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作品





ふゆのひとよ



もちろん少年ではない。
若者でもなくなっちまった
おれ
もしかしたらあんた
に
ばかものよ、と呼びかけよう。

ばかものよ、大志を抱け。

ふーるずビーあんびしゃす、
おれはここにいる。
ここにいないとき、名の無い消費者である
おれは
ここで名を持つ無名詩人たらんと足掻く。
まずは勤勉な馬鹿となれ。
勤勉な馬鹿ほど損失を生むものはないとのたまう若い上司には
そうですね、と愛想笑い、しかし、
勤勉な馬鹿は馬鹿のままではいない。
信じろ。
失敗しない利口さを持ち合わせないならば、
多くの物語を伝えよ。
謙虚に。

とは言ってもよ?

いい具合は持続しないんで、
さっきまでの中身の詰まった安定してた、覚悟のようなものはどこ行ったの、なんだったの。
臆病風
ざわざわする。
寝れない寝返り三回転半うつぶせ
になって
考える。
ダラクハラクダ。
艦長、これは回文ではありません。アップトリム720度。
いっかい起きよう。
コーヒー淹れる? too much.
部屋の中ぐるぐるし、
「遠くに行きたいな」
って、もっと遠い場所って天国しかねーよ、もはや。
行きたいというより、帰りたい?
きっとおれてば地上に単身赴任しちゃったんだね、だから還るまでひとりなんだね、なんちてな。

あのひとは今夜も誰かと会ってるんだろうか?

知る由も無い、聞く勇気もない、知っても何も出来ない、おれではない、
おれはひとりの部屋でぐるぐるしながらざわざわしている。何度確かめてもひとりである。クローゼットには誰も隠れていない。

なんだこれ、初めてじゃないんだけど、いつだっけ、あれかな、あれだ、
春だな、春が近いんだな、カラダは性懲りもなく盛んに焚きつけようとするが、
あのね、毎回申し訳ないけどね、犬も歩けど棒にも端にもかからず。
おいてけぼりの予感。

いま、はるがきて~きみ~は~きれいに~なった~、
そしぃて、ぼくはとほぉにくれるぅ。

しかし、
大志を抱くと宣言してしまったおれは、だから、
夕陽を背に体育座りで膝小僧のしわを数えたりはもうしない(もしやったとしたら、3本目まで許して欲しい)。
何をしたらいいか分からなくなってもおれはココに立ち続けるんだ(それはもう仁王だな、と言われるぐらい)。
利口に立ち回るより、つよく在りたいんだ。
たとえ眼鏡は曲がっていようと。

例えば、サバイブするひとり氷河期、
Tシャツ一枚でマンモス追い掛け回す原始のグルーブ脈打つバイブ、風邪ひかない大丈夫。
免疫が超合金でできている。
北極点にビーチパラソル打ち立てる。

例えば、
遅れぬための速い脚ではなく、
ツンドラを踏みしめる厚い足裏。
この星は丸いから、彼らが一周してきたときには
おれはまだ立ち続けているだろう。
そして言う、
オーロラを見た、と。
沈まぬ太陽と終わらない夜を。
雪の結晶模様の蝶を。

恋は恋であり、変身は願望であり、詩は詩である。
日々は日々でしかなく、季節は過ぎ、詩は詩である。
恋と変身と日々と季節が詩である。
かこわるくてばつわるくてモウシニソウでも死んでいなければ生きているのである。
そのうち英会話学校にも通うのである。
そのうちという言葉で検索するとばかものがヒットするのである。
それでもそのうちと願うことはやめない。


