作品
世界
溶接アークの閃光を網膜に残したまま
半身を失ったきみの休日は目覚める
きみの若い筋肉は鉄の匂いを放っている
それは鉄を削り鉄を溶かすこの町の匂いだ
ヤマハⅤ-MAX1200。野獣をかたどったオートバイ
エンジンに火が入った時、太陽はすでに傾きつつある
DOHC・Ⅴ型4気筒の断続的な排気音を残して
きみはまだ見ぬ海を求めて走りはじめる
それは内なる鉄の本能
ハイウェイは都会をのたうつ巨大な蛇
きみは時速200キロの風に身をなげうつ
暗い戦慄のなかに、
溶解した鉄のほとばしりをきみは感じる
それは毛穴からにじみだし、
皮膚を薄い鋼に変え、きみの孤独を包む
速度があらゆる虚像を剥ぎ取ってゆくのをきみは見る
夕刻の濃い影に蝕まれた高層ビル群から
燃える風がコンクリートとガラスを剥ぎ取り、
隠されていたメタセコイヤの林があらわれる
巨樹はいっせいに噴煙のような花粉を放ち、
厚く空を覆って太陽をさえぎり、
大地はやがて凍てついてゆくだろう
速度は、あらゆる虚構を剥ぎ取ってゆくのをきみは知る
歴史のページは舞台の描き割りのように
きみを取り囲んでいるだけで
きみは弾丸のように薄っぺらな歴史を貫通してゆく
ピラミッドもアウシュビッツもきみが生まれた時に出現し、
きみと同時に歴史は消滅することを知るだろう
時速200キロを超え、狭搾した視野のなかで
オートバイは深海の雷魚のように身をよじる
きみはあらゆる筋肉を使って鋼管フレームのしなりを押さえ込む
きみはすべての神経を使って車体の挙動をさぐる
きみの骨は鋼化して慣性エネルギーを受け止めるフレームとなる
きみの神経をプラグに放電される高圧電流のパルスが走る
きみの血管を熱したあめ色のオイルが流れる
ハイウェイは丘陵の頂上に達する
ただれたような夕焼けの下に海は突然出現した
丘陵を駆け下りるきみの胸を圧して、せりあがる水平線
海は水の山脈となってゆがんだ太陽を呑み込もうとし
その唇が接したあたりの海水は沸点に達してゆく
海が抗う太陽を飲み下してゆくほどに雲があがり、
雲は陸をめざして奔り、押し寄せ、
陸を覆い、きみを包み、
果てしも無く続く乳白色の世界を
半獣神になったきみの影が疾走してゆく
310-311 名前:名前はいらない 投稿日:2005/04/30(土) 22:15:15 ID:zVRbK8H4
【コメント】
353 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/05/04(水) 11:43:27 ID:sz/nySH+
>>310-311 世界
うまい。これと言って大きな破綻がない。疑問。なぜ一人称なのか。「ぼく」
ではなく「きみ」なのか。
NO.311の冒頭でピラミッドやアウシュビッツを出したのはいいけれど、単なる
歴史の1ページという意味だけで素通りされてしまっているのは、ちょいと感心できないね。
ラストの「半獣神」もかっこいいけれど、第2連の「野獣をかたどったオートバイ」に
呼応していて、ライダーがオートバイと既に一体化して、機械化している(人造人間キカイダー!)
ということなんだろうか。あるいは、「鉄を削り鉄を溶かすこの町」が人格化されて
オートバイに乗って走り出す、というイメージがあるのだろうか。
作者さんがかなり魂を込めてこの詩をつくり、丁寧に推敲している、というのは
よくわかる。でも、何かひとつ足りないかなあ。もっと「コノヤロー」という思いを
込めてつくってもらいたいな。
独りよがりな個人的な感想でした。
356 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/05/05(木) 00:46:42 ID:6DLVknzq
【1点】
>310-311 世界……かっこいい。むかしの「ワイルドセブン」という漫画を思い出した。
365 名前:ヒゲルド ◆tuIUmOeA.. 投稿日:2005/05/05(木) 22:30:46 ID:vVWot2JE
>>310-311 「世界」
こちらは典型的な叙事詩ですが、重厚な表現に圧倒されました。
言葉を切り詰め、そして文脈の中で最適化していくという作業が完璧にこなされていて
作者のストイックなまでの一貫した姿勢がこちらにまでダイレクトに伝達されてくるようでした。
自分には到底辿り着けない完成度の高さで、最高点を点けようか迷った作品なのですが、もう
一展開欲しかったような気もしたので2点にさせていただきました。申し訳ありません。
368 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/05/05(木) 23:45:22 ID:ly0maFwU
>>310-311 緊張感の描出に成功しています。バイクが生き物のように、乗り
手を取り込んで一体化していくカッコよさ。貫いていく歴史は、はたして人間
の歴史だけでよかったのか、という疑問を提示させていただきます。
912 名前:葉土@出先 [sage] 投稿日:2005/05/06(金) 10:06:20 ID:nYNwKx8N
>310 世界(名前はいらない)
ストレートに良い詩。
硬質なイメージ、鉄の溶ける熱、匂い、削ぎ落とすような疾走感がストイックに表現されています。
4連冒頭
速度があらゆる虚像を剥ぎ取ってゆくのを君は見る
5連冒頭
