野丸太郎にとっての『普通』 ◆7WJp/yel/Y
花丸高校野球部のユニフォームを着た男、野丸 太郎は商店街の漢方屋の中に居た。
畳敷きの床に座り込み、放送の内容を思い返しつつ新しく支給された名簿を見るためだ。
いつでも逃げれるようにデイバックは背負ったまま、最悪メモはここに置いていっても良いという気持ちで。
ウージーの残弾も手榴弾もまだまだ残っている、当分は武器がないので殺せないとはならないだろう。
禁止エリアも近隣のエリアではないので移動が不便になる心配も無い。
ただ不安な要素があるとしたら、赤いヒーロー・レッドと殺し合いに乗っているらしき二人の女性の存在だ。
野丸はヒーローの凄さをよく知っている。
たった一年練習しただけで野球の腕前を全国レベル、いやプロレベルまで上げた。
しかも、簡単に男性警官を重傷にする怪人をあっという間に倒すほど強い。
そのレッドと戦っていた二人の女も危険な存在だろう。
最初に襲われた男とは違い、しっかりと狙いをつけて銃を撃った際の反発に負けていなかった。
少なくともあのスーツを着た方の女は銃を撃つことに慣れていて、人を殺すことに躊躇いは無い。
銃を撃ちなれているということは警察なのだろうか? と野丸は当たりをつける。
野丸にとって銃を撃ちなれている職業なんて警察か全年齢対象ゲームで名前を書いてはいけない職業ぐらいだ。
少なくとも野丸にはあのきっちりとスーツを着こなした女性がヤの着く職業の人とは思えなかった。
畳敷きの床に座り込み、放送の内容を思い返しつつ新しく支給された名簿を見るためだ。
いつでも逃げれるようにデイバックは背負ったまま、最悪メモはここに置いていっても良いという気持ちで。
ウージーの残弾も手榴弾もまだまだ残っている、当分は武器がないので殺せないとはならないだろう。
禁止エリアも近隣のエリアではないので移動が不便になる心配も無い。
ただ不安な要素があるとしたら、赤いヒーロー・レッドと殺し合いに乗っているらしき二人の女性の存在だ。
野丸はヒーローの凄さをよく知っている。
たった一年練習しただけで野球の腕前を全国レベル、いやプロレベルまで上げた。
しかも、簡単に男性警官を重傷にする怪人をあっという間に倒すほど強い。
そのレッドと戦っていた二人の女も危険な存在だろう。
最初に襲われた男とは違い、しっかりと狙いをつけて銃を撃った際の反発に負けていなかった。
少なくともあのスーツを着た方の女は銃を撃つことに慣れていて、人を殺すことに躊躇いは無い。
銃を撃ちなれているということは警察なのだろうか? と野丸は当たりをつける。
野丸にとって銃を撃ちなれている職業なんて警察か全年齢対象ゲームで名前を書いてはいけない職業ぐらいだ。
少なくとも野丸にはあのきっちりとスーツを着こなした女性がヤの着く職業の人とは思えなかった。
(どちらにしろレッドやあの二人組とは会いたくないですね、『知らないうちに死んでいた』がベストです。
とりあえず何時レッドかあの二人組が来ても良いように逃げる準備はしておかないと行けませんね。
……それにしても、名簿は何時の間にデイバックの中に入っていたんでしょうか?)
とりあえず何時レッドかあの二人組が来ても良いように逃げる準備はしておかないと行けませんね。
……それにしても、名簿は何時の間にデイバックの中に入っていたんでしょうか?)
野丸はしっかりと支給品は確認してあった。
その中にはメモ帳や地図などはあっても殺し合いの参加者の名前が載った紙はなかったはずだ。
その中にはメモ帳や地図などはあっても殺し合いの参加者の名前が載った紙はなかったはずだ。
(最初に僕達はあの大きな部屋から突然屋外へと移動してましたから、それを使ったのでしょうか?)
