作品
神経衰弱
君がカードをめくる度
僕の神経は衰弱していくんだ
裏も表も分からない
その指先が触れるカード
僕は夢想する
君の細くきっと柔らかい指にめくられ
僕は僕の全てを晒す
まじまじと見つめられ
僕は目を伏せる
暫くすると君は僕に興味を無くして
元の位置に戻すんだ
いいさ他の奴等も吟味して
最後は僕のところに戻ってくれば
あぁ、あぁ、早く戻ってこないかな
ふと我に帰ると
そのカードは隣の男に取られていくところ
あぁ、あぁ
僕の神経は衰弱していく
193 名前:神経衰弱 投稿日:2005/04/08(金) 00:29:42 ID:LDanoirN
【コメント】
217 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/10(日) 19:30:27 ID:aTfoXG3v
>>193 神経衰弱
連の切り替えで「カード」の意味が変わるんだなぁと、そこだけが印象に残った。
235 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/12(火) 01:51:47 ID:kzQXx8hV
>>193 神経衰弱
恋の品定めをトランプのゲームにたとえているところは、言い得て妙。第2・3連は
実際にカードゲームをしている場面に転換するのだけれど、こうしたオチをつけるか否かの
是非が問われるだろう。
第1連はがんばって書いたな、という印象大。ここの部分は加点の対象になる。
248 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/13(水) 23:25:03 ID:9jZiJlaE
【1点】
>193 神経衰弱…お題が見事にはまった感じ。
776 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/04/12(火) 00:46:26 ID:TETQl2H4
>193 :神経衰弱 :2005/04/08(金) 00:29:42 ID:LDanoirN
ちょろちょろとひっくり返され、顔を覗かれるカード気持ち……?
もっと狙いをはっきりさせるのも良いかと感じる。
780 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/04/13(水) 10:11:59 ID:1YfK0ynR
>193 神経衰弱
最初は、とあるカードを自分になぞらえて、彼女に選ばれる日を夢想し、
そのカードが隣の男にとられちまったのを見て、げんなりする。(おかまほられそうだねこれは。。)
789 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I [sage] 投稿日:2005/04/14(木) 05:05:43 ID:KKxjl5L7
>193 :神経衰弱
エッチな妄想と、競争に負けそうな現実との間を行き来するのはたしかに疲れます。
共感はあるんですけどね。
【得点】 1点
催眠
吐息が出ると同時に陶酔する
感覚は、四十時間の情事の
呼吸困難 吸って 吐く
シーツに喘息薬がちらばって
ノックする、千本の心臓安打は
二百秒間には多すぎて、歌になる
つぶれ、とっちらかった部屋から
雨が降って耳に染みてゆく
屋根にガレージに
ピアニカの香りがするだけの
日曜日は、君が想像するだけの悲惨さを
十二分に備えているよ、うごけないのなら
彼を眠らせておやり
くらり、表がえって
低音部が強調される、単調だけが
さわさわときこえる深い場所
といってもせいぜいが数米という
深遠に敗北する、それが感傷さ
"たとえばかの毘沙門沼には
火山性の活発から寄越された
真っ赤にとがったむじなが棲んで居て
すっかりと新川の水にひやされ
頂を目指した己を打ち消すかの様に
沼の底へと身を横たえて、含有した
鉄分を酸化させることによって
かつて炎であったみずからを
すずやかにしめしているのだそうだ"
さかむきに、むけた貝がうごめいてゆく
もうそしてそのように彼は
ぐっすりと眠ったんだよ
彼をゆっくりさせておくれ
あしたになればさまざまな色香や
威力にまどわされることもなく
ますらおへともどれるのだよ
しろくじら、ほう屁に似た夜なぎ
吸って、吐く
194-195 名前:催眠 投稿日:2005/04/08(金) 00:58:09 ID:NJOZpRr8
【コメント】
218 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/10(日) 19:33:06 ID:aTfoXG3v
>>194-195 催眠
催眠にかけるという詩全体の筋を、語の様々な側面を足場に辿っていく作品なんだと思うが、
読者にどこまで意味を許すのか、どのように許すのか、あまり計算されてないようで、
混乱するにももっと心地よく混乱したいと思った。でも口調の変化のさせ方は優しく、気味悪く、良かった。
235 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/12(火) 01:51:47 ID:kzQXx8hV
>>194-195 催眠
言葉遣いが生硬で、イメージがうまく結んでゆかない。「深遠」「敗北」「火山性」
「含有」などの二字・三字熟語をうまく処理するか、だろう。「さかむきに/むけた
貝がうごめいてゆく」など、ドキリとする艶めかしい言葉がチラホラ。「しろくじら、
ほう屁に似た夜なぎ/吸って、吐く」なんか軽みの極致で、うーんと唸ってしまったヨ。
作者の必殺技はひらがなを駆使した、このようなエロスと奇想にある。言葉の手触りに
もっと敏感に注意を払えれば、この詩はどえりゃー詩に化けること請け合い。
是非、リライトをお勧めします。でも、なぜ、↑ココだけ名古屋弁なんだ? 愛・地球博
236 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/12(火) 10:38:42 ID:etbh/IAx
