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〜リリースの基礎練習〜

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powerkoil18

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トレーニング中級編(2)〜リリースの基礎練習〜


目次




ローダウンリリースの基礎練習


ローダウンリリースの<押しこぼし>動作


現在自分の投げているボールより2〜3ポンド軽いハウスボールを用意します。
肩の下でカップを作りサムは入れずにフィンガーだけ入れボールを持ちます。
(盆の上に球を載せ持っているような状態)

スイングせずに腕はそのままでゆっくりアプローチしていき、
フィンガー方向に<リストブロークン>して手の平の手首側で球を押すようにリリースします。
(盆をピンデッキ方向に傾けるイメージ)

これがローダウンリリースの<押しこぼす>という動作です。
慣れてきたらだんだんスイングしてもかまいません。

小指方向にこぼすとリフト&ターンになります。
中指方向にこぼす意識を忘れないようにしてください。

サムリリースとフィンガーリリース


一般にリリースでは回転や球威を増すために
「サムを早く抜き、フィンガーを遅く抜く」ようにいわれます。
確かにリリース時にそのとおりになっていれば
リフトできる円周が長くなり回転数が増えます。

ただしその考え方を実際のリリースで具体化する場合に
オールドスタイルの「振り子スイングとリフティング」でおこなうと
逆効果になることがあるので注意が必要です。

振り子の原理ではサムリリースを早めるとフィンガーも早く抜けます。
サムを遅く抜くとフィンガーの届く距離が短くなります。
結局リフトできる長さは変わりません。

リフトの距離を長くするにはサムリリースのときに手はボールの下にあり
フィンガーリリースでは指をボールの上に持ってくることが必要です。

  • ボールを落とさずサムを早く抜く⇒手首が勝っている
  • フィンガーで長くボールをリフトする⇒サムリリース後にボールを追える
あくまで「サムを早く抜き、フィンガーを遅く抜く」ためには
上記の条件を満たしている必要があります。

しかしローダウンではボールの下にフィンガーがある状態から
リストをブロークンにすることで一気に半円を回し切ります。
つまりローダウンでリストブロークンの動作が速いのは
フィンガーリフトを強くするためではなく
ボールが手から離れる前に回し切って
なるべくリフトする距離を長くするためです。
そのようにローダウンリリースではサムを早く抜こうとしなくても、
またフィンガーを遅く抜こうとしなくても原理的にそうなるのです。

ローダウンのタイミングが取れているなら、
サムリリースの時には十分にボールの下に手が来ていますから、
フィンガーで追うイメージを持つ必要はありません。
むしろフィンガーリフトを意識することはリストを固くしてしまい、
回転数を落とす原因となることに注意しましょう。

リストブロークンの訓練


リストブロークンの練習をおこないます。
ボウリング場でなく部屋でシャドーボウリングでもよいでしょう。

右投げ、5歩助走で説明します。

まずアプローチの4歩目の位置に立っていると考えます。
上半身は軽く前傾し膝も軽く折って構えます。
次に上半身を捻りながら右腕を前後にぶらぶら(スイング)させましょう。
右手は親指だけを折り込んで指先を伸ばし、手の平はピンデッキ方向へ、
左手は指先をだらりとさせて手の甲をピンデッキ方向へ向けます。
この時上半身が巧く使えていれば
左腕は右手と反対方向にぶらぶらしているはずです。

そうやって「いーちぃにーぃ」とぶらぶらしたら
「さーん」の三回目のフォワード開始に合わせて左足を踏み出します。
いわゆるワンステップ投球です。

この時注意する点は三つです。

  • ボールはできうる限り低くリリースすること。
  • 左手の指先がこわばっていないか。<脱力>できているか。
  • しっかりブロークンリストになっているか。

ボールがファールラインをすぎる時、
瞬間的に手の甲がファールラインに対して垂直になるイメージを持ちます。
カップも肘まげも意識しません。
肩から指先まで腕はまっすぐにのばします。
ゆったりとしたスイングの中で
弾けるようにリストブロークンをおこないます。

上記の動作を体に染み付くまで繰り返します。
覚えたら今度は同じ事をボールを持ってボウリング場でおこないます。

最初はコントロールも回転も気にしてはいけません。
三つの注意点だけに集中しましょう。
脱力>、リストブロークン、リリースの高さ、
5cm以上の高さから落とさないようにしましょう。

