作品
海の見える島 森にて
見上げれば 眩みそうな木々の伸び
痩せこけた裸体は 陽射しをモザイクに変える
乾いた木肌が力強く幹に張り付いている
コナラ センダン ヒノキ トチノキ
零れた明かりに誘われ
若いトカゲが雪割草の小さな花を
ちりりと揺らし 朽ちた木の枝の陰へ隠れる
・・・そんなに急いで隠れなくてもいいのに
落ち葉はひっそりと積もり
湿っぽい匂いを 気まぐれな風に乗せ
物静かで青い草たちは 僕を知らんぷりする
ハコベ フタリシズカ アザミ ショウジョウバカマ
シダが柔らかい葉を伸ばそうとしている
獣道 森の中心への
腐葉土は足音を吸収する
あ せせらぎが聞こえる お喋りしている 笑っている
僕を誘う
大きな石がごろりと転がり 途端に空気が透き通る
鼻をツンと刺す張り詰めた冷気だ
沢だ 沢は少し澄まし顔
・・・僕は・・・何をしにここまで来たんだっけ
具合のいい石に腰を掛け
止め処ないお喋りに耳を預ける
コララクラ クララクア ラスタラタス コララクラ
鳥の声だ ・・・あれはヒヨドリ
目を閉じる ・・・ヒガラもいる
服を着ている自分が なんとなく
この場所にそぐわない存在かのように思えて
気恥ずかしい ・・・僕は何故?
目を開ける
ふと 足元に蛇がいる 横切ろうとしている
寸胴でまだら模様 マムシだ
一瞬身を引く が マムシは何食わぬ顔で草むらへ隠れる
「マムシは踏みつけない限り噛まないよ
でも、お盆の頃の蝮は 見たらすぐ逃げないといけない」
昔聞いた言葉を思い出す
・・・でも誰が言ったんだっけ
「自然は歴史が体積してその美しさを増すんだ
でも見てごらん 僕たちの世界 いつも歴史に窮々として今にも押し潰されそうだ」
沢の向い いつの間にか大きな鹿が 僕をじっと見ている
・・・でも誰が言ったんだっけ
僕には思い出せない ・・・何故?
・・・僕は・・・何をしにここまで来たんだっけ
鹿は突然身を翻し 悠々と斜面を跳ね上がり 見えなくなった
327-329 名前:海の見える島 森にて 投稿日:2005/05/02(月) 12:14:10 ID:YsBDYyx0
【コメント】
355 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/05/05(木) 00:07:52 ID:6DLVknzq
>>327-329 海の見える島 森にて
二年前の夏、屋久島の縄文杉登山に行きました。そのときの印象がこの詩を読んで
よみがえった。作者は「自然は歴史が堆積してその美しさを増すんだ」というけど、
私は、「ここには歴史はない」と思った。確かに森林は植生の歩みとともに変化、進展
するんだけれど、「歴史」という言葉はあくまで人間の手垢がついたもので、屋久島の
時の堆積は「歴史」とは異質なものを感じた。もっとも、そう言えるのは、この島が
太古の原生林を未だ残す稀有な存在だからで、ほかの自然には当てはまらないけれども。
作者さんの訪れた島はどこか、非常に気になる。
正直、私は屋久島から詩を教えられた。学校で習ったことよりももっと多くの
ものを手に入れたように思う。
373 名前:ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY 投稿日:2005/05/06(金) 21:59:11 ID:BHDL9sj2
327-329 :海の見える島 森にて
「自然は歴史が体積してその美しさを増すんだ
でも見てごらん 僕たちの世界 いつも歴史に窮々として今にも押し潰されそうだ」
あらあ、いきなりこうくるのかあ。これだけじゃ、人間の歴史を否定的に語る根拠にはならないと思うけどなあ。
文明の行き詰まりを自明のこととしちゃうんじゃ、現在の詩としていちばん面白いところを捨ててる気がする。
そういうことなら、最後まで森林浴を楽しませて欲しかった。
926 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/05/06(金) 21:04:02 ID:MJgycJVD
>327 海の見える島 森にて
実写であるんだけれども、内的世界のような不思議な雰囲気が漂っているのは、独白のせいなんだと思います。
たぶん丁寧に移しすぎてしまったために、現実と重なりすぎてしまったのが残念です。
コンクリートブロック
青い空 白い雲
青い緑に包まれた山
風が吹いた
桜の花びらと 蒲公英の綿毛が
