第549話:最強証明(後編) 作:◆CC0Zm79P5c
 シャナとフリウが近づく。水晶眼の最大射程。それはヘイズの射程より、僅かに長い。
コミクロンの魔術ならば迎撃も出来ただろうが、怪物となったシャナに防がれるのは自明の理だ。
故に、コミクロンは動かない。ただ、ヘイズだけが一直線に敵を見据えている。
「此に更なる魔力を与えよ!」
「――開門よ、成れ!」
破滅が宣告される。
音もなく、完全な破壊精霊ウルトプライドがヘイズの傍らに現れる。
破壊精霊は最寄りの物質から破壊する。この場合は、平地の中心に『ひとり』佇むヘイズから。
だが、誰も動じない。
ウルトプライドが拳を振り上げる。それでも誰も叫ばない。
(敗因その一。俺はすでに、その巨人を一度見ている)
故に、予測演算のための情報には困らない。
拳が振り下ろされ、着弾して、ヘイズがこの世から消滅する瞬間。
その死までの予定時刻を、ヘイズは完全に予測しきっていた。
<予測演算成功。『破砕の領域』展開準備完了>
空を飛ぶ彼女達。上空から落ちてくるのならば、それはこちらに近づいてくるということだ。
銀の軌跡がヘイズを捉える直前――その僅か寸前に、射程に届く。
ヘイズは指を鳴らした。パチンという小さな音が、だが決定的に静寂を揺るがす。
指先から生じた空気分子の変動が広がっていく。それは瞬時に夜空を駆け昇り、巨大な論理回路を展開する――!
破壊を司る巨人が、消えた。
「っ!?」
彼の『破砕の領域』では、巨人に致命傷を与えることは出来ない。無論、上空の彼女たちにもだ。
だが、ひとつだけ例外があった。
彼女たちの姿勢を制御していた物。破壊精霊を宿すフリウが下を向いているために必要な物。
炎の翼が、情報解体される。
咄嗟のことだ。スカイダイビングの経験者だって即座に対応することは出来ない。そしてフリウにその経験はない。
体勢が落ち葉のようにクルクルと回転し、破壊精霊の照準が定まらない!
「くっ――!」
シャナはフリウを後ろから抱きかかえているため、破壊の視界に入ることはない。
それでもこのままでは激突死は免れない。
シャナは意識を集中させた。再び翼を作り、姿勢を制御――
(それも、予測済みだっ!)
だが前の一撃の後、ヘイズはすでに次の演算に移っている。
<――『破砕の領域』展開準備完了>
ヘイズがもう一度指を鳴らし、翼を散らす。
まるで神話にある蝋の羽の英雄のように、彼女たちの落下は止まらない。
シャナは翼を展開し続けるのは難しいと判断した。よって、その選択肢を排除。
地上ギリギリで一瞬だけ翼を構築し姿勢制御、吸血鬼の身体能力を使い、落下の衝撃とフリウの体重を支える。
フリウは目が回っていたが、それでも吐き気は堪えていた。歪む視界にヘイズを捉える。
(壊れろ!)
念じる。破壊精霊が狙いを取り戻し、再びヘイズを狙う。
ヘイズに避ける手段は、無い。
だが、やはりヘイズは動じない。避けるでもなく、じっと精霊の拳を見据えている。
(敗因その二。俺たちの方が手足の数は多い)
ヘイズに避ける手段はない。だからヘイズの代わりに、未来を書き換える者が居た。
ガサリという木の葉が擦れる音。
倒木の、葉っぱが生い茂ったたくさんの枝。そこからコミクロンの上半身が突きでている。
敵の上昇を見て取った瞬間、すぐにヘイズ以外の『二人』はその中に隠れたのだ。
コミクロンは頭の中で編んでいた、巨大な魔術構成を解き放つ。
ヘイズの論理回路と相克し、黒魔術は弱体化する。
だがそれも、構成が酷く単純で見習いでも発現できるようなものなら支障はない。
しかしシャナの反応も速い。瞬時にコミクロンとの間に夜傘を展開し、防御の体勢を取る。
だが、それも関係ない。
なぜならば、それを打ち破るのは破壊の王なのだから。
「コンビネーション0-2-8!」
フリウはその破壊の左目の中に、ヘイズを映していた。
だが、その姿が変化する。
(……誰?)
