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作品







ゆっくり背中を押す温い風は、
  下を 向くなよ 下を 向くなよ 
煩い纏わりつくな

白くぼやけ輪郭を失う街は
  ぎすぎす するなよ ぎすぎす するなよ
ひん剥いてやる

目覚めを歌う動物は植物は
  生き生き しようよ 生き生き しようよ
黙れ黙れ黙れ

油断するものか 恥をかかされるものか
  隠しているぞ春の奴め嫌らしい牙を

欺瞞だ欺瞞だ欺瞞だ!!
  春のやさしさは欺瞞だ!!




556 名前:春[sage] 投稿日:2007/03/24(土) 23:43:55 ID:wu5Vh+nL


【コメント】

571 名前:元構造 ◆/Cej999/v6 [sage] 投稿日:2007/03/29(木) 00:27:25 ID:Suq6C8Zo
>>556
このギチギチしたテンションは評価するんだが、息切れ感がするな。
実際テンションでババっと書いたタイプの詩だとおもうが
この詩に限っていえば、もうすこし腰を据えた表現のほうがいいと思う
それかもうすこしテンションを持続させるか。
繰り返すがテンションは評価する。

581 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/29(木) 02:59:17 ID:V1ZBfNS/
>>556
こちらは上のとは対照的に警戒しております。私は春が欺瞞でもいいように思うんですけれども。
だってただの季節なんだしさ、インチキ臭くても良いイメージがあるんだったらそれに乗っかって
みせるのもひとつの手だと思うのですが、どうでしょう。もちろん、良いイメージ肥大させすぎると、
あとで大して面白くなかったり、悲しくなっちゃったりした時にギャップの大きさから受けるダメージも
膨らんじゃうというのはわかる気がしますけど。だから油断するな、まではわかる。
しかしそこまで警戒心高めて欺瞞だ!と連呼するのはちょっと病的に思えるわけであります。

588 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/30(金) 01:26:07 ID:nftgXb7z
>556 春
春という生温さをやさしさと言い換えて 欺瞞とするその心の動きは悪魔的な内なる囁きのよう
前向きな春という主題ではなく 春というまた天気のはっきりしない季節の一面を見ているようでもあります
ナーバスというか極端な春に対する不信感は 曖昧さの受容と関係するのか それとも 春に浮かれる
春にスポットライトを浴びるものが大よそ“よきもの うつくしきもの ただしきもの”の傾向にある そのことから
欺瞞という視点を見出したとしても おかしくは無いと思うのです 極端なネガの春を見せられた気分になりました
こういった視点は好きですが 簡潔に書きすぎると愚痴に思えてしまいがちかも

593 名前:ゼッケン ◆ZkkenDgUE6 [] 投稿日:2007/03/31(土) 14:45:54 ID:jTu7qbsD
556 :春
ちょっと好き。展開が欲しいところ。

599 名前:嫁心迦葉 ◆5GENy7aSTY [sage] 投稿日:2007/04/01(日) 21:31:49 ID:f8XVG79c
>556 春
リズムがいいのですが、それが不十分で勿体無い。
それがクリアされれば、良き作品に化けるでしょう

602 名前:ナナシー ◆zMYfgmhp9w [age] 投稿日:2007/04/01(日) 23:59:36 ID:p0CsIp6l
>>556 「春」
最初は「おつ!」と思ったけど、結局一方的に罵って終わりですか。
そんなに春がお嫌いならグリーンランドか南極辺りへ移住したらいかがです?
ただ子供みたいに疑念を撒き散らかすだけでは詩とは言えないね。そこから先へ踏み込まないと。

606 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2007/04/02(月) 19:59:14 ID:DTmhvRiE
>556 春
なんとなく詩ってのは書いてる最中に作者を置き去りにして動くもんなんだけれど、どうも最初から
予定して書き上げちゃったような気のする作品でした、欺瞞だという言葉が弱く感じられます。。