ひらひらふわふわ飛んでいく
まだ薄茶色の土が支配する田んぼ
プールが始まる頃には田んぼもプールみたいになる
カンカンカン コンコンコン
見慣れない建築物が作られていた
その建築物の周囲を囲む
置かれただけのコンクリートブロック
「おい!この下は水だぞ、水!落ちたら溺れて死ぬからな!」
コンクリートブロックの上を一番前で歩くあいつが言った
みんな一つの空想世界を
どこかにある空想世界を
継ぎ接ぎだらけの空想世界を
僕達はあいつに従って 両腕を水平に 歩いた
落ちたら死んでしまう 落ちたら死んでしまう
でもねぇ この一本道は途中で途切れてるよ
たぶんねぇ いつかは工事が終わってしまうよ
ねぇ
青い空 白い雲
半透明の青色の窓の大群
風は吹いてるだろうか
たくさんの人が たくさんのビルが
せかせかかちこち強張ってる
また工事だ この時期は本当に工事が多い
置かれただけのコンクリートブロックがある
僕の顔は白紙のように表情を失くした
静かな だけど 早い
心臓音が僕の中だけに響く
僕は誰に言われるもなく 両腕を水平に 歩いた
落ちたら死んでしまう 落ちたら…
「あ。」
派手に転げ落ちてしまった
手の平を擦りむいた
微妙な痺れる痛みと血が滲む
よかった まだ生きてる
よかった
333-334 名前:コンクリートブロック 投稿日:2005/05/02(月) 13:24:40 ID:e5OQjYhX
【コメント】
372 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/05/06(金) 21:52:20 ID:jCADTmje
>>333-334 ああ、こういう遊びはよくやったなあ。こんな空想をしながら、
下らない遊びに精を出してたもんです。懐かしいね。郷愁とか緊張感とか、も
うひと味ほしい感じではあります。
373 名前:ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY 投稿日:2005/05/06(金) 21:59:11 ID:BHDL9sj2
333-334 :コンクリートブロック
子供の世界ってホント自由。なんでも創れる、言霊で。ほっと一安心。「よかった まだ生きてる よかった」。
読めてよかった。
926 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/05/06(金) 21:04:02 ID:MJgycJVD
>333 コンクリートブロック
一連目のつかみが少々浅いかな?
”コンクリートブロックの上を歩く”気分思い出しました。
うちの近くには、昭和の中間あたりの建築で、えらくゴシックな雰囲気の公会堂がありまして
(丸屋根の尖塔があって、ガーゴイルならぬ鷲が2羽そのドーム状の屋根に留ってるデザイン)
2階が入り口になっていて、幅の広い階段が地面からずーーーと外側正面にとってありました。
その手すりなんですよーーー。石でできたその手すりは50センチほどの幅がありまして、上をすべるのにばっちし!!
もちろん高めの2階だから、学校の2階半ぐらいからすべりおりるわけで危険なんですが、やりましたよーー毎朝。。
落ちたら大怪我間違いなしw。親も割りにのんびりしてたんで見逃してもらってました。。
冷え切った世界の中で
誰か
温めてください
僕の心を温めてください
絶対零度に冷やされきった
僕の心を融点まで温めてください
この
冷やされきった
絶対零度の宇宙(せかい)の中で
残酷で
冷酷で
南極の雪原のように
何もなく、悲しく寂しいだけの
誰か
助けてください
膨張して張り裂けそうな
この胸を温めてください
一人の雪原は悲しく
人間は雪のように冷えている
この白い三階建ての
ちいさな南極は
僕を極限まで冷やしてしまった
オーロラが見えない
吹雪で先が見えない
助けてください
たすけてください
335 名前:冷え切った世界の中で 投稿日:2005/05/02(月) 20:49:26 ID:vwxSKNKZ
【コメント】
370 名前:ななほし ◆zy9QDs3pX6 投稿日:2005/05/06(金) 19:18:52 ID:GTXvAcTo
1点 >>335 :冷え切った世界の中で :2005/05/02(月)
本当に冷え切ったハートは詩を書くか? と、いう疑問が……李白もそうだが、
絶望して……詩を、書けるのだろうか?