497-500 名前:ふゆのひとよ [] 投稿日:05/02/07(月) 13:20:32 ID:0nakwWeh


【コメント】

535 名前:脇 ◆eBWUIXUMPI  [sage] 投稿日:05/02/11(金) 10:55:10 ID:0kRGZv08
>>497-500 ふゆのひとよ
ぐっと力(りき)をいれてみるかと思えば、またふっと緩めて、
行き先の見えない冗談汽車に乗るかと思えば、われにかえるように自虐ネタを言い。
ゆらゆらと、漂うように、だけども、掴み取りたいものが、なんなのかをきっと知ってる。
感想でした。おもしろかったです。
読者をはっとさせるような、閃くものに、手が届きそうだと思いました。
届きそうで、それがそれ程に叶わなかったのは、おそらくこの作者が、素直で、正直過ぎるから。
この方には、自らや他者を、本当にだましてやろうというようなハッタリ、演技が、
必要なのではないかということを考えました。
そして、それは、嘘をつけ、ということではありません。

546 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [sage ] 投稿日:05/02/12(土) 21:43:29 ID:KPv0B+J8
>>497 :ふゆのひとよ     1点
断続的にいいイメージ、いい言葉の連なりがあるんだけど、冗長。

513 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/02/13(日) 17:29:54 ID:eXypetr3
ふゆのひとよ、です。
脇さん、葉土さん、点とコメントありがとうございました。
冬といえば北海道、北海道といえばクラーク博士というところから出発して、
まあ、組み立ても何もないですね。そこらへんが演技の必要性であったり、
冗長さを感じさせたりしたところかなあ、と思っています。
お題が出てから一週間内で素材を調達し、選り分け、組み立て、磨く。これを繰り返す。
ひー、スパルタ。たまらんちん。

別の話です。
今年に入って、生まれて初めて詩集など買ってみたりして、
ポケット詩集ですけど、
詩を読むのもけっこう楽しいことだったんだなあ、と思い始めているところです。
で、ですね、じつは今まで他の人の作品は眺める以上には読んでなかったんですけど、
(ごめんなさい)
詩を読む方の快感も追求したいということで、
次回からは採点にも参加させてください。

これにはもうひとつ理由があって、
今回、私の中ではいちばん印象深かった作品に点が入ってない!
自分の好きな作品には点を入れたいという純粋に不純な動機です。

いいのかな? あ、自信なくなってきちゃったな。私にはまだ早いかな。
とりあえず、宣言だけしときます。


【得点】 2点
  • 脇 ◆eBWUIXUMPI:1点
  • 葉土 ◆Rain/1Ex.w:1点





僕の朝



寒い 
ストーブに手を伸ばす
効かない。
窓を開けた
冷たい 風 感触は不快なだけ?
今年は 雪に触らず冬を終えるのだろうか
でも まだ冬は終わらない
だから 僕は起きる 必要なのは コートだけ


501 名前:僕の朝 [sage] 投稿日:05/02/07(月) 16:27:45 ID:O059PYco


【コメント】

535 名前:脇 ◆eBWUIXUMPI  [sage] 投稿日:05/02/11(金) 10:55:10 ID:0kRGZv08
>>501 僕の朝
自分の何かを伝えたい、というわけではなく、書いているのかな?という気がしました。
読者のほうに向かう何か、が無いような気がして、読んでいる方……というか、わたしには、
つかむところがなくて、どうしたらいいのか、わからないなぁと。





