幻想演戯における戦闘の大前提は「ルールに乗っ取った弾幕による戦闘であり、命のやり取りを行うものではない」というもの。
幻想演戯におけるHPは「はっ、まだまだ余裕よ! ポイント」の略である。相手の攻撃によって次第に弾幕を回避する余裕がなくなっていき、ついに余裕が0になった瞬間が被弾であり、その被弾をもって敗北とする。
なお、作成時におけるPCの強さは、
スペルカード戦に限定すれば1~2面ボスぐらいの強さ。PC特権として点符を使用することもあわせて考えれば3面ボスに匹敵するかしないか。妖精としては最強レベル。人間の中では、GMが考える里の人間たちの設定にもよると思うが、一部の抜けて強い方々をのぞけばかなり強いレベル。妖怪の中では弱くはないぐらい。
戦闘はターン制であり、基本的に1ターンに1回の行動を取ることができる。
また、スペルカードルールを用いた戦闘を行う場合、最初に使用枚数を宣言する。
PCの場合は、どのスペルカードを使用するかも宣言しなければならない。
行動順序
戦闘が始まったら2D6を振り、出目の大きい順に行動をする。このダイスは達成値を求めるものではないので、点符による「達成値の底上げ」は使用できない。「ダイスの振り直し」「イニシアティブ」は使用できる。
PC同士が同値の場合、話し合いでどちらが先か決める。NPCと同値の場合、PCの処理が優先される。もちろん、PCは意図的にNPCより遅く行動してもよい。
距離やスクエアなど
そんなことを気にしない距離間で戦闘が行われている。
戦闘行動
通常時(スペルカードを発動していない状態)にできる行動
「攻撃に割り振ったステータス値+2D6」が攻撃達成値となり、攻撃達成値-回避達成値のHPを減らすことができる。
トループ戦ではない場合、攻撃対象を1体選んだ後にサイコロを振る。
※例
命中:10のキスメがチルノに対して通常攻撃を宣言。キスメが振ったダイスは11。クリティカルなのでもう1回ダイスを振ると7。10+10(クリティカルは出目を10として扱う)+7=27が攻撃達成値となる。
回避:15のチルノは回避で6の出目。15+6=21がチルノの回避達成値。よって、チルノはHPが27-21=6減る。
対象を1体選び、相手の行動を阻害するような攻撃をする。
「(攻撃に割り振ったステータス値+2D6)÷4」(端数切り上げ)だけ、対象の命中と回避に-修正を与える。
対象の手番が終了することで、この-修正は消える。また、対象の手番が終了するまで-修正は累積する。
なお、スペルカードや牽制攻撃による-修正の累計は「そのキャラのステータス合計値÷2」が限界。
※例
命中:10のキスメがチルノに対して牽制攻撃を宣言。キスメが振ったダイスは7。(10+7)÷4を端数切り上げすると5。これによりチルノは、チルノの手番が来て、なおかつその手番が終了するまでは命中と回避に-5のペナルティーを受ける。
さらに、チルノの手番が来る前に命中:12のヤマメがチルノに対して牽制攻撃を宣言。ヤマメが振ったダイスは10。(12+10)÷4を端数切り上げすると6。これによりチルノの命中・回避ペナルティーはさらに-6され、-11になる。
※例
上の状態で、さらにヤマメは行動制限タイプのスペルカードを使用。そのスペルカードによりチルノは命中と回避に-10の修正を受ける。これにより、本来なら-21になるはずだが、チルノのステータス合計値は30なので、-修正は-15までとなる。牽制攻撃の効果が消滅した後は、スペルカードが発動している限り、-10の修正は持続する。
※HPを減らす攻撃を放棄することになるが、命中と回避を減らすことは相手の攻撃力と防御力を同時に下げることにつながる。
自分たちより格上の相手がスペルカードを発動すると、こちらもスペルカードを発動させていない限り、一撃でHPが0になったり、通常攻撃がまるで効かなくなる可能性が高いので、有効な行動と言える。
あらかじめ攻撃対象を複数選び、選んだ対象に通常攻撃をしかけることができる。
