嫉みと妬み ◆7WJp/yel/Y
四路智美が十波典明と別れて数十分ほど後、彼女は自分の心が軋む音が聞こえた。
泉を囲む形で広がっている森。
十波は南西の位置から北へと向い、智美は東へと向かった。
そして、泉の南東の位置である女性と出会ったのだ。
その女性とは彼女にとって忘れることのない女性。
特徴的な顔立ちと口調と、彼女『達』と一回りほど年の外れた年齢。
少し皮膚や服に焦げのようなものが見えるが間違いない。
この女性のことを彼女は忘れようにも忘れられない。
大げさに言ってしまえば、彼女の人生を変えた原因かもしれない女性。
女性の名は荒井紀香、三橋一郎の妻だった女だ。
泉を囲む形で広がっている森。
十波は南西の位置から北へと向い、智美は東へと向かった。
そして、泉の南東の位置である女性と出会ったのだ。
その女性とは彼女にとって忘れることのない女性。
特徴的な顔立ちと口調と、彼女『達』と一回りほど年の外れた年齢。
少し皮膚や服に焦げのようなものが見えるが間違いない。
この女性のことを彼女は忘れようにも忘れられない。
大げさに言ってしまえば、彼女の人生を変えた原因かもしれない女性。
女性の名は荒井紀香、三橋一郎の妻だった女だ。
「……紀香さん」
智美は懐の銃に手を伸ばし、絞りつくすように静かに声を出す。
心の奥から何とも言えない不快な感情が溢れだしてくる。
殺すつもりはない、拳銃に手を伸ばしたのはあくまでも護身だ。
まだ三橋がどのような方針で動いているのかを彼女は知らないのだから。
恐らく三橋は殺し合いに乗っていないだろう、とは彼女も思っている。
ただ、ただもし、何かの為に、彼女の知らない何かの為に殺し合いに乗っている可能性もある。
最悪の場合では洗脳されている可能性もある。
なにせ、亀田はあの唐沢博士と一緒に逃げたのだから。
心の奥から何とも言えない不快な感情が溢れだしてくる。
殺すつもりはない、拳銃に手を伸ばしたのはあくまでも護身だ。
まだ三橋がどのような方針で動いているのかを彼女は知らないのだから。
恐らく三橋は殺し合いに乗っていないだろう、とは彼女も思っている。
ただ、ただもし、何かの為に、彼女の知らない何かの為に殺し合いに乗っている可能性もある。
最悪の場合では洗脳されている可能性もある。
なにせ、亀田はあの唐沢博士と一緒に逃げたのだから。
「ふふ~ん、誰ですか?」
「四路智美、貴方の亡くなった方の旦那さんの同級生です。何度か会ったことはありますよ」
「知らないです」
「……そうですか」
「四路智美、貴方の亡くなった方の旦那さんの同級生です。何度か会ったことはありますよ」
「知らないです」
「……そうですか」
智美は努めて事務的に問い詰めていく。
感情のまま動けば要らない論争で時間を割いてしまうと彼女は分かっているからだ。
彼女の前に立つ荒井紀香という女性は理不尽なまでにマイペースな女性。
ひょっとしたら自分を中心に世界は回っていると疑いもなく信じているのではないかと疑ってしまうほど。
感情のまま動けば要らない論争で時間を割いてしまうと彼女は分かっているからだ。
彼女の前に立つ荒井紀香という女性は理不尽なまでにマイペースな女性。
ひょっとしたら自分を中心に世界は回っていると疑いもなく信じているのではないかと疑ってしまうほど。
(……そう言うところ、皮肉抜きで少し羨ましいけどね)
「一つ聞きます、貴方は殺し合いに乗っていますか?」
「ふふ~ん、二朱君は何処ですか?」
「……はい?」
「一つ聞きます、貴方は殺し合いに乗っていますか?」
「ふふ~ん、二朱君は何処ですか?」
「……はい?」
智美の場を緊張させてもおかしくない問いは疑問文で返される。
ただし、紀香のそれは全く交渉的な一面を持ってはいない。