373 名前:ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY 投稿日:2005/05/06(金) 21:59:11 ID:BHDL9sj2
335 :冷え切った世界の中で
わあ、ひたすら遭難信号。でも、助けに行こうにも手がかりがない。あえて手がかりをなくしてる。
ほんとは助かりたいとは思ってないんだろう。眠るように凍え死んじまいたいんだろう。
926 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/05/06(金) 21:04:02 ID:MJgycJVD
>335 冷え切った世界の中で
壜に詰めて、絶対零度の海に流してみたらいいだろうなと思います。
8 名前:新月てるあき ◆aglqL.ViKQ [sage] 投稿日:2005/05/07(土) 07:40:40 ID:3FyK9zZ6
今回冷え切った世界のなかでを書きました
次は駅というお題なのでちょっとうれしいです
【得点】 1点
猿山
その愛想笑いは何?
それでもそいつに気に入られたいわけ?
転げるのは自分の意志
転がるのは誰かさんの力
逃げるんじゃなくてただひたすらに
陣地を求めて駆けずり回り
ほらまた旗立てた
こっちにもあっちにも旗立てた
見渡す限り僕の旗
にんまり 目指すは丘の上
青い空 きっと誰かの涙の色なのねって
涙は透明だ バカタレ
割り切って西
赤い空 きっと誰かの血の色なのねって
赤はトマトだ バカタレ
きらりきらり霧の上
タバコの煙が目に染みただけ
ふわりふわり雲の上
疲れてちょっとあくびしただけ
ちらりちらりと光の帯
あれはもしや
あれはやはり
お父様お母様
僕は自分の意志にて
ここまできましたから
誰かの意思にて捕えに来た
この人たちが不思議でなりません
僕は手に落ちますか
この人たちの手に落ちますか
願いが叶って今旗立てて
後はもう意に任せようとしたのに
なぜそっちにいるのですかお父様お母様
そんな瞳で僕を見るなら
こんな意志置いてしまおう
迎えに来たはずのブラックホールに
こんな意志だけ投げ捨ててしまおう
山を降りる途中で
ふっと溜め息
まさかまさか
悔しくて流れるはずの涙も
それを食いしばる気持ちも
残っていないのに
溜め息が出た
ほらまた
旗錆びて
原形をとどめず
337-338 名前:猿山 投稿日:2005/05/03(火) 03:51:42 ID:3nDWhHh0
【コメント】
369 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. 投稿日:2005/05/06(金) 19:16:41 ID:GTXvAcTo
3点 >>338 :猿山:2005/05/03(火) 03:52:21 ID:3nDWhHh0
どことなく新古典……あたらし差はどこにあるのか?
373 名前:ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY 投稿日:2005/05/06(金) 21:59:11 ID:BHDL9sj2
337-338 :猿山
「赤はトマトだ バカタレ」っていいですね。あちこちに旗立てて回ってる割に意外に平和主義。涙も血もきらい。
この作者さん、いい人そう。ただ、全体としてこう来るのだったら、最初の2行が浮いてませんか?
927 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/05/06(金) 21:04:47 ID:MJgycJVD
>337 猿山
きっと何かやりたいことがあって、一生懸命に努力して、達成できそうなときに諦めたんだろうなと思います。
親はあっても子は育つって思い出しました。
【得点】 3点
軽蔑視
きみがあたしのおもいどおりになるなら
あたしを犠牲にしてもいいとおもってる
339 名前:軽蔑視 投稿日:2005/05/03(火) 05:14:34 ID:40u0GvrC
【コメント】
373 名前:ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY 投稿日:2005/05/06(金) 21:59:11 ID:BHDL9sj2
339 :軽蔑視
言われたい。
927 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/05/06(金) 21:04:47 ID:MJgycJVD
>339 軽蔑視
あたしの思い通りになる人が確保できたなら、あたしは犠牲でもなんでもない。
傲慢きわまりないっという話をしたかったんだろうなあと、題を読みながら思いました。
[世界樹の木]に集う生霊たち
今日も様々な言葉たちが 世界のいたるところで生まれゆく
* *
「コンニチハ サヨウナラ アリガトウ アイシテル
きゃははは嘘マジでぇ~、それ超~ありえないんだけどォ~
イラッシャイマセご注文の方はイカガナサイマスカ?
