作品
無人駅
たった一人だけの島式ホームを
何度も快速が通り過ぎる
誰も立ち止まらずに
いつ来るかわからぬ鈍行を待
わたしは口を震わせながら
凍てつく寒さの駅のホームで
枯れた木々をじっと眺めてた
誰かわたしを連れてって
殺風景な冬は飽きたわ
遠い国へ逃げたいけど
鈍行はいつもやってこない
わたしは枝のしおれた草を見ながら
どこまでも続く雪を眺めて
白いため息をそっとはいた
誰かわたしを連れて行って
あのトンネルの向こうに
心まで凍らせたくはないの
列車はいつもやってこない
410 名前:無人駅 投稿日:2005/05/13(金) 20:32:05 ID:9+uxDIqr
【コメント】
444 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/05/17(火) 00:28:13 ID:vp+2FgX3
>>410 列車が停まらないなら、歩いていけるさ、てのは強者の論理かな。情
景にしても感傷にしても、既読感が強いです。
101 名前:葉土@ごめんなさい [sage] 投稿日:2005/05/19(木) 07:06:14 ID:RIYv7zyd
>410 無人駅
「誰かわたしを連れてって」
っていうフレーズと少女ちっくな「----の」というせりふが詩をなんか薄いメロドラマに
してしまってる。
【得点】 0点
サルベージステーション
夕焼け丸焼けの一刻の切れ端 僕は流れる大衆の背より低い声で叫ぶ
「この僕には朝が来ない」
サラウンドの影 神様すら覗かないほど人気のない壁際で目を光らせ
最近の流行歌が耳から抜ける 手にもつコーラ瓶の中見と同じ 裂けた空間
こうする間にも黒さが染みてくる地面とじっと眺め おぼろげに残った記憶の一片をなぞる
何年か前のある街にある駅のことだ
飾りのない屋根と浮腫んだ窓 カラス達の遠吠え いっせいに群がる一匹狼達
その駅には一つの井戸がひっそりあり 飲み水すらまともには汲み出せない
井戸を覗くと何やら底でピチャピチャと跳ね回る音 まさか魚ではなかろう
側にあった年季の入った汲み桶を下へ投げてみたが パコンと空の音がするのみ
さっきのは幻聴なのか 退屈を感じながら桶を引き上げる
すると どういうわけか桶の中に二つに折った紙が入っていた 誰の仕業か
恐る恐る紙を開くと サラサラと白い砂がこぼれ落ちた
それはまるで砂時計の中の砂が落ちてゆく情景と似ていた 僕はその落下に見惚れた
ふと何処の誰かが言った
「この砂は今まであなたが無駄に費やした時間達だ
あなたの中に残る時間は今もあなたの中に流れているが
これはそうではない これはあなたが嫌い阻害した残骸達なのだから」
砂は紙の上からではなく開いた折り目の端から出ているようだ
この砂の流れを眺めていると いつしか気が遠くなりそうな気分になる
紙を閉じると砂はピタリと止んだ
そして自分が間違っていることに気が付いた 欠点と失敗を削除したがる愚かな自分
記憶の底で忘れていた失望 諦め 嫌悪観
しかしそれらは全てが全て「人生の過ち」ではなかった
ただ無限に続く無気力と抗争に明け暮れる毎日はもう必要ない
この砂の流れを美しいと思う心が有るならば こぼれた砂を血に出来る
思い出してみたあの井戸のこと
気が付くと僕は公園のベンチに横たわっていた 何故こんなところにいるかは記憶にない
何も考えられずただボーっとするだけ 時々通る通行人達は僕には目もくれない
ふと手に何か持っていることに気付く 今まで持っていたコーラ瓶だ ズッシリ重い
中には沢山の砂 一粒一粒光り輝いている あの記憶の一片はなんだったのだろう
もしかして 本当はあの駅 いや 井戸を訪れたことなどなかったのかもしれない
赤い空が闇に飲まれてゆく 弱肉強食を繰り返すかのように
今の僕はとりあえず 瓶の中の砂を手にとって遊んでいる
411-412 名前:サルベージステーション 投稿日:2005/05/13(金) 20:41:32 ID:Jc61nwTK
【コメント】
444 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/05/17(火) 00:28:13 ID:vp+2FgX3
>>411-412 なかなか難しいテーマにトライしましたね。途中で説明的な文が