ただし、紀香のそれは全く交渉的な一面を持ってはいない。
「ふふ~ん、お鼻が焦げ臭くて場所が分からないのです。こっちの方に少しだけ似た匂いがしたのです」
「……ニシュ、いえ、二朱君、って言うのは?」
「ダーリンです」
「……ニシュ、いえ、二朱君、って言うのは?」
「ダーリンです」
そこで智美は納得する。
二朱、と言うのは新しい旦那の名前なのだろう。
再婚したと言う話は知っている。
もう五年も経っているのだから何もおかしな話ではない。
亡くなった相手に何時までも操を立て続ける人間の方が少ないはずだ。
二朱、と言うのは新しい旦那の名前なのだろう。
再婚したと言う話は知っている。
もう五年も経っているのだから何もおかしな話ではない。
亡くなった相手に何時までも操を立て続ける人間の方が少ないはずだ。
(それでも嫌な感じが広がるのは……彼女への嫉妬、か。みっともないわね)
智美は、ここまで未練がましい人間だとは思わなかった、と考えながら首を振った。
ある程度ではあるが状況を把握して、眼を紀香に移す。
相も変わらず何を考えているのかわからないある種究極のポーカーフェイス。
実際は何も考えていないだけなのかもしれないが。
ある程度ではあるが状況を把握して、眼を紀香に移す。
相も変わらず何を考えているのかわからないある種究極のポーカーフェイス。
実際は何も考えていないだけなのかもしれないが。
「私も、手伝いましょうか?」
「ふふふ~ん?」
「二朱って人を探すことをです」
「ふふふ~ん、助かるです」
「ふふふ~ん?」
「二朱って人を探すことをです」
「ふふふ~ん、助かるです」
意外にもあっさりと協力すると約束した紀香。
智美にとっても即決は意外だったが、逆に断るのが予想通りだったか、と問われればNOだ。
要は、彼女は紀香の思考や行動を読める気がしないのだ。
智美にとっても即決は意外だったが、逆に断るのが予想通りだったか、と問われればNOだ。
要は、彼女は紀香の思考や行動を読める気がしないのだ。
「……じゃあ、貴方の持ってる支給品を」
「あげるです」
「え!?」
「あげるです」
「え!?」
支給品を見せてくれ、と言う前に彼女は人形を投げつけてきた。
慌ててその人形をキャッチし、観察するように眺める。
綺麗とはお世辞にも言えない、可愛らしいとも同様に言えない。
どちらかと言えば不気味な人形。
少なくとも子供が好みそうな外見ではない。
歯に衣を着せずに、一言で、ハッキリ言ってしまえば、趣味が悪いのだ。
慌ててその人形をキャッチし、観察するように眺める。
綺麗とはお世辞にも言えない、可愛らしいとも同様に言えない。
どちらかと言えば不気味な人形。
少なくとも子供が好みそうな外見ではない。
歯に衣を着せずに、一言で、ハッキリ言ってしまえば、趣味が悪いのだ。
「それの所為で二朱君を見失ったのです、要らないのです」
智美には知る由もないが、先ほどまで紀香は移動時間の短縮になると喜んでいた。
だが、結果は二朱を見失ってしまった上、焦げ臭さで二朱の臭いを拾いきれないという散々なものだ。
まさに踏んだり蹴ったりな状況になってしまったのがこの人形に理由があると言っても間違っていない。
一向に顔色を変える気配すら見せないが、どうやらご立腹のようだ。
智美としては大人しく受け取っておくしかない。
断ると本気でどんな風に動くのか分からない。
下手をしたら殺されかねない。
だが、結果は二朱を見失ってしまった上、焦げ臭さで二朱の臭いを拾いきれないという散々なものだ。
まさに踏んだり蹴ったりな状況になってしまったのがこの人形に理由があると言っても間違っていない。
一向に顔色を変える気配すら見せないが、どうやらご立腹のようだ。
智美としては大人しく受け取っておくしかない。