速度は、あらゆる虚構を剥ぎ取ってゆくのを君は知る
この2行が不鮮明に感じます。たぶんいっきに書いたのではなくぼつぼつ書き足していったんじゃないかと
想像してしまったんだけど差が微妙すぎて冗長。
最終連。バイクの疾走であらゆるものを剥ぎ捨てていった主人公(きみと呼ばれている読者)は彼方へ疾走していく。
この連で、できたら(きみ)という描写をもう少し意図して排除してほしかった気がします。たぶんそれで
語り手と語りかけられてきた読み手(きみ)が一体化して世界が溶解しつつ駆けていけるような。。
語り手が見送ってしまっているんだけど、最終2連の作りは本来的には語り手と読み手の合一を意識しているような
気がしたので、ちと惜しいなと思いました。
922 名前:ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY [sage] 投稿日:2005/05/06(金) 17:38:11 ID:Wk2pudGg
310-311 :世界
「きみの若い筋肉は鉄の匂いを放っている」 かっ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っちょいーいっ。
にいさん!と呼ばせてください(ねえさんだったらごめんなさい)。
鉄男とバイクメーンですか? いや、この詩のかっこよさとは関係ない質問でした。
あと、歴史の連は一行目を残していらないと思います。この詩に過去未来なんて必要ないです。
作者さんが必要だと感じるなら説明をいっさい省いた方がいいです。例えば
「きみは」「ピラミッドもアウシュビッツも」「貫通してゆく」
でいいんじゃないか、と。いかん、興奮しちまって、余計なことを。気を悪くしないでください。
あと、タイトルも別のをちゃんとつけてくださいね。
16 名前:まーろっく [sage] 投稿日:2005/05/07(土) 23:19:16 ID:tMKsjJJn
「世界」書きました。今回はすばらしく盛況でしたね。審査のみなさん
批評ありがとうございました。ワイルドセブンとかキカイダーといった
キャラクターに審査の方の世代もほの見え、なんとなくうれしゅうござ
いました。進行の方もお疲れさまでした。またよろしくお願いします。
【得点】 5点
- MUJINA ◆iXws.WGCLY:1点
- ヒゲルド ◆tuIUmOeA..:2点
- 葉土 ◆Rain/1Ex.w:1点
- Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点
ぼくのせかい
おとうさんとおかあさんとぼくがいるのがぼくのせかい
ほかのひとはみんなうちゅうじん
こわい
きらい
313 名前:ぼくのせかい 投稿日:2005/04/30(土) 23:25:36 ID:OkztzOx0
【コメント】
368 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/05/05(木) 23:45:22 ID:ly0maFwU
>>313 社会学では、人間て、生れた時は自分ひとりだけの世界で、それが成
長していくにしたがって、その世界に両親や兄弟が入ってきて、それから友達
や関係する人々がどんどん入ってきて、世界が広がっていくそうですね。「こ
わい/きらい」は、その過程での葛藤という意味では、的確な表現、かな。
912 名前:葉土@出先 [sage] 投稿日:2005/05/06(金) 10:06:20 ID:nYNwKx8N
>313 ぼくのせかい
いやなんつかまあ、がんがれ!!
923 名前:ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY [sage] 投稿日:2005/05/06(金) 17:38:58 ID:Wk2pudGg
313 :ぼくのせかい
かわいいですね。でも、この子はもう「ぼく」という存在にも気づいてるし、
「ぼくのせかい」の外にも「うちゅうじん」のいる世界があることを理解している。すえおそろしい。
せかい
水色に憧れながら
つまらなくてみじめで
おこりっぽくてなきむしで
よわくてちっぽけな
水色に憧れつつ
すっぱくてにがくて
からみがあってあまくて
てつのような
えぐみのある
水色に憧れても
ぬるぬるでろでろ
ぼろぼろぬめぬめ
ぐちゃぐちゃぽろぽろ
くちゃくちゃちくちくぐりぐりばりばりぽりぽりざくざくむちゃむちゃべろべろごりごり
な
水色に憧れていた
四畳半のぼくのせかい
314 名前:せかい 投稿日:2005/05/01(日) 12:00:20 ID:j6kW6U/m
【コメント】
368 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/05/05(木) 23:45:22 ID:ly0maFwU
>>314 数々の自嘲ぎみの形容詞は、「水色」と「ぼく」の、双方にかかって
いるんでしょうなあ。「ぬるぬる」云々とやるなら、水色もぼくも、液体系に
溶かしてしまったほうがよかったかも。
370 名前:ななほし ◆zy9QDs3pX6 投稿日:2005/05/06(金) 19:18:52 ID:GTXvAcTo
1点 >>314 :せかい :2005/05/01(日) 12:00:20 ID:j6kW6U/m
> 水色に憧れながら