>>194-195 催眠
一晩置いて、ちょっと印象が変わってきたので、前言を撤回、訂正します。
「言葉遣いが生硬で、イメージがうまく結んでゆかない」と書いた。確かに生硬
は生硬だが、これは作者の仕掛けた罠、戦略だということに気がついた。この詩の
テーマはずばりエロス。エロを柔らかい言葉で書いちゃうと、そのまんまになって
しまうし、平凡となる。肉からやわやわを連想するのは誰だって出来そうだしね。
作者は敢えて固い言葉でエロに挑戦しようとしている、ってことがわかった。その
試みが成功しているかどうかの吟味は、もう少し時間をかけて考えさせてください。
評価の手がかりは、生硬な言葉がエロスの本質にどこまで手が届いているかどうか、
にある。いやあ、詩っていうのは、斜め読みするとホント怖い。「梁山泊で本当に試されている
のは審査員」??誰の言葉??
246 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w 投稿日:2005/04/13(水) 21:14:42 ID:1YfK0ynR
あと、加点したかったんだけども、格差もつけたかったんで落としてしまったのは、
「青のイマージュ」(後半の推敲待ち)
「痛覚神経」 (これはよくできているんだけど、なんとなく青っぽさが気になった)
「催眠」 (やっぱし、判んなかったとこが。)
でした。
247 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/04/13(水) 23:04:16 ID:z2OMdFxz
2点
>>194-195 『催眠』 これは文句なしに上手いんだけど、3連めで感傷は深遠
に敗北する、といったん突き放しておきながら、ほぼ暗喩のみで世界を構築し
ようとする行為そのものに無理を感じました。むじなのエピソードなんか、身
悶えするほどに世界の広がりを感じるのに、ね。
248 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/13(水) 23:25:03 ID:9jZiJlaE
【1点】
>194-195 催眠……この詩を書いた人、1月にイタチ小僧がチャンプになったときに
出産の詩を書いた名無しさんではないかな。
776 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/04/12(火) 00:46:26 ID:TETQl2H4
>194 :催眠 1:2005/04/08(金) 00:58:09 ID:NJOZpRr8
かなりバラケて、とんがった言葉使いだけど……はじめに「情事」と
かいてあるから読めるのかなぁ? ちょっとざらざらしているような……
783 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/04/13(水) 10:45:28 ID:1YfK0ynR
>194-195 催眠
意味を探そうと頑張ってみたんだけれども、どうにも想像がおっつかないのでギブアップです。イメージだけで遊ばせていただきました。
1、40時間の情事、 喘息薬、 脈拍 といった個人の生活を喚起せしめるキーワードが散らばっている前半
2、鉄のむじなの挿入文
3、最終段、疲れきった果ての柔らかい休憩。
って感じがした。鉄の挿入文もなかなか味わいが深いけども、なんつってもこの最後の段の和風で柔らかい
イメージ処理が絶妙に気持ちいかったです。俳句的な味わいですねえ。。
790 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I [sage] 投稿日:2005/04/14(木) 05:07:21 ID:KKxjl5L7
>194-195 :催眠
隣で眠る男の横顔。満足も疲れもないただの無表情。刻まれたしわの一本一本を辿る。そんな時間。
ただ、私も鑑賞しましょう。余計な言葉はいらないようです。
【得点】 3点
- Canopus ◆DYj1h.j3e.:2点
- MUJINA ◆iXws.WGCLY:1点
はじまりのうた
その色も そこここの空も 強くない
こころに 肌に 横たわる 桜もようの神経系
むかしむかしの あの木のした
で
死んでしまったたくさんの形
は
ぼくらの あのこらの 足もとできっと
今年こそは
と 咲き乱れれれ れれれれれれれれ
れれれれ れ れ る
196 名前:はじまりのうた 投稿日:2005/04/08(金) 06:46:42 ID:yJgfq5MF
【コメント】
218 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/10(日) 19:33:06 ID:aTfoXG3v
>>196 はじまりのうた
1行目、2行目が分らなくて、そこが分らなければ作品を分ったことにはならないんだろうけど、
「昔々、あの木の下で死んだたくさんの形があのこらの足元で咲き乱れる」という言葉に何か胸を打たれた。
れれれ・・・の箇所も花吹雪を連想させ、その花びらは文字で、とてもいい。
239 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/12(火) 11:35:10 ID:WoAUkFfY
「催眠」の綱渡り。「はじまりのうた」の意味符牒からの逸脱を指向する言葉。僕は後者を取ります。「はじまりのうた」が1点。
というわけで、
776 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/04/12(火) 00:46:26 ID:TETQl2H4
>196 :はじまりのうた :2005/04/08(金) 06:46:42 ID:yJgfq5MF
桜の神経? れれれれれ なの? 花びらのかさなりかた??
