再会、そして再出発 ◆n7WC63aPRk
一回目の放送からもうじき1時間が経過する。
九条は歩みを進めながら、凡田とともに様々な情報の交換、ならびに推理・憶測を行っていた。
九条は歩みを進めながら、凡田とともに様々な情報の交換、ならびに推理・憶測を行っていた。
まず、放送が流れると同時に、九条は凡田にメモを命じ、自身は変わらずに地図の確認を行い、ホテルへと向かっていた。
すぐにでも参加者、そして死者の確認をしたいところではあったが、
一刻を争う時にいちいちそのことで一喜一憂はしていられない。
とりあえずはメモだけ凡田に任せ、後で確認をすることにしたのだ。
凡田もすぐさまにそれに応じ、「わかったでやんす」と言って筆記用具を取り出し、放送を歩きながらではあるがメモに取った。
すぐにでも参加者、そして死者の確認をしたいところではあったが、
一刻を争う時にいちいちそのことで一喜一憂はしていられない。
とりあえずはメモだけ凡田に任せ、後で確認をすることにしたのだ。
凡田もすぐさまにそれに応じ、「わかったでやんす」と言って筆記用具を取り出し、放送を歩きながらではあるがメモに取った。
「凡田くん、この中に知り合いの人はいるかな?」
しばらく歩いたところで立ち止まり、腰を下ろし、先ほどの放送の内容を二人で確認することにした。
既に凡田の知り合いに関しては本人に尋ねてはいたのだが、この放送を聞いて新たな情報が得られないかと期待を寄せて尋ねてみる。
既に凡田の知り合いに関しては本人に尋ねてはいたのだが、この放送を聞いて新たな情報が得られないかと期待を寄せて尋ねてみる。
「そうでやんすね……二朱くんと、オーナーと……う~ん……これはどうなんでやんすかねぇ……」
二人の名前を指差してからしばし唸っている凡田に、どうしたのかと尋ねると、どうも名簿に記載されている『愛』という名が気になるらしい。
「わからないんでやんすよね~。何で名字が書いてないでやんすかねぇ……」
「それは確か、君のチームの……」
「監督の娘さんでやんす」
「それは確か、君のチームの……」
「監督の娘さんでやんす」
それを聞いてああそうか、と呟く。
九条も同じようなことを気にかけていたのだ。
九条も同じようなことを気にかけていたのだ。
名簿に記載されている中での彼の知り合いと言えるのは、椿、准、太田、ピエロ、東、レッド、七味、ブラウンの8名。
なぜいるのかと多少疑問の残る者もいたのだが、時間移動が可能であるならばこれも納得である。
なぜいるのかと多少疑問の残る者もいたのだが、時間移動が可能であるならばこれも納得である。
しかしそこで彼が疑問に思ったのは、『タケミ』という名の存在であった。
以前に滞在していた商店街。
その一角に気まぐれな漢方屋があるのだが、そこの店主も『タケミ』という名であったのだ。
彼女には『広川武美』という氏名がしっかりと存在し、名前だけとかカタカナで名前を記載される道理は全くもってない。
本人なのか、全くの別人なのか、まるで予想ができない。
以前に滞在していた商店街。
その一角に気まぐれな漢方屋があるのだが、そこの店主も『タケミ』という名であったのだ。
彼女には『広川武美』という氏名がしっかりと存在し、名前だけとかカタカナで名前を記載される道理は全くもってない。
本人なのか、全くの別人なのか、まるで予想ができない。
また、彼の中にはそれ以上に強く衝撃を受ける内容が、他にあった。
それは、名簿の中の『夏目准』という名前であった。
維織やカンタ、奈津美の名が刻まれていないことに胸をなでおろしていた矢先にその名前を見つけてしまった。
維織やカンタ、奈津美の名が刻まれていないことに胸をなでおろしていた矢先にその名前を見つけてしまった。
自分よりも10歳近く年下の癖に、タメ口をきいてきて、小生意気で、
そしてなぜかいつもメイドの服装をしていて、なんかいつも絡んでくる女の子。
散々からかわれてきたのだが、嫌いだったわけではない。