なぜ水色なの?? そうか、水色なんだぁ……
912 名前:葉土@出先 [sage] 投稿日:2005/05/06(金) 10:06:20 ID:nYNwKx8N
>314 せかい
水色に憧れながら、 水色に憧れつつ、 水色に憧れても、 水色に憧れていた。
まるで、国語の語尾変化のような本題のあいまにあいまに、自分自身に対する非常に感覚的かつ自虐的な描写が入ってます。
水色に象徴される世界は、きっと甘酸っぱい恋愛であるとか、美しい正義感であるとか、期待される友人関係であるとか、
美しい情景であるとかなんだろうなあ。。。
ぬるぬるでろでろーーーーーの連が良かった。とくに最後の咀嚼音がいかにも肉体を持つ人間の毒みたいに感じて、
どきっとしました。
4畳半という言葉で閉塞した風景が具体的に浮かんで詩が終わります。短いけど印象的な詩でした。
923 名前:ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY [sage] 投稿日:2005/05/06(金) 17:38:58 ID:Wk2pudGg
314 :せかい
だーかーらーさー、どうしてこれで「せかい」というタイトルなのか、と。
タイトルはホントの一行目で、象徴と導入、読み手の食欲をそそる香り、うなぎやの匂いなんですよ。
タイトルだけでご飯3杯はいけるぜと。もう、もったいないなあ。
雰囲気はあったんですが、内容はよく分からなかったです。ほんとにタイトルしだいだと思います。
【得点】 2点
- ななほし ◆lYiSp4aok.:1点
- 葉土 ◆Rain/1Ex.w:1点
Snobby-mob または怯惰のお前らに
システムを疑え
システムを壊せ
水道をひねると
蛇口の陰門はフンといきばりワニをひり出す
コインを入れると
自動販売機の取り出し口から
コケコッコーとニワトリが飛び出す
すべては想定の範囲内
システムを疑え
システムを壊せ
上りエスカレーターはループを描き
下りエスカレーターはスキップをする
振り落とされないように
よく掴まっていろ
やがて二本のエスカレーターは
端と端とが蝶蝶結びの輪となって
永久運動を始める
すべては可能性の範疇
システムを疑え
システムを壊せ
街じゅうのあらゆる信号は七色に点灯し
色盲のドライバーたちが信号無視してトラックを暴走させる
そのうちの一台がカーブを曲がりきれずに横転する
そしてまた一台、もう一台
次々と横倒しになるコンボイ
荷台の荷物が道に散乱する
腐ったナマコや鳶色ヒトデが流れてあふれ
街は見る間に海の底となる
俺は街じゅうの人間の靴を脱がしてまわる
脱がした靴は砂利運搬船に乗せて河口の先へ流せ
裸足の行進
リーマンもギャルも赤ん坊も
死に損ないのオジイもオバアも
みんな誰もかも
その偏平足の外反母趾の足の裏で
ナマコやヒトデ
海の生き物の
生きているというなまの感触を
じかに堪能したまま絶命せよ
システムを疑え
システムを壊せ
あらゆる予想予報の託宣はたくさんだ
俺は確率論を信じない
保険屋に言ってくれ
俺は明日、お前のところの契約者全員を殺し
お前の会社を廃業に追い込むと
それでもお前はまだシステムを信じているって
よろしい
お前も砂利と一緒に流れちまえ
河口の先にあるものを確かめてくるがいい
315-317 名前:Snobby-mob または怯惰のお前らに 投稿日:2005/05/01(日) 13:54:20 ID:If0o+u8A
【コメント】
365 名前:ヒゲルド ◆tuIUmOeA.. 投稿日:2005/05/05(木) 22:30:46 ID:vVWot2JE
>>315-317 「snobby-mob または怯惰のお前らに」
タイムリーですし、センス良し、リズム良しの良作だと思います。
ただ自分は既存の(或いは既存の概念に依拠しない)システムの詳細な記述よりも、最後の
保険屋のくだりのようにシステムの破壊者としての「俺」の描写をもっと見たかったです。
913 名前:葉土@出先 [sage] 投稿日:2005/05/06(金) 10:07:13 ID:nYNwKx8N
>315 Snobby-mob
俗っぽい群集またはおびえふためいているあたしたちはですねえ。。まあ、崩壊しつつあるシステムに
乗りながら、崩壊に心の準備をしておるわけですわ。運任せっていう言葉もありますしね。
リズム感がいいです。ありえないような光景といかにもありえそうな光景がいりまじりながら
固定観念を打破しろっと忠告。少し長いかな。もう判った判ったからーーーと思ってしまった。
923 名前:ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY [sage] 投稿日:2005/05/06(金) 17:38:58 ID:Wk2pudGg
315-317 :Snobby-mob または怯惰のお前らに
そうそう、こういうのがタイトルをつける意味なんだと思う。で、
「システムを疑え
システムを壊せ」
と、いきなり来るんですが、これがなあ、最初に持ってこられるとかっこよく見えないんだよなあ。
どっか一ヶ所(最初と最後以外)にあるぶんは作者さんの親切心ということで受け入れられるんだけど。
扇動的な言葉のつらなりはマッドカプセルマーケットを彷彿とさせて好きなんですけどね。
【得点】 1点
金魚世界