強く出てしまったのは残念。それよりも「駅のなかに井戸がある」という不条
理な情景を前面に押し出してはどうだったんだろう。時間と駅との関係とか。
102 名前:葉土@ごめんなさい [sage] 投稿日:2005/05/19(木) 07:06:52 ID:RIYv7zyd
>411 サルベージステーション
すごく読みづらいです。基本的に幻想譚なんだけど、その幻想性が文体に反映されてないんで、
(説明ちっく)世界に入りにくい。
表現されている筋そのものはいい感じなんで、もっと工夫して書いてほしい。
【得点】 0点
「新大阪」
何度も振り返る 改札を抜けてその姿見えなくなる迄
そしてちぎれる程手を振る 約束は嫌いだと言うから
何も言わずただ振り返っては手を振り続けた
券売機の前で困った顔してごめん
本当はお金が足りなかったんじゃない
今日借りた千円をいつか返す為だった
終電まで付き合ってくれたお蔭で
自由席は程よく空いていてすぐに座れた
けれど静か過ぎる車内は
祭りの後の物悲しげな静けさに似ていて耐えられそうにもない
だけどメールを送るのは止めておくよ
寂しさに流されるまま約束を求めてしまいそうだ
目を閉じると改札で見送ってくれたその姿が焼き付けられていた
413 名前:「新大阪」 投稿日:2005/05/13(金) 23:58:09 ID:gmAsz5t7
【コメント】
444 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/05/17(火) 00:28:13 ID:vp+2FgX3
>>413 この描写だと、博多でも仙台でも名古屋でも尾道でもいいよなあ…。
関西弁をつかう必要はないけど、あなたならではの新大阪をみせてほしかった
です。タイトル「新大阪」という狙いはいい、と思うんで。
83 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2005/05/18(水) 20:13:46 ID:V2nFBX4C
【本スレ413 「新大阪」】
突っ込みたい所はありました。
相手との関係やどういう状況での別れなのかとか、
もう少し説明があってもいいんじゃないかなとか。
終電とか自由席とかの説明は要らないんじゃないかなとか。
でも、それらを含めた荒削りな感じに、
作中人物の初々しさが重なって見えて、いいなぁと思えました。
97 名前:抑揚 ◆zdToTOrock [sage] 投稿日:2005/05/19(木) 06:17:30 ID:HlUfAZQn
>>83、>>本スレ444、>>本スレ448
毎回の審査お疲れ様です
寸評㌧です、「新大阪」書きました。
ああいうストレートな文体で「おお!」と言わせれたら
格好良いなと思って書いたけれどまぁまだまだです。
102 名前:葉土@ごめんなさい [sage] 投稿日:2005/05/19(木) 07:06:52 ID:RIYv7zyd
>413 「新大阪」
遠距離恋愛の束の間の別れ。(束の間ではないかもしれない。)
【得点】 1点
人生(いきる)
あたたかい家庭にいとまごい告げる
ぼくは駅に向かう
電車の中は明るくてよそよそしい
なんでこんな生活してんだろう
と思ったら
心の中 雨が降りだす
まさか本当に泣けないから
じっとガラス窓 外の夜を見ていた
電車の滑り込む駅は明るいけど
やはり
今は夜らしい
影が足元や壁際のあちこちに
へばりついている
夜は悲しみを隠してくれる
明日になってもぼくの夜はつづく
やれやれ
マイナスの悪循環か
マイナスが
落ち込むぼくのマイナスをまた作る
電車は止まり
ボーっとしてるぼくの前の
ドアがひらいた
乗換駅なんだ
次の電車に乗らなくちゃ
乗換えがわずらわしかったのか?
早くうちに帰りたくなかったのか?
大きく遠回りして帰ったこともあったけど
まだ夜も更けていないのに
遠回り先で終電に乗りはぐれた
馬鹿だと思いながら線路の上を歩いた
涙も出なかった
もし駅がなかったらぼくの生活はどうなっていただろう
今までに行ったことのある土地はそっくりすべて
足跡をつけることができなかっただろう
足跡といってもぼくの想い出の中だけにすぎない
それでもぼくの今までなんだ
記憶はずっと小さい範囲に限られてしまう
かえって
狭い土地で濃密な記憶ができるだろうか……?
