戦争は変わった。
 国のため、思想のため、忠のため、あるいは個人のため。戦う理由を兵士は求める。
 しかし理由を持たない負け犬となった我々に、信じていいものは何もない。

 だが、それでも……戦場から開放されず生き残ってしまった者は、死ぬまで兵士としての人生を全うしてもいいのではないだろうか。
 人としての生き方を忘れ、兵士としての生き方しか憶えていなくとも、責められる謂れはない筈だ。

 どちらが勝っても、我々の戦いは終わらないのだから。



 ――私はそう願う。





投稿者:カロン
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最終更新:2012年05月11日 14:51