believe ◆4gRTs1n8Tk
殺し合い。
最初は何かの冗談だと思っていたけど、試し撃ちをしてみたら轟音と共に弾がばら撒かれた。
どうやら正真正銘の本物、警察に見つかったら即逮捕の一品らしい。
最初は何かの冗談だと思っていたけど、試し撃ちをしてみたら轟音と共に弾がばら撒かれた。
どうやら正真正銘の本物、警察に見つかったら即逮捕の一品らしい。
「メイドさんと機関銃♪……なんて言ってる場合じゃないわね」
メイド服に機関銃に首輪。
傍から見れば今の自分の姿は相当にアレなものなんだろう。
あの場所で見たコスプレのヒーローといいあの亀田とかいう眼鏡は何を基準に私達を選んだんだろう、なんてさっきからどうでもいい事ばかりが頭によぎる。
……何時までも、現実から目を背けていても仕方ないのは分かっている。
でもいきなり殺し合え、なんて言われてすぐに覚悟を決められるほうがおかしいし、ちょっとくらいは勘弁してほしい。
こんな時、維織さんや“あいつ”ならどうするんだろう。
維織さんはきっとこんな場所でも何時ものマイペースを貫くだろう。
何時ものように本を読んでいたらいつの間にかこの殺し合いが終っていた、何てこともあるかもしれない。
それは言い過ぎかもしれないけど、絶対に誰かを殺そうとはしないだろう。
じゃあ“あいつ”ならどうするんだろう。
ホームレスでヒモで、鈍感でデリカシーの無い、凡そ人間として駄目な要素をコンプリートしている馬鹿だけど、誰かを傷つけるようなことは絶対にしないと思う。
なら、わたしは?
わたしはどうする?
決まっている、こんな殺し合いなんかに絶対乗ってやらない。
あの馬鹿にわたしの思いを告げることは出来そうに無いけど、いましばらくはあのお似合いの2人を見守っていたい。
誰かを殺したりしたらあの2人に合わす顔が無いし、この服を血で汚したら私の夢にも申し訳が立たない。
だから絶対に殺し合いに何か絶対に乗ってやらない。
傍から見れば今の自分の姿は相当にアレなものなんだろう。
あの場所で見たコスプレのヒーローといいあの亀田とかいう眼鏡は何を基準に私達を選んだんだろう、なんてさっきからどうでもいい事ばかりが頭によぎる。
……何時までも、現実から目を背けていても仕方ないのは分かっている。
でもいきなり殺し合え、なんて言われてすぐに覚悟を決められるほうがおかしいし、ちょっとくらいは勘弁してほしい。
こんな時、維織さんや“あいつ”ならどうするんだろう。
維織さんはきっとこんな場所でも何時ものマイペースを貫くだろう。
何時ものように本を読んでいたらいつの間にかこの殺し合いが終っていた、何てこともあるかもしれない。
それは言い過ぎかもしれないけど、絶対に誰かを殺そうとはしないだろう。
じゃあ“あいつ”ならどうするんだろう。
ホームレスでヒモで、鈍感でデリカシーの無い、凡そ人間として駄目な要素をコンプリートしている馬鹿だけど、誰かを傷つけるようなことは絶対にしないと思う。
なら、わたしは?
わたしはどうする?
決まっている、こんな殺し合いなんかに絶対乗ってやらない。
あの馬鹿にわたしの思いを告げることは出来そうに無いけど、いましばらくはあのお似合いの2人を見守っていたい。
誰かを殺したりしたらあの2人に合わす顔が無いし、この服を血で汚したら私の夢にも申し訳が立たない。
だから絶対に殺し合いに何か絶対に乗ってやらない。
決意を固めれば、話は早い。
維織さんやあいつがいるのなら合流したいし、他にも亀田に対抗する仲間を集める必要がある。
だったらこんな所でまごまごしている暇は無い、思い立ったら即行動!
そう思って歩き始めてから数分後、不安そうに歩いている内気そうな女の子を見つけた。
どう見ても、殺し合いなんて出来そうな子じゃないし、最初に声をかける相手としてはちょうどいいだろう。
わたしは、明るい声を作って話しかけた。
維織さんやあいつがいるのなら合流したいし、他にも亀田に対抗する仲間を集める必要がある。
だったらこんな所でまごまごしている暇は無い、思い立ったら即行動!