すくうのなら僕らを
すくうのなら世界を
すくうのならこの腐りきった水槽を
ただ僕らは縁日の真ん中で堂々と死んでいく
巣食うのなら世界を
掬うのなら僕らを
救うのならこの腐りきった水槽を
ただ僕らは広すぎる侵略を生きていく
318 名前:金魚世界 投稿日:2005/05/01(日) 14:46:05 ID:1kxMzbre
【コメント】
368 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/05/05(木) 23:45:22 ID:ly0maFwU
>>318 うわー。惜しいかもしんない。7行めまでの、エッジの効いた世界の描
写がたまんない。すごく上手くいってます。最終行、ぼくにとっては、「広す
ぎる侵略」が、この世界をしっかり受けとめているようには思えなかった。こ
の1行を探す旅は、相当キツいものになるかもしれない、ね。
376 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/05/06(金) 22:08:33 ID:jCADTmje
3点
>>318 『金魚世界』 自信を持ってイチ押しです。とにかくこの詩は、どこ
に着地点を持ってくかが勝負だと思う。頑張れ、の意味も込めて、3点。
913 名前:葉土@出先 [sage] 投稿日:2005/05/06(金) 10:07:13 ID:nYNwKx8N
>318 金魚の世界
>広すぎる侵略を生きていく
ここに至るまでの複線がちと足らないんで、意図がわかんないですーー。
金魚と自分を重ね合わせて、縁日の金魚の水槽のような世界で掬われる(救われる巣食われる)のを待ちながら
そのすくい(侵略)におびえ、かつ憧れつつ生きている。のかな?
”すくう”という言葉を中心に展開してく感覚は良かった。
923 名前:ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY [sage] 投稿日:2005/05/06(金) 17:38:58 ID:Wk2pudGg
318 :金魚世界
世界と水槽がかぶってるんじゃないでしょうか。
純度の高さで勝負しているから、ちょっとしたところで、ね。
33 名前:柳橋 [sage] 投稿日:2005/05/12(木) 19:53:25 ID:V+2lxDRh
どうもお久しぶりでした。俺です。
金魚世界書きました、ノリで。
Canopusさんありがとうござーいます。
これからも暇を見て頑張ります、ノリで。
【得点】 3点
針の上の天使
”卵型のガラスの球体の中に浮かぶ銀色の針 その針の頭の上で千人の天使が踊る”
ルーペで覗き込む針の頭
千個の白いわっかと二千枚の白い羽をひらめかせながら
複雑なフーガにのって
躍る 躍る。
万華鏡をまわすように
回る 回る 回る。
天上の微笑みが飽き飽きするように針の上に漂っていた。
ガラスの球体が割れた。
ささくれだった破片の中にある銀色の針は鋼だった。
糸を通し、布を刺し、指を刺し、血のりを吸って茶色。
針を手にとる。
”お椀のようになった針の天辺の縁に両手でしがみついているのに気がついた”
天辺は広大な言葉の海になっていた。
手を離すこともできず、かといって中に入ることもできずにぶらさがっていると、
海が波立ち、極彩色に泡だっているのが見える。
国民の義務と権利についてあなたあたしを裏切ったのねバーかばーか
もーりもいーやーあーがーるーー愛してる アイシテル 愛 あいセックスに意味はない
哲学の杜に立ちて現実行為が詩的認識であり 詩的認識が現実行為である
たまには美味しいご飯が食べたいよあんたは料理が下手だから
稼ぎのない男だ 不満、 不満、不和雷同 目を閉じて風が吹いた トラックトラックかーかーか
今日の天気電車脱線事故は速度違反による人為的な事故であって戦争反対反日でもにだにだ
大人はきらいだから人間がこわいだからまだ人間になっていない幼女が好き何だ最初がかんじん
レイプ包丁で人を刺したら血が出てきて釘のついた棒をねじこんだらあれは幽霊だったはずなのに
ききききききちがいふりきちがいの本物きちがいの葉っぱ発破ハレルヤ
波荒立ち言葉のシャワー。
溺れる、溺れる、口も鼻も目もゼリーのような言葉の海があふれる
息できない できない できない できない いき ふふふっふあー
音 雑音。
カコカコカコ ココ ここ かかかかかか カッキカッキカッキくーーーーーー
”事象は言葉の海を形成し、その海水は認識のざるによって掬い上げられる。”
詩的認識のざるによって掬い上げられた事象は
論理的認識のプールを破壊し、拡張し、共同幻想をなしていた認識プール入力を一旦遮断する。
天使はいない。
針の上で踊れ
319-322 名前:針の上の天使 投稿日:2005/05/02(月) 09:16:37 ID:F+prz1DN
【コメント】
353 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/05/04(水) 11:43:27 ID:sz/nySH+
>>319-321 針の上の天使
おいおい、また認識論かよ。「認識のざるによって掬いあげられる」――これに
似た表現は「手紙」のお題のときに、「正義君への手紙」っていう詩で私が書いたこと
