“死者の蘇る街”――第9領域。
誰かがそう呼んでいた。
他に第何某領域があるのかは知らないが、私はこの街を愛し、そして憎んでもいた。
死者が蘇る事があってはならない。その禁忌を、この街はいとも容易く破ってしまう。
だからこそ、私は何かに期待してこの場に留まっているのかもしれなかった。
私は戦う。私が私で在り続ける為に。
死別の痛みを風化させず、心に刻み付け、明日の夜明けを思い描きながら。
私はもう一度、この引き金に指を掛けねばならないのだ。
Chapter:0 雪は再び降る
Chapter:1 さるオペレーターの憂鬱
Chapter:2 恋する傭兵
登場人物
プチ用語解説(登場順)
カストリカから南西に位置する都市。日当たりも治安も悪く、犯罪の温床となっている。
オペレーター達が専属で付いた傭兵の稼ぎ。自分のオペレートでどれだけの稼ぎが出るかを毎月の月末に査定され、給与にも大きく影響する。オペレーター派遣事業を行なうミグラント集団の中で、実に過半数がこの実績査定方式を採用しているとか、していないとか。
手の爪先をつむじに当ててぐりぐりと捻る攻撃。チョップでも何でも無いが、頭髪を気にする者にとって最強最悪の威力を誇る。一子相伝の暗殺拳とも云われているが、真偽の程は定かでは無い。
戦闘行為を本分とせず、あくまで取引のみを外交手段とするというスタンスを持ったミグラント達の総称。無法の荒野と化した場所に於いてその存在はあまりにも儚く、現実はあらゆる意味で厳しい。稀に生き存えている草食系ミグラントも散見されるが、往々にしてそれらは血の滲むような努力の下に成り立っている事が多い。
特定の傭兵に専属で付いているオペレーター達、或いは元締め役のミグラント達の総称。下っ端が血気盛ん過ぎて会話にならない場合、或いはグループ同士の利害に関わる話をしたい場合、マネージャーが会話のテーブルに着く。
プラスチックを紙の如く薄く伸ばしたもの。
樹脂と呼ぶからには樹木が必要なのではと思われるが、プラスチック廃材は腐るほどあるので問題無い。尚、ゴミとして捨てられた際は溶かして再利用する。
平たく云えば栗きんとんの缶詰。こしあん。
第9領域で幅広く視聴される音楽番組。
最低限の部品のみを修理に充て、余剰部品をちょろまかして私腹を肥やすクソ整備員共の総称。
個人経営ならばまだしも、組織に所属しながらそういう事をするとチーム全体の評判を落とす事にもなる。
整備士ライラが「当然である」という旨の肯定を口にする際、最上級のものとして使用される言葉。当のライラ自身の麻雀の経験は誘われた時くらいしかやらない程度で、腕前に関しては云う迄もない。ちなみにロンの時点で流局ではないという点については、往々にして無視される。
最終更新:2013年10月26日 03:56