*ポケモン対戦史【第2世代】 本編タイトル:金/銀/クリスタル 機種:ゲームボーイカラー 連動タイトル:ポケモンスタジアム金銀 機種:NINTENDO64 [[ポケモン対戦史【第1世代】]] [[ポケモン対戦史【第3世代】]] [[ポケモン対戦史【第4世代】]] [[ポケモン対戦史【第5世代】]] [[ポケモン対戦史【第6世代】]] [[ポケモン対戦史【第7世代】]] [[ポケモン対戦史【第8世代】]] ---- #contents ---- **1999 -&bold(){11/21 「ポケットモンスター 金・銀」 発売} 新ポケモンが100種類追加。 当初は98年の発売予定だったが、開発は難航し何度も延期を経て、ようやく発売に漕ぎ着けた経緯がある。 前作「赤・緑・青・ピカチュウ」版とも一部連動する。 発売延期の間も第一世代の対戦環境をモニター研究し、対戦バランスを是正すべく様々な新要素が盛り込まれた。 ・新タイプ「あく」「はがね」 新タイプが2つ追加。 悪タイプは初代で猛威を奮っていたエスパーの弱点を突ける上に、逆にエスパー技は無効と対エスパーに特化。 鋼タイプはこおりに抜群を取れて、その氷やノーマル、エスパーなども含め合計12のタイプに強くどくに至っては無効と防御面に特化。 どちらも初代で不遇だったかくとうを弱点、また鋼は同じく不遇なほのおも弱点としている。 この2つの新タイプにより、今まで偏っていた相性バランスの変化に一役買った。 悪の追加がエスパーの弱体化と格闘の強化、鋼の追加が氷の弱体化と格闘・炎の強化に繋がったと考えられる。 (実を言うと某攻略本での開発スタッフコメントでは悪と鋼の追加はあくまでエスパーの弱体化の方が本当の狙いではあるのだが) ・一部相性調整 「どく」「むし」タイプの耐性が変化。 「ほのお」タイプに「こおり」タイプの技が半減、「エスパー」タイプにゴーストタイプの技が効く(2倍)ようになる。 またコイル・レアコイルに鋼タイプが付加された。 ・もちもの 全ポケモンに一つだけ、対戦中に1度きり・ないし恒常的に効果を発揮する「もちもの」を持たせられるようになり、 どのポケモンも戦闘中に体力・状態異常回復、火力や耐久力の強化などの手段が取れるようになった。 木の実は第3世代以降と名称が違うため注意。(例:どくけしのみ→第3世代以降のモモンの実) 特にガラガラの専用道具、ふといホネは攻撃2倍効果と非常に強力で、 今までサンドパンに全てにおいて劣っていた状況を完全にひっくり返し、生半可な受けが通用しないアタッカーとして活躍するようになった。 また、ねむる→はっかのみ(現在でいうねむカゴ)といったコンボも登場した。 ・「とくしゅ」のステータス分化、及びそれに伴う種族値調整 「とくしゅ」が「とくこう」と「とくぼう」に分離した。 分離はしたが前作との互換のため、努力値計算は二つを1つで行い、特攻が努力値に加算された。 またこの特殊分化の調整のため、前作で非伝説で能力値がトップだったパルシェンとギャラドスは一方を極端に下げられ、 ポジションとステータスがまるで釣り合わなかったカビゴンはとくぼうを大幅強化されるなど、 第1世代ポケモンはステータス調整に一喜一憂することになり、 一気に一線級の強さになったポケモンも、逆に環境でほとんど見られなくなったポケモンも現れた。 同時に伝説ポケモンの能力合計値も統一されたが、逆に御三家は能力値が同じだったものが差別化され、炎>水>草となった。 ・性別 ニドランにしかなかった♂♀の性別が、伝説や一部ポケモンを除き全てのポケモンに付加。 メロメロなどの性別を参照する技も登場した。 ちなみにこの世代のみ、♂になるか♀になるかの基準が「A個体値が一定以上あるか」で決まっており、 自ずと物理特化のポケモンを厳選すると全て♂になるようになっていた。第3世代以降はこの仕様はなくなっている。 ・タマゴ、遺伝技 ポケモンのタマゴが登場し、全てのポケモンにタマゴグループが設定される。 これによって御三家や化石ポケモンなど、前世代では入手機会が1回きりだった卵を産めるポケモンは量産・厳選が容易になった。 対戦で使うには余りにクセが強いメタモンにも、便利な孵化のつがい役としての役目が回ってきた瞬間でもある。 親からの技を受け継いだ時のみ覚える通称「タマゴ技」「遺伝技」も登場し、育成の幅はより広がった。 ただし第5世代までは♂のポケモンからのみ技を受け継ぐため、一部両立不可能な技の組み合わせがあった。 ・天候 現在でもおなじみ、フィールドの天候を変える技が初登場。当時は「あられ」を除く3種類(にほんばれ・あまごい・すなあらし)。 特ににほんばれは炎タイプの火力補助と耐久を補う手段として重宝され、ファイヤーなどが恩恵を受けた。 ただし技によってしか天候を変えられず、永続天候もなかった時代、天候パの使い勝手はまだまだ良くなかった。 ・その他変更点、特記事項 〇「なつき度」が登場。(細かく言えばピカチュウ版のピカチュウにのみ適応されたのが最初だが、金銀から全ポケモンに適応) そのポケモンがどれだけなついているかを示す数値であり、対戦に勝つ・毛づくろいなどで上昇、瀕死にする・漢方薬を使うなどで下がる。 一部ポケモンの進化条件に関わる他、技「おんがえし」「やつあたり」の威力にも影響する。 