作品
コズミックラプソディー
宇宙で踊るきみに逢えるステーション
ほうき星みたいに振り向かないできっと
初めての風に体はためかせて唄うよステーション
僕の君のうた 唄うよ
ちから八分目くらいの甲高い声で
帆を立てる空を越えるよ
夜はきみが思い浮かんだ
星の影に隠れるなみだなんだ
ずっと
つかまっていて
なにもかも考えないでいて
できるだけ
つかまっていて
なんだかもう考えないうちに
めいっぱい乾ききった萌えるひかりの駅に
僕は全力で甘えに行くよ
僕を舐めてほしいんだ
僕を好きになってほしいんだ
きみは笑いながら泣きながら怒って
僕を叩いてつねってかじってそれからキスした
それはつまり◎で 逆再生したみたいに
僕みたいなやつは汽車から放り投げられるステーション
399 名前:コズミックラプソディー 投稿日:2005/05/12(木) 17:11:13 ID:HgsoQWOC
【コメント】
442 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/05/15(日) 23:36:13 ID:kqwqUnpe
>>399 こんな他愛なさは嫌いじゃないです。ことばの調子を合わせて、歌詞
っぽくしてるんだろうなあ。そのせいか、トップギアまで吹かしきれてない、
もどかしさを感じます。もっとブッ飛んだって、いいのになあ。
100 名前:葉土@ごめんなさい [sage] 投稿日:2005/05/19(木) 07:05:46 ID:RIYv7zyd
>399 コズミックラプソディー
なんつか微妙にオタクな欲情を感じてしまって、あまり読後感が良くないですーーー。
萌えるって言葉は使い方が難しいねえ。。全体にイメージが散漫。
【得点】 0点
靴のある風景
軍靴の響きと呼ぶには
あまりに不揃いで
慳貪発劣情行き(from Kendon for Retujyou)の普通列車は
次次投げ込まれる
靴を積んで
出発した
男たちの誇りは靴の誇り
ワックスで磨きあげられた
一丁前は
踏まれ蹴飛ばされ
靴輸送列車は薊色の無聊で満たされ
エナメルの矜持も
おそらくは
窒息した
北の国境のひとつ手前の駅で
プラットフォームに放り出され
輪切りの空洞から
半透明の暗く青い炎を
ときおり
覗かせては
靴は欲していたのか
私の欠損した部分はどこで呼吸しているか
ビル街の朝は
電線の上から雀が翳を落とし
街路樹の葉の隙間から
千の光が静かに食指を動かしている歩道を
足首から上の
切断された主を求め
靴の群れは行進を止めようとしない
400-401 名前:靴のある風景 投稿日:2005/05/12(木) 22:52:38 ID:OzcYYBtA
【コメント】
442 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/05/15(日) 23:36:13 ID:kqwqUnpe
>>400-401 受動的な旅を続けて、滅びの時を待つかと思われた靴が、いきな
りビル街で行進をおっぱじめるんで、読む側としては面喰らってしまいます。
面白い転換だとは思うけど、「私の欠損した…」は、うまく接続の役割を果た
しているんでしょうか。
100 名前:葉土@ごめんなさい [sage] 投稿日:2005/05/19(木) 07:05:46 ID:RIYv7zyd
>400 靴のある風景
足首から上がない靴が頭の中に躍ってしまった。。シュールです。(靴だけがあるんじゃなくて、
あくまで足首の片鱗ぐらいが残ってる切断された足の入った靴)
>エナメルの矜持もおそらくは窒息した っていう表現はいい。
全体に「捨ててしまったプライドの反抗」って感じがして、シニカルだけではないパワーがあってよかった。
(怒りみたいなパワーかな?)