冬夜空



「夜空」

世界が静かに眠る時間
街は冷たい闇に包まれて

寒い 暗い 虚しい

冬の星座の蜃気楼
降り積もる雪の公会堂
柵が凍った池の裏
錦鯉がのたうち舞う

微かに震える樹の枯れ葉
街灯だけがざわめく歩道
灯りに逸れた闇の色が
街の景色を深く彩る

見上げて滲む涙の夜空
誰もいない街の片隅で
僕は冷たく立ちすくむ

辛い 一人 悲しい

探し続けた教会の尖塔
月に架かる白い十字架
救い無き偶像にさえ
縋りついた日々の記憶

痛い 想い 悔しい

肩に降り立つ雪の妖精
小さな背中に伸びた白羽
幻と知りつつ話しかけると
息の温度に溶けて消える

苦しい 寂しい 耐えられない

世界がひっそり眠る時間
街は冷たい闇に覆われて

今夜も一人夜空を眺めて 
僕は孤独に震えてる

502-503 名前:冬夜空 [] 投稿日:05/02/07(月) 17:22:16 ID:38b9FQCX


【コメント】

535 名前:脇 ◆eBWUIXUMPI  [sage] 投稿日:05/02/11(金) 10:55:10 ID:0kRGZv08
>>502-503 冬夜空
最後の二行を、描きたいのだろうなぁと思いました。
そして、他のすべての行が、その説明にしかなっていないという気がします。
中でも、"寒い 暗い 虚しい"というような、三つの単語の行を、
取り除いてみるのは、どうでしょうか。
一番に説明過ぎるかと思ったので、この個所をまず。どうでしょうか。





ほほほ



今日は冬至
お天道様に出会える時間は
やりたいことができるかできないかの
短い時間

やりたいこと
するべきこと
食べたいもの
観たいもの
聞きたいもの
触りたいもの

ひとつひとつ
手にとっているうちに
全て無くなってしまうから

初めに手にとった
それで
冷えた手足を
温めてみる

これからお天道様に会える時間は
増えるばっかり


504 名前:ほほほ [sage] 投稿日:05/02/07(月) 22:56:09 ID://paRfVW


【コメント】

535 名前:脇 ◆eBWUIXUMPI  [sage] 投稿日:05/02/11(金) 10:55:10 ID:0kRGZv08
>>504 ほほほ
冬至と書いてあるので、冬至なのだなぁとわかりました。
しかし、題名がわたしには不明で、そのせいで、作品全体が、
わけがわからないものになっているような気がします。わたしには、わけがわからなかったです。





覚醒



朝があった。
目の前の霞の向こうに。
ただキリキリと光り。

それは嘘だと。

頭蓋骨の裏に
書かれていた。

目覚めるころには
忘れてはいたのだが。


505 名前:覚醒 [] 投稿日:05/02/07(月) 23:16:03 ID:zsorzPSY


【コメント】

536 名前:脇 ◆eBWUIXUMPI  [sage] 投稿日:05/02/11(金) 10:55:59 ID:0kRGZv08
>>505 覚醒
雰囲気を伝えるものは、あると思うのです。
ですが、とても短い。物語としても、ここのなかだけで終わってしまっています。
完成度は低くない。無駄もない。ですが、特別な評価をすることは、
わたしには出来ないなぁと思います。





春。



ふりむけば綺麗に山くっきり
小さく凍えてそこにある
確かもっと余裕かましていたような
今の僕ははっきりと輪郭を捕える
お互いのピントがあっているからじゃないかと
自惚れ見上げているのに
見下ろす
あらら山肌から朝日が顔を出し
僕を叱る
輪郭が消えた

あの光景は何だったんだろうかと
今も思う
また霞の季節が来て
山はボヤけてしまったけれど
じゃあ僕は取り残されたのかと聞かれれば
そうではなく僕もボヤけているのだ

今こっちから声をかけたら
同じ山びこ返ってくるだろうか
僕はまた季節を戻す
今度こそ前向きな春を目指して



506 名前:春。 [] 投稿日:05/02/08(火) 00:09:48 ID:x1oPMQ9z


【コメント】

536 名前:脇 ◆eBWUIXUMPI  [sage] 投稿日:05/02/11(金) 10:55:59 ID:0kRGZv08
>>506 春。
おもしろいなぁと思いました。あまりよくわからないのですが、だけど。
題名の、春のあとの「。」も、なんとなく、納得してしまいました。