〇廃人ご用達技、めざめるパワーもこの世代で初登場。勿論この時代はタイプによって物理・特殊が変化していた。 当時はタイプによっては技がまだ乏しかった時代で、 特にヘラクロス以外の虫タイプはタイプ一致技最高威力がめざめるパワーという切ない有様だった。(無論ないよりはマシだが…) 〇2以上レベルアップする経験値を貰った場合、一度にレベルアップするのではなく1ずつ上がるようになり、 レベルアップ技を覚え損ねる心配はなくなった。 〇「ほえる、ふきとばし」に相手の対戦ポケモンを強制交代させる効果がついた。 〇一撃必殺技の素早さ参照がなくなり、代わりにレベル差によって命中率が増減するようになった。 レベルが上の相手に使っても無効だが、 (ニンテンドウカップルールにおいて)Lv55なら無効化されない限りどんなポケモンも倒せる強力な技になった。 〇戦術面ではねむる+ねごとのコンボ(通称ねむねご)、のろいが非常に優秀だった。 当時のねむねごは、ねごとでねむるが出てもHP全快という反則的な性能。 先に述べたカビゴンは特防が大幅に上がっていて、尚且つ元々鈍足につきのろいのデメリットも無かったため両方との相性がよく、 ちょっとやそっとの火力では落ちない超耐久ポケモンとして大流行することになった。 なお、金銀の伝説ポケモンは技がひどいことになっており、 金ルギアはエアロブラストを、銀ホウオウはせいなるほのおを覚えず(忘れており) ライコウは10まんボルトを使えないなど散々な有様だった。 **2000~2001 公式大会のニンテンドウカップ2000が開催。 大会は前述の超性能を誇るカビゴンが大量発生して、のろい、はらだいこ、じわれ、ねむるなどを主力に大活躍していた。 くろいまなざし+ほろびのうたムウマもカビゴン対策として使われていた。 決勝は剣の舞バトンタッチを受けたLv55ケンタロス無双と思いきや かの有名な「むし!!!(ヘラクロス)」のきあいのハチマキ→きしかいせいが決まり大逆転するという伝説が生まれた。 -&bold(){2000/12/14 「ポケットモンスター クリスタルバージョン」、「ポケモンスタジアム金銀」同日発売} クリスタル版で技教え人が初登場、ポケスタ金銀でスーパー技マシンも登場した。 この結果、せいなるほのおの無かった銀ホウオウ、エアロブラストの無かった金ルギアがようやく日の目を見ることになった。 また、今まで10まんボルトを使えなかったライコウ、れいとうビームを使えなかったスイクンなども技の面で改善された。 覚える技、タマゴ技も一部変わり、有名どころではパルシェンがまきびしを覚えるようになった。 これにより「昆布」と呼ばれる戦法が流行することになる。 「昆布」とは吠えるや吹き飛ばしによる強制交代で相手にまきびしやすなあらしなどでスリップダメージを与え続ける戦法であり、 この頃某ネット対戦で生まれた戦法だが(「昆布」という名称も「コンボ」の打ち間違いからきている)、 まきびしを覚えるポケモンが当初のフォレトス(とドーブル)に、新たにパルシェン、ハリーセンが加わり、発動要員が増えた。 特にパルシェンはリフレクターを使え、フォレトスに比べ特殊耐久以外全て上回っている上に ライコウとの相性がよかったのでよく使われることになったのである。 同時にライコウが前述の通り10まんボルトを覚えるようになったため、こちらも吠える要員として増えることになったが、 実機ではこの頃から三犬厳選は厳しいものがあった。 余りに猛威を振るったはらだいこ、一撃必殺技に禁止指定がかかることになった。 現在においても広く対戦界隈で使われる役割理論や、前述の昆布の全盛期でもある。 タイプ不一致岩雪崩にもかかわらず太い骨のお陰でエアームドをも突破できるガラガラ、 初代より弱体化したがじわれの使用率の上昇により使われ始めたケンタロス、 遺伝技でクロスチョップを獲得したエレブー、 ヘドロばくだんのおかげで水+毒という止めにくい組み合わせを手に入れたドククラゲは 4匹まとめて最低四天王という名誉なのか不名誉なのかよく分からない称号を襲名。 当時が誰もが認める当時最強ポケモンのねむねご残飯カビゴン、 アンコールで相手を縛り、腹太鼓で爆発的な突破力を手に入れたピクシー、 先ほどの昆布戦法の黄金コンビことパルシェン+ライコウといった面々も (パルシェン以外は)エースにしておけば簡単にある程度の勝率をマークできてしまうなど、高い突破力を持ったポケモン達である。 逆にメガニウム、スイクン、ハピナス、ツボツボ、ブラッキー、エアームドなど、 当時の努力値システムの恩恵で高防御を誇った勢力がカビゴン以外にも現れ始め、 彼らを突破できずに100ターン以上試合が続くなどという光景も見られた。 しかも殆どが同時に決定力が低く、お互い落ちない&落とせない。 ただし、剣の舞メガニウムや転がるツボツボ、眼差しバトンブラッキーなどは例外である。 余談であるが、この頃から三犬の中でエンテイが習得技面や環境での活躍面などでやたら浮き始めていた。 当時、3鳥で浮いていたフリーザーや、第3世代時に600族・3王でそれぞれ浮いていたカイリューとレジロックが 後続の作品で改善されたのに対し、エンテイにはそのようなテコ入れがしばらく無く、待遇改善は少し時間を置いて実現することになる。