一真。
親友である相川始のために自ら化け物になる道を選んだ、永遠の切り札だ。
そして世界の平和と相川始の生存――二つの願いを叶えた。自己犠牲的な正義のヒーローとして代表的な存在だ。
親友である相川始のために自ら化け物になる道を選んだ、永遠の切り札だ。
そして世界の平和と相川始の生存――二つの願いを叶えた。自己犠牲的な正義のヒーローとして代表的な存在だ。
逆に真白はそこまでの想いがあるかと言えば、怪しい。
当然だ。彼女はどこまでも一般人なのだから。
たしかに妹達の前では純白で在ることが出来たが、実際は普通に社会を生きてVRCに癒しを求める一般人だ。
初対面の相手に対しては緊張するし。それでも輪の中に入る勇気くらいはあるが、まあそれくらい持ち合わせてる人間は少なくない。
当然だ。彼女はどこまでも一般人なのだから。
たしかに妹達の前では純白で在ることが出来たが、実際は普通に社会を生きてVRCに癒しを求める一般人だ。
初対面の相手に対しては緊張するし。それでも輪の中に入る勇気くらいはあるが、まあそれくらい持ち合わせてる人間は少なくない。
彼女の人生も至って普通。
当たり前のように学校に通い、当たり前のように社会人になった。今ではアバター製作の技能を身に付けたが、それだけでは暮らせず会社にも通う日々。
当たり前のように学校に通い、当たり前のように社会人になった。今ではアバター製作の技能を身に付けたが、それだけでは暮らせず会社にも通う日々。
人生で大したイベントもなく、仕事に疲れてVRCに辿り着いた。まあそれゆえにぼっちの集いの中では浮いてる方なのだが、誰もそれを咎めたりしない。
シエル、いのり、仔猫はそれぞれ闇を抱えているが真白だけが何も無い純白だ。
シエル、いのり、仔猫はそれぞれ闇を抱えているが真白だけが何も無い純白だ。
はっきり言うなら、真白以外のメンバーの方が閻魔に対してもっとまともに勝負出来たかもしれない。
闇を見てきた者と、そうじゃない者。閻魔のような悪意に耐性があるのは当然、前者だ。
闇を見てきた者と、そうじゃない者。閻魔のような悪意に耐性があるのは当然、前者だ。
真白を助けたフレイヤも極大の闇を見ている。その上でヒーローとして在ろうとする――それこそ一般人が見たら壊れてるようにも、イカれてるようにも見えるその在り方が真白を救った。
創造武具は、想いの強さ。
一般人なんかよりも、イカれてたり突き抜けてるタイプの方が強いのがこの世界の法則とGMに設定されている。
一般人なんかよりも、イカれてたり突き抜けてるタイプの方が強いのがこの世界の法則とGMに設定されている。
つまり真白は弱いのだ。絶望的な状況で奮起し、挫折を回避したのは見事だが――最終的にはフレイヤと閻魔の激戦を見ているだけで、挙句の果てにフレイヤの無様な姿を見て戦意すら消失した。
――もしもこれがシエル、いのり、仔猫ならば閻魔に抗う道を選択していただろう。
彼らは闇を知っている。世界の醜さを理解している。それでもなお、そんなクソッタレな世界で仲間と共に日常を楽しもうとする集団だ。
彼らは闇を知っている。世界の醜さを理解している。それでもなお、そんなクソッタレな世界で仲間と共に日常を楽しもうとする集団だ。
真白にはそういう『強さ』がない。
『つーか、あいつはてめぇの為に頑張ってたってのによ。怯えた目って流石にクソだろ。』
『……同じ状況だったら仲間相手でもするのか?』
『……同じ状況だったら仲間相手でもするのか?』
閻魔の言葉はまるで、ぼっちの集いのリーダー――シエルも言いそうなことで。
――真白の脳には強く焼き付いた。
――真白の脳には強く焼き付いた。
〇
ざぁあああ――――。
真白さんは私の体を丁寧に洗ってくれていた。
温泉にはボディソープがあって、それを泡立てると優しく塗って。シャワーで洗い流してくれる。
そんなことを何度か繰り返した。真白さんの顔を見ると、優しく微笑んでくれる。……さっきはお姉ちゃんって言ってたけど、ほんとに誰かのお姉ちゃんなのかな?