駅からハキだされる気がするぼくだけど
駅に飲み込まれるときはわずかにワクワクすることも……
平板な生活
わずかにワクワクして駅に向かい
すーっと吸い込まれ ちょっとあっけなく
騒音がファンファーレのように電車が
ぼくの前に止まる
時間が止まる
いろんな人がみなおなじ電車に乗ってる
みんな時間が止まってる
本でも読むか
うたた寝するか
吐き出された駅は目的地
時間が動き出し
ぼく相応の時間がすぎていく
疲れるか
失望か
満足か
歓喜か
過ごした時間なりの気負いで
ぼくはまた駅に吸い込まれる
そして
吐き出される駅て一日が終わる
ぼくには家がなかった
もし駅がなかったら家のないぼくには何も残らない
そう思うとさびしくなる
風雨にさらされるのっぱら
人の通る足跡だけが踏み分けられて
その通りすぎた人の気配の
そばに誰にも相手にもされないぼくがいる
それはそれ相応でぼくはぼくなんだ
でも
駅があったから
誰とも知らぬ大勢の人と時間の止まるひととき
すごすことができたり
人肌の汗ばみを感じることができたり
まだ知らない幸せなのかもしれない
ワクワクして駅に向かったり
もし駅がなかったらぼくはどうなっていただろう
そう考えるのはワクワクしない
やはり
駅はすいこまれてどこかにつながっている
だから
ほんのちょっとだけワクワクする
でもなんにも起こりっこない
この先のことがわかってきて
改めて考えてみる
もし駅がなかったらぼくはどうなっていただろう
ちょっと不安になる
やはり
駅はすいこまれてどこかにつながっている
だから
ほんのちょっとだけワクワクする
414-418 名前:人生(いきる) 投稿日:2005/05/14(土) 03:40:56 ID:FY7TGNpy
【コメント】
444 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/05/17(火) 00:28:13 ID:vp+2FgX3
>>414-418 「ぼく」はひとりの人間なのか、それとも複数の視点から書いた
のか、読んでて混乱します。多分、前者なんだと思うけど、それだとあちこち
に破綻がありすぎるように思われます。
102 名前:葉土@ごめんなさい [sage] 投稿日:2005/05/19(木) 07:06:52 ID:RIYv7zyd
>414 人生(いきる)
思いつくままにだらだらと書き連ねたような気がしましたよーー。
もっと結晶化してくだされ。。
【得点】 0点
ハタチ新宿スティション
人が飲まれて雑踏を作る
あたしの夢にだって
こんなに大勢の人は
出てこない
駅から出た空は青く
目的を持たない人を
殺す気がした
駅ビルに溢れる時給の笑顔
無表情の通勤電車
歓楽街に向かうキャバクラ嬢
にきび顔の制服達
本を売るホームレス
君に夢はある?
って1985年でも2005年でも
この駅に群がる人達は
問い続けた
知りもしないノスタルジアに
身を浸して
あたしが死んでも
誰も知らないこの場所に
あこがれ続けた
色も音も言葉も人も
たぶん夢も
氾濫しているけど
無彩色で無音になっても
駅は人を飲み続ける
あたしは無くなったものに
きっと気づかないままでいる
419 名前:ハタチ新宿スティション 投稿日:2005/05/14(土) 06:57:11 ID:ZiCmzSxA
【コメント】
444 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/05/17(火) 00:28:13 ID:vp+2FgX3
>>419 魅力的な語り口で、一気に読ませるね。中盤の上手さは唸りました。
「あたしが死んでも」あたりから、ちょっと未整理なのかな、分りにくくなっ
た。特に「無くなったもの」は、何を指しているのか、ほとんど不明でした。
75 名前:39 [sage] 投稿日:2005/05/18(水) 12:03:44 ID:wvjN6wys
本スレ>>419の「新宿ハタチステーション」がいい。
「上手な詩」という意味でもなかなかイケるが、
何より作者のリアルな実感を匂わせながらも
立体的な詩世界に読者を連れ出してくれる「いい詩」である。
最後のほうは作者の意識を越えた「言葉にできないもの」へと読者を放り出すが、
放り出されたその場所のなんと広いこと。
最初から最後までこの広さで詩が綴られていては読者は入って行きようがない。
しかし最後に放り出されることで、読者はその場所にどんな空気が流れているのかがわかる。
ぼくらは日々成長しながら日々何かを無くしつづけている。
無くしたものを集めてひとつの茫漠とした場所を作る。
その場所は、ぼくらに共通の懐かしさと切なさを与える場所ではないだろうか。
この詩が連れて行ってくれた場所にはそんな空気が流れていた。
83 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2005/05/18(水) 20:13:46 ID:V2nFBX4C
