スペルカードルールは、幻想郷内での揉め事や紛争を解決するための手段とされており、人間と妖怪が対等に戦う場合や、強い妖怪同士が戦う場合に、必要以上に力を出さないようにする為の決闘ルールである。「命名決闘法」という呼び方もある。
 幻想演戯における戦闘のメインがスペルカード戦である。

 キャラクター作成時にスペルカードポイント(以下SP)が150点与えられる。
 このSPを使用してスペルカードを3枚作成する。3枚合計で150点以内におさめるのではなく、1枚それぞれが150点までSPを使える。もちろん、150SPぴったり使う必要はない。
 今の実力では150SPまでのスペルカードを作成でき、バリエーションは3種類まで扱うことができるというようなイメージで。

スペルカードを作成するときに使う特性

  • 命中修正:端的にいえばそのスペルカードの難易度。数字が高いほど攻撃が苛烈になる。

  • 回避修正:この数値が高いほど、スペルカード発動中、相手の弾幕を回避しやすくなる。自分の周囲を盾が囲むとか、弾幕が自動迎撃するとか、圧倒的な弾幕の量で相手の弾幕を相殺するとか、イメージは自由に。

  • スペルHP:スペルカード発動中にPCのHPとなるもの。スペルHPが0になるとスペルブレイクする。スペルブレイクしたとき、まだスペルカードが残っていたら通常状態に移行する。なお、スペルブレイク時に残りスペルHPを上回っても、通常状態に移行したキャラのHPは全快状態である。また、スペルHPが0のスペルカードは、1回攻撃を行った後に即座に通常状態に戻る。

  • 美しさ:そのスペルカードの弾幕の美しさ。スペルカードを使用中、自分の手番(発動時を含める)が来るたびに、「そのスペルカードの美しさ÷3」(端数切り上げ)の点符を得る。美しさは必ず1以上取らなければならない。

  • SP制限:使用できるSPの限界。PCにはほぼ関係ない数値。

  • 特殊能力:一部スペルカードは習得できる。

特性の最大値はステータス値の合計。
 つまり、キャラ作成時は、一つの特性値は最大でも30までしか上げられない。
 また、スペルHP値は通常状態のHP値を超えることはできない。


作成可能なスペルカード枚数


 最大SPが増えると、作成可能なスペルカード枚数も増える。
 ・100~119:1枚
 ・120~139:2枚
 ・140~159:3枚
 ・160~179:4枚
 というように、100から20増えるごとに作成可能なスペルカード枚数が1枚ずつ増えていく。


スペルカードの種類と作成


 スペルカードには、「通常」「バグ」「フラクタル」「一点集中」「使役」「身体能力向上」「行動制限」「演劇」「耐久」の9種類がある。種類によって、上にあげた特性を1上げるのに必要なSPが異なる。
 また、種類によっては、最大SPによって作成できる枚数が決まっている。

 各種スペルカードの説明において、特性の後ろにあげた数字は、特性値を1上げるのに必要なSPである。たとえば、通常タイプのスペルカードには命中修正(3)とあり、命中修正が20のスペルカードを作りたければ3×20=60のSPが必要になる。

 なお、一度作成したスペルカードはSPの使用でパワーアップさせることは可能だが、根本的に作り替えることはできない。
 ただし、GMが認めればセッションのたびにスペルカードを作り替えてもよい。スペルカード作成にはそれなりの時間がかかると思われるので、セッションが始まる前に前もって作り直すこと。

※種類は『グリモワール・オブ・マリサ』を参考にしつつ、幻想演戯用にアレンジしている。


通常


 命中修正(3) 回避修正(3) スペルHP(3) 美しさ(3) SP制限:350 特殊能力:なし

 最大SP/作成できる枚数:制限なし

 バランスの取れたスペルカード。特徴がないかわりに、自由に表現が可能。


バグ


 命中修正(2) 回避修正(3) スペルHP(3) 美しさ(5) SP制限:250 特殊能力:なし

 最大SP/作成できる枚数:制限なし

 適当に弾をばらまくお手軽なスペルカード。命中修正のコストが低いため、力の弱い妖怪が使うことが多い。そのかわり、限界が訪れるのが一番早い。

※原作においては「金閣寺の一枚天井」のように超難易度のスペルカードもあるが、スペルカードの種類による違いを明確にするために限界値を早くした。


フラクタル


 命中修正(6) 回避修正(3) スペルHP(3) 美しさ(1) SP制限:300 特殊能力:なし 

 最大SP/作成できる枚数:制限なし

 一定の弾幕パターンを繰り返すスペルカード。美しい弾幕を作りやすいが、弾幕のパターンが読みやすいために回避されやすい。

※点符が得やすいとはいえ、実戦では使いづらいと思われる。一番最初に発動させて点符を稼いだ後に、本命のスペルカードを使うという作戦は考えられる。
※美しさを使ったシナリオを考えてもよいかもしれない。