キャハハハ コンバンハ コンニチハ ・・・ ・ ・ ・ ・
* *
――この世界に溢れる ――様々な言葉たち
「コン ニチハコ ンバンコウ ウ S ナ † ニ Aニナナ・ ・ ・
キャハハ エハ うソオ sイヤAニニ マスカ aイララ・ ・ ・
ガガーガ ギイイん エハsハハ ア†ああル ルールル・ ・ ・
――この世界の、忘れられたありとあらゆる 死角の闇には
実に様々な言葉たちが散らばり、たゆたう
・
・
・
・
そう、それらの言葉たちはそうして
そのまま何事も無かったかのようにそっと消えていく
今日も様々な言葉たちが 世界のいたるところで生まれゆく
< が、その一方で >
その言葉たちのいくつかは全て、炎のような青白い生霊となり
この空の向こう、遥か遠くに存在する< 世界樹の木 >へと向かう
――そしてこのお話は、
< 無数の蛍 >が飛び交う< 世界樹の木 >へと辿り着いた
60億の生霊たちの例である
蛍
蛍
蛍
蛍
蛍
蛍
蛍
蛍
――(生霊1)
静かな草原と満天の星空の あいだを
風のように風 のように 駆け抜けて
世界樹の大木 に溶け込みそうな蛍の光に身を浮かばせ、
あたしは言葉を発す
「兄ちゃん・・、出所したら、またカラオケで歌ってね。絶対だよ」
――(生霊6)
ヒュンヒュンヒュルル るる
< 世界樹の大木 が青白くなった葉を風に散らしている >
「う~ん、子供の名前は何にしようかあ~~、もし男の子だったら?
な~んて、やっぱ今風の格好のいい感じがいいよなあ おまえ」
――(生霊7)
(トクトクトクトク)
(遠くで誰か 僕の名を 何かが 僕をよんで 呼 ん で る)
(スースースススーー ヤッパイマフウノカッコウノ トクトクトク)
(僕はその時 初めて`何か´を感じた気がした)
< 蛍がコウコウと光り 飛び交う言葉たちに暗喩の花を添え >
――(生霊14)
ヒュンヒュンヒュルルルるるる るるる る
遥か深い夜の色を映し出す世界樹の木 を見上げつつ
私は言葉を発す
「私たちって問題を抱えてるみたい。あなたはもう私を愛していない
んだから。分かるの。でもヤバイわ。私、誰に喋ってるのかしら」
その言葉は蛍の洪水の中 から世界樹の枝葉へとうねるように通り抜け
羽を持つ者のようにふわりと 樹の根元深く下の方へと舞い降りた
そしてまだ陽の下で生きられぬ異形の言葉たちを包みこんだ
「また お逢いできますよう・・」
――(生霊87)
ヒュンヒュンヒュルル るる
寄せては返す小波のような蛍の 光に吸い寄せられながら僕は言葉を発す
「いろん な な ひかり 青白い ああ し ん た に 新谷さん
大好き 新谷さん し ん た にさんと ア ソ ビ タ イ
しんたにさん 抱きたい ああ ひらひらと舞う 白? 青 青白い肌
食 べ た い し ん た 新谷さん大好き」
――(生霊149)
ヒュンヒュンヒュルル るる
「ぁ え えぅ ぁ あああ ああああああ やめ うぐ ぐぁぁぁぁぁ
た、頼む 助けてくれ 頼むから 殺さないでく うああああ ぇぁ」
――(生霊150)
ヒュンヒュンヒュルル るる ハァ
「ギャハハハハハハハハハハ 何だコイツ オラ立てよ さっきまでの
威勢の良さはどこ行ったんだ? あ? オラオラ 情けねーツラしやが
って こいつは傑作だな オイ? コラ ギャハハハハハハハ 死ね」
――(生霊3270) ハァ ハァ
ヒュンヒュンヒュルル るるるるる
ハァ ハァ
――(生霊1万4413)
ハァ ハァ ヒュンヒュンヒュルル るるるるる
――(生霊16億8152)
ヒュンヒュンヒュルル るるるるる
ハァ ハァ ハァ ハァ ハァ
ハァ ハァ ハァ ハァ ハァハァハァハァハァハァ
・
・
・
ハァ ハァ ヒュンヒュン ひゅるる
・
ハァ
ハァハァハァハァハァ
ヒュンヒュン
ハァ
♪世界じゅーう どこだーって わらいあーり なみだあーり
みんなーそれぞーれ たすーけあう 小さーなー世界
ハァ
ハァハァ
世界はせーまい 世界はおーなじ
世界はまーるい ただひー とー つー
はぁ(ハート)
340-344 名前:[世界樹の木]に集う生霊たち 投稿日:2005/05/03(火) 17:35:04 ID:st+1MyeJ
【コメント】
354 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/05/04(水) 12:10:18 ID:sz/nySH+
>>340-344 [世界樹]に集う生霊たち