【得点】 1点
  • 脇 ◆eBWUIXUMPI:1点





今日の透明な光



  世の中は動いていて季節は巡っている
  一緒に人も回っているが冬はここで立ち止まっている
  時代はいまだ停滞していてもう歓声は消えてしまった

  枯葉が舞い落ち時に走り去る間を肩をすくめて歩いて
  寒いなとコートの襟を立てたり 駅で切符を買ったり
  暖房と人いきれの教室に扉を開けて逃げ込んだときに

  悪くない日常は と思う
  寝違いや郵便のバイクの音や
  新しいマフラーの温もりに構成されるささやかな生活は

  小さな市民はこの日常とせいぜい巡る季節を相手に
  賃金とか賃金以外の喜びとかを拾い上げようとうつむき加減で歩き
  うつ伏せで眠る

  新聞やニュースが様々なことを伝えてくる
  旅人から遠くの物語を聞くかのように目を見張り耳を欹てもするが
  焚き火を囲んでいるこの夜の温もりをまずは好む

  休日の遅い朝
  窓から入り込んだ光がコップのふちを飾りつけ
  パンの匂い、コーヒーの匂い

  優しい休日の匂い
  微かな孤独の匂い
  今日の透明な光


507 名前:今日の透明な光 [] 投稿日:05/02/08(火) 22:59:02 ID:wYXJnACD


【コメント】

536 名前:脇 ◆eBWUIXUMPI  [sage] 投稿日:05/02/11(金) 10:55:59 ID:0kRGZv08
>>507 今日の透明な光
良いなぁ、と思いました。透明な光、がわたしにも見えました。
ただ、その透明なものというのは、作品全体ではなく、そう伝えてくる感じがある、
というだけ…(だけ、といっても、それでもすごいことであると思いますが)なのですね。
たぶん、とても良い詩というのは、その文字列のあるページごと、透明で
きらきらしていて……。そういうものだと思うのです。





ぬくぬく



言えない思い  伝えたい思い
枯れた原野  まっ白くフタをされた大地

誰の胸の奥にもある  陰のような
チロチロと炎の  舌なめずり
を冬が暖炉に押込めて

カサカサの肌
   似てる?
   そう  やっぱりここにいるんだ

   似てる?
   ふっ  やっぱり切り裂き歯の鋭さか

足を取った奴らに  慰められて
悲しくてムカツク  せつなくて
むなしくて同じ  胸の奥がうずく


舞い上がる白鳥座(せいざ)手摺に寄り見上げ
過ぎてゆくのを  徒手見送る
しかし実際には  何の被害も受けなかった
様に感じる  私にしてみれば
約束どおり  月が満ち冬が
行く

   ために消費された  紙細工は
   雨に打たれ  みじめこの上ない
   それで最後に  背中のどこかに
   緊張をのこし  日差しが

ぬくぬくと  融かしてしまった
言えなかった  伝えなかった



508-509 名前:  ぬくぬく   [] 投稿日:05/02/09(水) 00:28:48 ID:MVGT+a+Q


【コメント】

536 名前:脇 ◆eBWUIXUMPI  [sage] 投稿日:05/02/11(金) 10:55:59 ID:0kRGZv08
>>508-509 ぬくぬく
好きです。
何が描かれているのか、本当はよくわからないのですが、
それなのにどうして、震える心のわたしなのかな……。
改行位置も、空白の入れ方も、隙が無い。流れもよどみない。たいへん推敲をされる
方のように思いますが、そんな努力の手の跡も、わたしは見つけられませんでした。
「詩は引き算と掛け算」という、どなただったかの発言をいま思い出しているのですが、
この作品は、引き算と掛け算と、たぶん申し分無いのですね。完成度も高い。
(ほめすぎていたらごめんなさい。ほめる技も、未熟なわたしです。)
詩…なのかどうかは、わからないです。
ですが、わたしの琴線にふれました。

546 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [sage ] 投稿日:05/02/12(土) 21:43:29 ID:KPv0B+J8
>>508 :  ぬくぬく 1点
文法をわざとくずした詩体が妙に気にかかって、繰り返し読みたくなりました。


【得点】 3点
  • 脇 ◆eBWUIXUMPI:2点
  • 葉土 ◆Rain/1Ex.w:1点



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最終更新:2006年12月02日 23:23