そう思って歩き始めてから数分後、不安そうに歩いている内気そうな女の子を見つけた。
どう見ても、殺し合いなんて出来そうな子じゃないし、最初に声をかける相手としてはちょうどいいだろう。
わたしは、明るい声を作って話しかけた。
「ねえ、あなた。私と一緒にこの殺し合いを壊さない?」
- ・ ・ ・ ・ ・
私がこの殺し合いでどうやったら生き残れるのかを考えながら歩いていたら、いきなり変なメイド服の女の人に話しかけられた。
その人は必死に、自分は殺し合いに乗っていない、ということをアピールしている。
そんな女の人に対して私は、ただ適当な相槌をうつだけで、意味のある返答はほとんどしていない。
普通の人ならここで私と話すのを諦めるか、あるいは私がその人から逃げ出していただろう。
だが、この場では逃げ出すわけには行かない。
女の人の右腕にはしっかりと銃が握られている。
わたしがこの場で背中を向けて逃げ出したら、背中から撃つつもりかもしれない。
どうやらこの女の人は人探しをしているらしいが、聞き終わったら用済みとばかりに私を殺すつもりかもしれないし、わたしがその2人についてなんの情報も持っていないと答えても執拗に聞きだそうとするのかもしれない。
どちらにしても、銃を持って話しかけてくるような人間は信用できない。
私の視線で考えていることが分かったのだろうか、その人は銃を手放した。
その人は必死に、自分は殺し合いに乗っていない、ということをアピールしている。
そんな女の人に対して私は、ただ適当な相槌をうつだけで、意味のある返答はほとんどしていない。
普通の人ならここで私と話すのを諦めるか、あるいは私がその人から逃げ出していただろう。
だが、この場では逃げ出すわけには行かない。
女の人の右腕にはしっかりと銃が握られている。
わたしがこの場で背中を向けて逃げ出したら、背中から撃つつもりかもしれない。
どうやらこの女の人は人探しをしているらしいが、聞き終わったら用済みとばかりに私を殺すつもりかもしれないし、わたしがその2人についてなんの情報も持っていないと答えても執拗に聞きだそうとするのかもしれない。
どちらにしても、銃を持って話しかけてくるような人間は信用できない。
私の視線で考えていることが分かったのだろうか、その人は銃を手放した。
「こんなもの構えて、仲間になってくれって言われても信用できないわよね。これで少しは信用してもらえる?」
確かにこれで、少しは信用できるようになったかもしれない。
そもそも本当に殺すつもりなら、私に話しかけるより前に銃で撃てばいいだけの話しだし、情報収集したいにしてもわざわざ銃を手放すメリットは無い。
そう、この人はもしかしたら本当にただ、人探しをしたいだけなのかもしれない。
そして本当に、この殺し合いを壊すつもりなのかもしれない。
私は羞恥や恐怖に耐えながら初めてその人にまともな返答を返した。
そもそも本当に殺すつもりなら、私に話しかけるより前に銃で撃てばいいだけの話しだし、情報収集したいにしてもわざわざ銃を手放すメリットは無い。
そう、この人はもしかしたら本当にただ、人探しをしたいだけなのかもしれない。
そして本当に、この殺し合いを壊すつもりなのかもしれない。
私は羞恥や恐怖に耐えながら初めてその人にまともな返答を返した。
「疑ったりして、ごめんなさい。それと……私がここで会ったのは貴方が初めてです」
この時点で、情報源としての自分に価値は無くなった。
彼女の一挙一動に注意を払うが、多少落胆した様子が見えるだけで、特に何かしてこようという気配は無い。
彼女の一挙一動に注意を払うが、多少落胆した様子が見えるだけで、特に何かしてこようという気配は無い。
「そう……残念だけど、仕方ないわね」
未だに、目の前の女性から敵意は感じられない。
そして、一呼吸おいて彼女は私にこう告げた。
そして、一呼吸おいて彼女は私にこう告げた。
「私の名前は夏目准。さっきも言ったけど、こんな殺し合いに乗るつもりは無いわ。よかったら貴方も一緒に来ない?」
そう言いながら私に向かって右手を差し出してきた。
一瞬、隠し持っていた刃物で私を刺すのかと体がすくんだけど、特に何かする様子も見えないし、何か隠し持っている様子も無い。
どうやら、本当に私と握手をしたいだけらしい。
だから私は同じように右手を差し出し───
一瞬、隠し持っていた刃物で私を刺すのかと体がすくんだけど、特に何かする様子も見えないし、何か隠し持っている様子も無い。
どうやら、本当に私と握手をしたいだけらしい。
だから私は同じように右手を差し出し───
「────え?」
隠し持っていたナイフを准さんの腹部に突き刺した。