610 名前:長介ジュニア ◆kuJg2yitX6 [sage] 投稿日:2007/04/02(月) 22:32:21 ID:AUuMveHY
>>556
こういう反発のような気持ちはなんとなくわかるのでござるが。
わかる、という以上の感慨を生みようがない作りでござるな。
詩としては自立しておらぬ気がいたす。

262 名前: ◆notePDkbPQ [sage] 投稿日:2007/04/03(火) 18:41:47 ID:qPINdvH6
「春」書きました。指が掛からずに暴投気味、人によってはデッドボールだったかも?
元構造さん:あっという間にフィラメントが燃え尽きた感じであります。落ち着いて書いた方が良かったですね。
まんこさん:欺瞞としか言えなかったのであります。病的なんて、あんまりですが、嬉しかったりします。
竹輪さん:何書いても嘘くさくなってしまいまして、こんな変な仕上がりになってしまいました。
ゼッケンさん:吼えただけでは、物足りないのですけど、うまくいきませんでした。
嫁心迦葉さん:リズム良くすると、良くなりますか。可能性はあるんですね。
ナナシーさん:一寸共感は考えないで書いてみました。読者に歩み寄らない暴発。不味かったかな?
葉土さん:仰るとおり、前の行は後からくっつけました。きちんと力が入ったのは最後の二行だけです。
長介さん:言葉があっちこっちばらばらで、どうにもくっつきませんでした。
審査員の皆様ありがとうございました。

300 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/04/06(金) 01:43:38 ID:TAJwOoHF
>>262
おー、なんで病的で嬉しいんだYO!
ポエムって病気の奴が自分の病に酔って書くものというイメージがあってさ、実際内容見ても、
暗い情念とか「おれは悩んでるんだ、すごいだろ」みたいのが多くてね、それがポエムというものの
価値を貶めてると思うし、傷の舐めあいしたい読者しかつかめないような閉塞感はあると思うのね。
ここでもお題が写真だろうが春だろうがやっぱ暗いの多いよね。noteさんのはもちろんそういうのと
違って暗くはないけど、もっと暴走すれば病的じゃなくてコミカルだったり迫力だったり出せたと
思うんで、今回あまり誉めなかったの。許してね。





春の記憶




規則的なしずかなモーター音が
いつの日か再び鳴りひびく時
カウンターは熊のように鼻をひくつかせ
サーモスタットが重たい瞼をうすく開けるだろう
フィルターに覆われた純白のファンは回り
かすかに立ちのぼる蒸気は陽炎となり
廃水は淀むことなく清流をつくるだろう

そして雨が降るのだろう
やわらかな春の雨が
大気に立ち込める中性子を弾きながら
鉄塔に突きささった巨大な右腕を濡らし
わずかな血の痕跡を洗い流して
凍りついた彼女らの目覚める時が
ドームのロックを解除し息を吸い込む日が
いつか

燃え残った雑誌の一枚の写真
雪混じりの大地 灌木 シラカンバの林
そのバックにどこまでもとおく
あおいあおいあおい
空の記憶が腐蝕されることなく
這うような突風にいつまでも吹き飛ばされて
生物と言い難いふたつの発光体とともに
こわれるような舞をおどっていた

いつか海の薫りがここにとどく時が
いつかこの土地にあかねさし芽吹く時が
いつかしずかにモーターの再始動する日が
えいえんに来るであろう
春を
祝福するかのように



557 名前:春の記憶[] 投稿日:2007/03/25(日) 03:08:27 ID:OpWahLDo


【コメント】

571 名前:元構造 ◆/Cej999/v6 [sage] 投稿日:2007/03/29(木) 00:27:25 ID:Suq6C8Zo
>>557
タイトル通り春の記憶であって春ではないね。
終わった世界というテーマには惹かれるタイプの人間ではあるし
詩自体のレベルも高いと思うんだが
枯れ山水も空まで埋めたら庭園としては機能しない
春という題への立ち向かい方としては、
徹底的に静かにまとめたこの作品はやや逃げを感じる。
核エネルギーについても静かな表現で躍動感や増殖感は
感じなかった。

