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グレーボックス (ブロックアウト)

「グレーボックス(Greyboxing / Grayboxing)」とは、レベルデザイン(マップ制作)の初期段階において、精細なグラフィック(アセット)を使用せず、箱などのシンプルな形状(プリミティブ)を使って、ゲームのステージや環境の「ラフ案」を作成するプロセスのことです。
別名「ブロックアウト」とも呼ばれ、ゲームの楽しさや進行(フロー)、規模感、操作性などを、見た目に惑わされずに検証するための非常に重要な手法です。


概要

グレーボックス(Grayboxing)は、レベルデザインの初期段階において、完成品の3Dモデルやテクスチャを一切使わず、単純な立方体(Box)や円柱などのプリミティブ形状だけでステージを構築する手法です。
「見た目」という膨大なノイズを排除し、「遊びの純度」を検証するための極めて重要な工程です。
1. グレーボックスの主な目的
ゲームプレイの検証
ジャンプで届く距離か、カバーポイントの高さは適切かなど、メカニクスが意図通り機能するかを確認します。
ゲームテンポとスケール感の把握
移動に時間がかかりすぎて退屈ではないか、逆に密度が高すぎて窮屈ではないかという「距離感」を実機で体感します。
視線と導線のテスト
プレイヤーが迷わずに進めるか、視覚誘導ランドマークが機能しているかを、色のないプレーンな状態で評価します。
イテレーション(反復)の高速化
形状が単純なため、フィードバックを受けて数秒で壁を動かしたり通路を広げたりすることが可能です。

2. グレーボックスで定義すべき「メトリクス」
グレーボックス段階で最も重要なのが、メトリクス(数値基準)の確立です。
これらが決まっていないと、後の本制作でモデルが合わなくなるなどの手戻りが発生します。
項目 検証内容
キャラクター性能 歩行速度、ジャンプの高さ・幅、ダッシュ時の旋回半径
建築基準 ドアの幅(カメラが引っかからないか)、階段の1段の高さ
戦闘距離 遠距離武器の有効射程、敵の索敵範囲、遮蔽物の間隔
視界 カメラの画角(FOV)に対して、曲がり角の先がどう見えるか
3. ワークフローにおける位置付け
通常、以下のような流れで進みます。
1. ペーパーレイアウト
2Dの図面で全体の流れを計画。
2. グレーボックス(本工程)
3D空間に「仮置き」して、実際に歩き回る。
「面白くない」と判断されたら、ここで形を壊して作り直す(ボツにする)。
3. アートパス(Art Pass)
遊びが確定した後、背景アーティストが本制作のモデルやライティングに差し替える。

4. グレーボックスの鉄則
ディテールにこだわらない
窓枠の装飾や細かいテクスチャなどは不要です。
「グレー」である理由は、視覚情報に惑わされず、構造だけを見るためです。
「面白さ」が先、「美しさ」は後
グレーボックスの時点で歩いていて楽しくないマップは、どんなに豪華なグラフィックを被せても面白くなることはありません。
コリジョンと一致させる
見た目(メッシュ)と当たり判定(コリジョン)をほぼ同じに保つことで、最終的なプレイフィールとの乖離を防ぎます。

Unreal Engineなどでは、標準のModeling ModeやBSPブラッシュ、あるいはサードパーティ製のツール(ProBuilderなど)を使って、このグレーボックスを素早く組むのが一般的です。

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最終更新:2026年05月10日 12:02