彼女はお腹にナイフが刺さったまま呆然と私を見ている。
もしかして数分前に会っただけの他人を、しかもこんな殺し合いの場で純粋に信じていたとでも言うのだろうか。
私にはそんなこと出来ない。
確かに彼女は銃を捨てたけど、それは単に銃弾を節約したかっただけで他の手段で殺そうとしていただけかもしれない。
彼女は一緒に行こうと誘ったけど、殺人鬼が現れた時に私を囮にして逃げ出すつもりだったのかもしれない。
考え始めるときりが無かった。
だから私は彼女の銃を回収すると、彼女に背を向けて歩き出した。
彼女はお腹にナイフが刺さったまま呆然と私を見ている。
もしかして数分前に会っただけの他人を、しかもこんな殺し合いの場で純粋に信じていたとでも言うのだろうか。
私にはそんなこと出来ない。
確かに彼女は銃を捨てたけど、それは単に銃弾を節約したかっただけで他の手段で殺そうとしていただけかもしれない。
彼女は一緒に行こうと誘ったけど、殺人鬼が現れた時に私を囮にして逃げ出すつもりだったのかもしれない。
考え始めるときりが無かった。
だから私は彼女の銃を回収すると、彼女に背を向けて歩き出した。
「ごめんなさい。あなたの事を信じられませんでした。───貴方も簡単に人を信じないほうがいいですよ」
食料や水も回収しようかと思ったけど、誰かに規定分以上の道具を持っているのを見られたくなかったから放置しておいた。
ナイフも少し勿体無かったけど、引き抜いた時に出る返り血を浴びたくなかったので放置してきた。
私は彼女を信じられなかった。
結局この世で信じられるのはお父さんと十波君だけ。
でも殺し合いという極限状態で、私は十波君を信じることが出来るのだろうか?
胸にわいた小さな疑問は何時までも消える事は無かった。
ナイフも少し勿体無かったけど、引き抜いた時に出る返り血を浴びたくなかったので放置してきた。
私は彼女を信じられなかった。
結局この世で信じられるのはお父さんと十波君だけ。
でも殺し合いという極限状態で、私は十波君を信じることが出来るのだろうか?
胸にわいた小さな疑問は何時までも消える事は無かった。
【D-4/草原/1日目/深夜】
【芳槻さら@パワプロクンポケット10】
[状態]:健康
[装備]:機関銃(弾 微消費)
[参戦時期]さらルート途中
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1 死にたくない
2 十波君のことは信じられる?
【芳槻さら@パワプロクンポケット10】
[状態]:健康
[装備]:機関銃(弾 微消費)
[参戦時期]さらルート途中
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1 死にたくない
2 十波君のことは信じられる?
失敗、しちゃったな……。
薄れいく意識の中でぼんやりと考える。
何が悪かったんだろう。
あの子の言うように、簡単に人を信じたのが間違いだったのか。
人を信じずに、手にした銃で出会った人間を皆殺しにしていけば良かったのだろうか。
違う。
ただちょっと運が悪くて、私に人を見る目が無かっただけ。
脳裏に浮かぶのは維織さんとあいつの姿。
出会った人全てを疑ってかかってしまえば、いつか彼らまで疑ってしまうかもしれない。
わたしは───
薄れいく意識の中でぼんやりと考える。
何が悪かったんだろう。
あの子の言うように、簡単に人を信じたのが間違いだったのか。
人を信じずに、手にした銃で出会った人間を皆殺しにしていけば良かったのだろうか。
違う。
ただちょっと運が悪くて、私に人を見る目が無かっただけ。
脳裏に浮かぶのは維織さんとあいつの姿。
出会った人全てを疑ってかかってしまえば、いつか彼らまで疑ってしまうかもしれない。
わたしは───
「だい──!─っかり───!」
朦朧とした思考は誰かの声に遮られた。
ぼんやりと見えるその人の顔にはどこかあいつの面影があって、焦ったその表情はからかわれた時のあいつに似ていて少し心が和んだ。
どうやら、この人は私を治療しようとしてくれているらしい。
『貴方も簡単に人を信じないほうがいいですよ』
さっきの女の子の言葉が頭をよぎったけど、私はあいつに似た男の人を信じてみることにした。
……もっとも、こんな状況じゃ信じる以外に何もできないんだけど。
そんな自嘲めいた思考と共に私の意識は闇に落ちた。
ぼんやりと見えるその人の顔にはどこかあいつの面影があって、焦ったその表情はからかわれた時のあいつに似ていて少し心が和んだ。
どうやら、この人は私を治療しようとしてくれているらしい。
『貴方も簡単に人を信じないほうがいいですよ』