桜と神経はおもしろい発想かも……
783 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/04/13(水) 10:45:28 ID:1YfK0ynR
>196 はじまりのうた
>咲き乱れれれ れれれれれれれれ
れれれれ れ れ る
がいいねええ。ここだけで、もうなんか乱れ散る桜の花びらがぱあーーーっと脳裏に広がります。
しかも”むかし 死んでしまったたjくさんの形” という言葉によっでが、単なる花びらではなく、様々な概念というか
命そのものが込められてきて、すごくよかった。。
790 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I [sage] 投稿日:2005/04/14(木) 05:07:21 ID:KKxjl5L7
>196 :はじまりのうた
「神経系」という単語が作品の雰囲気にそぐわず浮いている気がします。
798 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/04/15(金) 11:48:20 ID:vWpKpql+
1点 >>196 :はじまりのうた :2005/04/08(金) 06:46:42 ID:yJgfq5MF
余分なところがないのかなぁ……。
独創・プロ勝負師と、いった感じ。詩に込めた創作・見識、……いいなぁ
837 名前:P ◆u4cfXPhJl2 [sage] 投稿日:2005/04/19(火) 00:26:17 ID:oFzGDhR6
失礼しま。一言お礼を。
「はじまりのうた」を書きました。
園川サン、葉土サン、ななほしサン、どうもありが㌧~~(・∀・) 、
&、、チャンプ、準チャンプ……オメ! でした。
【得点】 3点
- 園川 ◆nWfXpQxHHM:1点
- 葉土 ◆Rain/1Ex.w:1点
- ななほし ◆lYiSp4aok.:1点
末梢サラリーマン
薄っぺらい上着を被り
首にはネクタイくねくね巻いて
あるけ あるけ サラリーマン
あるけや あるけ サラリーマン
首都圏 動脈は人身事故
雑踏 人ゴミ 身動きとれず
それでもめげない お前を慕おう
痔を舐め生きるお前のために
路上音楽 若者たちは
曲がった爪でギターを引っ掻き
黄色い歯と歯の隙間から
「大丈夫だ」って歌っている
あるけ あるけ サラリーマン
あるけや あるけ サラリーマン
命令 伝達 中枢 末梢
昇進 左遷 減給 お前
たとえばお前の陰茎が
誰かの中にある時だって
たとえばお前が頑是無く
無意義に射精する時だって
お前の身体の細胞の
たったひとつとも残さずに
お前は構築されている
サラリーマンで成っている
あるけ あるけ サラリーマン
あるけや あるけ サラリーマン
197 名前:末梢サラリーマン 投稿日:2005/04/09(土) 14:20:54 ID:j4NqInug
【コメント】
218 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/10(日) 19:33:06 ID:aTfoXG3v
>>197 抹消サラリーマン
世界観はしっかり構築されているようでそこはいいのだが、
人体の比喩するものが一つに固定されているわけではなくて、そこに読みにくさを感じた。
若者たちの歌声に対する失望と希望のバランスの味わいが、
この作品の主調音を多分一番良く表現しているのだと思う。この箇所は良かった。
776 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/04/12(火) 00:46:26 ID:TETQl2H4
>197 :抹消サラリーマン :2005/04/09(土) 14:20:54 ID:j4NqInug
抹消と末梢にはワラタ。失業と犯罪が一翼を担う社会。サラリーマンは
立派なんじゃないの? うらやましいよぉ~
783 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/04/13(水) 10:45:28 ID:1YfK0ynR
>197 末梢サラリーマン
題も末梢に変えるのかな?題のほうは抹消でもいいよな気もする。
労働者よ立ち上がれだったかねえ。インターなんちゃらっていう歌があったじゃないですか?思い出しましたよ。
予備校の校歌にもいいかもしんない。無思考的に頑張る一市民の姿がそれでも明るく描かれていていいですねえ。
790 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I [sage] 投稿日:2005/04/14(木) 05:07:21 ID:KKxjl5L7
>197 :末梢サラリーマン
で、そのじつ中枢もサラリーマンで、中枢も末梢も
陰茎やら子宮の鼻持ちならねえ次世代くりえーたーたちに奉仕させられるわけですね。
なんかくりえーたーという言葉にうらみがあるのか、おれ。
全細胞がサラリーマンからなるサラリーマンが射精して数億の
七三分けで黒ぶちのメガネをかけてスーツにネクタイで黒の手提げ鞄を持った
精子が横尾忠則風の背景を背負ってこちらに押し寄せるところを想像してこりゃすげえ、日本の活力だと思った。
【得点】 0点
音
声
叫び
神経は
断裂する
鼓膜は弾け
身体は震える
皮膚の上の物は
すべて崩れ落ちて
寒さが身を包み込む
声はさらに大きくなって
小さな声はもう聞こえない
ざわめきは消えるだろうか?