581 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/29(木) 02:59:17 ID:V1ZBfNS/
>>557
これは滅亡SFの最終段落のようなカッコいい再生への希望であります。
コールドスリープから目覚める時、地球だかその惑星だかにかつてのような春が訪れていたら
いいなあ、みたいな。しかしこの分量だけだと「いつか、いつか」と願ってるだけで、逆に、もし
来なかったらどうしよう、という不安が勝ってしまっています。三連目のUFOだか隕石だかの
君臨するハルマゲドン後のような地上に春の景色を捉えた写真が舞う描写を重視すれば、
これは最初から叶わない夢なのかもしれません。するともの悲しい「いつか」の声にも聞こえます。

588 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/30(金) 01:26:07 ID:nftgXb7z
>557 春の記憶
とある人のとある春の記憶 記憶のまま何か凍結したままになっている気持ちを感じる
それが春の記憶を作る根源になっていて 絶望まではいかなくても 絶望に近い想いがその“いつか”
を待ち望む動機にまでならない状態で また違う春を待っているのだろうか
凍結したままの春 いつかと叶わぬ春 “えいえんに”来るであろう“春”とは
この状態では盛んな勢いという意味で“春”を思えば 祝福するかのようにに続く永遠の春と想像すると
気の狂い加速状態の予兆のような含みが文章の裏に流れているようで 僅かだけれど死臭を感じた
滞った春に春の記憶を重ねているよう

593 名前:ゼッケン ◆ZkkenDgUE6 [] 投稿日:2007/03/31(土) 14:45:54 ID:jTu7qbsD
557 :春の記憶
ふむふむ。SF者のSF読みてぇなあというつぶやきが聞こえてきそうです。

602 名前:ナナシー ◆zMYfgmhp9w [age] 投稿日:2007/04/01(日) 23:59:36 ID:p0CsIp6l
>>557 「春の記憶」
表現は静かで平穏だけど難解な作品。
おそらくは世界が核戦争か何かで破壊し尽くされ、シェルターか何かに人々が閉じこもって眠っているのかな。
詳しい描写が無く、情景のみを冷ややかで透明な文体で記していく。
「えいえんに来るであろう」が凄い言葉。この言葉を読んでひんやりと締め付けられるような悲しみを覚えた。
薄いオブラートで包み込んだ表現の下にある現実。何も知らずに訪れる春。 2点

610 名前:長介ジュニア ◆kuJg2yitX6 [sage] 投稿日:2007/04/02(月) 22:32:21 ID:AUuMveHY
>>557
この世界観自体は、さほど斬新なものではないのでござるが。
緻密に細部をイメージしてゆく力が、この詩を良質にしておる。
いい詩でござるのう。
ただ、全体的に、ちと気取りすぎた語法ではないかのう。
とくに終盤の「であろう」はやり過ぎ、という気がいたす。
「えいえん」を平仮名にしたのはグッドでござったが。

613 名前:嫁心迦葉 ◆5GENy7aSTY [sage] 投稿日:2007/04/02(月) 22:43:09 ID:KNSl9j4g
>557 春の記憶
スケールの大きい作品で遠い土地に連れて行ってくれる点が魅力
たったそれだけのことでも感動的で暖かく眩しい

263 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2007/04/03(火) 22:43:17 ID:qinkc6v2
みなさん、ありがとうございました。『春の記憶』を書きました。

…審査しないで投稿だけしたのは、実はこれがはじめてだったかも。
純粋な投稿参加者として楽しませていただいたんですが…ほんとに有難いね。
こんな詩に、これだけの人が感想を寄せてくれる。
これはマジで滅多にない場だと思います。
ぼくは常々、梁山泊に愛着なんてないよ、なんてうそぶいていたんですが、
見方を改めないといけないかもなあ…ここは貴重な場なのかもしれない。

詩ですが、完全に世界を閉じてしまったために、どうやって突破口を見い出し
て世界を開くか、に非常に苦心しました。結局今回は解決しないまま投稿して
しまったのですが、いつか推敲バージョンをどっかに書き込もうと思います。