断ると本気でどんな風に動くのか分からない。
下手をしたら殺されかねない。
「……分かりました、とりあえずついて来て下さい」
「ふふふ~ん、わかったです」
「ふふふ~ん、わかったです」
とりあえずホテルまで連れて行く。
二朱公人、名簿を流し読みした時に珍しい苗字だったので頭に入っていた。
二朱を九条と凡田が連れてくれば、紀香の扱いは任せればいい。
連れてこなければ、誰かに押しつければいい。
二朱公人、名簿を流し読みした時に珍しい苗字だったので頭に入っていた。
二朱を九条と凡田が連れてくれば、紀香の扱いは任せればいい。
連れてこなければ、誰かに押しつければいい。
そんな風にこれからのことを智美が考えていると、イタチの人形と『目が合った』。
「え?」
勘違いだ、と思うよりも驚きの声を漏らす。
しかし人形が目を動かすわけもない。
だが、智美は確かに目が合ったように思えたのだ。
しかし人形が目を動かすわけもない。
だが、智美は確かに目が合ったように思えたのだ。
(疲れてる……のかしら?)
ふう、とため息をついてデイパックの中へと人形を仕舞う。
不気味な感覚が背筋に広がるのを感じながら、手を入れた際にこつりと何かが当たる。
恐らく感触からして探知機だろう。
電池が切れた状態の今はただの鉄屑と変わりないものだが。
不気味な感覚が背筋に広がるのを感じながら、手を入れた際にこつりと何かが当たる。
恐らく感触からして探知機だろう。
電池が切れた状態の今はただの鉄屑と変わりないものだが。
「……?」
だが、少し触った感触がおかしかった。
先ほどの人形と言い何かがおかしい。
先ほどの人形と言い何かがおかしい。
(何も起こってなんていないに決まってるわ。
ずっとデイパックに入れていたし、デイパック自体を乱暴に扱ったこともない。
壊れる要素もない、この不思議なデイパックの中で佇んでいたはずよ)
ずっとデイパックに入れていたし、デイパック自体を乱暴に扱ったこともない。
壊れる要素もない、この不思議なデイパックの中で佇んでいたはずよ)
まるで否定するかのように思考が埋め尽くされていく。
嫌な予感、この人形を見てからそれが広がっていくのが止まらない。
ゆっくりと探知機を取り出す。
やはり持ったときの感触が最後に触れたときと違う。
嫌な予感、この人形を見てからそれが広がっていくのが止まらない。
ゆっくりと探知機を取り出す。
やはり持ったときの感触が最後に触れたときと違う。
「……!?」
「ふふふ~ん、ガラクタです」
「ふふふ~ん、ガラクタです」
智美が取りだしたものは、紀香の言うとおりガラクタだった。
それだけならば何の問題もなかった。
それが探知機の形を思い出させるものでなければ。
それだけならば何の問題もなかった。
それが探知機の形を思い出させるものでなければ。
壊れていた、探知機を中心に規模の小さい爆発が起こったかのような壊れ方だ。
これで二度と使えないだろう。
自然に壊れたのだ。
確かに物である以上そのようなことが起こる可能性は付いて回る。
だが、幾らなんでも唐突すぎる。
ならば何が原因だ。
十波と出会った時は何の問題もなかった。
ならばそれから後に起こったことだ。
それから後は東に向い歩き、紀香に出会い、人形を貰った。
自然で壊れていないのならば、紀香か人形が原因と考えるのが自然だろう。
これで二度と使えないだろう。
自然に壊れたのだ。
確かに物である以上そのようなことが起こる可能性は付いて回る。
だが、幾らなんでも唐突すぎる。
ならば何が原因だ。
十波と出会った時は何の問題もなかった。
ならばそれから後に起こったことだ。
それから後は東に向い歩き、紀香に出会い、人形を貰った。
自然で壊れていないのならば、紀香か人形が原因と考えるのが自然だろう。