229 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY [] 投稿日:2005/05/21(土) 22:39:58 ID:jiVV4PdX
ゼッケン、また皮剥けたね。ホント、皮が何層あるかって思うよ。このごろ。
今度の詩はねーいいんじゃない。こんな詩が十も載ってれば、詩集買うよ、って
どこかで聞いた言葉だな。でも、これ、マジです。
今回は「靴のある風景」を書きました。寸評くれたカノープスさん、点くれた
葉土さん、どうもありがとう。
この詩は、もし詩集をつくるとしたら、前回に投稿した「Snobby-mob」の前に
もってくる詩です。相補的って言うのかな、そんな関係・意味あいを持たせて
つくりました。風合いは全然違うけど。以前にも書きましたが、たかが1つの
詩なんて、それだけで評価はできないものです。一編の詩で全部描こうとすると
どうしても説明的になってしまうから。詩の作品なんて結局、どれも永遠の蜜柑
おっと未完なんじゃないだろか。ときには合い補いあったり、前作を否定して
弁証法的に乗り越えていったり。そうやって自分が死んだとき、森のような詩
世界ができあがるものかなあ、などと考えております。
【得点】 2点
発つ時
朝露のせいなのか
少し湿ったベンチに座る
冷たく張った空気と遠くのエンジン音
ラッシュ時の喧騒から比べると
少し不気味で別の場所のようだった
「コーヒーでも飲もうか?」
怖かったんだと思う
正体はわかっている
しかし 実感が無い
気を利かせようとするたびに
このまま が一番だという答えに行き着く
この状況からすれば 色んなことが余計だった
時間通りにその時は来た
「あっちでも、元気でやれよ。」
捻りに捻ってでたのがこの言葉
情けないというか 納得というか
あっさりしすぎていた
フッと溜め息を吐いて
なんでもなさに安心する
そろそろ 人影も増えてきた
寒いし ここも込むから 帰ろう
で また寝よう 予定なんか無い
ボーッと歩いた家路は短く
くたびれた玄関にはすぐ着いた
雀が五月蝿い 空は光り出していた
少々つまんすぎたのかも
もう少し なにかを期待してた
ドアを開け 目の前に広がる散らかりようは
別に悲しくも無く 寂しくも無く いつもどおり
少し 広い そして 寒い
それだけ それだけだのに
涙と鼻水が延々と溢れた
402-403 名前:発つ時 投稿日:2005/05/13(金) 01:18:45 ID:EetVlemt
【コメント】
443 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/05/16(月) 22:41:31 ID:7x7bUu4A
>>402-403 失恋の情けなさと男の未練。正直いってことばの滑らかさや読ま
せる展開の妙、といった技術的な面ではあまり上手さを感じませんが、そこが
いいのかもね、口下手で不器用な男の様子がよく伺えます。彼女の描写をまっ
たく書いてないのは、意図的なものだろうね。
100 名前:葉土@ごめんなさい [sage] 投稿日:2005/05/19(木) 07:05:46 ID:RIYv7zyd
>402 発つとき
別れの風景なんだけど、これは単純に見送っているだけじゃなくて、失恋の別れのような風情がある。
最後の夜をともにして、始発の駅まで送ったのかな?遠距離恋愛の終焉みたいな。。
諦めと諦めきれないような未練が混じったような等身大の表現が身につまされました。
【得点】 2点
- Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点
- 葉土 ◆Rain/1Ex.w:1点
誰しも待つ。電車、或いは他の現象を
時計は15時28分 長い針は僕を100と34回刻んだ
クリーム色のベンチ 人はいない
紺の絽を着たお婆さんは いつの間にか行ってしまった
青い空にぼやけた 雲が流れていく
時折駅員同士が 政治語らう声が聞こえる
夏は近くて この土地は暑くて
汗ばんだ背中を 得体の知れぬ開放感に凭れても
鳥が戯れる青を スローモーションで見上げても
いい気はしない 僕は一人だ
次第にいつから居て どこに行くのか
その目的さえも 曖昧になってきて
僕の乗る電車は 果たして来るのか 来ないのか
それすらも 思い出せなくなる
文庫大に凝縮されたアンドレ・ブルトンが 地に落ちてけたたましく笑った
刹那に感覚はよみがえり しかしそれでも空は青
再び僕は世界に 容易く呑み込まれていく
伸びたレールの果ては 大英博物館か
阿佐ヶ谷古書店の店先か それとも。
どこかで轍が軋むのが 聞こえた気がしたけれど
いつの間にか駅員も 空も時計も消えていた
404 名前:誰しも待つ。電車、或いは他の現象を 投稿日:2005/05/13(金) 04:27:12 ID:insuBfYM