それどころかこんな状況である、今この瞬間も無事でいてくれることを願うばかりであった。
そしてなぜかいつもメイドの服装をしていて、なんかいつも絡んでくる女の子。
散々からかわれてきたのだが、嫌いだったわけではない。
それどころかこんな状況である、今この瞬間も無事でいてくれることを願うばかりであった。
(あいつのことだから意外とケロッとしているかも…………いや、いくらなんでもそれはないな。
こんな状況だ、怖がっているに決まってる。…………自棄になって人殺してたりしたらどうしよう……)
こんな状況だ、怖がっているに決まってる。…………自棄になって人殺してたりしたらどうしよう……)
そんなことを思いながら、九条は横にいる凡田のことを眺める。
恐らく彼も心配しているのだろう。
二朱という名の、仲の良い青年のことを。
恐らく彼も心配しているのだろう。
二朱という名の、仲の良い青年のことを。
「なあ凡田くん」
「なんでやんすか?」
「君の友人の、その二朱くんと言う人はどんな人なんだい?」
「なんでやんすか?」
「君の友人の、その二朱くんと言う人はどんな人なんだい?」
互いに不安なことが多いだろうから、とりあえずは何気ない話でもして場の空気を和ませよう。
そんな気持ちで質問をしたのだが、凡田の口からは予想だにしないような言葉が返ってきた。
そんな気持ちで質問をしたのだが、凡田の口からは予想だにしないような言葉が返ってきた。
「そうでやんすね………………一言で言っちゃえば………『ラブハンター』でやんす!」
「え?」と目を点にしながら九条が固まっていると、凡田はすぐに付け加えて解説を行ってくれた。
一言で言ってしまえば、女にだらしのない男、ということだった。
スキャンダルにこそならないが、女と聞けば鼻の下をのばしているらしい。
それをチームメイトらの中では、『ラブハンター』というニックネームを付けてからかっているということだ。
一言で言ってしまえば、女にだらしのない男、ということだった。
スキャンダルにこそならないが、女と聞けば鼻の下をのばしているらしい。
それをチームメイトらの中では、『ラブハンター』というニックネームを付けてからかっているということだ。
……なんか心配して損したなぁ、と思いながら、再び地図に目を落とす。
「今どこまで来たんでやんすかね? 結構歩いた気がするでやんす」
そう言いながら隣に凡田が座り込んでくる。
方向は間違っていないのだが、九条自身もどこを歩いているのかはあまり把握しておらず、凡田に言われて初めて確認する形となった。
2時間くらいずっと歩き続けており、疲れも溜まってきているだろう。
そろそろ安全に休める場所の確保が求められてくるところだ。
そう言いながら隣に凡田が座り込んでくる。
方向は間違っていないのだが、九条自身もどこを歩いているのかはあまり把握しておらず、凡田に言われて初めて確認する形となった。
2時間くらいずっと歩き続けており、疲れも溜まってきているだろう。
そろそろ安全に休める場所の確保が求められてくるところだ。
「う~ん……島全体の大きさが分からないから何とも言えないけど、たぶんこのあたりまでは来てると思うんだよね」
「へぇ。目印とかはないんでやんすか?」
「そうだなぁ…………この泉と、コンクリートの道路はさっき通ってきたから、E-5の……左手に倉庫が見えるあたりだと思うけど」
「そうでやんすか。随分と歩いたでやんすねぇ……倉庫でやんすか~……あれ?」
「へぇ。目印とかはないんでやんすか?」
「そうだなぁ…………この泉と、コンクリートの道路はさっき通ってきたから、E-5の……左手に倉庫が見えるあたりだと思うけど」
「そうでやんすか。随分と歩いたでやんすねぇ……倉庫でやんすか~……あれ?」
九条が地図を指で追って説明し、凡田がそれに従って周りの景色を見る。
あたりはすでに日が昇り、非常に見通しが良くなっていた。