それと、そんなことより――。
温泉にはボディソープがあって、それを泡立てると優しく塗って。シャワーで洗い流してくれる。
そんなことを何度か繰り返した。真白さんの顔を見ると、優しく微笑んでくれる。……さっきはお姉ちゃんって言ってたけど、ほんとに誰かのお姉ちゃんなのかな?
それと、そんなことより――。
「やっぱり私、ばっちぃですよね」
汚れを落とすように丁寧に、丹念に。
何度も洗ってくれるのは嬉しいけど――それ以上に申し訳なくて。
……その優しさだけで、十分に私は救われたから。だから真白さんを――。
何度も洗ってくれるのは嬉しいけど――それ以上に申し訳なくて。
……その優しさだけで、十分に私は救われたから。だから真白さんを――。
「ううん。さっきも言ったはずだけど、他の誰がなんと言っても――私はフレイヤちゃんを汚いと思わないよ」
真白さんはニッコリと微笑んだ。
里奈がヒーローなら、真白さんは天使――かな。まだ出会ったばかりだけど、真白さんの優しさに救われた気がする。……でもその笑い方は、以前にも見た覚えがある。
だからね、真白さん。あなたの気持ちは嬉しいけど――。
里奈がヒーローなら、真白さんは天使――かな。まだ出会ったばかりだけど、真白さんの優しさに救われた気がする。……でもその笑い方は、以前にも見た覚えがある。
だからね、真白さん。あなたの気持ちは嬉しいけど――。
「無理して笑わなくても大丈夫ですよ、真白さん」
――私のことを心配して、励まそうとしてくれるのは嬉しいけど。
でも……そんな無理をしなくてもいいから。……してほしく、ないから。
でも……そんな無理をしなくてもいいから。……してほしく、ないから。
だってヒーローはみんなを笑顔にするもので――心の底から笑ってほしくて。
そうすると、こんな穢らわしい私でも誰かの役に立てたんだって。救えたんだって――嬉しくて。……ビルドの戦兎が言ってたように、私の顔もくしゃっとなれる。
そうすると、こんな穢らわしい私でも誰かの役に立てたんだって。救えたんだって――嬉しくて。……ビルドの戦兎が言ってたように、私の顔もくしゃっとなれる。
だから真白さん。そんなにがんばって、笑わなくていいんだよ……?
「あはは。流石にこんな状況じゃ、上手く笑えてなかったかな?ずっと働いてるから愛想笑いは得意なはずだったんだけど……ごめんね」
真白さんはニッコリと微笑んだ笑顔を。――偽りの仮面を脱ぎ捨てると、少し寂しそうに笑った。
「あっ、えっと……真白さんを悲しませるつもりはなくて。別に怒ったわけじゃなくて……!」
真白さんがそんな笑い方をするから――ヒーローとしてなんとか元気づけてあげたくて。
でもとりあえず私が原因だから、まずは謝らなきゃって。
でもとりあえず私が原因だから、まずは謝らなきゃって。
「ううん、私は何も悲しんでないよ。……ところでさ、フレイヤちゃんはどれだけ穢れて堕ちたとしても――へし折れないんだよね?」
『――真紅の炎は不屈の魂。どれだけ穢れて堕ちたとしても、正義の心は折れたりしない! セイントヴァルキリー・フレイヤ、只今参上!』
真白さん――私の名乗りを覚えてくれてたんだ。
それがなんだか嬉しくて、自然と笑みが零れ落ちて。――こういう人がいるから、きっと私は正義の味方で在り続けられる。
里菜やテレビで見たヒーロー――タケルさんや遊馬くん、剣崎さんやアリアさんに近付こうと強く思える。
私は仮面ライダーでも決闘者でも、武偵でもないけど――それでもずっとみんなの背中を見てきたから!
それがなんだか嬉しくて、自然と笑みが零れ落ちて。――こういう人がいるから、きっと私は正義の味方で在り続けられる。
里菜やテレビで見たヒーロー――タケルさんや遊馬くん、剣崎さんやアリアさんに近付こうと強く思える。
私は仮面ライダーでも決闘者でも、武偵でもないけど――それでもずっとみんなの背中を見てきたから!
「はい。私の心は――どんな逆境でも折れないです。諦めない心――それがかっとビングだから!」
「かっとビング?えっと……いのりや仔猫ちゃんやシエルもよく言ってたけど、遊戯王だっけ?」
「はい。ZEXALです!」
「ゼアルって言われても私は初代のペガサスくらいまでしかわからないけどね、あはは……」
「かっとビング?えっと……いのりや仔猫ちゃんやシエルもよく言ってたけど、遊戯王だっけ?」
「はい。ZEXALです!」
「ゼアルって言われても私は初代のペガサスくらいまでしかわからないけどね、あはは……」
初代――っていうとDMかな?