さっきの女の子の言葉が頭をよぎったけど、私はあいつに似た男の人を信じてみることにした。
……もっとも、こんな状況じゃ信じる以外に何もできないんだけど。
そんな自嘲めいた思考と共に私の意識は闇に落ちた。
- ・ ・ ・ ・ ・
歩いていたらいきなりナイフが刺さったメイドさんを見つけたときにはびっくりしたけど、ぎりぎり間に合ったようで命に別状は無さそうだ。
とりあえずの応急処置をして、今は近くにあった廃小屋のベッドに寝かせている。
とりあえずの応急処置をして、今は近くにあった廃小屋のベッドに寝かせている。
「それにしても、まさかあの夢の知識がこんな形で役に立つとは思ってなかったな」
あの夢にしてはあまりにもリアルな戦争経験。
あの経験が無ければ、目の前に死に掛けた人がいてもまともな対処なんてできなかっただろう。
それにしてもへんな夢ばかり見るなぁ。
前回の周りのみんなと一緒に戦争する夢もそうだが、殺し合いに参加させられる夢なんてそれに輪をかけて悪趣味だ。
しかも最初に会ったのはメイドさん。
深層心理ではメイドさんに憧れでも抱いているのだろうか。
俺も凡田君のことを馬鹿にできないかもしれない。
凡田君と言えば、何故か最初に居た場所で亀田と名乗って悪の組織の総帥っぽいことをしていたけどあれはいったい何だったんだろう。
あの経験が無ければ、目の前に死に掛けた人がいてもまともな対処なんてできなかっただろう。
それにしてもへんな夢ばかり見るなぁ。
前回の周りのみんなと一緒に戦争する夢もそうだが、殺し合いに参加させられる夢なんてそれに輪をかけて悪趣味だ。
しかも最初に会ったのはメイドさん。
深層心理ではメイドさんに憧れでも抱いているのだろうか。
俺も凡田君のことを馬鹿にできないかもしれない。
凡田君と言えば、何故か最初に居た場所で亀田と名乗って悪の組織の総帥っぽいことをしていたけどあれはいったい何だったんだろう。
……まあ夢について深く考えても仕方ないか。
殺し合いに乗って誰かれ構わず殺して回るよりはみんなと協力して悪の総帥を倒す夢のほうが寝覚めが良いに決まっている。
それは例えば戦争が終ってみんなで野球をしたあの夢のように。
ヒロイン役のメイドさんに会えたことだし、いっちょ気合を入れて凡田…もとい亀田と戦おう。
それにしてもこのメイドさん本当に可愛いなあ。
……ちらっと彼女の顔が頭に浮かんだけど、夢だし浮気にはならないよな?
殺し合いに乗って誰かれ構わず殺して回るよりはみんなと協力して悪の総帥を倒す夢のほうが寝覚めが良いに決まっている。
それは例えば戦争が終ってみんなで野球をしたあの夢のように。
ヒロイン役のメイドさんに会えたことだし、いっちょ気合を入れて凡田…もとい亀田と戦おう。
それにしてもこのメイドさん本当に可愛いなあ。
……ちらっと彼女の顔が頭に浮かんだけど、夢だし浮気にはならないよな?
【D-4/廃小屋/1日目/深夜】
【二朱 公人(にしゅ きみひと)@パワプロクンポケット2】
[状態]:健康
[装備]:ナイフ
[参戦時期] 表で誰かのED後。夢の記憶として2裏の記憶保持。
[道具]:支給品一式 不明支給品×1
[思考・状況]
1 メイドさんが起きるまで待つ
2 みんなで協力して亀田を打倒する。
※備考 このバトルロワイアルのことを夢だと思っています。
【二朱 公人(にしゅ きみひと)@パワプロクンポケット2】
[状態]:健康
[装備]:ナイフ
[参戦時期] 表で誰かのED後。夢の記憶として2裏の記憶保持。
[道具]:支給品一式 不明支給品×1
[思考・状況]
1 メイドさんが起きるまで待つ
2 みんなで協力して亀田を打倒する。
※備考 このバトルロワイアルのことを夢だと思っています。
【夏目准@パワプロクンポケット9】
[状態]:腹部に刺傷(応急処置済み)気絶中
[装備]:無し
[参戦時期]維織ルート途中
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1 目の前の男を信じてみる
2 維織さんや9主人公に会いたい
[状態]:腹部に刺傷(応急処置済み)気絶中
[装備]:無し
[参戦時期]維織ルート途中
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1 目の前の男を信じてみる
2 維織さんや9主人公に会いたい
投下順に読む
時系列順に読む
前へ | キャラ追跡表 | 次へ |
GAME START | 夏目准 | 027:炎上からの脱出 |
GAME START | 二朱公人 | 027:炎上からの脱出 |
GAME START | 芳槻さら | 023:燃えろ!ジャスティス爆炎 |