そして、倉庫があると思われる方向を眺める凡田が何かを発見したようだ。
あたりはすでに日が昇り、非常に見通しが良くなっていた。
そして、倉庫があると思われる方向を眺める凡田が何かを発見したようだ。
「ん? どうしたんだい、凡田くん?」
「いや、あっちの草むらが動いたような気がしたでやんす」
「えっ……!!!」
「いや、あっちの草むらが動いたような気がしたでやんす」
「えっ……!!!」
それを聞くと九条は、すぐさま凡田をその場に伏せさせ、自らも身を低くする。
そして、デイパックの中のスタン・グレネードに手を伸ばし、様子を窺う。
そして、デイパックの中のスタン・グレネードに手を伸ばし、様子を窺う。
今の凡田の言ったことが100%信頼できるものであるかは分からない。
しかし、この見通しの良い場所で襲撃されたら、流石のナイスガイもただでは済まされないだろう。
しかし、この見通しの良い場所で襲撃されたら、流石のナイスガイもただでは済まされないだろう。
数秒間様子を見るが、特に草むらが動いている様子はない。
だが、僅かながらに人の気配を感じるのも確かである。
かすかに草の根を分けるような音も聞こえる。
だが、僅かながらに人の気配を感じるのも確かである。
かすかに草の根を分けるような音も聞こえる。
「凡田くん、あの辺りで間違いないかな?」
「そうでやんすね。……確かめてみるでやんすか?」
「そうでやんすね。……確かめてみるでやんすか?」
すると、九条の返事を待たずに、凡田は近くにあった小石を思いきり投げつけていた。
九条が止めに入るのも遅く、凡田の放った小石は、弧を描いて飛んでいく。
流石プロ野球のピッチャー、とでも言ったところか。
小石は50メートルほど離れた草むらの中にきれいに落下していった。
そして、それと同時に、「うわあ!」という叫び声が聞こえた。
九条が止めに入るのも遅く、凡田の放った小石は、弧を描いて飛んでいく。
流石プロ野球のピッチャー、とでも言ったところか。
小石は50メートルほど離れた草むらの中にきれいに落下していった。
そして、それと同時に、「うわあ!」という叫び声が聞こえた。
「ヒットでやんす!」
喜々とする凡田を尻目に、九条は立ち上がる。
突然石を投げる、という行為自体はとんでもないものであったが、お陰で草むらの中にいるのがどんな人物かがおおよそ把握できたのだ。
恐らくは、小学生くらいの男の子だと九条は考えた。
まず第一に、聞こえてきた声が声変わり寸前の少年のそれであったこと。
そして、殺人者であるかもしれない人物を目の前にして、叫び声をあげてしまうような不用意さから、こちらに敵意のない少年であると判断した。
喜々とする凡田を尻目に、九条は立ち上がる。
突然石を投げる、という行為自体はとんでもないものであったが、お陰で草むらの中にいるのがどんな人物かがおおよそ把握できたのだ。
恐らくは、小学生くらいの男の子だと九条は考えた。
まず第一に、聞こえてきた声が声変わり寸前の少年のそれであったこと。
そして、殺人者であるかもしれない人物を目の前にして、叫び声をあげてしまうような不用意さから、こちらに敵意のない少年であると判断した。
ともなれば、まずは安心させることが第一である。
100%そうと決まったわけではないので、念のため袖の中にスタン・グレネードを忍ばせながら、手をあげて草むらへと近づいていく。
100%そうと決まったわけではないので、念のため袖の中にスタン・グレネードを忍ばせながら、手をあげて草むらへと近づいていく。
「さっきはすまなかった。……そこにいるんだろ? 出てきなよ?」
声をかけながら近づいてみるが、今のところ反応がない。
後ろからは凡田がついてくる。
後ろからは凡田がついてくる。
一歩、また一歩と歩みを進めていく。
草むらまで15メートルほどの場所へ差し掛かったとき、九条の耳に先ほどとは違う物音が聞こえた。
ヒュンッという風音。
そして、身をかがめて当たりをやり過ごす。