見覚えがあるようで、ないようで、はっきりしない。
だが、すぐに気づく。見覚えはある。だが、それを生の視線で見ることは無かった。
フリウ・ハリスコー。絶対破壊者が己の視界の中にいる。
(どうして――!?)
コミクロンの使った魔術は光線の屈折。
百八十度屈折し、反射となった視線はフリウ自身を捉えていた。
破壊の王が顕現する。フリウの前に、初めてその破壊意思を主に向ける。
「――!」
慌てて閉門式を唱え、精霊を封印する。
フリウと繋がっているシャナも、視界の変化を感じていた。だが、戸惑いはない。
贄殿遮那を一振りする。瞬時に平地は炎に満たされた。
通常の炎ならば魔術に干渉は出来ないだろう。だが、シャナの炎は普通の炎ではない。
コミクロンの魔術の構成が焼き尽くされ、さらに拡大してヘイズとコミクロンを狙う。だが。
「我退けるじゃじゃ馬の舞い!」
だがフレイムヘイズの炎が魔術に干渉できるのなら、魔術もまたその炎に干渉できる。
パン――という乾いた音がして、炎が鎮火される。
「新手か!」
シャナとフリウが声の方を見やると、やはりコミクロンと同じように隠れていたオーフェンの姿があった。
魔術は防御と攻撃、そのふたつを同時に行えない。
その欠点を補うため、一方が防御を、そしてもう一方が攻撃を司る。
オーフェンの世界での強力無比な戦闘集団。宮廷魔術士<十三使徒>の常套手段。
だがその戦術は、彼らの異能が連発できないということを暗示していた。
シャナはそれをすぐに看破し、フリウと共に次の行動に移っていた。予想外。だが、まだ戦力はこちらの方が上だ。
(わたしがあの白衣を殺す。おまえはもう一度精霊を)
(わかった)
言葉すら使わず、意思の疎通が行われる。故に彼女たちの行動は最速。
「通るならばその道。開くのならばその扉――」
フリウの開門式を背に、シャナが駆け出す。左手に贄殿遮那。右手に神鉄如意。
だが、一歩目を踏み出す時にシャナは違和感を覚えた。
黒ずくめの出現は予想外。ならば。
(もうひとりは――どこだ!?)
気付き、コミクロンへと向かう速度を上げる。
その時、声が聞こえた。
「敗因その三――」
もはや空気分子の振動のことを考えなくてもよいヘイズが呟いている。
炎の余波で『破砕の領域』は使えない。だが。
「――うちのお姫様を怒らせたことだ」
鮮血が舞う。
背中を袈裟に斬られ、シャナはその場に崩れ落ちた
倒れ臥す最中、見ると虚空から騎士剣と、そして無慈悲にこちらを見下ろす少女の顔が浮いている。
火乃香だった。形見の迷彩外套を身に纏い、敵が着地した瞬間から気配を絶って忍び寄っていたのだ。
奇襲ならば、身体能力の差を零に出来る。
「――先生の、仇だっ!」
そう叫ぶ彼女の顔は、泣いているようにも見えた。
居合いの勢いは、体を両断するものだっただろう。
だが寸前に気付いたシャナは、何とか回避行動を取れていた。
傷は深いが生きている。そして生きているなら――
「――殺す!」
具象化した炎の拳が、火乃香を打ちすえようと振るわれる。
コミクロンの魔術ならば迎撃も出来ただろうが、怪物となったシャナに防がれるのは自明の理だ。
故に、コミクロンは動かない。ただ、ヘイズだけが一直線に敵を見据えている。
「此に更なる魔力を与えよ!」
「――開門よ、成れ!」
破滅が宣告される。
音もなく、完全な破壊精霊ウルトプライドがヘイズの傍らに現れる。
破壊精霊は最寄りの物質から破壊する。この場合は、平地の中心に『ひとり』佇むヘイズから。
だが、誰も動じない。
ウルトプライドが拳を振り上げる。それでも誰も叫ばない。
(敗因その一。俺はすでに、その巨人を一度見ている)
故に、予測演算のための情報には困らない。
拳が振り下ろされ、着弾して、ヘイズがこの世から消滅する瞬間。
その死までの予定時刻を、ヘイズは完全に予測しきっていた。
<予測演算成功。『破砕の領域』展開準備完了>
空を飛ぶ彼女達。上空から落ちてくるのならば、それはこちらに近づいてくるということだ。
銀の軌跡がヘイズを捉える直前――その僅か寸前に、射程に届く。
ヘイズは指を鳴らした。パチンという小さな音が、だが決定的に静寂を揺るがす。
指先から生じた空気分子の変動が広がっていく。それは瞬時に夜空を駆け昇り、巨大な論理回路を展開する――!