ゼアルはDMがベースって聞いたから、私も見たことある。世代からはズレてるし、まさかこんな時に話題に出るなんて思わなかったけど……!
ゼアルはDMがベースって聞いたから、私も見たことある。世代からはズレてるし、まさかこんな時に話題に出るなんて思わなかったけど……!
「初代も面白いですよね。特に城之内さんからは大切なものを学びました」
「大切なもの?」
「大切なもの?」
真白さんがきょとん、と首を傾げる。
城之内さんから学んだ大切なもの。ヒーローじゃなくて決闘者だけど――あの人は。決闘者達は……ヒーローと同じくらい大事なことを教えてくれることもあって。
城之内さんから学んだ大切なもの。ヒーローじゃなくて決闘者だけど――あの人は。決闘者達は……ヒーローと同じくらい大事なことを教えてくれることもあって。
「見えるけど、見えないもの。――友情です!」
「たしかにそんなセリフもあったね」
「はい。それにセリフだけじゃないです。城之内さんは友情・努力・勝利の体現者で――」
「たしかにそんなセリフもあったね」
「はい。それにセリフだけじゃないです。城之内さんは友情・努力・勝利の体現者で――」
『……愛奈の身体、温かい。陽だまりみたい。』
私にも大切な友達が居て。
『我が盟友よ――』
こんな穢れた私を知ってもまだ『盟友』と呼んでくれる子も居て。
そんなみんなのために――頑張りたいから。
もう二度とあんな悲劇を繰り返さないために――私は戦うことを選んだんだ。
そんなみんなのために――頑張りたいから。
もう二度とあんな悲劇を繰り返さないために――私は戦うことを選んだんだ。
みんな私を心配してくれて、優しいけど――こんな殺し合いが始まったら、人々を助けるのがヒーローだから。
「……私も城之内さんや遊馬さんみたいになれたらなって……」
私は――――。
みんな、を――――。
みんな、を――――。
「……でも現実は厳しくて。誰も助けられなくて」
あの時の私は弱かったから。
だから私は――そんな自分が許せなくて。……誰も救えなかったことが悔しくて。
だから私は――そんな自分が許せなくて。……誰も救えなかったことが悔しくて。
血の滲むような努力をひたすら繰り返した。みんなを助けられるヒーローになるために。
仮面ライダーオーズの映司さんみたいに――この手を、伸ばしたいから。
仮面ライダーオーズの映司さんみたいに――この手を、伸ばしたいから。
そして私の手は、やっと届いた。
真白さんを助けることが出来た。この調子でみんな救って――こんなことでカナリアちゃん達は喜ばないとは思うけど。私は未来永劫、この罪を背負わなきゃいけないけど……。
真白さんを助けることが出来た。この調子でみんな救って――こんなことでカナリアちゃん達は喜ばないとは思うけど。私は未来永劫、この罪を背負わなきゃいけないけど……。
『みのほどをしらず、せいぎのひろいんをなのって、ごめんなさい。』
『だから、ころさないでください。あいなをせいがんぐにしてください。』
『だから、ころさないでください。あいなをせいがんぐにしてください。』
「―――――!!」
はっきり言うと、つらいよ。
過去はずっと――私に付いてくるから。
みんなが殺されたのに、抗うことも出来ずに無様に従って――自分の無力さを思い知った。世界の残酷さを見せ付けられた。
過去はずっと――私に付いてくるから。
みんなが殺されたのに、抗うことも出来ずに無様に従って――自分の無力さを思い知った。世界の残酷さを見せ付けられた。
どんな時も、諦めたくなかったのに。自分の命を散らしてでも戦うのが、正義のヒーローなのに。
きっと剣崎さんなら――あんな状況でも屈さなかった。
晴人さんなら、きっとみんなを助けて――絶望を希望に変えてた。
晴人さんなら、きっとみんなを助けて――絶望を希望に変えてた。
私は無力だ。
どうしようもなく弱かった。死にたくない――そんな生存本能が私を弱くした。
どうしようもなく弱かった。死にたくない――そんな生存本能が私を弱くした。
知ってたはずなのに。
身の程知らずじゃないと。どんな無茶にも挑めないと――ヒーローになれないって。
それこそ幻想殺しだけで立ち向かう、当麻さんから学んだはずなのに。
身の程知らずじゃないと。どんな無茶にも挑めないと――ヒーローになれないって。
それこそ幻想殺しだけで立ち向かう、当麻さんから学んだはずなのに。
生きるために愛玩具になるなんて――そんな人生は絶対に嫌なのに。
みんなを殺した人たちに屈服して――あんなに情けないものはない。