直後、バキッと言う音とともに「ぐへっ……でやんす!」という叫び声が後ろから聞こえた。
振り返ると、宙を舞う凡田の姿がそこにあった。
草むらまで15メートルほどの場所へ差し掛かったとき、九条の耳に先ほどとは違う物音が聞こえた。
ヒュンッという風音。
そして、身をかがめて当たりをやり過ごす。
直後、バキッと言う音とともに「ぐへっ……でやんす!」という叫び声が後ろから聞こえた。
振り返ると、宙を舞う凡田の姿がそこにあった。
☆
追撃とばかりに、見えない襲撃者による攻撃を受けた凡田は地面に叩きつけられ、「ぐえっ」という変な声をあげ、気を失った。
そして襲撃者は、風を切るような速さで九条の元へ駆け寄ると、一発、二発と打撃を繰り出す。
しかし、その二発は確実に九条へと命中したのだが、九条は直撃を免れ、逆にその見えない襲撃者に対して蹴りを放った。
「ドスッ」という鈍い音とともに、その場に相手が崩れ落ちるのを九条は感じていた。
恐らく腹への直撃。
襲撃者はせき込んでその場へ倒れこんでいる様子である。
そして襲撃者は、風を切るような速さで九条の元へ駆け寄ると、一発、二発と打撃を繰り出す。
しかし、その二発は確実に九条へと命中したのだが、九条は直撃を免れ、逆にその見えない襲撃者に対して蹴りを放った。
「ドスッ」という鈍い音とともに、その場に相手が崩れ落ちるのを九条は感じていた。
恐らく腹への直撃。
襲撃者はせき込んでその場へ倒れこんでいる様子である。
姿を消して近づいたはいいが、ここが草むらの上であることを襲撃者は忘れていた。
草むらに刻まれる足跡をしっかりと確認し、冷静な対処をした九条に軍配が上がることとなった。
草むらに刻まれる足跡をしっかりと確認し、冷静な対処をした九条に軍配が上がることとなった。
「もしかして……ブラックか?」
九条がそうつぶやくと、姿の見えなかった襲撃者がうっすらとその姿を現した。
それは黒いヒーロー……からすっと少女へと姿を変える。
ヒーローのひとり、ブラックこと、芹沢真央だ。
それは黒いヒーロー……からすっと少女へと姿を変える。
ヒーローのひとり、ブラックこと、芹沢真央だ。
「……やっぱり…貴方だったの……どおりで……ケホッ…」
九条を見上げてそれを確認すると、再び真央はせき込んでうずくまる。
本来なら蹴り一発くらいでここまでダメージを負うこともないのだが、どうもこの島に来てから体力の消耗が非常に激しくなっていた。
本来なら蹴り一発くらいでここまでダメージを負うこともないのだが、どうもこの島に来てから体力の消耗が非常に激しくなっていた。
その後も数十秒間苦しそうにしていた真央だったが、ようやくせきが治まると、立ち上がって九条を見つめる。
最初の蹴り以降に追撃がないということは、九条には真央に対しての敵意、少なくとも殺す意思はないということだろう。
真央も、九条がこんな理不尽な殺人ゲームを容認するような男でないことは知っていた。
最初の蹴り以降に追撃がないということは、九条には真央に対しての敵意、少なくとも殺す意思はないということだろう。
真央も、九条がこんな理不尽な殺人ゲームを容認するような男でないことは知っていた。
「君は……このゲームに乗っているのか?」
真央と顔を合わせると、逆に九条がこんなことを尋ねてくる。
それもそのはず、である。
敵意のない相手に突然襲い掛かっていったのだから、疑われても仕方がない。
真央は申し訳ない、といった表情で、ひとつひとつ事情を説明していく。
八神・カズ・走太のこと、暴走している浜野のこと、それを追って出ていったカズのこと、
更にそれを追いかけて飛び出した走太のこと、それを追って出てきた自らのこと。
そして、つい先ほど九条と凡田を発見し、何者か分からないものとコンタクトをとるのをためらっていた時に、石を投げられたことで思わず飛び出して行ってしまったこと。
それもそのはず、である。
