これは、遠い未来の出来事-
地球の命運を背負って旅立った
新任の宇宙艦隊司令官の話...
経緯
純度の高い破壊本能で構成される未知の生命体が銀河系ペルセウス腕の中央付近で観測された。
この生命体群が繰り返す膨張と増殖に指向性が見出されるに至り、この生命体への人々の関心は強まった。
生命体の群れは脅威的なスピードで増殖移動を繰り返し、太陽系があるオリオン腕に進入した。
慌てて算出した生命体群の進路予測に人々は戦慄した。
広大な宇宙で無限に進路のとりようがあるにもかかわらず、太陽系を横切るような進路をとっていたのである。
未知の生命体への強い関心は、この時恐怖に変わった。
そして、人々は、この生命体を“バイド”と呼ぶようになった。
バイドの侵攻を食い止めるべく開発された次元戦闘機は、その機動性と戦艦並みの火力によって、局地的にはバイドとの戦いでめざましい戦果をあげた。
しかし、局地的な戦闘の積み重ねでは、大挙するバイドの攻勢を退けることはできず、大局的には人類は圧されに圧された。
そして...ついにバイドは
太陽系外縁部に到達したのだ。
人々のバイドへの恐怖は、狂乱を呼び、世論は二分した。
あくまでバイドを打倒・根絶し、地球を悪魔の手から守ろうとするグループと
また、一方ではバイドとの戦いの困難さを訴え、地球を放棄し別の星への移住を優先させようとするグループとに。
この論争の結論がでないまま、ある司令官に指令が出された。
「地球に残る残存兵力を率いて、木星公転軌道に入りつつあるバイドを討て」と...
最終更新:2015年11月06日 16:06