がある。そのミソは二つ。ざるでふるいにかけるように、表現を洗練させる、というプラス面
と、人間の認識能力(特にヘボ詩人=私)では必ず網の目からこぼれるものが出てくる、という
マイナス面の両義性を込めたつもりで私はこの表現を使ったんだが、作者さんの真意は如何に。
354 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/05/04(水) 12:10:18 ID:sz/nySH+
>>319-321 針の上の天使 続き
フロイトの言う無意識はどういう形で埋納されているんだろうか。それこそ、この
作者さんの言うように抑圧された「言葉の海」としてあるのだろうか。なんだか違う
ような気がする。そもそも非言語的な無意識を言語で解析しようというところに背理
があるように思う。この詩を読んで、そんなことを思い出しました。
卵っていうのは、キリスト教の宗教絵画で重要なシンボル性を持つって、若桑みどり
がNHK人間大学の「図像学」で言ってた。その卵に天使を掛け合わすところなんざ、ちょいと
神学的でいかすと思いました。
356 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/05/05(木) 00:46:42 ID:6DLVknzq
【1点】
>319-321 針の上の天使……この作者は他の作者の作風に影響を与えているような。
359 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/05/05(木) 18:53:18 ID:ApnEL712
319-321 針の上の天使
”事象は言葉の海を形成し、その海水は認識のざるによって掬い上げられる。”
そうだろうか。言葉の海が正に事象そのものなのではないだろうか。
そして認識のざるに掬われないうちにどんな言葉も存在しない。
一歩ずれているのでは。いや表現の段階でずれたのか。
構想力はあると思う。でももっと細部の作りこみに神経をつかわなければ美しい時計は完成しない、と思った。
361 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/05/05(木) 20:06:57 ID:ApnEL712
1点 針の上の天使 構想力とイメージの豊かさで。
365 名前:ヒゲルド ◆tuIUmOeA.. 投稿日:2005/05/05(木) 22:30:46 ID:vVWot2JE
>>319-321 「針の上の天使」
いちがいには納得し難い部分もありますが・・・
とにかく文字通りの「言葉の海」のスケールを堪能させていただきました。
913 名前:葉土@出先 [sage] 投稿日:2005/05/06(金) 10:07:13 ID:nYNwKx8N
>319 針の上の天使
針の上で踊れっと命令形で終わっているんだけど、意図がストレートに伝わってこない。
928 名前:ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY [sage] 投稿日:2005/05/06(金) 21:54:08 ID:BHDL9sj2
319-321 :針の上の天使
天上の幻想から現れた針には血がついていて、手に取ると、つぎは地上の現実を見る。すると地獄めぐり。針の山。
最終連はどうでしょうか。歴史や日々のニュースといった「事象」は「言葉」にいったん変換しなければ共有できない、
しかし、その入出力には詩的関数と論理的関数があってということだと思ったんですが、でも、「詩的認識」は
「入力を一旦遮断」したまま、詩的認識の産物であったろう天使もいなくなっちゃって。残されたのは針だけ。
拡張された事象の共有はできずに個々人は踊るしかない。だんなも稼ぎがない、料理が下手と文句を言われ続ける。
まさに針のむしろです、この現実。
14 名前:リーフレイン [sage] 投稿日:2005/05/07(土) 22:03:32 ID:Ink2LUZl
あ、皆さん、おめでとうございます。。(いやあ、今回は死ぬかとおもったです。。)
えっと、針の上の天使書きました。 評、加点ありがとうございますーーー。
トリエステ、清掃員さんだったんですか。いつもセン5スレご苦労さまです。
自分の詩を書く時間も確保してくださいね。。
それにもましてびっくりしたのはゼッケンさんです。吃驚!!いやあ、一皮むけましたね。
【得点】 3点
- MUJINA ◆iXws.WGCLY:1点
- 園川 ◆nWfXpQxHHM:1点
- ヒゲルド ◆tuIUmOeA..:1点
臨床の胎児
年老いたマリリンモンローが
鉄パイプでおじいちゃんの頭をぐわんぐわんなぐる
おじいちゃんは
ニカッとわらい
金のやえ歯をしたたらせ
ぼくの硬くなった脊髄を
バターのようにむしゃぶりはじめた
ああ ほんとうにこの世界はあたたかだ
たったひとりの友人が
ぼくの犬を食べっちまった
ヤンバルクイナで犯人が
人質をとって立てこもり
美しく殉死した
ああ ほんとうにこの世界はあたたかだ
ミックス・ジュースのからになった空き缶を
ト音記号が激しく渦まく曇天の
空のもとへと投げ込んで
三々九度のおじぎをしよう
かたかた震えるおじいちゃんの
金のやえ歯が
この世界の中心だ
ああ そしてこの世界は確かに 確かにあたたかである
結婚!