その場合、「(攻撃に割り振ったステータス値+2D6)÷選択した対象の数」(端数切り上げ)が攻撃達成値となる。
※例
命中:24のにとりが3体の向日葵妖精(回避:1)に対して複数攻撃を宣言。にとりが振ったダイスは7。向日葵妖精1体につき、(24+7)÷3を端数切り上げた11が攻撃達成値となる。
1体目の向日葵妖精の出目は4で、回避達成値は1+4=5。よって、HPは11-5=6だけ減る。
2体目の向日葵妖精の出目は6で、回避達成値は1+6=7。よって、HPは11-7=4だけ減る。
3体目の向日葵妖精の出目は10で、回避達成値は1+10=11。よって、HPは減らない。
※雑魚はそれほどHPが高くないので、状況によっては複数攻撃を選択するのもありだが、命中値がそれなりに高くないとほとんど効果がない。ある程度成長して強くなったPC用のルールと言える。
相手から攻撃されたとき回避を試みることができる。この行動は、1ターンに何度も行える。
「回避に割り振ったステータス値+2D6」が回避達成値となり、攻撃達成値-回避達成値のHPが減る。
ターン開始時に宣言し、そのターンの手番を放棄するかわりに、そのターンの間における回避判定の際、回避に割り振ったステータス値を1.5倍(端数切り上げ)にして回避判定を行う。
※例
サイコロの結果行動順序が遅い回避:8のキスメは回避専念を宣言。これにより、このターンのキスメの回避は8×1.5=12として扱う。
戦闘前に使うと宣言した中で未使用のスペルカードがある場合、スペルカード宣言をすることができる。使用するスペルカードの宣言を行うことで、そのスペルカードを発動させる。スペルカード発動に伴い、HPは全快し、牽制攻撃による-修正が消える。ただし、相手のスペルカードの影響による-修正は消えない(原因となるスペルカードが発動したままだから)。
スペルカード発動を行うと、自動的にスペル攻撃を行うことになる。
※例
HPが3まで減った上、牽制攻撃で-3、さらにミスティアのスペルカード「夜雀の歌」による命中・回避への-4の修正を受けている慧音はスペルカード「三種の神器 玉」を発動。これによってHPは全快、牽制攻撃による-3のペナルティーは消える。しかし、「夜雀の歌」は発動中なので、「夜雀の歌」による命中・回避への-4のペナルティーは継続する。
通常状態でHPが0になったとき、まだスペルカードが残っていても敗北になる。ただし、点符を5点使用することによって、スペルカードを発動させて敗北を免れることが可能。ただし、このターンの自分の手番は消費する上に、攻撃をすることができない。すでに自分の手番が終わった後ならあまり関係ないが。
決死結界によるスペルカード発動でも、スペルカード発動1ターン目とする。攻撃を1回損することになるが、美しさによる点符は入手できる。また、行動制限タイプの-修正は即座に発動する。
スペルカード発動時にできる行動
発動中のスペルカードによる攻撃。一部例外をのぞき、その場にいる任意の対象全員に同じ威力の攻撃がいく。
「攻撃に割り振ったステータス値+スペルカードの命中修正値+2D6」が攻撃達成値となる。
相手から攻撃されたとき回避を試みることができる。この行動は、1ターンに何度も行える。
「回避に割り振ったステータス値+スペルカードの回避修正値+2D6」が回避達成値となる。
現在発動中のスペルカードを強制終了させ、通常状態に戻る。まだスペル攻撃を行っていないのであれば、通常時に行える行動を取ることができる。
なお、スペルカードによる戦闘の場合、最後のスペルカードが終了した時点で敗北になるので、他にスペルカードがない状態でスペル中断を行うと自動的に敗北となることに注意。
※弱いスペルカードを発動中に強いスペルカードへ切り替える、やられそうな仲間のフォローのため牽制攻撃を行う、などといった目的で使用するのが考えられる。
これは、自発的にできる行動ではない。