あの大きな光すら届かないのだ
安堵できぬまま眠りにつくことなど
鼓動の速さが許してはくれそうにない
ああ、何十億年も私は静寂を探していた
199 名前:音 投稿日:2005/04/09(土) 15:27:11 ID:tvw5UPci
【コメント】
218 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/10(日) 19:33:06 ID:aTfoXG3v
>>199 音
パッと見、ハッタリ的なレイアウトなんだけど、読んでみたら全然そうじゃない。
意味内容とともに上手くクライマックスを演出している。
特に7行目までの崩壊のリズムは圧巻だった。
作品全体としては多分、永劫に訪れない静寂へ落下していく魂の描写で、
それを最後の3行で説明しているのだろうが、分りにくい。それが残念。
239 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/12(火) 11:35:10 ID:WoAUkFfY
その他にいいと思った作品として、>>192 失語>>199 音 >>205-207 選択 >>226 痛覚神経 を挙げておきます。
243 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/13(水) 01:22:44 ID:Ifqd3f7e
>>199 音
ボーリングのピンの並び。ピラミッド階段。拡声器のメガホン。作者は何を
イメージしてこのレイアウトを選択したんだろう。声がだんだん大きくなるっての
を視覚化したかったのかな。ともあれ、「何でもやってみよー精神」は買います。
776 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/04/12(火) 00:46:26 ID:TETQl2H4
>199 :音 :2005/04/09(土) 15:27:11 ID:tvw5UPci
図形的にも狙った詩だが、皮膚の上……あるいは、すべて崩れ落ちた
あたりで、ちょっと違和感もあるかなぁ……
783 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/04/13(水) 10:45:28 ID:1YfK0ynR
>199 音
これはもう、斜めの表記に努力しましたね。。単語単発から、だんだんと文が構築されていく。ピラミッドみたいです。
ただ、思うに、”神経が断裂し、鼓膜がはじける”から最後の行(一個前ね)”鼓動の速さが許してくれそうもない。”
にしたがって、表現そのもののテンションはぬるくなっていくような気がする。
最後の ああ、何十億年も私は静寂を探していた というのはいいですねえ。
790 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I [sage] 投稿日:2005/04/14(木) 05:07:21 ID:KKxjl5L7
>199 :音
超絶技巧ですね。これはもう、この作者さんの作品を集めて部屋にかざりたい。
【得点】 0点
世界がオワだなんて、そんな!
プラズマ
プリズム
スコープの内側
気を失いそうなくらいに
星空だけがキレイだった
*
キラキラと一本に光をうける溝のなかをビー玉が転がっていく
*
--ここも行き止まり?
--ああ。すっかり壊死を起こしてしまってる。
--あんなにまっすぐできれいな道だったのにね。
--ごらん。あの道も粥状残渣でいっぱいだ。
--この大荷物どうしよっか?
--どうするもないさ。道端に置いて引き返すとしよう。
--…終りかもしれないね。ここはもう。
--ああ。終わりなんだろうな。
--逃げちゃおっか。
--ハハハ。逃げちゃおっか。…でもどこへ?