雷鳴のようなこの言葉
とつぜんそれまで豊かだったてんとうむしたちが
急にいっせいに飛び立ち始めた
みみずのような肉片どもが
ろくでもない大人たちを攻撃し始めた
やれやれい
ぼくはたったひとりの友人である
ミスター・コニシキといっしょになって
その 魚雷のようにてらてらと鈍く光った瞳を対峙させ
そしてその へんに巨大な光景に
潤んだ胸を躍らせていた
ふとそこに だ
一匹の黒い雌豹が
じゅうぶん光をすいこんだしめった体毛をすべらせて
たっ
と姿をあらわした
「ぼうや わたしにこのえさをくれるかい」
「いいえ黒い雌豹さんそれだけはできない相談ですな
彼はわたしのたいせつなたったひとりの友人なんです」
「そうかいそれはざんねんだ
でもね ぼうや
おまえがこのえさをくれるっていうんなら
わたしはいつかほんものの
にんげんのおんなになってやってもいいんだよ」
「本当ですか」
「ああ うそはつかない いいこだね」
「じゃあおねがいします」
それを聞くと雌豹は
ぼくの右ふとももからゆっくりと
かじりつき始めたようだった
腐って錆びついたトランジスタ・ラジオが
「午後五時二十五分三十秒」を伝えた
むくどりたちが戻ってきた
あたりは草のない野原だった
風がゆっくりどもっていて
冷たい吃音をなびかせていた
おお 日の沈みゆく
真っピンクな地平の受胎よ
気がつけば
ぼんやりと
ぼくは泣いていたのだ
このあたたかな世界に向かって
すっかり黄色くなっちまった 臨床の
胎児として
323-325 名前:「臨床の胎児」 投稿日:2005/05/02(月) 09:54:55 ID:VVkcFEZc
【コメント】
354 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/05/04(水) 12:10:18 ID:sz/nySH+
>>323-325 臨床の胎児
タイトルの意味は「世界の原体験」あるいは「プレ世界の体験」というほどのところ
だろうか。「本生たん(漢字が出ない)」――お釈迦さまの前世の伝記――に「捨身飼虎」
という話がある。もう何日も餌にありついていない飢えた虎がいて、この虎を哀れに思った
前世の釈迦がわが身を捧げて虎の飢えを癒した、釈迦の慈悲の心を描いた話なんだけれど、
雌豹と虎の違いはあるが、その話を思い出した。してみると、1/3と2/3は前世の記憶
とでもとってみるか(ちょいと無理があるか。前世でマリリンモンローに殴られたくねーよ)。
それとも夢野久作の「ドグラマグラ」を地でいく胎児の見た夢を描いたものか。
最終連が穏やかでいいね。グチャグチャな内容だけど、これだけ思い切り書ければ、
作者も本望だろう。
356 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/05/05(木) 00:46:42 ID:6DLVknzq
【1点】
>323-325 「臨床の胎児」……最終連のイメージだけで一編の詩を書いてみて。
359 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/05/05(木) 18:53:18 ID:ApnEL712
>>323-325 「臨床の胎児」
綺想(いや詩的イメージか)だけで引っ張っていくのは難しいものですが、
この作品は、少なくとも自分は最後まで無理なく読めた。
この手の方法を多分もっと複雑な、重厚な形で用いた作品も他にあるとは思いますが、
独りよがりになって実は読者を置いていってる事が多い気がする。
この作品には読者を乗せる優しい内在律を感じた。
読後に「ああそうか」と読者を納得させ得る可能性があったと思う。それが詩だろうと思う。
366 名前:ヒゲルド ◆tuIUmOeA.. 投稿日:2005/05/05(木) 22:31:27 ID:vVWot2JE
>>323-324 「臨床の胎児」
雌豹がミスター・コニシキに食いつくかと思いきやあっさり「ぼく」から食べ始めるシュールな展開に
笑いました。ちょっと無茶な内容かもしれませんが この世界観を大事にしていって欲しいです。
369 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. 投稿日:2005/05/06(金) 19:16:41 ID:GTXvAcTo
2点 >>323 :「臨床の胎児」:2005/05/02(月) 09:54:55 ID:VVkcFEZc
メッセージ発信している。
372 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/05/06(金) 21:52:20 ID:jCADTmje
>>323-325 はじめの6連のパート、「世界はあたたか」と説得するに足る詩
世界を形成できてないように思われます。逆説的なあたたかさを求めたのは分
るけど、イメージの飛躍ばかりが目につきました。「結婚!…」以下は、すご
い好きだった。
915 名前:葉土@出先 [sage] 投稿日:2005/05/06(金) 10:08:13 ID:nYNwKx8N
>323 臨床の胎児
一段目、不条理かつ残酷な情景と、ああ、----という逆転の慨嘆でうまい味が出てる。外部世界の記述。
2段目以降結婚の提示と、暗喩性の強い黒い雌豹の登場。本人の内的世界に移る。食べられしまう。
3段目外部世界に又戻る。今度は現実を意識。湿り気を帯びた叙情性がいい。
ストーリーの記述が非常にうまい。ばらばらとちりばめられた感覚描写的なエピソードも微妙に毒があって美味しい。
苦い後味が残るんだけど、諦めのような感覚なんだろうか。非常に丁寧に書き込んであるにもかかわらず、
混沌とした世界を混沌のまま、諦めているだけのような敗残意識がなんとなく惜しい気がした。
928 名前:ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY [sage] 投稿日:2005/05/06(金) 21:54:08 ID:BHDL9sj2
323-325 :「臨床の胎児」
おもしろうまいです。意味は分からなかったけど。しかし、この作者さんは食べられたい人なんですね。
おじいちゃんや雌豹に吸収されて同一化したいという願望。おっと、ああ、だから胎児なのかな?