審査員のみなさん、ほんとうにありがとう。心から感謝します。

300 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/04/06(金) 01:43:38 ID:TAJwOoHF
>>263
おー、古くからの常連審査員カノウプスさんでしたか。SF好きっすか。私も好きです。
SFでよくセンスオブワンダーがあるかないか、みたいな議論があるけど、あれってここで言う、
ポエジーとおんなじもんだと思うんですけどね、どうでしょう。
あと、まあ、クロスレビューが多くなればここも確かに作品を投稿する人には貴重な場には
なるでしょうね。でもね、審査員がもっと偉そうに仕切ってた方がいいと私は思うんですよ。
そうやってリスク負って書いてれば反発する奴が対抗して評書き始めるかもしんないしね。


【得点】 6点
  • まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk:1点
  • ナナシー ◆zMYfgmhp9w:2点
  • 元構造 ◆/Cej999/v6:1点
  • 嫁心迦葉 ◆5GENy7aSTY:2点





蠢動



三面鏡を開くと
右は黒塗り
左は朱塗り
真ん中たった一枚だけまとも

その前に座り
白粉をはたき
薄紅をひく

それだけで
名残雪は己の濁りを恥じ
自ら溶け消え
ふくらみかけの蕾は
ああなりたいと花開く

化粧を済ませ
指定された番号の部屋に行く
出来るだけあどけなさそうな顔をして

「佐保でぇす」

尽く精 逃しもせず 魂果て それでも

胎動を
慈しむように
腹さすり
ひとり妖しく
わらう佐保姫


558 名前:蠢動[sage] 投稿日:2007/03/26(月) 00:39:18 ID:ilA/kW5C


【コメント】

571 名前:元構造 ◆/Cej999/v6 [sage] 投稿日:2007/03/29(木) 00:27:25 ID:Suq6C8Zo
>>558
風俗つながりで春か。書かれているにもかかわらず
情念や怨念、気味悪さを感じないところがある。
ゆえに「佐保でぇす」のところでなぜか爆笑してしまった。
妖しさがひとつの空っぽなパロディとして機能しているかな。

582 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/29(木) 04:24:57 ID:V1ZBfNS/
>>558
あらまあ。芸者さんというかこれ、売春婦です。三面鏡で源氏名「左保」の正体をまず明かした
構成は上手です。どす黒い野望と真っ赤に燃える功名心、もしくは羞恥心みたいな。
真ん中の本当の素顔さえも白塗りにして隠してしまえば、もう躊躇もなく、悟られる心配もなく。
そんで中田氏。大阪桐蔭の中田の二打席連続ホームランは凄かったですね、などと関係ない
話混ぜて、そのへんは私、ウブなのでスルー。えーと、見事妊娠してしまいました。悪魔に魂、
売りました。春だけじゃなく。妖しく笑っております。このあと転落の人生が待っております。

589 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/30(金) 01:56:06 ID:nftgXb7z
>558 蠢動
春の季語でもある佐保姫をこのような構成と春を売る環境のようなところに放り込むのが新鮮と思いました
冒頭の三面鏡の描写から雅さよりも 横顔を映すことのない鏡とはいかなることかと想いめぐらせる
すると この鏡を覗き込むものには正面向き(今しかないという暗示)の表情しかいらないという意思にも取れる
それから 佐保姫の美しさを形容する部分が巧みであります
 >名残雪は己の濁りを恥じ/自ら溶け消え/ふくらみかけの蕾は/ああなりたいと花開く
春霞の衣を纏っているイメージの佐保姫 を登場させるというアイディア+「佐保でぇす」のキャップ
春をひさぐ 佐保姫 内なるものの何かという意味の新しい動き→胎動を感じて妖しく笑みを浮かべるのか
胎児の動きを感じているのか どちらとしても
とにかくうごめきのはる つまり春というものは“うごめきかんずること”
それをぴしりと描いたものであると読めます