破壊を司る巨人が、消えた。
「っ!?」
彼の『破砕の領域』では、巨人に致命傷を与えることは出来ない。無論、上空の彼女たちにもだ。
だが、ひとつだけ例外があった。
彼女たちの姿勢を制御していた物。破壊精霊を宿すフリウが下を向いているために必要な物。
炎の翼が、情報解体される。
咄嗟のことだ。スカイダイビングの経験者だって即座に対応することは出来ない。そしてフリウにその経験はない。
体勢が落ち葉のようにクルクルと回転し、破壊精霊の照準が定まらない!
「くっ――!」
シャナはフリウを後ろから抱きかかえているため、破壊の視界に入ることはない。
それでもこのままでは激突死は免れない。
シャナは意識を集中させた。再び翼を作り、姿勢を制御――
(それも、予測済みだっ!)
だが前の一撃の後、ヘイズはすでに次の演算に移っている。
<――『破砕の領域』展開準備完了>
ヘイズがもう一度指を鳴らし、翼を散らす。
まるで神話にある蝋の羽の英雄のように、彼女たちの落下は止まらない。
シャナは翼を展開し続けるのは難しいと判断した。よって、その選択肢を排除。
地上ギリギリで一瞬だけ翼を構築し姿勢制御、吸血鬼の身体能力を使い、落下の衝撃とフリウの体重を支える。
フリウは目が回っていたが、それでも吐き気は堪えていた。歪む視界にヘイズを捉える。
(壊れろ!)
念じる。破壊精霊が狙いを取り戻し、再びヘイズを狙う。
ヘイズに避ける手段は、無い。
だが、やはりヘイズは動じない。避けるでもなく、じっと精霊の拳を見据えている。
(敗因その二。俺たちの方が手足の数は多い)
ヘイズに避ける手段はない。だからヘイズの代わりに、未来を書き換える者が居た。
ガサリという木の葉が擦れる音。
倒木の、葉っぱが生い茂ったたくさんの枝。そこからコミクロンの上半身が突きでている。
敵の上昇を見て取った瞬間、すぐにヘイズ以外の『二人』はその中に隠れたのだ。
コミクロンは頭の中で編んでいた、巨大な魔術構成を解き放つ。
ヘイズの論理回路と相克し、黒魔術は弱体化する。
だがそれも、構成が酷く単純で見習いでも発現できるようなものなら支障はない。
しかしシャナの反応も速い。瞬時にコミクロンとの間に夜傘を展開し、防御の体勢を取る。
だが、それも関係ない。
なぜならば、それを打ち破るのは破壊の王なのだから。
「コンビネーション0-2-8!」
フリウはその破壊の左目の中に、ヘイズを映していた。
だが、その姿が変化する。
(……誰?)
見覚えがあるようで、ないようで、はっきりしない。
だが、すぐに気づく。見覚えはある。だが、それを生の視線で見ることは無かった。
フリウ・ハリスコー。絶対破壊者が己の視界の中にいる。
(どうして――!?)
