超高純度の
石英鋼で作成された特殊な
硝子の剣であり、
浮遊大陸アライアスに存在するアライアス城遺跡の地下へ続く扉を開く鍵。通常の
硝子の剣を凌ぐ威力を有し、かつそれぞれの属性に対応する魔力を大きく上昇させる強力な魔導回路(ルーン)が刻まれている。本質的には
硝子の剣であるため、やはり若干脆い。ただし、宝晶剣には自己再生能力があり、折れたり砕けたりしても数日で元に戻る。
アライアス王国時代は、王家の重臣たちによって。浮遊大陸時代に移ってからはそれぞれの剣の名を戴いた村によって管理されている。ただし、製造されたのはアライアス王家時代末期であり、現在に至るまでの遥かな時間で四本の所在が行方不明になってしまっている。
アライアスが浮遊大陸になった時にはしっかり六本存在していたと記録されているが、浮遊大陸中を探し回っても見当たらなかったことから、もしかすると地上に落下したのでは、と言われている。しかし、真偽のほどは不明。
宝晶剣にはいくつかの使用方法が存在する。
一つ目は単純な剣としての使用方法。これは多少丈夫であるという以外に
硝子の剣と大差はない。
二つ目は杖としての使用方法。かつて大陸の覇者にすら手が届くほどの大国が、国家の象徴として作り上げただけのことはあり、宝晶剣はそれそのものが圧倒的な力を秘めている。そして当然、それを使う者にもその恩恵は与えられる。それは使用者が剣術を収めていなかったとしても、杖として十二分以上に扱えるほど。
三つ目は鍵としての使用方法。6つの宝晶剣をそろえることで、アライアス城地下遺跡への扉が開くらしい。
そして四つ目に、魔力を使えば使うほど溜まっていく力が存在するという。その力で何が起きるのかは詳しく分かっていない。
実は製法だけならば伝わっている。ただし、適切な材料が浮遊大陸のみで揃えることが不可能であり、作成できるだけの技術を受け継いでいる者もいないため、事実上現在は作成不可。また、仮に作成できたとしても、再生能力と「鍵」としての役割を持たせる方法は失伝しているため、単純に高性能な
硝子の剣としての性能しか期待できない。武器として見るならば、それで十分すぎるほどの性能だが・・・。
翠晶剣エムロード
烈風の魔導回路が刻まれた風の宝晶剣。エムロードの村に保管されていたが、地上に落ちていたことが判明。刀身が砕けてしまっており、完全な形をしていない。担い手は
スフィエラ・フレイスだが、後にアライアスに返還することを約束している。守護者は白虎の精霊、天津風虎。
蒼晶剣サフィール
大海の魔導回路が刻まれた水の宝晶剣。サフィールの村に保管されていたが、とある代の担い手が地上に持ち出していたことが判明。当時の担い手はオウカバクフの一部地域で起こっていた戦乱を鎮めたが、アライアスに帰れなくなってしまったため、龍に姿を変えて海底から剣と共に天の月を寂しそうに見上げている……という伝承として語られていた。今代の担い手は、海底神殿にて水鏡の試練を突破した
アレフ。剣の守護者は青龍の精霊、水霊逆月。
紅晶剣グルナ
劫火の魔導回路が刻まれた火の宝晶剣。グルナの村に保管されている。使い手であるグルナの村の現村長が若干ボケ始めているため、しょっちゅう折られては再生している。不憫。
瑪晶剣サルドニクス
大地の魔導回路が刻まれた地の宝晶剣。サルドニクスの村に保管されている。現存してはいるものの、先代の使い手が急逝したため、正しく継承がされないまま村長によって保管されている。
紫晶剣アメティスト
深淵の魔導回路が刻まれた闇の宝晶剣。アメティストの村に保管されていたが。現在は行方不明。
白晶剣ディアマン
天空の魔導回路が刻まれた光の宝晶剣。ディアマンの村に保管されていたが、現在は行方不明。……と思われていたが、そもそも白晶剣は現実世界ではなく、集合無意識に存在する剣だという事が判明した。今代の担い手は、集合無意識内の自身の夢界にて、運命に抗うことを選択した
アレフ。一人の人物が2振り以上の宝晶剣の担い手になることは珍しいが、歴史上例が無いわけではない。
最終更新:2016年06月09日 16:07