一個の個性として世界と対峙する不安。やたら丈夫なじいちゃんやエロイ雌豹
(「じゅうぶん光をすいこんだしめった体毛をすべらせて」ってまたすごいなあ、
こんな風な表現してみたいもんだよ) の一部になってしまえば、
自分自身というものは薄められるけど、つよいものに溶けてさえいればそれはたしかに安心。と、ちょっと違う気がする。
最後の風景と合わないね、これだけだと。たぶん、「臨床の」というのは医学用標本とかそういうものだと思うんですよね。
つまり、生きて産まれて来れなかった胎児じゃないかな。するとこれはつよいものとして世界に生まれたかった胎児の夢ですね。
友人のミスター・コニシキもつよそうですし。。。やべ、涙ぐんだ、まじで。
本来ならここから文章を編集するところですが、今回はライブでお送りさせて頂きます。もういけません。
【得点】 5点
- MUJINA ◆iXws.WGCLY:1点
- ヒゲルド ◆tuIUmOeA..:1点
- ななほし ◆lYiSp4aok.:2点
- Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点
私を乗せたいびつな丸
べっ甲雨みたいに崩れた夕日が
ぎらぎらと煮える海を教えた
私を乗せた いびつな丸の七割は
この水溜まりらしい
確かめたわけじゃないから事実かどうかは定かじゃないけど
でもそんな事 もう
私には関係なくて 興味すら湧かない
輝く好奇心に大きな落とし穴は付き物だって事
私は気付いてしまった後だし
深く吐き出した重い息が 柔らかに浮かぶ空気に逆らう音
私は奥歯を硬く結んで 湧き出る二酸化炭素を押し込めた
いつからだろう
私が私自身の存在を二酸化炭素だと思うようになったのは
百害あって一利無し
それが私という人間だ
痛む頭のすみが甘く囁いた
こうしていたら 暗闇が誘って 終わりが見えるかもしれない と
でも頭とは別で身体はすぐに耐え切れなくなって
生温い空気を忙しなく吸い出した
私の身体 七割水分
鼓動は速まって 自分自身に呆れた
空が蜜色から抜け出す為
闇を求めさ迷っている
一歩踏み出せない私はそこに難無く埋まる
大きな物もちっぽけな人間も 本当は皆同じで 皆必要とされている
そんな事簡単に口にした偉大な人間の気持ち
私には解らない
世界が闇に向かう
私はそれより深い闇を欲して歩き出そうとした時
痛い位強い風が頬を撫でて
遠い森が私をやさしい声でひきとめ ないていた
326,330,332 名前:私を乗せたいびつな丸 投稿日:2005/05/02(月) 12:06:43 ID:TKjOPfAe
【コメント】
360 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/05/05(木) 19:44:39 ID:ApnEL712
>>326 私を乗せたいびつな丸
最近こういう事を言わなかった気がしますが、各連ごとに語り手の主観の位相が転換し、世界に厚みを持たせている。
1人称で世界を作れと言えばまずはこの方法を意識することから始めるべきだと思う。手法としては。
奇抜さが自己目的化した詩的イメージが多いような気がする中で、べっ甲飴の直喩のイメージは優しい。好感を持ちました。
最終連もいい。でも「私を乗せたいびつな丸」にしてもそうですが、
直喩と省略によるなんとか意味を辿っていける文章の中で、意味に還元できないイメージを挿入する際には、
特にこういう短い行分け作品では気を使わないと読者は躓く、と思う。急に意味が分らなくなるので。
370 名前:ななほし ◆zy9QDs3pX6 投稿日:2005/05/06(金) 19:18:52 ID:GTXvAcTo
1点 >>326 :私を乗せたいびつな丸 :2005/05/02(月)
20世紀的な世界構築? 炭酸ガスだったのかぁ……オレ。
373 名前:ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY 投稿日:2005/05/06(金) 21:59:11 ID:BHDL9sj2
326, 330, 332 :私を乗せたいびつな丸
地球を「私を乗せたいびつな丸」、海を「水溜り」と言って、世界の矮小化がまず行われ、と。
次に自分を「百害あって一利無し」の卑小なものとして、で、そのまま生きることを選んだ「自分自身に呆れた」と。
ところが、世界が向かう闇よりさらに深い闇を欲した、と。ここでは世界というのは外部環境のことだろう、すると、
その世界が向かう闇より深い闇というのはもはや内部環境にしかないわけで、作者さんは自らの心に閉じこもろうとしたところで、
外部環境の森(自然)にひきとめられたのですね。それは作者さんに惑いや未練があるということ。で、ここで終わっちゃった。