敵意のない相手に突然襲い掛かっていったのだから、疑われても仕方がない。
真央は申し訳ない、といった表情で、ひとつひとつ事情を説明していく。
八神・カズ・走太のこと、暴走している浜野のこと、それを追って出ていったカズのこと、
更にそれを追いかけて飛び出した走太のこと、それを追って出てきた自らのこと。
そして、つい先ほど九条と凡田を発見し、何者か分からないものとコンタクトをとるのをためらっていた時に、石を投げられたことで思わず飛び出して行ってしまったこと。
九条は、その真央の口から語られる一言一言に時折頷きながら耳を傾けていた。
そして、目の前でこちらを見つめる真央の瞳をのぞき込む。
そして、目の前でこちらを見つめる真央の瞳をのぞき込む。
真央も、ブラウンと同じように、九条が旅の途中で出会ったヒーローの一員だった。
九条の知る真央は、「ブラック」を名乗り、その名の通り、黒い衣装に身を包んだヒーローであった。
しかしそのとき、九条は他のヒーローにはない、無垢で、純粋な、真っ直ぐな思いを、ブラックから感じていた。
九条の知る真央は、「ブラック」を名乗り、その名の通り、黒い衣装に身を包んだヒーローであった。
しかしそのとき、九条は他のヒーローにはない、無垢で、純粋な、真っ直ぐな思いを、ブラックから感じていた。
そして、今目の前にいるこの少女も、その時と何ら変わることのない思いをその瞳に宿しているのを、九条は強く感じた。
☆
「本当に……ごめんなさい……」
「いいでやんす、いいでやんすよ。慣れっこでやんすから」
ボコボコに顔を腫らした凡田がちらりと目をやると、思わず隣にいた九条は目をそらす。
「いいでやんす、いいでやんすよ。慣れっこでやんすから」
ボコボコに顔を腫らした凡田がちらりと目をやると、思わず隣にいた九条は目をそらす。
「でも……本当にそっくり…」
「湯田くんでやんすか? ……よく言われるんでやんすよ。……あまり気にしないでくれでやんす」
「湯田くんでやんすか? ……よく言われるんでやんすよ。……あまり気にしないでくれでやんす」
お互いに事情を共有し合った九条と真央は、とりあえず安全な場所を確保して話し合おうと、凡田を担いで先ほどの草むらの中へと入って行った。
そこには畳2枚分くらいのスペースがあり、ちょこんと小学生くらいの男の子―――小波走太が座っていた。
そこには畳2枚分くらいのスペースがあり、ちょこんと小学生くらいの男の子―――小波走太が座っていた。
最初は走太も見知らぬ男2人の出現に驚いていたが、真央が丁寧に説明をしてくれたお陰で、すぐにその硬さもなくなっていた。
野球をやっているということもあり、気も合いそうだ。
凡田のこともどこかで見たことがあると言っている。
野球をやっているということもあり、気も合いそうだ。
凡田のこともどこかで見たことがあると言っている。
その後は凡田が目覚めるまで互いに細かな情報を交換していった。
大きく共有すべきことはなかったが、九条からは、信頼できる人物として、七原正大、布具里、四路智美、二朱公人などが、
注意すべき人物としては、椿、黒羽根あやかが挙げられた。
真央の挙げた人物は大体が九条も知るようなものばかりであったが、走太からは芽森わん子の名が挙げられ、それぞれがそれらをメモに記した。
大きく共有すべきことはなかったが、九条からは、信頼できる人物として、七原正大、布具里、四路智美、二朱公人などが、
注意すべき人物としては、椿、黒羽根あやかが挙げられた。
真央の挙げた人物は大体が九条も知るようなものばかりであったが、走太からは芽森わん子の名が挙げられ、それぞれがそれらをメモに記した。
凡田が目を覚ました後はこの後の動きをどうとるか、という話になった。
「私たちは……」
真央がちらりと走太の顔を窺うと、走太が前に出る。
「…俺は……やらなきゃいけないんだ。たとえ死ぬことがわかっていたとしても……」
力強く一言一言を噛みしめるように走太がいう。