1.発動したスペルカードはスペルHPという特性値を持ち、通常状態のHPと同じような扱いをする。そして、スペルHPが0になるとスペルカード発動は終了し、通常状態へ移行する。なお、残りスペルHPを上回る攻撃を受けても、通常状態になったときHPは全快している。つまり、オーバーダメージはない。
2.発動したスペルカードは、スペルHPが0にならなくても、発動した手番を含め4回の手番が訪れると強制的に終了する。4回目の手番時、最後のスペル攻撃が行われ、スペルブレイクすることによって通常状態に移行する。
スペルブレイク時、宣言したスペルカードが他に残っていないと敗北になる。
トループ戦
原作のステージ道中に出てくる妖精のような雑魚敵は、トループという集団の形で処理をする。
出現数=HPで回避は試みない。たとえば毛玉20匹なら、命中:10のキスメが攻撃をしかけて出目が5なら、10+5=15が攻撃達成値となり、15匹の毛玉が消し飛び残り5匹ということになる。
命中は、敵の数によりGMが適当に決める。敵の数が減るほど命中が減るとそれっぽいが。たとえば敵の数÷5(端数切り上げ)が命中になるなど。しかし、システム上戦闘が終わるとHPは全快するので、道中の雑魚戦は演出以上の意味はないだろう。
敵ボスと一緒に登場させる場合はあらかじめ命中を決めておいた方がいいと思うが、所詮雑魚なので高く設定しすぎないように。
スペルカードを使うボスに雑魚を付随させたい、でも1体1体処理するのは面倒というときは、妖精HP=2が20匹、向日葵妖精HP=10が2匹で合計HP60のトループ、命中:HP÷6(端数切り上げ)のようにすると処理が楽になる。
選択ルール
かばう
通常状態において、まだ自分の手番を消費していないとき、攻撃を受けている対象1体の攻撃を引き受けることができる。たとえ全体攻撃であっても、かばうことによってかばわれた対象に攻撃はいかなくなる。
かばうことを宣言したキャラクターの回避達成値は「(回避に割り振ったステータス値+2D6)÷2」となる。
かばうは、1ターンに一度しか使えない。
なお、点符による達成値上昇の効果は最後に反映されるので、その効果を使用した場合は÷2の計算をした後に足す。
※かばう際には何かしら台詞がほしいところ。その台詞によっては、GMは点符を与えてもよい。むしろ与えるべき。
あなたの仇は私が討つ!
仲間が撃墜されたPCは、そのキャラに応じた台詞を言うことによって点符を5~15点得ることができる。
さらに、一度だけ点符による達成値上昇に使用できる点符の制限が「気合いに割り振ったステータス値」から「ステータス値の合計」になる。
※例
GM「敵妖怪のスペルカードで40ダメージです」
ヤマメPL「……点符も使い切ったし、もう打つ手なしか。フィルドミアズマがスペルブレイク。これが最後のスペルカードだったので撃墜されます。『キ、キスメ……貴女だけでも、逃げ……て……』とラストメッセージを残しつつ」
キスメPL「こちらもスペルブレイクしましたが、まだ最後のスペルカードがあります。『ヤマメ……! 私の大切なお友達を傷つけるなんて、絶対に許しません!』 キスメの桶にヤマメの想いが集まって光り始めます……!」
GM「キスメに点符10点あげます」
キスメPL「俺のターン! 桶符『キスメスパーク』を発動。命中が10でキスメスパークの攻撃修正値が30。さらにためてきた点符を30点ぎりぎりまで上乗せ! サイコロの出目は9で攻撃達成値は79!!」
GM「こちらの回避達成値は36。スペルHPが一気に43削れてスペルブレイク。これが最後のスペルカードなので撃墜されました」
キスメPL「よっしゃ! 『ヤマメ、貴女のことは決して忘れないです。フォーエバー、エバー、エバー……』」
ヤマメPL「死んでないけどね。死んでないよ、うん」
※ノリや勢いは、バランスを凌駕するもの。不可能を可能にできる。
最終更新:2009年12月01日 23:51