*
ぼくが犬の記憶を失くしてしまって
犬は存在しなくなった
花が消え 学校が消え 大聖堂が消えた
歌声 写真 夕焼け 父 友
ぼくは誰の記憶で生きていたのか
*
ビー玉 あ ビー玉 あ ビー玉
レギュラーパルス レギュラー レギュラー レギュラー
イレギュラー レギュラー レギュラー
ころころころころころころころころころころころころころころころころ
*
波止場は避難する人々で、すでに足の踏み場もなかった。
「星が2、3回、大きくまたたいたかと思うと、王子さまはその光を浴びて、
まるでスローモーションのように、ゆっくりと倒れていきました。」
ひとつの時代が終わろうとしていた。形勢は傾いていた。
囲碁本因坊戦の大盤解説で、梶原九段は飄々と終局近しを告げたっけ。
「ああ、この一着で、この碁はオワですね。」
このことばに全国の囲碁オヤジは手を叩いて喜んだっけ。
終末を声高に叫ぶひょろ長い救世主を、少女が落としてしまった人形を、
先を急ぐ人々の足が次から次へと踏みつけていく。
*
薄明のなか 混沌の時代からずっと
運命の糸を紡ぎつづけていた三姉妹が
とうとうキレちゃった
「けけけけ」と奇声を発しながら
ぼくんちの5階の窓から侵入してきて
大バサミでありとあらゆるものをブッた切って
長い髪と薄手のスカートをなびかせて
美しく踊り狂って
去っていった
ブッた切られた
スキマだらけの世界でぼくは
ああ これも運命なんだろな
ぼんやり思った
201-203 名前:世界がオワだなんて、そんな! 投稿日:2005/04/09(土) 22:41:30 ID:eQWN/yn3
【コメント】
218 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/10(日) 19:33:06 ID:aTfoXG3v
>>201 世界がオワだなんて、そんな!1/3
ようやく何か惹き付けられる作品が来た。
2個目の*まででその後のワクワクするような流れを導くことに成功している。
その後は詩人の語りの波に流されて遠くへ行くだけ。良かったと思う。
作品が「神経」という題とどう関係するのかはよく分らなかったが、
そういう事を敢えて考える気にはならず、またそこがこの作品の魅力か。
問題点があるとすれば、波止場のくだりだけ文脈が変形してあって、
それが他の部分との調和を欠くように感じること。
239 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/12(火) 11:35:10 ID:WoAUkFfY
「世界がオワだなんて、そんな!」は描写に下手な所があり、それがこの作品のよさを損なっているので対象から外す。
245 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/13(水) 12:05:00 ID:fQh3W+LY
>>201-203 世界がオワだなんてそんな!
正直、ワケわかんね。超新星爆発かなんかで、一個の惑星が滅亡する――これが
ひとつの時代の終焉を表す隠喩だということ以外は。各連のイメージ、言葉遣いが
すべて滅茶苦茶。でも、そのグチャグチャ加減がこの詩のひとつの魅力になっている。
こんな意味不明詩は、暗号を解くように誰かに読みほぐしてもらって、その解説を
聞いているのが面白いかもしれない。残念ながら、私はその適任にあらず、ということだ。
776 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/04/12(火) 00:46:26 ID:TETQl2H4
>201 :世界がオワだなんて、そんな!1/3:2005/04/09(土) 22:41:30 ID:eQWN/yn3
筒井康孝書くところの、はちゃめちゃ、エンターティメント小説を思い出した。
784 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/04/13(水) 11:11:31 ID:1YfK0ynR
>201-202 世界がオワだなんて、そんな!
”脳梗塞?あるいは世界の終わり”
世界を紡ぐ3姉妹とか、少女の人形とか 本因坊とか ばらばらとイメージが散乱してて面白かった。
本因坊の段が好きです。
790 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I [sage] 投稿日:2005/04/14(木) 05:07:21 ID:KKxjl5L7
>201-203 :世界がオワだなんて、そんな!
終わりだと決め付けられた世界で、ぼんやりしちゃってるあなた、あなたも逃げれ。
あるいは無力感に悲嘆にくれるか、とにかくぼんやりしてるんじゃない。
と心配させられるほど、愉快にぼんやりしている。
「世界がオワだなんて、そんな!」とちょっとびっくりした後は、
そういえば「梶原九段は飄々と終局近しを告げたっけ」などと思い出してノンキ。
ここちよかった。
812 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2005/04/16(土) 23:35:39 ID:K3ZzaWUt
皆さん、おつかれ&おめでとうございました。
今回『世界がオワだなんて、そんな!』を書きました。
寸評では好意的なレスが多くて、「わーい、褒めらりたー」なんて喜んでいた
のですが、フタを開けると見事に0点、という、なかなかイキなはからいでし
たな。ガハハハ。
寸評をいただいた皆さん、どうもありがとうございました。なかでもゼッケン
さんの寸評は、作者も気付いてなかったこの詩の本質を突いていて、非常に興
味深かったです。
最近、本業の方で忙しくなっており、コンスタントに審査をやれるかちょっと
心もとありませんが、できる限り顔を出すつもりです。
>>811 セン5スレにも興味はあるんですが、当方にあまり余裕がなくて…。
【得点】 0点
最終更新:2006年11月08日 00:08