【コメント】
443 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/05/16(月) 22:41:31 ID:7x7bUu4A
>>404 「得体の知れぬ開放感」って表現、好きだな。拡散に拡散を続けたイ
メージの果て、僕は世界の異物でもあり同化するものでもある。描く世界は限
定されてて、あまり大きさは感じません。文庫本大の広がる世界、を感じた。
101 名前:葉土@ごめんなさい [sage] 投稿日:2005/05/19(木) 07:06:14 ID:RIYv7zyd
>404 誰しも待つ。電車、或いは他の現象を
長針は秒針か分針か、、なんか長いこと待ってるみたいだから、134分も待ってるのね。。
紺の絽を着てるから日本、暑い土地柄。九州、沖縄方面なんだろうか。。と考えながら
てか、どうせなんだからボルネオあたりに舞台を持ってきても良かったんじゃないかとか思ってしまった。
待っている間の暑くてだるくて、気が遠くなるような空白を感じました。
【得点】 0点
現
漂うのは七つのスモーク
進むのは愚かな赤と黄の契り
子供たちの踊りゆく円
スピードを上げて織り創めるメトロ
『シャンプーをしたまま乗り込め
持たない者だけが取り残される泥壁へ
さあぶち込まれろ
泡を吹いた口元から虹の線を吐いて』
光で得た波の群れを率い
深すぎる穴を抜けて撹乱に眩む
乱雑さを漏れ出しながら
あふれるその渦を食いちぎる蛇と下る
往かん遥かなる世界
直角に傾く目的地
石英のレバー
剥製と踊る車掌が告げる 現像中の出口
405 名前:現 投稿日:2005/05/13(金) 05:06:47 ID:Oe3TGVSK
【コメント】
443 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/05/16(月) 22:41:31 ID:7x7bUu4A
>>405 笙野頼子『下落合の向こう』。現実に走る地下鉄がどんどん異化され
て、別な物体というか現象に変貌する。2連めは何かの引用でしょうか、シャ
ンプーがイカシてます。上手さはあるんだけど、すごく取っ付きにくいよね。
何故だろう、総てを表現しようとした為なのかなあ。
101 名前:葉土@ごめんなさい [sage] 投稿日:2005/05/19(木) 07:06:14 ID:RIYv7zyd
>405 現
なんかね、洗濯機のようなぐるぐる回る坩堝に放り込まれて反対側から吐き出されたような
気分でした。(暗喩が隠されてるみたいなんだけど、わからんかったです。)
【得点】 0点
茶色いホームにて
時間
という
何だかよくわからない
たまねぎの皮
のようなものが
駅の体内でいつも
ぐつぐつ煮えたぎっているのです
酔っ払ったおっさんの
アルコールの入った息がとろとろ
構内アナウンスの声によろめいて
厚化粧の女がぽちゃぽちゃ
腐ったはちみつの匂いがする
ゆめ
を改札口になげいれて
おたがいがとけあい
どろどろにまじりあっている
そんな駅のホームに
ひとり
ぼくはもう
ゆがかれたキャベツのように
色を失ってしまいそうになって・・・・・・
プワン
とちぢんだ音がして
水飴みたいにのびきった電車が
みどり色の過去
からあらわれました
じぶんの性器が
たにんのそれのように
体温を失っていくことに疲れ果て
いっそ
消化してしまいたく
なりながら
電光掲示板にたゆたう
オレンジ色の未来
へむかってぼくは
石
を投げつけました
406-407 名前:茶色いホームにて 投稿日:2005/05/13(金) 05:52:01 ID:a/O+dN/q
【コメント】
443 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/05/16(月) 22:41:31 ID:7x7bUu4A
>>406-407 うん、安定した上手さを感じるなあ。1連めなんかホントに上手
いし、「水飴のようにのびきった電車」なんて、なかなか書けないよ。現在、
は色がないんだね。だから、過去と未来は、色にこだわってるんだろうか。
101 名前:葉土@ごめんなさい [sage] 投稿日:2005/05/19(木) 07:06:14 ID:RIYv7zyd
>406 茶色いホームにて
駅で電車を待つときの気分を物凄く感覚的に描写。
最後のオレンジ色の未来から石がくるところが、ちょっと安易かな。
【得点】 0点
世界の果て
私が目を覚ましたとき、列車はまだ、出発ホームの横を走っていた。
それで、となりの紳士
(その紳士はえらく背の高いシルクハットをかぶっていて、きっと鳩か鳩の卵を隠しているにちがいない)
に
この列車はこの駅から出ることはないのではありませんか?