コミクロンの使った魔術は光線の屈折。
百八十度屈折し、反射となった視線はフリウ自身を捉えていた。
破壊の王が顕現する。フリウの前に、初めてその破壊意思を主に向ける。
「――!」
慌てて閉門式を唱え、精霊を封印する。
フリウと繋がっているシャナも、視界の変化を感じていた。だが、戸惑いはない。
贄殿遮那を一振りする。瞬時に平地は炎に満たされた。
通常の炎ならば魔術に干渉は出来ないだろう。だが、シャナの炎は普通の炎ではない。
コミクロンの魔術の構成が焼き尽くされ、さらに拡大してヘイズとコミクロンを狙う。だが。
「我退けるじゃじゃ馬の舞い!」
だがフレイムヘイズの炎が魔術に干渉できるのなら、魔術もまたその炎に干渉できる。
パン――という乾いた音がして、炎が鎮火される。
「新手か!」
シャナとフリウが声の方を見やると、やはりコミクロンと同じように隠れていたオーフェンの姿があった。
魔術は防御と攻撃、そのふたつを同時に行えない。
その欠点を補うため、一方が防御を、そしてもう一方が攻撃を司る。
オーフェンの世界での強力無比な戦闘集団。宮廷魔術士<十三使徒>の常套手段。
だがその戦術は、彼らの異能が連発できないということを暗示していた。
シャナはそれをすぐに看破し、フリウと共に次の行動に移っていた。予想外。だが、まだ戦力はこちらの方が上だ。
(わたしがあの白衣を殺す。おまえはもう一度精霊を)
(わかった)
言葉すら使わず、意思の疎通が行われる。故に彼女たちの行動は最速。
「通るならばその道。開くのならばその扉――」
フリウの開門式を背に、シャナが駆け出す。左手に贄殿遮那。右手に神鉄如意。
だが、一歩目を踏み出す時にシャナは違和感を覚えた。
黒ずくめの出現は予想外。ならば。
(もうひとりは――どこだ!?)
気付き、コミクロンへと向かう速度を上げる。
その時、声が聞こえた。
「敗因その三――」
もはや空気分子の振動のことを考えなくてもよいヘイズが呟いている。
炎の余波で『破砕の領域』は使えない。だが。
「――うちのお姫様を怒らせたことだ」
鮮血が舞う。
背中を袈裟に斬られ、シャナはその場に崩れ落ちた
倒れ臥す最中、見ると虚空から騎士剣と、そして無慈悲にこちらを見下ろす少女の顔が浮いている。
火乃香だった。形見の迷彩外套を身に纏い、敵が着地した瞬間から気配を絶って忍び寄っていたのだ。
奇襲ならば、身体能力の差を零に出来る。
「――先生の、仇だっ!」
そう叫ぶ彼女の顔は、泣いているようにも見えた。
居合いの勢いは、体を両断するものだっただろう。
だが寸前に気付いたシャナは、何とか回避行動を取れていた。
傷は深いが生きている。そして生きているなら――
「――殺す!」
具象化した炎の拳が、火乃香を打ちすえようと振るわれる。
 だが、そこに標的はいなかった。
「――え?」
最初から、火乃香は二撃目を振るうつもりはなかったのだ。
すでに彼女は引き始めている――『射線上』から。
いつの間にか、コミクロンとオーフェンはヘイズの元に駆け寄っていた。火乃香も大きく迂回しながら、それに合流する。
あらかじめ計算され尽されて立案された作戦。だが、この短時間の内に――?
(不味い――!)