――――そこまで考えた時、ふとデイパックの中にある人形の目が光った気がした。
智美は躊躇うことなくそれを捨て、紀香の手を引いて東へと駆け出して行く。
紀香の機嫌の悪そうな声も耳に入らない。
あの人形はこの殺し合いなんて異常な状況が可愛く見えるほどの異常な物だと智美は判断した。
直観だ。理論だとか証拠だとか、そんな確たるものは何もない。
だからこそ、これが不気味だった。
エリアを超えたころ、ようやく安心できた。
あれのことは忘れよう、引きずっていて得するようなものではない。
紀香の機嫌の悪そうな声も耳に入らない。
あの人形はこの殺し合いなんて異常な状況が可愛く見えるほどの異常な物だと智美は判断した。
直観だ。理論だとか証拠だとか、そんな確たるものは何もない。
だからこそ、これが不気味だった。
エリアを超えたころ、ようやく安心できた。
あれのことは忘れよう、引きずっていて得するようなものではない。
そして、その頃。
――捨てられて草むらの中に潜んでいるイタチの人形は。
――――その瞳を、真っ赤に光らせていた。
【C-6/一日目/朝】
【荒井紀香@パワプロクンポケット2】
[状態]:全身のところどころに軽い火傷、体力消耗(小)
[装備]:なし
[参戦時期]:紀香ルート・2年目クリスマス
[道具]:支給品一式、ランダム支給品0~1
[思考]基本:二朱くんに会う。
1:目の前の女(智美)についていく。
2:二朱君との愛の営みを邪魔するひとは容赦しないです。
3:あの女(夏目准)が二朱君を手にかけていたら仇をとる。
[備考]
※第一回放送に気付いていません。
【荒井紀香@パワプロクンポケット2】
[状態]:全身のところどころに軽い火傷、体力消耗(小)
[装備]:なし
[参戦時期]:紀香ルート・2年目クリスマス
[道具]:支給品一式、ランダム支給品0~1
[思考]基本:二朱くんに会う。
1:目の前の女(智美)についていく。
2:二朱君との愛の営みを邪魔するひとは容赦しないです。
3:あの女(夏目准)が二朱君を手にかけていたら仇をとる。
[備考]
※第一回放送に気付いていません。
【四路智美@パワプロクンポケット3】
[状態]:嫌な汗が背中に伝わっている。
[装備]:拳銃(ジュニア・コルト)
[参戦時期] 3智美ルートで主人公の正体が1主人公だと発覚後。
[道具]:支給品一式、ダイナマイト5本、呪いの人形
[思考・状況]
基本:二度と三橋くんを死なさない。
1:しばらくは情報集めと人を集め。
2:十波典明の言葉を丸っきり信用するわけではないが、一応警戒。
3:第三放送までにはホテルPAWAに集まる人をどうするか方針を決めたい。
4:亀田の変貌に疑問?
備考
※メカ亀田を危険人物を判断しました。
※ピンクのパーカーを着た少女と作業着を着た少女を警戒。
※ 探 知 機 は 呪 い の 人 形 に 壊 さ れ ま し た 。
[状態]:嫌な汗が背中に伝わっている。
[装備]:拳銃(ジュニア・コルト)
[参戦時期] 3智美ルートで主人公の正体が1主人公だと発覚後。
[道具]:支給品一式、ダイナマイト5本、呪いの人形
[思考・状況]
基本:二度と三橋くんを死なさない。
1:しばらくは情報集めと人を集め。
2:十波典明の言葉を丸っきり信用するわけではないが、一応警戒。
3:第三放送までにはホテルPAWAに集まる人をどうするか方針を決めたい。
4:亀田の変貌に疑問?
備考
※メカ亀田を危険人物を判断しました。
※ピンクのパーカーを着た少女と作業着を着た少女を警戒。
※ 探 知 機 は 呪 い の 人 形 に 壊 さ れ ま し た 。
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