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作品





こだま



347 名前:無名小説[sage] 投稿日:03/01/09 21:12 ID:qwvZLEx6

   わすれないよ

  (わすれたいよ)

  (わすれたいの?)

  (わすれないの?)






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恋はジェットコースター



349 名前:恋はジェットコースター[sage] 投稿日:03/01/09 23:48 ID:RVI3tEgH
結局のところ
しあわせ保存の法則とかいって
カッタ カッタ カッタ カッタ と
登りきったところから終点まで
長い距離と時間を費やして
落下するだけ

好きな人は
何度も乗るよね




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【得点】 0点





誰もいない葬儀



355 名前:誰もいない葬儀[] 投稿日:03/01/10 01:44 ID:j4G80NgP
死体を見に行った
その死体は鉄の塊だった

上を見上げると 錆びた屋根の裂け目から灰色の空が見えた
刀傷みたいだった
ぽたり と一縷の滴が頬に落ちた
涙のようだった

再び動くことは無いだろう

見渡せば 巨大な溶鉱炉が目に入った
かつてはここに 紅い血が流れていたのだろう
吹く風に混じって 錆びた鉄粉の匂いがした
血の匂いに似ていた

再び動くことは無いのだろう

振り向けば灰色の雲を背に 風葬された死体が
静かに横たわっていた
吹く風に舞い上がる 鮮やかな花びらが
散華のように見えた




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あきづの二飛び



361 名前:あきづの二飛び[] 投稿日:03/01/10 22:26 ID:qFnmg7qw

あきづの群れか
雪もちらつく夜に
山に向かつてゆくか
めづらしいものを見たものだ

あれはあきづの二飛びでございます
見たことがおありでしょう
やわらかいぢめんに点々と
あきづのなきがらが転がっているのを
いつのまにやら失せてしまうのは
喰われるからではなく
朽ちるからでもなく
かのように再び
山へ飛んでゆくからなのですよ

群れているあきづは
ぼおとほのかに光つて
あたかもほのほのようでもあるな
あはれな残りよ

それはそうです
人さまがくたばったのちに
たまとなって果てるのと
おんなじことわりですから



362 名前:                 2[] 投稿日:03/01/10 22:27 ID:qFnmg7qw

あきづの向かう山には
なにがあるんかな
なんのために飛んでゆくんかな
ほのほはいづこに失せるんかな

なんもありゃしません
わかるよしもありません
あきづの思いなど
知ろうとすらおもいません





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363 名前:鋏[] 投稿日:03/01/11 00:10 ID:jkmR+Yi5
『チャン、チャン』という文字にすると間の抜けるが
実際は重厚であるシンセサイザ音が合図となって
僕は冬の夕空のオレンジとブルーに含まれる粒子のように黒い
顔の男に挨拶し続ける
「おはようございます」「おはようございます」「おはようございます」
もうあの夜には還られない
今となってはどれだったかを思い出せないでいるあの夜には
母さん。
僕のささやかなウイーク・デイ・ブレイクは
「96式B」と刻印された鋏に切り取られ
Bは”暴挙”の略としか思えないよ
母さん。
  『チャン、チャン』という文字にすると間の抜けるが
  実際は重厚であるシンセサイザ音が合図となって
  僕は冬の夕空のオレンジとブルーに含まれる粒子のように黒い
  顔の男に挨拶し続ける
  「おはようございます」「おはようございます」「おはようございます」
  もうあの夜には還られない
  今となってはどれだったかを思い出せないでいるあの夜には
  母さん。
  僕のささやかなウイーク・デイ・ブレイクは
  「96式B」と刻印された鋏に切り取られ
  Bは”暴挙”の略としか思えないよ
  母さん。
    『チャン、チャン』という文字にすると間の抜けるが
    実際は重厚であるシンセサイザ音が合図となって
    僕は冬の夕空のオレンジとブルーに含まれる粒




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ふたたびレモン



364 名前:ふたたびレモン[] 投稿日:03/01/11 00:51 ID:Ww2IVYNh
オレンジやピンクの コミックスに囲まれた部屋で
シロメとヒトミの あいまいになる恋をしていた
あなたはどこにも いないから
わたし 慣れない手つきでレモンをかじった