602 名前:ナナシー ◆zMYfgmhp9w [age] 投稿日:2007/04/01(日) 23:59:36 ID:p0CsIp6l
>>558 「蠢動」
そっちの春、二作目。
情景は想像しやすい。よく言葉が整理されている。
ただ中身が薄い気がする。特に新しい発見も表現も無く、既成概念を掘り起こしただけな感じ。
春と「春」の引っ掛けもあざといし安直な感じ。

610 名前:長介ジュニア ◆kuJg2yitX6 [sage] 投稿日:2007/04/02(月) 22:32:21 ID:AUuMveHY
>>558
やられた。「佐保でぇす」の一行は、あまりにも鮮やかでござる。
この詩にただようなんともいえぬ薄気味悪さは得難いものでござる。
小品でござるが、独特の味があって忘れられぬ。

613 名前:嫁心迦葉 ◆5GENy7aSTY [sage] 投稿日:2007/04/02(月) 22:43:09 ID:KNSl9j4g
>558 蠢動
今、“さくらん”という映画が上映されています。
エンディングの歌詞がいいですね。
発想は面白い。つまり惜しい作品。
ただこれ以上膨らまして、今あるコミカルさが消えてしまうなら、これが限界なのか、どうか

261 名前:鞭 ◆ILLsmD2C1w [sage] 投稿日:2007/04/03(火) 11:39:56 ID:32XUauDY
あい、ども。『蠢動』書きました空気コテです。

春の女神の佐保姫に春を売らせるってのは最高に面白いと思ったんですが
料理しきれてなかったですね。
で、孕んだのはまた春なつもりでした。

欲望とか知略とかがぞぞぞとおごめきあうような春を書きたかったです。

螺旋竹輪さん、三点もありがとうございました。

審査・集計毎度ありがとうございます。お疲れ様でした。
楽しかったです、ありがとう。

300 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/04/06(金) 01:43:38 ID:TAJwOoHF
>>261
おー、睾丸選手だったのかあ。作風の幅が広いです。
でも、もう少し「なぜ左保がそのようなことを企むか」の理由を仄めかす分量が欲しかったかも。


【得点】 4点
  • 螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2:3点
  • 長介ジュニア ◆kuJg2yitX6:1点





春一番



長老はまだ表に出てはならぬと言った
枯れた声でしかし厳格に
では今差し込んでくる光は幻なのか
では今匂ってくる香りは偽物なのか
慣れからくる特有の怠けではないのかと
疑いと軽蔑のまなざしを長老にくれ
一歩また一歩穴から這い出す

ぼやけた太陽
花の匂い
淡い色のコート
やはり春は来ていたのだ
おっと飛ばされそうなこの風は 春一番
この素晴らしい世界に歌いだしそうになって
森へ行ってみよう
秋に死んだ虫たちが転がっているかも知れぬ

しばらくして今期初めての雪が降った
働き者の少しせっかちな彼は戻ってこなかった
またしばらくして穴から這い出た長老に運ばれ
「おいしそうね」
口に銜えたキリギリスと共に
目覚めた女王の最初のディナーとなった



559 名前:春一番[] 投稿日:2007/03/26(月) 21:48:18 ID:s+WeueWw


【コメント】

582 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/29(木) 04:24:57 ID:V1ZBfNS/
>>559
上手。面白い。SF的設定とか原始人モノと思わせといて実は蟻の巣の話でした、というオチが
素直に笑えた。惜しいところを探すと「秋に死んだ虫たち」で勘のいい奴にネタバレする可能性も
あるので「秋に取りそこなった果実」とか適当にボカすと良かったかも。でも本当は問題なし。
あるとすれば、タイトルかなあ。春一番についウキウキしてしまうのは私も同じなので、この働き蟻
の気持ちは痛いほどよくわかるのだが。「春一番に誘われて」くらいが目くらましにもなっていいかも。
「春一番の誘惑」だとバレる。いや、やっぱそのままでいいか。ごめん。とにかく秀作。