コミクロンとオーフェンは、すでに次の魔術構成を展開していた。
傷ついた体を無理に動かし、シャナが無防備なフリウの前に立つ。防御用に夜傘を再び展開。
「敗因その四。偶然この場にいた魔術士は、コミクロンより強力だった」
「ふっ、この天才の人脈だっ!」
騒ぐ二人を横目に――
オーフェンは力強く、真っ直ぐに指さした。眼前の敵を。自分と探し人を危険にさらす存在を。
大規模な構成を編み上げる。魔力は弱められたが、訓練による自制は損なわれていない。
だが、本来の規模でなければ威力が足りない。
その威力をコミクロンが補い、構成を編む一弾指を火乃香が稼ぐ。
「我が左手に――」
「コンビネーション――」
だが呪文を唱え始めた瞬間、フリウが開門式の末尾を唱えた。
「開門よ、成れ!」
破壊精霊が顕現する。不完全だが、それでも人を殺すには十分な力を持っている。
フリウはこの瞬間を待っていたのだ。視線をねじ曲げられる術を使う二人が動けなくなる瞬間を。
視界を得た水晶眼に、四人を映す。
ウルトプライドは咆吼をあげ、目の前の一番手近な物質を殴り飛ばした。
剣が、舞う。
「――!?」
弾き飛ばしたのは、火乃香が投擲した騎士剣だった。
それでも破壊精霊は突進するだろう。そして敵を破壊するだろう。
――だが、それは失われた未来の出来事だ。
膨大な演算の先に、小さな勝利を掴み取る。
全てを予測し、計算し尽したのはヴァーミリオン・CD・ヘイズ。
――それしかすることのできない、欠陥品の人食い鳩である。
「――冥府の王!」
魔術が発動する。キエサルヒマ大陸でも最高峰の魔術士達が吼える。
崩壊の因子。それは破壊の王の胸部に着弾し、着弾した部分を崩壊させ、大爆発を引き起こした。
物質崩壊が破壊精霊を消し飛ばし、夜傘に傷を付ける。
それでもアラストールの皮膜は威力の大部分を削いだ。
――そして、次の攻撃は防げない!
「――5-3-8!」
コミクロンの不慣れな空間爆砕の構成は、それでも傷ついたシャナとフリウに逃げる暇を与えなかった。
空間が踊る衝撃に夜傘が完全に引きちぎられ、その主と背後の絶対者を吹き飛ばす。
――そして荒れ狂う衝撃が止むと、そこには何も残ってはいなかった。
勝敗は、決したのだ。
「……やった、のか」
ヘイズはその場に座り込んだ。I-ブレインを酷使したため、酷く頭痛がする。
誘われるように、コミクロンとオーフェンも腰を下ろした。巨大な魔術の使用は、容赦なく体力を奪う。
「――肝が冷えたぞヴァーミリオン。この天才も、二度くらいもう駄目だと思った」
コミクロンはそんなことを呟きながら、蒼白な顔を両の手で覆っていた。
オーフェンは呻く体力も惜しいのか、ただ荒く息を吐くだけだ。
黒魔術の最終形態の一、物質の崩壊。その代償は大きい。
だが、立ったままの火乃香。聞いたところによれば、彼女は大切な人を失ったばかりだという。
オーフェンにはクリーオウがいる。火乃香にはもういない。
彼女が支払ってしまった代償は、もう返ってこない。
だがその横顔を見て、オーフェンの胸中にはある言葉が浮かんだ。
「――え?」
最初から、火乃香は二撃目を振るうつもりはなかったのだ。
すでに彼女は引き始めている――『射線上』から。
いつの間にか、コミクロンとオーフェンはヘイズの元に駆け寄っていた。火乃香も大きく迂回しながら、それに合流する。
あらかじめ計算され尽されて立案された作戦。だが、この短時間の内に――?
(不味い――!)
コミクロンとオーフェンは、すでに次の魔術構成を展開していた。
傷ついた体を無理に動かし、シャナが無防備なフリウの前に立つ。防御用に夜傘を再び展開。
「敗因その四。偶然この場にいた魔術士は、コミクロンより強力だった」
「ふっ、この天才の人脈だっ!」
騒ぐ二人を横目に――
オーフェンは力強く、真っ直ぐに指さした。眼前の敵を。自分と探し人を危険にさらす存在を。
大規模な構成を編み上げる。魔力は弱められたが、訓練による自制は損なわれていない。
だが、本来の規模でなければ威力が足りない。
その威力をコミクロンが補い、構成を編む一弾指を火乃香が稼ぐ。
「我が左手に――」
「コンビネーション――」
だが呪文を唱え始めた瞬間、フリウが開門式の末尾を唱えた。
「開門よ、成れ!」
破壊精霊が顕現する。不完全だが、それでも人を殺すには十分な力を持っている。
フリウはこの瞬間を待っていたのだ。視線をねじ曲げられる術を使う二人が動けなくなる瞬間を。
視界を得た水晶眼に、四人を映す。
ウルトプライドは咆吼をあげ、目の前の一番手近な物質を殴り飛ばした。
剣が、舞う。
「――!?」
弾き飛ばしたのは、火乃香が投擲した騎士剣だった。
それでも破壊精霊は突進するだろう。そして敵を破壊するだろう。
――だが、それは失われた未来の出来事だ。
膨大な演算の先に、小さな勝利を掴み取る。
全てを予測し、計算し尽したのはヴァーミリオン・CD・ヘイズ。
――それしかすることのできない、欠陥品の人食い鳩である。
「――冥府の王!」
魔術が発動する。キエサルヒマ大陸でも最高峰の魔術士達が吼える。
崩壊の因子。それは破壊の王の胸部に着弾し、着弾した部分を崩壊させ、大爆発を引き起こした。
物質崩壊が破壊精霊を消し飛ばし、夜傘に傷を付ける。
それでもアラストールの皮膜は威力の大部分を削いだ。
――そして、次の攻撃は防げない!