最初の内はシャドーの時よりスイングが遅れて
タイミングがとりにくいかもしれません。
振り子の支点(肩)が前方に移動するため
ボールが後ろに引っぱられスイングが遅れるからです。
ですが、それでタイミングをとれるようにしてください。

フォワード開始と蹴り足のタイミングが合っているほど
腕に負荷を感じてスイングは遅れます。
しかしこの負荷こそがスピードとパワーの源であり、
同時にカップリスト(手首を勝たせる)きっかけになります。

そして素早くブロークンしたほうが
よりリフト感が得られるという事を体で理解しましょう。
念のために言いますがフィンガーリフトをしてはいけません。
上にリフトするのは間違ったイメージです。

フォロースルーは完全に<脱力>します。
脱力>していてもテノデーシス・アクション
伸長反射によって勝手にスナップがきいてくれます。
サム抜けの音がしだすと恐らく完成です。

僕はよくプレイ中に「柔らかく」って言うだろ。
力むとボールにパワーが伝わらないからね。
日本には「合気道」っていうのがあるじゃないか。
僕は「合気」の発想はボールにタイミングを
合わせるというのと同じだと思う。
「脱力」することで相手の力を利用するんだ。
だから小さな人でも大きな人を投げ飛ばせるのさ。
【参考リンク】合気道-Wikipedia

ステップとリストワークの関係


振り子の支点の移動は、支点が移動する逆方向へと
先の重りを振り上げる作用があります。

ボウリングの投球では体/肩が支点で、ボールが重りです。
体が加速するとボールは後ろに浮き上がります。
バックスイングのトップからフォワードスイングに入るとき、
体(肩・振り子の支点)が蹴り足により急加速されれば、
同時に開始されるフォワードスイングは減速され、
自然と手遅れの状態が得られます。
すなわちしっかり蹴り足でキックできており、
なおかつ腕に力みが無ければ自然とスイングは遅れるはずです。
キックできているか、力で振り下ろしていないかに注意しましょう。

支点が移動すると先の重りは逆に動きます。
ボウリングの投球では体/肩が支点で、ボールが重りです。
体の動きが止まるとボールは浮き上がります。
スライドが停止し体(肩・振り子の支点)が減速すると
リリース直前、球が(見かけ上)手首のほうに浮き上がってきます。
そのためサムは穴の中にめり込むような形になりますが、
直後のリストブロークンにより手首から跳ね返されるように一気にぬけます。

<抱え込み>の<位置/タイミング>を感じる


位置/タイミング>によってボールが浮き上がる感じをつかむために
アプローチに上がらずにボールを持ってぶらぶら振るだけの姿勢を作ります。
歩幅、トップとも小さい方が理解しやすいでしょう。

まず<脱力>したままで普通に投げましょう。
ファールライン上にボトンと落とす感じでかまいません。
この時腕に神経を集中すると、5歩目のブレーキで体が減速を始めたときに
腕が勝手に振れるのを感じられるはずです。

さらに集中すると肘を支点としたスイングが発生しているのがわかります。
これは体が想定しているスイングスピードを球のスピードが追い越すため起きます。

この部分は一般的に<抱え込み>と言われる部分です。
今述べたように正確には「振り子の支点の移動」であり
腕相撲やけんすいをするときに使う筋力はほとんど使用しません。
【参考リンク】上腕筋群

あとはその「勝手にまがってしまった」肘をのばしてリリースするだけです。
これだけで十分強い回転を得る事ができます。

リストアクションは考えなくても構いませんが、
手首がこわばっていなければ肘をのばした時に勝手にカップができます。

「振り子の支点の移動」こそが<位置/タイミング>でカップリストになる理由です。
この肘からのスイングは<脱力>、強い4歩目、
それによって遅れるスイング、5歩目の急ブレーキ、
そして低いリリースでいっそう顕著になります。

スイングとステップの<位置/タイミング>次第でリストは勝ってきます。
その<位置/タイミング>をつかめるよう模索してください。
ただしタイミングを感じられるところまで神経が訓練されていないと
上手くできていても感覚が曖昧で気付けない・分からない。
また何回かに一回偶然できるだけで使い物にならない可能性があります。

タイミングがいいとボールの方から手に貼り付いてくるよ。
それだけパワーがボールに伝わってるってことなんだ。
無駄な力が入ってるとそこだけが疲れてしまうけど
上手になるほど練習もじわじわ全身に効くようになるよ。
つまり全身のパワーがボールに伝わってるってことさ。
強いボールを投げるためにタイミングは重要だ。
だって自慢のパワーを活かせないなんて馬鹿げた話だろ。


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