この詩は前に読んだことあるぞ。そのときは確か「生霊」ではなくて「言霊」だった。
内容は改変されているから、たぶんリライトだろうか。
中身はワケワカメ。最後のなんでイッツアスモールワールドなんだろうか。まあ、
お題に忠実と言えば忠実なんだけど。
366 名前:ヒゲルド ◆tuIUmOeA.. 投稿日:2005/05/05(木) 22:31:27 ID:vVWot2JE
>>340-344 「[世界樹の木]に集う生霊たち」
様々な意味でやられましたw
ここにはキャラクターの背景等々から断絶させられた「ことば」だけがあって、それのみで世界が
語られます。情報を制限することによって、台詞のような生霊の呟きが普段よりも雄弁に物語って
くれるのですね。「言葉」というものに真摯に向き合う姿勢が無ければ生まれてこなかった作品
だと思います。
どーでもいいんですが「世界樹」って品種名なんですかね。樹には当然木という意味もあるので
「世界樹の木」という表記は正しいのでしょうか。 木になります。
374 名前:ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY 投稿日:2005/05/06(金) 21:59:57 ID:BHDL9sj2
340-344 :[世界樹の木]に集う生霊たち
ちょっといじりすぎた感があります。
927 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/05/06(金) 21:04:47 ID:MJgycJVD
>340 「世界樹の木」に集う生霊たち
世界樹そのものの記述がほしい、是非ほしい。言葉が集まってくる樹ってイメージ素敵です。
(スモールワールドに収束してしまったのは、ちょっと肩透かしでありました。)
この主題で小説がいくつでも書けそうに思います。
【得点】 1点
科学反応
わたくし趣味は自慰なのよ
はぁ?からかうのもいい加減にしてください
わたくしの好きなものは三角木馬
はい?からかうのもいい加減にしてください
二人は出会った
育った世界は違えども
たこといかじゃ違えども
好きになったら止まらない
女は欲求不満(じらされてるみたいでいいかも
男は疲れが見え隠れ(なんだこの女やばいよ、でも好き好き
馬鹿だと言うなら
みなさいこの接続部
いまは
これによって成り立っているのですよ
345 名前:科学反応 投稿日:2005/05/03(火) 19:17:40 ID:oIz2nOty
【コメント】
366 名前:ヒゲルド ◆tuIUmOeA.. 投稿日:2005/05/05(木) 22:31:27 ID:vVWot2JE
>>345 「科学反応」
もうどうしてもこういう詩に点を入れてしまうのが自分でして、
でも世界の再構築など案外簡単に為しうるものでもありまして、
それはこの接続部のように原始的なコミュニケーションによっても当然可能なわけであります。
わたくしも誰かと久々に接続したい今日この頃であります。
374 名前:ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY 投稿日:2005/05/06(金) 21:59:57 ID:BHDL9sj2
345 :科学反応
たこといかという比喩はこの場合あってるんでしょうか。でも、内容は簡潔で迷いもなし。
これ、いろんなときに繰り返し思い出しそう。
927 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/05/06(金) 21:04:47 ID:MJgycJVD
>345 科学反応
この接続部 の一言だけに頼って作りましたなあ。。まあ面白いから許す。
折角だからもちっと遊びなはれ。
【得点】 1点
トリエステ
クロムモリブデン製の球体が潜航する
徐々に 闇の渦が軋む
潰された
記録ノートとビスケット
望遠鏡の中の 二重星が 冷たさの粒子を計測する
ように
頭の中を覗き込む 水 水
水は色を見ない
球の中心には 孤独の反響が消失する
真空の特異点があります
世界で一番深い海に
まだ あなた達は 許しを得ることができません
セザンヌの描く 水墨画には
月の手前に 丘と木が生えています
私はともかくも 海へ近づこう
まずは浜辺へ出ようと決めて
バックパックを揺らし 歩き続けました
一台のセダンが止まって
白人夫婦が
泣いています
何を言っているのか分かりません
私は首を振りました
女は口を歪ませながら
―― A R E Y O U O K ?