みんなを殺した人たちに屈服して――あんなに情けないものはない。
「フレイヤちゃん!?何か様子が悪い気がするけど……だ、大丈夫?」
真白さんが私を心配そうに見てくる。
「はい、私は大丈夫ですっ!」
私はもう――誰も泣かせない。
……カナリアちゃんみたいに無理をして笑ってほしいとも、思わない。
私は強くなった。戦うための力だって、今はある。
……カナリアちゃんみたいに無理をして笑ってほしいとも、思わない。
私は強くなった。戦うための力だって、今はある。
だから大丈夫だよ。
『我が盟友よ、あの様な愚衆の為に身を滅ぼす運命など例え神が許そうともこのシュヴァルツウィンドが未来永劫許しはせん! ……だから、だからそんな自ら苦しむような真似はやめてくれぇ!!!!』
……ごめんね。
百菜華ちゃんがシュヴァルツウィンドを名乗るみたいに――私はセイントヴァルキリー・フレイヤだから。
百菜華ちゃんがシュヴァルツウィンドを名乗るみたいに――私はセイントヴァルキリー・フレイヤだから。
だから辛くても、苦しくても――どんな時でも諦めない。それこそかっとビング――ヒーローにとって大切な在り方だから。
――必ず、みんなの居る場所に帰るから。
里菜ともまた会いたいし……。そしてまた再会出来たら――私もヒーローになれたよって、報告するんだ。
里菜ともまた会いたいし……。そしてまた再会出来たら――私もヒーローになれたよって、報告するんだ。
「……あまり背負い込まないようにね?フレイヤちゃん」
「心配してくれてありがとうございます。でも本当に大丈夫ですっ!」
「心配してくれてありがとうございます。でも本当に大丈夫ですっ!」
真白さんに、私なりの満面の笑みで応える。……上手く笑えてるかな?
ヒーローらしく、サムズアップもして……うん、完璧。
ヒーローらしく、サムズアップもして……うん、完璧。
〇
――やっぱりこの子は、壊れてる。
それが真白がフレイヤに改めて抱いた正直な感想だった。
フレイヤ自身は気付いていないし、気丈に振る舞っているが――その必死さは真白によく伝わってきた。
救いたいと思うと同時に、それがどれほど困難な道のりか改めて思い知った気分だ。
それが真白がフレイヤに改めて抱いた正直な感想だった。
フレイヤ自身は気付いていないし、気丈に振る舞っているが――その必死さは真白によく伝わってきた。
救いたいと思うと同時に、それがどれほど困難な道のりか改めて思い知った気分だ。
だがそれでも真白とて諦めるつもりじゃない。
……信念がやたら強いメンバーしかいないぼっちの集いに所属してるというのもあり、こういうタイプに接すること自体は慣れている。……もっとも真白は彼らの闇をそこまで知らないし、フレイヤの闇はあまりにも極大過ぎてそれを『救う』というのがただの一般人に出来るかと言われたら、怪しいだろう。
……信念がやたら強いメンバーしかいないぼっちの集いに所属してるというのもあり、こういうタイプに接すること自体は慣れている。……もっとも真白は彼らの闇をそこまで知らないし、フレイヤの闇はあまりにも極大過ぎてそれを『救う』というのがただの一般人に出来るかと言われたら、怪しいだろう。
(それでも私は――)
『真白ちん。お前はすっげぇ優しいけどさ――いざという時にガチで戦える勇気はある?』
『それは……わからないかな~。私はシエル達みたいに強くないからさ』
『それは……わからないかな~。私はシエル達みたいに強くないからさ』
『んー。強いかどうかってのは、魂(ここ)が決めるもんだぜ?だから真白ちんもいつか――ダチやいのりのために本気で向き合える時が来たらいいなっ!」
――シエルと昔にした会話を思い返す。
真白は純白だ。無知だ。――いのりや仔猫やもみじが何か闇を抱えてることを察していながらあえて目を逸らしている。
それは彼女がどこまでも一般人だから。彼らのそういう面に踏み込むのが、怖かったから。
真白は純白だ。無知だ。――いのりや仔猫やもみじが何か闇を抱えてることを察していながらあえて目を逸らしている。
それは彼女がどこまでも一般人だから。彼らのそういう面に踏み込むのが、怖かったから。
だがフレイヤが無理して奮闘する姿を見て、思い知った。如何に自分が穢れているか。
――シエルならば彼女を見て脅えたり、引いたりせず受け入れてたはずだ。
――シエルならば彼女を見て脅えたり、引いたりせず受け入れてたはずだ。
(――私はもう逃げない。フレイヤちゃんと向き合って……救わなきゃ……!)