その瞳には強い決意と信念が宿っていた。
それを聞き、九条は腰を落として走太と顔を合わせる。
「走太くん」
「は、はいっ…」
「……君の言う通りだ。僕たちにはやらなきゃいけないことがある。
だから僕らはこれから仲間を探しに行くし、君らもその大江さんという人を探しに行くんだろう。」
一呼吸を置いて九条は続ける。
「だけどね……死にに行くんじゃない。たとえどんな危険なところに行くとしても、死にに行ってはいけない。
……僕らはね、死ぬために戦うんじゃないんだ。必ず生きて帰ってくるために戦うんだよ」
真央がちらりと走太の顔を窺うと、走太が前に出る。
「…俺は……やらなきゃいけないんだ。たとえ死ぬことがわかっていたとしても……」
力強く一言一言を噛みしめるように走太がいう。
その瞳には強い決意と信念が宿っていた。
それを聞き、九条は腰を落として走太と顔を合わせる。
「走太くん」
「は、はいっ…」
「……君の言う通りだ。僕たちにはやらなきゃいけないことがある。
だから僕らはこれから仲間を探しに行くし、君らもその大江さんという人を探しに行くんだろう。」
一呼吸を置いて九条は続ける。
「だけどね……死にに行くんじゃない。たとえどんな危険なところに行くとしても、死にに行ってはいけない。
……僕らはね、死ぬために戦うんじゃないんだ。必ず生きて帰ってくるために戦うんだよ」
その言葉を聞き、走太は八神に言われたことを思い出していた。
―――だけど忘れないことだね。
―――君は人を守るためにそれを使うんだってことを
―――君は人を守るためにそれを使うんだってことを
ポケットにしまってあるレーザーカッターを握りしめ、走太は思った。
(そうか……俺……死ななきゃいけない……死ななきゃ意味がないってどこかで思ってたかもしれない。
だけど違うんだ。本当に人を守るってことは……お姉さんや八神さんや、九条さん、みんなの…親父のためにも……生きて帰らなきゃならないんだ!)
(そうか……俺……死ななきゃいけない……死ななきゃ意味がないってどこかで思ってたかもしれない。
だけど違うんだ。本当に人を守るってことは……お姉さんや八神さんや、九条さん、みんなの…親父のためにも……生きて帰らなきゃならないんだ!)
「……俺、わかったよ」
走太は顔をあげ、九条の目を真っ直ぐに見つめる。
「俺はこのゲームをやめさせたい。……それで帰って、親父を助けるんだ!」
それを聞き、九条は走太の頭にポンと手をおいて笑顔を浮かべながら言う。
「ああ、しっかりお姉さんを守ってやってくれ」
「はい!」
「はい!」
元気に返事をすると、走太は真央の手を引いて駈け出して行く。
真央は少し戸惑ってはいたが、九条の顔をちらりと見ると走太とともに駈けていった。
真央は少し戸惑ってはいたが、九条の顔をちらりと見ると走太とともに駈けていった。
「ホテルで会おうなー」「気をつけてくれでやんすー」
残された二人がそう声をかけると、「ありがとうおじさん!」という走太の声が聞こえてきた。
「………行っちゃったでやんすね」
「そうだね」
「ヒーローがついてるし大丈夫でやんすよね?」
「うん」
「……なんか…元気ないでやんすね?」
心配そうに凡田が九条の顔を覗き込むと、顔をひきつらせている九条がそこにいた。
「そうだね」
「ヒーローがついてるし大丈夫でやんすよね?」
「うん」
「……なんか…元気ないでやんすね?」
心配そうに凡田が九条の顔を覗き込むと、顔をひきつらせている九条がそこにいた。
「はぁ……おじさん……か」
【E-5/一日目/朝】
【小波走太@パワポケダッシュ】
[状態]:健康、軽い擦り傷
[装備]:ガンバーズのユニフォーム、スニーカー、高出力レーザーカッター
[道具]:支給品一式(ランダムアイテム不明)
[思考]
基本:生還し親父を復活させる
1:殺し合いを止める。
2:人は殺さない。
3:真央、八神、和那、九条、凡田を少し信頼。
4:浜野朱里を警戒。