589 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/30(金) 01:56:06 ID:nftgXb7z
>559 春一番
蟻の春一番なのだろうか 念頭に蟻ときりぎりすの話を置いて読む
しまいに両方とも女王の食事と化す 春一番には 春の陽気に目覚めた生き物たちがもっとも獲物を
探している時期でもあって そりゃ危険だ 「長老」の声に耳を貸さないと餌食になるんだよという訓を
ちりばめた 春の掟がこの作品のポイント

602 名前:ナナシー ◆zMYfgmhp9w [age] 投稿日:2007/04/01(日) 23:59:36 ID:p0CsIp6l
>>559 「春一番」
イソップ童話的な寓意だけど鮮度は無いね。
1,2連目の表現の流れはいいけど3連目の表現がちょっとぼんやりしている。
しかし女王蟻が蟻を食うのだろうか。それも「おいしそうね」と言って。

607 名前:元構造 ◆/Cej999/v6 [sage] 投稿日:2007/04/02(月) 20:59:52 ID:RH41Ghpy
>>559
アリの世界を描いたということかな。
後半部の毒だが正直後味の悪さは余り感じなかった
露悪的だなとすら感じなかった。
さらりとしてひっかかりがない。

610 名前:長介ジュニア ◆kuJg2yitX6 [sage] 投稿日:2007/04/02(月) 22:32:21 ID:AUuMveHY
>>559
寓話の詩として遺漏のない作り。お見事、といいたいところでござるが
整然としすぎていて、余情がない気がいたすのう。
ひと味足りぬ、というべきか。
教訓詩、というカテゴリに止まってしまっている気がいたす。


【得点】 3点
  • まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk:3点





GREEN FUZ



頭に来るよなおてんきなのに
ケツまですっかりびしょ濡れだ
へばりついたシャツをひきずり

テーブルにお笑い種が染みこめば
酒を飲んだ鯨がつっこまれて暴れ
硝子がそこらにとびちる
ばきばきに踏まれた挙句に
炭酸と汚泥と混じりあって
あとは割れきったスピーカーから
GREENFUZZが聞こえるだけで

へこんだ缶はびりびり震えるだけ
あちこちに放り投げられる

そしてそれでもお外では
むかつくポカポカを餌にして
縮れ毛がたったいま生まれた

乱雑音は酔客を揺らして
いちめんの枯れ草に
嘔吐とおひさまがぶち撒かれてしまった
くそ喰らって
殖えろ生えろ地に満ちろ
くそっ垂れの息子ども
しょうがねえと
猛烈に掻き毟った地面は
すっかりねじれて緑色


560 名前:GREEN FUZ[sage] 投稿日:2007/03/27(火) 01:33:50 ID:oaBYxBzw


【コメント】

582 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/29(木) 04:24:57 ID:V1ZBfNS/
>>560
なんだろ、第一印象、空騒ぎのファズの意味を主軸にファズギターがギュワンギュワン歪む音と、
ヒューズがぶっ飛ぶ時の火花と、更にはメロンソーダかなんかのフィズまで連想して、ぐっちゃぐちゃ
の喧騒の中の酒場で暴れる男の大立ち回りみたいなイメージで読み進めていたわけですが。
しかしお題の春を意識すれば、やっぱりこのグリーンというのは新緑みたいなものだと思うので、
最後なんだか知んないけど掻き毟ったら緑色、というので少し安心してこれは葛藤の末に春を迎える
心境でも謳ったのかなあ、とそこまで考えた。それ以上考えると頭痛くなるからもう考えない。

590 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/30(金) 23:00:42 ID:nftgXb7z
 >560 GREEN FUZ
GREEN FUZな春
In spring         この作品の字脚を揃えてそのまま歌詞にして歌ったらどうだろうと思ったんです
rare and obscure music個人的に感じるものがあるんだけど やりきれない気分とか
Blue spring        春に逆行する逆撫でされるような情感とか 春に確か過ぎる程
Yellow spring.       実感する摩擦抵抗とか 反抗とか春のやわらかな日差しの中
Green spring       反転するエリアにいる自分とか どこか痛む春
Soppy spring  Garage rock Psychedelic Hard rock Metal punk
 >猛烈に掻き毟った地面は
 >すっかりねじれて緑色
ここ アンダーグラウンドの春 わたくしは言葉にするのが下手だけれど感じることはできる
マーシャルから伝う地響き 耳をふさぐ前の記憶までわたくしを吹き飛ばしてくれた 確かに春