ゆっくりと発音しました
海底には五角形の魚がいるんだろうか
私は写真を撮るのです
早く行かなければ
346-347 名前:トリエステ 投稿日:2005/05/03(火) 21:22:13 ID:0DlL4n3c
【コメント】
355 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/05/05(木) 00:07:52 ID:6DLVknzq
>>346-347 トリエステ
まずモリブデンで度肝を抜かれる。モリブデンって何? 金属? 第一撃で煙に
巻き、深海の潜水艇のイメージに誘導しておいて、今度は一気に大気圏の外にほっぽり
出されて、望遠鏡の二重星とくる。でも、やっぱりサブマリンの窓だって一息つくのも
つかの間、第3連で、「世界で一番深い海」は作者の子宮いや、頭蓋の奥、いや精神の
深奥と撹乱させ、挙句、セザンヌときたもんだ。いやあ、小悪魔ギャルに手玉にとられた
純情青年だよ、こちらは。そして、一台のセダンに白人の夫婦。こりゃ映画の中に
入っちゃったよ。そんでもって五角形の魚だ? えーい、もうどうでもいいわい。
さんざん作者にもて遊ばれて、ほんとにクタクタです。
356 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/05/05(木) 00:46:42 ID:6DLVknzq
【2点】
>346-347 トリエステ……詩とはこう書くものだ、という見本のような作品。
360 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/05/05(木) 19:44:39 ID:ApnEL712
>>346-347 トリエステ
冒頭の空白がいい。二連目までの省略の多い描写は名詞を引き立たせるためだろうか。
正直言って意味がとれない部分があったんですが、これは自分が悪いのか。多分そうなんでしょう。
重なり合っている位相を或ときは二重に、或ときは三重に見えるように透過させる。しかもその方法意識はあくまで混沌を志向しているようで、
重厚な悪夢を見せられる。重厚な夢とはそれ自体悪夢であるという、方法だけで内容を作り出しているような、そんな作品。
意図ではなく、気分によって引っ張り出されてきたイメージをこのように操作できたのならいよいよ本物。
視点を転換する手つきが雑に感じられる部分もあるのが残念。
361 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/05/05(木) 20:06:57 ID:ApnEL712
2点 トリエステ 主張のない美しさを多少の雑さが邪魔をした。
でも今回試みた方法を1回だけで捨てずにもっともっと書いて欲しい。
それは読者としての願望で、そんな風に思わせてくれる作品はめったにない。
372 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/05/06(金) 21:52:20 ID:jCADTmje
>>346-347 トリエステは知らんけど、世界最初の深海潜航艇だよね、この球
体は。少しづつ広がっていく世界はとても魅力的ですが、セダンの白人夫婦、
そして「A R E Y O U O K ?」の必然性が、どうにも分らない。何かのエピ
ソードがあるんだろうか。
374 名前:ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY 投稿日:2005/05/06(金) 21:59:57 ID:BHDL9sj2
346-347 :トリエステ
深海、それは地球上でいまだ人を頑として寄せ付けない広大なフロンティア。別宇宙。冒険への期待と不安。
しかし、最初の3連はこわいです。潜水球に閉じ込められて外は水水水の一万トン水圧地獄。泣こうがわめこうが、
「孤独の反響が消失する 真空の特異点」にいては誰にも聞こえない。たとえ「五角形の魚」が見れても、
私は海底には行かない。ヒラにご容赦。と、本気でびびらされるほど表現冴えてます。
927 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/05/06(金) 21:04:47 ID:MJgycJVD
>346 トリエステ
異邦人という言葉が浮かびました。
世界の中で人はいつでも異邦人であるのかもしれないです。
とても味わいのいい詩で、引き出しにそっと閉まっておいて、時々読んでみようと思います。
9 名前:名前はいらない [] 投稿日:2005/05/07(土) 12:58:12 ID:anGGrj3M
審査員の皆様
多量の評価をお疲れ様でした。(俺も評価人のはしくれなんで、その労苦は身に染みて分かってます。)