[備考]
※参加時期は最後の大会の前から、誰ルートかは後続の書き手さんにお任せします
※八神、大江、九条、凡田と情報交換をしました。
【小波走太@パワポケダッシュ】
[状態]:健康、軽い擦り傷
[装備]:ガンバーズのユニフォーム、スニーカー、高出力レーザーカッター
[道具]:支給品一式(ランダムアイテム不明)
[思考]
基本:生還し親父を復活させる
1:殺し合いを止める。
2:人は殺さない。
3:真央、八神、和那、九条、凡田を少し信頼。
4:浜野朱里を警戒。
[備考]
※参加時期は最後の大会の前から、誰ルートかは後続の書き手さんにお任せします
※八神、大江、九条、凡田と情報交換をしました。
【芹沢真央@パワプロクンポケット7】
[状態]:疲労、腹に軽い痛み
[装備]:私服
[道具]:支給品一式、ランダムアイテム1~3個
[思考]
基本:弱きを守り悪を挫く『正義の味方』を貫く
1:走太についていく
2:人を守る。
3:浜野朱里を警戒。
4:時間になったらホテルに向かう
[備考]
※参加時期は黒打くんにアメコミのヒーローについて教えてもらった後
※八神、大江、九条、凡田と情報交換をしました。
[状態]:疲労、腹に軽い痛み
[装備]:私服
[道具]:支給品一式、ランダムアイテム1~3個
[思考]
基本:弱きを守り悪を挫く『正義の味方』を貫く
1:走太についていく
2:人を守る。
3:浜野朱里を警戒。
4:時間になったらホテルに向かう
[備考]
※参加時期は黒打くんにアメコミのヒーローについて教えてもらった後
※八神、大江、九条、凡田と情報交換をしました。
【E-5/草むら/一日目/朝】
【九条英雄@パワプロクンポケット9】
[状態]:健康、正義の味方としての決意
[装備]:ギター
[参戦時期]:維織GOOD後からアルバムまでの間
[道具]:支給品一式、ロケット弾、スタングレネード、野球人形、大正編の仲間の名前が書かれたメモ
[思考・状況]
基本:参加者全員を助け出し、亀田を倒す
1:ホテルに向かいながら仲間を集める。
2:彼女(森友子)を埋葬したい。
[備考]
※七原、真央、走太と軽い情報交換をしました。
【九条英雄@パワプロクンポケット9】
[状態]:健康、正義の味方としての決意
[装備]:ギター
[参戦時期]:維織GOOD後からアルバムまでの間
[道具]:支給品一式、ロケット弾、スタングレネード、野球人形、大正編の仲間の名前が書かれたメモ
[思考・状況]
基本:参加者全員を助け出し、亀田を倒す
1:ホテルに向かいながら仲間を集める。
2:彼女(森友子)を埋葬したい。
[備考]
※七原、真央、走太と軽い情報交換をしました。
【凡田大介@パワプロクンポケット2】
[状態]:全身に打撲
[装備]:無し
[参戦時期]:本編終了後
[装備]:お守り
[道具]:支給品一式、鍵
[思考・状況]
基本:ガンダーロボを救出したい
1:ホテルに向かいながら仲間を集める。
2:基本人殺しはしたくない。
3:九条を信頼。
4:チームメイトにH亀田がいる
[備考]
※七原、真央、走太と軽い情報交換をしました。
[状態]:全身に打撲
[装備]:無し
[参戦時期]:本編終了後
[装備]:お守り
[道具]:支給品一式、鍵
[思考・状況]
基本:ガンダーロボを救出したい
1:ホテルに向かいながら仲間を集める。
2:基本人殺しはしたくない。
3:九条を信頼。
4:チームメイトにH亀田がいる
[備考]
※七原、真央、走太と軽い情報交換をしました。
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041:時間移動か洗脳か | 九条英雄 | 075:アンドロイドは笑わない |
049:友情 | 小波走太 | 066:焦燥 |
049:友情 | 芹沢真央 | 066:焦燥 |
041:時間移動か洗脳か | 凡田大介 | 075:アンドロイドは笑わない |