真白はグッと拳を固めて――覚悟を決める。
「じゃあ私も可愛い正義のヒーローちゃんの役に立てるように、頑張らなきゃね?」
――此度の戦場。
純白の天使は、全ての穢れを受け入れる覚悟をした。
純白の天使は、全ての穢れを受け入れる覚悟をした。
『……まあ、仕方ねぇよな。てめぇの『家族』も同じ穴のムジナ。救いようのねぇ『クソ野郎』だからなぁ?』
恐怖の中、閻魔に言われたことも忘れていない。
その真実を知るためにも――大切ないのりや仔猫を探して、全てを聞こう。
そして彼女達が穢れていても、それでも――――。
その真実を知るためにも――大切ないのりや仔猫を探して、全てを聞こう。
そして彼女達が穢れていても、それでも――――。
(シエル。――私はキミみたいになれるかな?)
正義の味方とは、時に人々に勇気を齎す。
だが勇気を与えらるた常人の行先は――果たしてお荷物か、はたまた天使として遂に翼を羽ばたかせるのか。
その結末はまだ誰にもわからない。
だが勇気を与えらるた常人の行先は――果たしてお荷物か、はたまた天使として遂に翼を羽ばたかせるのか。
その結末はまだ誰にもわからない。
〇
まだ語られない、物語の先へ。
迷いさえも抱えて――行くんだ。
何度でも、超えればいい。それが生きることさ。
地を這う時も、空を見ろ――――。
迷いさえも抱えて――行くんだ。
何度でも、超えればいい。それが生きることさ。
地を這う時も、空を見ろ――――。
【C-6/温泉施設/一日目/黎明】
【真白】
[状態]:全身に火傷(小)、背中に焼き鏝のような火傷(中)
[装備]:純白の剣@創造武具
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:私はどんな穢れも受け入れたい。もう目を逸らしたくない
1:フレイヤちゃんを救う。
2:ごめんねいのり、お姉ちゃん浮気しちゃった。
3:閻魔って人、私たち「ぼっちの集い」の事を知っていたけど、どういうことなの……?
4:いのりや仔猫、シエルたち「ぼっちの集い」のメンバーを探してみんなの闇にも向き合う
[備考]
※今後、『純白の剣』の性能に影響が出る可能性があります。
【真白】
[状態]:全身に火傷(小)、背中に焼き鏝のような火傷(中)
[装備]:純白の剣@創造武具
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:私はどんな穢れも受け入れたい。もう目を逸らしたくない
1:フレイヤちゃんを救う。
2:ごめんねいのり、お姉ちゃん浮気しちゃった。
3:閻魔って人、私たち「ぼっちの集い」の事を知っていたけど、どういうことなの……?
4:いのりや仔猫、シエルたち「ぼっちの集い」のメンバーを探してみんなの闇にも向き合う
[備考]
※今後、『純白の剣』の性能に影響が出る可能性があります。
【セイントヴァルキリー・フレイヤ】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:私は最後まで、正義のヒーローでいたい
1:真白さんの笑顔は私が守る。もう誰にも泣いてほしくないから……
2:辛いけど、ヒーローとして頑張る!
[備考]
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:私は最後まで、正義のヒーローでいたい
1:真白さんの笑顔は私が守る。もう誰にも泣いてほしくないから……
2:辛いけど、ヒーローとして頑張る!
[備考]
前話 | 次話 | |
024:楽園の翼 | 投下順 | 026:そして、夏樹尊は本物を求める。 |
023:Lunatic delusion -それでも罪人は愛を唄う- | 時系列順 | 026:そして、夏樹尊は本物を求める。 |
前話 | 登場人物 | 次話 |
麻痺 | セイントヴァルキリー・フレイヤ | Justiφ's ―それでも― |
麻痺 | 真白 | Justiφ's ―それでも― |