603 名前:ナナシー ◆zMYfgmhp9w [age] 投稿日:2007/04/02(月) 00:00:28 ID:84+ABfBd
>>560 「GREEN FUZ」
特にコメントが浮かばない作品。何も感じなかったんだ。
単に僕には合わないというだけかもしれないし、作品にその原因があるのかもしれない。
欠点は特に思いつかないけど、特筆する部分も無い。

607 名前:元構造 ◆/Cej999/v6 [sage] 投稿日:2007/04/02(月) 20:59:52 ID:RH41Ghpy
>>560
酒場の光景と野外とが合わさってるんだろうか
その辺でイメージの限定がされなかった分
やや混乱が目立つ。
ひびくひとにはひびく種類の詩かな。

611 名前:長介ジュニア ◆kuJg2yitX6 [sage] 投稿日:2007/04/02(月) 22:33:06 ID:AUuMveHY
>>560
音楽か何かに元ネタがある作品なのかのう、と思って調べてみたでござる。
クランプスというバンドの曲にGreen Fuzというのがあるのでござるな。
とはいえ、クランプスを聴いたことのない拙者には、この詩はわからぬ部分が多い。
言葉のやけくそなエネルギーは感じられるのでござるが。

613 名前:嫁心迦葉 ◆5GENy7aSTY [sage] 投稿日:2007/04/02(月) 22:43:09 ID:KNSl9j4g
>560 GREEN FUZ
瞬発力と破壊力を兼ね備えた作品
終わりへ疾走する描き方が印象に残るだけで
春の出来事であり、春のことを歌ったわけではない。
特筆すべき点は最初に述べた点。作者はこれで満足なのか疑問 
この理由により残念ながら加点を逃しました。

330 名前:元構造 ◆/Cej999/v6 [sage] 投稿日:2007/04/06(金) 23:56:29 ID:tOBPQ+Ak
どうも皆様お疲れ様。
ちなみに今回はGREEN FUZを投稿させていただきました。
長介ジュニア氏や竹輪氏の指摘道理ガレージパンクのクラシックを題材としたものです
荒れてザラついた春の感覚を表現できればと思いました。
自分で改めて読んだ感想は書いた評の通りです。

来週再来週とあわただしいんで次回は審査できないと思います。
それではご機嫌よう。

332 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/04/07(土) 00:09:40 ID:thCUjrPZ
>>330
おお、あれがそうだったのか。ガレージパンクが好きとはちと意外だったなあ。
ライノのナゲッツのBOXとか持ってんのか。俺も実は大好きでなあ、ニッカーボッカーズとか
ソニックスとかたまらんよなあ。あっ、音楽の話題出されると馴れ合いモードになってしまう。
いかん、いかん。構造くんとは敵対してないと盛り上がんないからな。


【得点】 1点
  • 螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2:1点





送電線



送電線のたわみが美しく見えるのは春だからだ

鈍く広がるツートーンカラーの空と
淡くこんもるツートーンカラーの桜と
なんだかよくわからんがそんなのを後背に彩らせ
やや かっちょう 酒を注ぎましょう
上撰 上撰 肥後上撰
イタチ転がる土手かすみ
ほや ぶっちょう 小言は聞きましょ
なるほど なるほど 上の空
奇怪な枝つき哀れな木
あや 見上げる空に送電線
酒と桜と送電線
月と雲と送電線

ねえ、お前、羨ましいほどにたわんでる


561 名前:送電線[sage] 投稿日:2007/03/27(火) 03:55:12 ID:YtZPUjGb


【コメント】

582 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/29(木) 04:24:57 ID:V1ZBfNS/
>>561
花見かなんかで酔っ払ってますけど、その光景をサンドイッチにした送電線に関するひと言が
何やら意味ありげで面白い。たわみの美しさに今度注意を払ってみます。程よい肩の力の抜け方
とかかしら。開放感かな。