うーん、これ、ホントはあともう一連あるいは一行あったんじゃないかなあ。
915 名前:葉土@出先 [sage] 投稿日:2005/05/06(金) 10:08:13 ID:nYNwKx8N
>326 私を乗せたいびつな丸
”いびつな丸”という名称に惚れました。これすごくいい。
べっ甲雨って、べっ甲飴?これは意図してんのかな。いや単純に変換ミスだと思います。
強い自嘲というか諦念の思い(そんなこと簡単に口にできるえらい人の気持ちが私には解からない
ってなあ実感こもってていいなあ)に押しつぶされそうな気持ちで読み進んでいたら最後に救いが来てくれて助かりました。
5 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [sage] 投稿日:2005/05/07(土) 00:43:15 ID:cZIB+Zfb
えー、読まれる方は1段目と最後の段だけ読んでください。
「私を乗せたいびつな丸」って地球のことだったんですね。
僕は隠喩を読み解くと言うか、詩を読むセンスというものがどこかかけてるのかも知れませんね。
なんにせよ失礼しました。・・・
コノテーション(隠喩表現)とデノテーション(隠喩表現の意味)という原理で詩を捉えるなら(岩成さんですね)
コノテーション→デノテーションの変換を面倒に感じてしまう僕は出来るだけコノテーションのみを追うように読んでいきます。
上の作品の例で言えば、「私を乗せたいびつな丸」というのは文字通りの存在で、「地球」という裏の意味はない。
どの作品も、よほど直喩的な分りやすい比喩でない限りはそのように読みます。
読後になんとなく何かが感じられればそれでいい。考えて理解するのはいやだというスタンスです。
部分的な表現に限らず、例えば作品全体がコノテーション化している場合も、それを解読はしません。
たとえば「トリエステ」の場合、作品全体が識閾下の探検というデノテーションを隠していますが、考えません。
(考えません、というより鈍いので気づきません、というべきですが)
その結果、僕はこの作品を「悪夢」と受け取りました。識閾下の探検を描いたと思われるこの作品に
対する主観的な感想としてはいい線いってるように思いますが、それはこの作品が誤読を許さない完成度を持っているからでしょう。
僕がこういう怠惰な読み方をするのは、僕の中に「詩は暗号じゃない」というテーゼがあるからで、
それはつまり特殊な知識を要求したり解釈しなければ分らないような作品が詩の主流になってはいけないと思うからです。
感想を論理化するのは正しいが、論理によって読むのは間違いであるという事です。
僕がそのように考えるのは勝手だし、それを軸に評価するのもまた勝手であると思います。
が、どうも「自然に読める」というのが「園川にとって自然に読める」となってしまっているようです。今回は特に。
ある作品が「自然に読めるか」というのはその作品にまつわる客観的問題であって、
その判定には客観的な検証が必要です。「自然に読む」にこだわってどうもその作業を怠ってしまっていた様です。
その怠惰は僕の勝手というわけには行きません。ということで反省しています。
22 名前:モコモコ [sage] 投稿日:2005/05/08(日) 07:25:51 ID:wzRRdIG9
「私を乗せたいびつな丸」を書きました。
あの詩は中学で習うような地球の働きを「私」と混ぜながら書いた物です。
「二酸化炭素も木の光合成には必要。だからたとえ汚物だとしても、あんたは必要なんだよ!」
という、今思うとなんとも安易な発想で出来た詩です。
…初投稿で、わけも解らないままのせてしまい、見苦しい点も多々あったと思います、申し訳ありませんでした。
でも、そんな詩に言葉をつけて下さった
園川さん、葉土さん、ななほしさん、ゼッケンさん、どうもありがとうございました。
どんな言葉も素直に嬉しかったです。
27 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [sage] 投稿日:2005/05/09(月) 10:06:46 ID:hByHtGyX
「読み方講座>>5」で得意げに使用した「コノテーション」「デノテーション」という術語ですが、
誤用でした。それぞれ「隠喩表現」「隠喩の意味」に訂正しておきます。
>>5では当たり前のことをかなり長々書きましたが、現代詩の難解さの理由って隠喩のもっと向こう側にあるんですね。
まあ、ぼくの言いたいことは結局「めんどくせーよ」ということで、もっとはっきり言えば「そんなの無理」ということで
変わりないんですけども。
【得点】 1点
最終更新:2006年10月31日 23:34