「――5-3-8!」
コミクロンの不慣れな空間爆砕の構成は、それでも傷ついたシャナとフリウに逃げる暇を与えなかった。
空間が踊る衝撃に夜傘が完全に引きちぎられ、その主と背後の絶対者を吹き飛ばす。
――そして荒れ狂う衝撃が止むと、そこには何も残ってはいなかった。
勝敗は、決したのだ。
「……やった、のか」
ヘイズはその場に座り込んだ。I-ブレインを酷使したため、酷く頭痛がする。
誘われるように、コミクロンとオーフェンも腰を下ろした。巨大な魔術の使用は、容赦なく体力を奪う。
「――肝が冷えたぞヴァーミリオン。この天才も、二度くらいもう駄目だと思った」
コミクロンはそんなことを呟きながら、蒼白な顔を両の手で覆っていた。
オーフェンは呻く体力も惜しいのか、ただ荒く息を吐くだけだ。
黒魔術の最終形態の一、物質の崩壊。その代償は大きい。
だが、立ったままの火乃香。聞いたところによれば、彼女は大切な人を失ったばかりだという。
オーフェンにはクリーオウがいる。火乃香にはもういない。
彼女が支払ってしまった代償は、もう返ってこない。
だがその横顔を見て、オーフェンの胸中にはある言葉が浮かんだ。
(それでも絶望はしていない、か。この島にも、まだ希望は残っている)
 決意を秘めた少女の表情に、思わず苦笑いを浮かべる。
――この島に神はいない。
人は疑心暗鬼に殺し合う。
だが。
――この島に神はいない。
人は疑心暗鬼に殺し合う。
だが。
「だが、絶望しない。してたまるかってんだ」
 冷えた夜に、荒く白い息が立ち昇る。
それを見ながら、オーフェンは苦笑していた。
それを見ながら、オーフェンは苦笑していた。
◇◇◇
 目を開けると、そこは森の中だった。
それは当たり前だろう。吹き飛ばされたのだから、背後の森の中にいるのは当然だ。
――だが、それを見ることが出来るのは不自然だ。
(――生きている? 何で?)