「トリエステ」を投稿した掃除屋です。
審査のほう、どうもありがとうございました。
MUJINAさん、園川さん、葉土さん、ゼッケンさん、Canopusさん、寸評を頂けてとても嬉しいです。ありがとうございました。
チャンプの湯姉耕二さん、おめでとうございます。
こういうのは早いほうが良いと思うので、先にレスを失礼します。
以前の投稿と同じく締め切りに苦しんで、投稿期間終了間際に酒を呷りつつエイヤッ!で書いてしまいました。雑です、、、
今回の作品で念頭に置いたのは以下のことです。
1:梁山泊の「詩で遊ぼう」というスタンスの逆を行くこと。
言葉の上に言葉を重ねていくだけの、面白いだけの作品を作りたくなかった。
某スレで出された表現なのですが、「受け皿としての詩が装置として一面的すぎて溢れている」ようにはしたくなかったんです。
この目的は達成できていないですね。自分でそう思います。
2:2つのテーマを溶着させること。
3連を挟んで詩が変色していくように作りたかった。
3:寓話的多重性を持たせること。
園川さんが指摘されていたことと同じだと思います。世界の大きさを、寓話によって取り込もうとしました。
小難しいこと抜きに、一言「夢の世界」と片付けても良いかもしれませんが。
自分の詩についてグダグダ言うのは嫌いですが、今回は梁山泊に上記1のような挑戦状を叩きつけたwつもりだったので書かせてもらいました。
「世界」というお題でしか、こういうものは書けませんでした。前回チャンプのヒゲルドさんに感謝です。
今回の作品の中で、個人的には「オオニモツ対公衆トイレ」にビビらされました。
面白いってことも、突き詰めるとここまで凄いものになるのか、、、と。
「でじたるわーるど」の芳醇な知性にも唸らされました。チャンプの湯姉耕二さん、異様に構成力がありますね、、、
正直、私より完成度の高いと思う作品がたくさんありました。
今回、準チャンプになれたことは、「これからも頑張りなさい」という励ましだと思ってます。精進します。
みなさん、本当にありがとうございました。
10 名前:清掃局の者 ◆6P3vWUZtcI [sage] 投稿日:2005/05/07(土) 12:58:57 ID:anGGrj3M
すいません。名無し&上げてしまいました、、、
28 名前:ヒゲルド ◆tuIUmOeA.. [sage] 投稿日:2005/05/09(月) 22:28:01 ID:nImC6Avr
>>9
清掃局の者さん
自分は「トリエステ」には票を入れなかったもので・・・それなのに「ありがとう」なんて言われると
胸が痛いです。
セン5の方お疲れ様です。自分も詩板にはじめて来た頃、セン5に投稿したりしたものです。懐かしい。
頑張って下さい。準チャンプおめでとうです。
【得点】 9点(準チャンプ作品)
- MUJINA ◆iXws.WGCLY:2点
- 園川 ◆nWfXpQxHHM:2点
- 葉土 ◆Rain/1Ex.w:3点
- Canopus ◆DYj1h.j3e.:2点
thirteen
股を広げて生活する
日焼けしたやせた少女
海と緑のにおいがする
学校と塾と家の往復生活
眼鏡をかけた制服の少年
ビルとアスファルトに溶け込む
少女は字が読めず空腹に困り
少年は難解な公式を操り机の前に座る
少女も少年も泣いたりしない
たとえ理不尽に犯されようと
たとえ周りが敵だらけに見えても
生きることを祝福されたくて
少女の未来は病で長くないだろう
少年の未来は股を広げた女を買うのだろう
少女は貧しさと利益に飲まれる大人を見つめる
少年は社会に組み込まれる大人を見つめる
少女と少年の見える景色は違うけれど
今日も
少女はスラムの中で小さく歌う
少年は電車のリズムで小さく眠る
唯一平等に与えられた いま の中で
348-349 名前:thirteen 投稿日:2005/05/03(火) 23:28:09 ID:rBiUGsxb
【コメント】
374 名前:ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY 投稿日:2005/05/06(金) 21:59:57 ID:BHDL9sj2
348-349 :thirteen
少女漫画の線の細さ。絵か曲が欲しい。これだけだと足りない。
怒りや熱がありそうでないので、最後の「いま」も響かない。
927 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/05/06(金) 21:04:47 ID:MJgycJVD
>348 thirteen
胸がつまるような主題ですね。対比として成功してると思います。
ただ、詩の完成度としては、もっともっと生身の感触がほしい。愛を感じてみたいです。それぞれの対象への
もっと奥まで落とし込んだ。
最終更新:2006年10月31日 23:34