【本スレ419 ハタチ新宿スティション】
日常の中で堆積していく疲労や不満、
何事もなく磨耗していく夢や希望。
気付かない内に自分らしさとかそんなものが、
飲み込まれていくことを自覚しながらも、
あらがわずに流されていく、
そんな感覚に、共感を抱かされました。
夢、という言葉が何度も出てくるけれど、
そこに意味を置こうとしない所が、
「あたし」らしくていいですね。
だけどまだ青空に殺される気がする辺りが、
ハタチなんでしょうね。たぶん。
102 名前:葉土@ごめんなさい [sage] 投稿日:2005/05/19(木) 07:06:52 ID:RIYv7zyd
>419 ハタチ新宿ステイション
切り捨てるように連なる描写 冒頭から「本を売るホームレス」までの連なりがいい。
>君に夢はある?から以降、かかりうけがどの範囲にかかるのかがわかりにくくて、
流れが切られてしまいました。一気に読ませるための工夫をお願いしますーーー。
最後に自分も気が付かないところに気が付いているのはいいなあ。
【得点】 1点
光りに満ちた自由へのレール
田舎街の駅のホームに屋根なんて物は存在しない
代わりにあるのは、緑林の枝々が折り重なって出来たトンネル
そのトンネルは
ただ義務的に広がるだけの空を隠して
五月病誘う厄介な風が吹けば、小さな木漏れ日を遇想に零した
木製のベンチでは
パンくずを器用につつく小鳥たち
「存在価値」とか「必要性」なんて言葉を微塵も蘇らせないプラットホーム
石で積み上げられた土台の上に、錆びた鉄のレール
レールは50メートル先で大きく曲がり、続きは見えないが
開放の自由へと繋がっているのだろう
東京で毎日圧縮された車両に乗り込み
改札を吐き出されるように抜ける生活が嘘のようだ
40過ぎてからのリストラで生きる希望なくしていたが
この街へ来て本当に良かった
俺はまだ人生の行き先も目標も定まらず
50メートル先に怯えているが
これから続く道に光りは絶えない
そんな気がしてならない
そして俺は白線の内側で、真っ直ぐと立ち
数分後の列車を待った
420-422 名前:光りに満ちた自由へのレール 投稿日:2005/05/14(土) 09:56:19 ID:wlqSvWw1
【コメント】
444 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/05/17(火) 00:28:13 ID:vp+2FgX3
>>420-421 ああ、こんな駅の風景は、ぼく大好きです。ぼくの故郷には緑に
濡れた駅が、確かにありました。ただ、途中から日記調の文体になってしまう
のはいいとして、レールの先が自由に繋がるって発想は、なんか古臭いね…。
102 名前:葉土@ごめんなさい [sage] 投稿日:2005/05/19(木) 07:06:52 ID:RIYv7zyd
>420 光りに満ちた自由へのレール
1段目の牧歌的な風景 2段目彼の事情の現実。
この二つがうまくかみ合ってないです。何か別々の詩を読んでいるような印象を受けました。
【得点】 0点
駅漏れ
オーバーラン
423 名前:駅漏れ 投稿日:2005/05/14(土) 13:38:14 ID:oCB06vYh
【コメント】
444 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/05/17(火) 00:28:13 ID:vp+2FgX3
>>423 ノーコメント。
【得点】 0点
明治の唄
新橋という名の町に新たな道が作られる
ざんぎり頭がまだ残るこの国では
レンガの家も受け入れられる
江戸の思想が残る今では
戦は起こる鹿児島を揺らす
血の香がただよう城山か
和歌山の海に船が沈む
悲しみを運命と言い
押し殺し続けている
黒い煙を吐く塊の中
悲しむ事を止め孤独と過ごす
明治の花びら1つずつ
散っていく姿は国を見る様
次は横浜
424 名前:明治の唄 投稿日:2005/05/14(土) 14:46:05 ID:lyUe0qIS
【コメント】
445 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/05/17(火) 00:56:43 ID:vp+2FgX3
>>424 結構考えて作られた詩だと思います。ぼくの希望としていうなら、詩
全体に陸蒸気のリズムがほしかったのと、エピソードが3つだけなら、やっぱ
り鉄道を絡めたもので固めたかったです。最終行、よかった。
102 名前:葉土@ごめんなさい [sage] 投稿日:2005/05/19(木) 07:06:52 ID:RIYv7zyd
>424 明治の唄
鉄道唱歌を思い出しました。あれって100番以上あるんだよねええ。
「起こる」ってなあ「怒る」なんだろうか?
できたら、5,7調で書いてほしかった。。
【得点】 0点
最終更新:2006年10月31日 23:37