結局野丸がたどり着いた答えはこの先役立つとは思えない答えだった。
彼は最終的な目標は殺し合いに勝つ、なのだから殺し合いを開いた人間がどんな技術を持っていようと関係がない。
彼は最終的な目標は殺し合いに勝つ、なのだから殺し合いを開いた人間がどんな技術を持っていようと関係がない。
(それにしても、東さんは即死じゃなかったんだ。
まあ、人間は簡単に死なないらしいし。
でも、あんな重傷を負ったんだしそのうち死んじゃうでしょうね)
まあ、人間は簡単に死なないらしいし。
でも、あんな重傷を負ったんだしそのうち死んじゃうでしょうね)
病院は遠い、何より医者が居ないのだから助かるわけが無い。
つまり、自分が殺したのと同じだ。
世話焼きで生徒会長と野球部のキャプテンをこなしていて『平均的じゃないのに皆から尊敬されている東さん』を。
つまり、自分が殺したのと同じだ。
世話焼きで生徒会長と野球部のキャプテンをこなしていて『平均的じゃないのに皆から尊敬されている東さん』を。
(まあ、しょうがないですよね。殺し合いですし、殺すのが普通なんだから。
……でも、出来るなら僕の目の前で死んで欲しかったですね)
……でも、出来るなら僕の目の前で死んで欲しかったですね)
そんな危ない思考をしながら口元を歪ませている彼は気づいてない。
『平均的じゃないのに皆から尊敬されている東さん』という存在を超え、『それよりも凄い僕』になる。
それは『何事も平均的な普通な僕』から遠く離れていることに。
『平均的じゃないのに皆から尊敬されている東さん』という存在を超え、『それよりも凄い僕』になる。
それは『何事も平均的な普通な僕』から遠く離れていることに。
(七味くんも参加されられているんですか……悲しいですけどこれも殺し合いですから。
殺し合いなんだから殺しあうのが普通ですよね)
殺し合いなんだから殺しあうのが普通ですよね)
元々、彼が普通を求めたのは奇妙な口調で馬鹿にされたのが原因だ。
普通になればからかわれる事もないだろう、そう思ってへりくだった標準語で喋っている。
別に最初から彼は狂人なわけではない。
少し単純でからかわれるのを嫌う、そんな普通の男子高校生なのだ。
ただ、運が悪かった。
普通になればからかわれる事もないだろう、そう思ってへりくだった標準語で喋っている。
別に最初から彼は狂人なわけではない。
少し単純でからかわれるのを嫌う、そんな普通の男子高校生なのだ。
ただ、運が悪かった。
最初に出会ったのが柄の悪い、殺し合いに乗ったチンピラで。
そこで野丸が何よりも気にしている普通と言う言葉を出されて。
殺し合うのが普通だと思い込むことで、頭が破裂した死体を見た後に襲われて弱っている精神を壊れないように保って。
『凄い東さん』を撃ったときに劣等感が拭われる快感を感じて気がして。
そこで野丸が何よりも気にしている普通と言う言葉を出されて。
殺し合うのが普通だと思い込むことで、頭が破裂した死体を見た後に襲われて弱っている精神を壊れないように保って。
『凄い東さん』を撃ったときに劣等感が拭われる快感を感じて気がして。
たった六時間の間に、これだけのことが積み重ねられたのが運の悪さが彼を凶行に走らせている。
もし、最初に出会ったのが東や七味といった気の置ける殺しあいに乗っていない人物だったら。
もし、チンピラが『殺しあいに乗るのが普通』と言わなければ。
もし、見せしめなど無く『それは普通ではない!』と思えることが出来れば。
もし、東に対して『普通じゃないのに尊敬されている』という劣等感を持っていなければ。
殺し合いには乗っていなかったかもしれない。
もし、チンピラが『殺しあいに乗るのが普通』と言わなければ。
もし、見せしめなど無く『それは普通ではない!』と思えることが出来れば。
もし、東に対して『普通じゃないのに尊敬されている』という劣等感を持っていなければ。
殺し合いには乗っていなかったかもしれない。
そんな『もし』を上げても何も変わらない。
矛盾を抱えつつも彼にとっての『普通』を過ごしている今は変えることの出来ない事実なのだから。
口元を少し上げた笑い顔がひどく醜く見えることに、全身に負った火傷は関係ない。
ただ、彼が歪んでしまっただけだ。
矛盾を抱えつつも彼にとっての『普通』を過ごしている今は変えることの出来ない事実なのだから。
口元を少し上げた笑い顔がひどく醜く見えることに、全身に負った火傷は関係ない。
ただ、彼が歪んでしまっただけだ。
【E-2/商店街・漢方屋/一日目/朝】
【野丸太郎@パワプロクンポケット7】
[状態]全身に軽度の火傷
[装備]ウージー
[道具]支給品一式(不明支給品0〜1)、予備弾倉×2、手榴弾@パワポケ10裏×5
[思考]
基本:普通に過ごす
1:生き残るために人を殺す。
2:東を自分の手で殺したい。
【野丸太郎@パワプロクンポケット7】
[状態]全身に軽度の火傷
[装備]ウージー
[道具]支給品一式(不明支給品0〜1)、予備弾倉×2、手榴弾@パワポケ10裏×5
[思考]
基本:普通に過ごす
1:生き残るために人を殺す。
2:東を自分の手で殺したい。
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