一点集中


 命中修正(1) 回避修正(4) スペルHP(4) 美しさ(4) SP制限:300 特殊能力:なし

 最大SP/作成できる枚数
 ~199/1枚 200~299/2枚 300~399/3枚
 以降、100増えるごとに1枚増える。

 特定の対象1体に強力な攻撃を仕掛けるスペルカード。対象以外の任意対象には「攻撃達成値÷2」の攻撃がいく。

※原作の「マスタースパーク」「迷津慈航斬」「八重霧の渡し」などがあてはまるか。格上に対する切り札になり得る。


使役


 命中修正(5) 回避修正(2) スペルHP(2) 美しさ(4) SP制限:400

 最大SP/作成できる枚数
 ~149/1枚 150~179/2枚 180~209/3枚
 以降30増えるごとに1枚増える。

 幽霊や人形、使い魔などを使役して攻撃させるタイプのスペルカード。術者の負担が少ないため、回避修正とスペルHPのコストが低い。

※演劇使役タイプや、耐久使役タイプの場合は、前者は演劇、後者は耐久に分類。


身体能力向上


 命中修正(3) 回避修正(1) スペルHP(5) 美しさ(5) SP制限:500
 特殊能力:行動順序+1(50)

 最大SP/作成できる枚数
 ~199/1枚 200~299/2枚 300~399/3枚
 以降、100増えるごとに1枚増える。

 自らの身体能力を飛躍的に上げて攻撃を仕掛けるタイプのスペルカード。回避のコストが安い。
 行動順序は、行動順序を決定するダイス目に修正値のボーナスを得られる。+3まで取得することができる。


行動制限


 命中修正(3) 回避修正(3) スペルHP(5) 美しさ(3) SP制限:500
 特殊能力:命中-1(6)、回避-1(6)、命中&回避-1(10)

 最大SP/作成できる枚数
 ~149/1枚 150~199/2枚 200~249/3枚
 以降、50増えるごとに1枚増える。

 避ける側の動きなどを制限するタイプのスペルカード。移動を制限するもの、視覚や聴覚を制限するもの、妖精や幽霊などをまとわりつかせるもの、眠気をいざなう歌など、種類は豊富。

 特殊能力は、最大-20まで取得することができる。命中-と回避-、命中&回避-は重ねて取得してもよいが、-の合計は最大20になるようにしなければならない。

 抵抗判定は一切なし。ルール上の例外をのぞき、どんな強力な妖怪でも-修正は受けなければならない。点符を5点使い霊撃を放つことで、その判定時のみ-修正を打ち消すことができる。

 なお、スペルカードや牽制攻撃による-修正の累計は 「そのキャラのステータス合計値÷2」 が限界。

※命中-4のスペルカードを作成後、後の成長で回避-2を取得した。そのままなら、24SPと12SPで36SP必要。しかし、命中&回避-2と命中-2でも同じ効果になり、その場合必要なSPは32となり若干節約できる。この場合は後者に変えてよいものとする。


演劇


 命中修正(5) 回避修正(5) スペルHP(4) 美しさ(2) SP制限:なし 特殊能力:なし

 最大SP/作成できる枚数:制限なし

 人に見せることを重視したスペルカード。弾幕の構成が難しいため、コストが
高め。SP制限がないので、強力なスペルカードは大体これに分類される。


耐久


 命中修正(6) 回避修正:(―) スペルHP:(―) 美しさ:(4) SP制限:なし
 特殊能力:1ターン(100)

 最大SP/作成できる枚数
 200~399/1枚 400~599/2枚 600~799/3枚
 以降、200増えるごとに1枚増える。

 決められたターン(発動した手番を0として、1ターンなら次の手番、2ターンなら次の次の手番)をむかえるとスペルブレイクするが、スペルブレイクするまでは無敵になる。最大4ターンまでしか取れない。大きな特徴として牽制攻撃の影響を受けない。基本的にNPC専用。


選択ルール

ラストスペル(PC)
 このルールを選択する場合、スペルカード宣言時にラストスペルを混ぜることができる。
 現在使用できるSP+50のSPを使用したスペルカードとして作成しておき、最後の1枚のときに使用できる。ただし、発動をした手番を含め2回目の手番でスペルブレイクする。
 ラストスペルは1枚のみ作成。スペルカード作成枚数の制限には含めない。セッションごとに作成し直してよい。

ラストスペル(NPC)
 現在使用できるSP+100のSPを使用したスペルカードとして作成しておき、最後の1枚のときに使用できる。ただし、発動をした手番を含め3回目の手番でスペルブレイクする。
 基本的に、ラストスペル発動時に敗北は認める。格上の相手が、見事勝利したPCたちに敬意を表して少し本気を見せる、というイメージ。これを発動させた場合、さらに破った場合、それぞれに応じて追加経験点を与えるのが妥当。
最終更新:2009年11月30日 00:22