と尋ねると、
そりゃそうです。この駅はなんといっても世界最大なのですよ、世界とほぼ同じ大きさと言ってもよいでしょう。
ほぼ同じ大きさということは、駅の外にはまだ世界が残っているのですか?
紳士はすこし困った顔になり、
そういうことを言う者もいるという話ですが
(次の質問で では駅の外にはなにがあるのでしょう? と訊かれることが分かっている)
おほん、失敬、知識階級というものは言い切らないものです。したがって、ほぼ と言うのです。同居の祖母ほぼ保母なのです。
私は黙っていた。紳士は恥をかいた。すると
クルックー
ほら、やっぱり鳩だ、鳩が出るぞ!
紳士の顔がぱかりと左右に開いて、鳩が
びよ~~~~~~~~~~~~~ん と 出た。
私にちらりと横目をくれて(鳩の目はもともと横についている)、次は
クルッポー と鳴くぞ。私の期待を迷惑に思ったらしく、鳩のくせに首を縦にはふらず横にふりつつ、
ん~~~~~~~~~~~~~よび と 戻った。
いまや紳士だか鳩時計だか見分けのつかなくなった元知識階級紳士時計鳩内蔵は振り子を無心に振っており(振り子はコリオリの力によってすでに捩れ始めている)、
列車の中だというのに置き去りにされた私は
次の駅のキオスクで
小倉アンパンと
ミドリ牛乳を
買う
夢
を
見よう
と目を閉じたら
列車は世界の果てを通過して次の駅についてしまったのだった。
もう!
408-409 名前:世界の果て 投稿日:2005/05/13(金) 13:23:28 ID:s+SaE135
【コメント】
443 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/05/16(月) 22:41:31 ID:7x7bUu4A
>>408-409 素直に面白く読めました。特に最終部付近のナンセンスなスピー
ド感が、大好き。前半は、冗長とも思えるほど、ゆったり構えるのが正解だと
は思いますが、即興のせいか、粗さを感じますね。
474 名前:ゼッケン 投稿日:2005/05/21(土) 02:59:36 ID:7Nb5S1WI
「世界の果て」を書きました。
史上まれにみる汚れたチャンプ、ゼッケン・アレッサンドロ六世でございます。
音立てて崩れ始めたバベルの塔 欲と虚栄にまみれたソドムの市では
言葉のない詩人たちが互いに糞を摺り付けあう そこは
養豚場ハム工場窒息した真空パックの内部で手遅れの浸潤
賞味期限切れとも言う。まあ、肉は少し腐ってからの方がうまいとも言う
けどね。てへ(ごくぶとはあーと)。
というわけで、次のお題はせっかくですから「再生」。こんな感じで。
101 名前:葉土@ごめんなさい [sage] 投稿日:2005/05/19(木) 07:06:14 ID:RIYv7zyd
>408 世界の果て
この紳士好きです。この詩はとても楽しかった。
【得点】 5点(チャンプ作品)
- Canopus ◆DYj1h.j3e.:2点
- 葉土 ◆Rain/1Ex.w:3点
最終更新:2006年10月31日 23:36