590 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/30(金) 23:00:42 ID:nftgXb7z
 >561 送電線
ぴんと張り詰めることの多い日常との対比を感じながら送電線を見る機会がある春
必要最小限の言葉で見上げた送電線のある空と自分の心境を巧く書いていると思った
お花見のシーン 想像させる余地を残した書き方のお手本のよう
 >送電線のたわみが美しく見えるのは春だからだ
 >ねえ、お前、羨ましいほどにたわんでる
本当だ 共感できる

593 名前:ゼッケン ◆ZkkenDgUE6 [] 投稿日:2007/03/31(土) 14:45:54 ID:jTu7qbsD
561 :送電線
これはうまいですねえ。これぞ情景描写というんですか。この地味さがまたいいですね。
うまい。

603 名前:ナナシー ◆zMYfgmhp9w [age] 投稿日:2007/04/02(月) 00:00:28 ID:84+ABfBd
>>561 「送電線」
送電線に視点を合わせたのは面白い発想だけど、酔っ払いの気まぐれな視線の移ろいを感じるだけで心に響く部分が無い。

606 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2007/04/02(月) 19:59:14 ID:DTmhvRiE
>561 送電線
ほんわかとしました。春に酔えた一品だったので 1点

607 名前:元構造 ◆/Cej999/v6 [sage] 投稿日:2007/04/02(月) 20:59:52 ID:RH41Ghpy
>>561
非リズミカルな一連、三連にリズミカルな二連が
包まれているという構図。乱交が額縁にかかってるような感じかな。
なんだろ、説明しがたいが多分リズム感覚が非常にいいのだろう。
花見酒のようなほろ酔い加減の軽妙さに、畳み込むイメージが
合っている。詩としてシメるにはいい手法だな。

611 名前:長介ジュニア ◆kuJg2yitX6 [sage] 投稿日:2007/04/02(月) 22:33:06 ID:AUuMveHY
>>561
ひそかに送電線好きの拙者としては、心に響く作品でござった。
春ののびやかさを表現するのに送電線を持ってくる。これだけで加点!でござる。
第二連の言葉遣いのあやしさ(「こんもる」とはなんぞや?しかし意味はわかるのが
凄いでござるな)も何のその。最後の一行の見事さで、もう勝ったも同然でござる。

613 名前:嫁心迦葉 ◆5GENy7aSTY [sage] 投稿日:2007/04/02(月) 22:43:09 ID:KNSl9j4g
>561 送電線
たかが“たわみ”ですが作者はこれを主題に持ってきている。
私が興味があるのは、このような部分を主題に持ってくるその感性
感性はひとそれぞれ様々ですが、違和感と疑問が残る。決して見下しているのではなく。
これが人様々なのよね。と気付きを改めて感じました

264 名前:豆腐 ◆POM/5/.7A. [sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:10:38 ID:N5urpC4x
「送電線」書きました。
読んでくれて審査してくれてありがとうございます。
なにかしら感想を頂けるってのはやっぱり嬉しいもんですね。
さらには点数まで頂いて喜んでいるところです。ありがとうございました。

と、準チャンプが嬉しくて名乗り出てみる。

300 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/04/06(金) 01:43:38 ID:TAJwOoHF
>>264
おー、たわみの人。はじめまして。これからも評価の高低に関わらず名乗り出てくださいよ。
なんか今思ったけど、ここって評価高いときだけ名乗ってる人の割合が高いのかな。
それはね、ズルいと思いますが、審査員増えれば誰かしらに誉められる確率も高くなるからね、
やっぱもっともっと増やさないと面白くはないわなあ。


【得点】 6点
  • まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk:1点
  • 螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2:2点
  • 葉土 ◆Rain/1Ex.w:1点
  • 長介ジュニア ◆kuJg2yitX6:2点



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最終更新:2007年04月09日 22:45