あのとき うまく
かじれな
かった
レモンは間違って甘く
苦汁は部屋の外でだけ ひろがった

やがて
降るものは何もないのに 雪は積もりはじめ
紺色の制服を着せられたわたし ひとりぼっち
さくさくと雪の上を 黒い制服のあなたがやってきて
わたしにレモン手渡して そのまま擦れ違っていった

あのとき うまく

じれなかった
レモンの皮は 口のなかで痛いほど酸っぱくて
わたしは泣かされたように 走りだしてしまった



365 名前:_[] 投稿日:03/01/11 00:51 ID:Ww2IVYNh
数えきれないレモンをかじった
歯の先から殺されるほどのレモンをかじった

いつかは うまく
かじ
りたい
と願い そして

太陽は輝く銀と 匿された陰を育てつづけ
果てまでも雪になった世界で わたしは
日焼けに痛む足を 雪の下に隠して
きっと一番好きなあなたと出会った

ふたたびレモン ふたたびレモン
がりりとかじるのが よいとわかってきた

がりりと うまく
かじ
ったレモン
は爽快に飛び散って

雪に黄色く おしっこの染みをつくり
わたしはそれ見て 泣いてしまった




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母へ



374 名前:母へ[sage] 投稿日:03/01/11 18:27 ID:fVsTYqFC
母さん言い忘れていたことがありました
もう一度会えたら 言わせてください

母さん料理が下手でしたね
僕が喧嘩して遅く帰ってきたとき
クリームシチューを作ってくれましたね
まずくて でも温かくて
涙が出ました
もう一度会えたら また作ってもらいたいです

母さん編物が得意でしたね
お父さんの手袋 妹の帽子
二人とも喜んで身に付けていました
けれども僕は薄緑色のセーターを
母さんの前で一度も着ませんでした
もう一度会えたら その時はあのセーターを着ていきます

僕は今まで知らなかった
母さんがいなくなる時が来るなんて
母さんもう会えないのでしょうか
いつかまた会えるのでしょうか

母さん言い忘れていたことがありました
もう一度会えたら 言わせてください
ありがとう 母さん




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ハリケーン



376 名前:ハリケーン(1/2)[sage] 投稿日:03/01/11 19:08 ID:9FTO8WJh
  夜に突き刺さってゆく闇の息吹きを切り開いて
  窓の外に嵐がきた
  道路の上に雨が落ちはじめ
  堅く閉ざされた商店の戸を叩いた
  渦巻く大気が雲に吸い込まれ
  水滴の銃弾を地上へふらせた

  勢いをなくした小さな水滴がガラスをつたって
  窓枠の外に溜まる
  八階から覗く世界では笑顔の立て看板が空中でなぶられ
  地面にへばりつく人間や車や屋根の上から
  小さなかけらを風が奪い取って巻き上げる

  柄を握る手から紺色の傘が奪われ
  身を晒す古木の葉が巻き上げられる
  逃げ場のない猫の頭から思考が奪われ
  家をめざし、からだをまるめて歩く老人の感情が巻き上げらていく

  風は一晩中吹き荒れ
  暗い空はかけらたちで込み合う




377 名前:ハリケーン(2/2)[sage] 投稿日:03/01/11 19:09 ID:9FTO8WJh
  やがて空中で分解し、風に溶け、それらはみな塵になって
  大気に混じり薄く発光する雲に吸い上げられ
  雲をも突き破った粉塵が遠い太陽に焼かれてまた地上へと落ちてゆく

  自分の体をなぎはらい
  暗雲が立ち退いた空に、昇ってゆく朝日が顔を出し
  嵐のあとの街を一様に照らして
  地上に残った水分を蒸発させる
  街には今も少しずつ粉塵が降り注ぎ地面に覆い被さる
  光は窓からも差し込み
  部屋の中のひとつひとつを鮮明に浮かび上がらせ
  残された頭ひとつをも動かしはじめる





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最終更新:2006年09月17日 15:51