フリウは己の生存に驚愕していた。
あの瞬間、死ぬのは当然だと思った。破壊精霊を失った眼球の痛みを感じた瞬間。
そして目前で同一視していたシャナの体が消失した時、ならば自分も死ぬのだと思っていた。
だが、生きている。
(……そうか)
破壊精霊は、死ぬ間際まで破壊を止めない。
爆破の瞬間に、拳を振り下ろしていたのだろう。それが威力を相殺し、尚かつシャナに守られる形になったフリウを救った。
ウルトプライドの真の性質を見抜けなかった、ヘイズの犯した唯一の計算違い。
(なら、壊さなきゃ)
破壊精霊は使えない。虚像とはいえ、それは破壊精霊の力そのものだ。しばらくは回復しない。
体は動かない。両腕が折れている。罅の入っていた右腕はともかく、左腕までが折れているのは――
言葉を思い出す。シャナとフリウが同調した時の言葉を。
『もしもわたしが死んだ時、絶対におまえを道連れにしてやる』
(そうか、あの時――)
夜傘の皮膜が破れた瞬間、シャナはフリウを神鉄如意で打っていた。誓いを果たすために。
だが凶器を振り切る時間はなく、左腕を折るに留まったたのだろう。
(……絶望していたからかな)
防御が破れた瞬間、彼女たちは死を予測し、それに縛られた。
もしかしたら、荒れ狂う衝撃の渦の中でも生き延びられたかも知れない。
たとえばフリウが念糸を使えば。たとえばシャナが贄殿遮那を用いて全力で防御していれば。
……絶望していなければ。
それが――そんなものが、勝敗を分けたのかも知れない。
(皮肉なもんだよね。あの人は仲間の為に敵を殺さなきゃいけなかった。
あたしは理由もなく壊すだけ。なのに生き残ったのはあたし)
ため息をついて、俯く。
それでもフリウは壊すだろう。半身を失っただけでやることに変わりはない。全て壊す。
ひとりでは何も信じることが出来ない。だから壊してしまってもいい。
集中し、念糸を紡ぐ。
念糸に五感は必要ない。相手を目視する必要もない。
あらゆる制限を突破し、念糸は相手に触れられる。人の思いのように。
フリウは顔をあげた。茂みの向こう、自分を殺しかけた四人組全員に、同時に念糸を繋ぐ。
それは当たり前だろう。吹き飛ばされたのだから、背後の森の中にいるのは当然だ。
――だが、それを見ることが出来るのは不自然だ。
(――生きている? 何で?)
フリウは己の生存に驚愕していた。
あの瞬間、死ぬのは当然だと思った。破壊精霊を失った眼球の痛みを感じた瞬間。
そして目前で同一視していたシャナの体が消失した時、ならば自分も死ぬのだと思っていた。
だが、生きている。
(……そうか)
破壊精霊は、死ぬ間際まで破壊を止めない。
爆破の瞬間に、拳を振り下ろしていたのだろう。それが威力を相殺し、尚かつシャナに守られる形になったフリウを救った。
ウルトプライドの真の性質を見抜けなかった、ヘイズの犯した唯一の計算違い。
(なら、壊さなきゃ)
破壊精霊は使えない。虚像とはいえ、それは破壊精霊の力そのものだ。しばらくは回復しない。
体は動かない。両腕が折れている。罅の入っていた右腕はともかく、左腕までが折れているのは――
言葉を思い出す。シャナとフリウが同調した時の言葉を。
『もしもわたしが死んだ時、絶対におまえを道連れにしてやる』
(そうか、あの時――)
夜傘の皮膜が破れた瞬間、シャナはフリウを神鉄如意で打っていた。誓いを果たすために。
だが凶器を振り切る時間はなく、左腕を折るに留まったたのだろう。
(……絶望していたからかな)
防御が破れた瞬間、彼女たちは死を予測し、それに縛られた。
もしかしたら、荒れ狂う衝撃の渦の中でも生き延びられたかも知れない。
たとえばフリウが念糸を使えば。たとえばシャナが贄殿遮那を用いて全力で防御していれば。
……絶望していなければ。
それが――そんなものが、勝敗を分けたのかも知れない。
(皮肉なもんだよね。あの人は仲間の為に敵を殺さなきゃいけなかった。
あたしは理由もなく壊すだけ。なのに生き残ったのはあたし)
ため息をついて、俯く。
それでもフリウは壊すだろう。半身を失っただけでやることに変わりはない。全て壊す。
ひとりでは何も信じることが出来ない。だから壊してしまってもいい。
集中し、念糸を紡ぐ。
念糸に五感は必要ない。相手を目視する必要もない。
あらゆる制限を突破し、念糸は相手に触れられる。人の思いのように。
フリウは顔をあげた。茂みの向こう、自分を殺しかけた四人組全員に、同時に念糸を繋ぐ。
「よお」
そして、既視感。
「……え」
目前に、死んだはずの人精霊が漂っている。多少焦げてはいたが。
「な、なんであんた生きてんのよ――」
「小娘はあれだな。やはり修行が足らん。飲んだくれの師匠は見つかったか?
まあ咄嗟に無抵抗飛行路に逃げ込んだんだが、最近は突然体が爆発するらしい。これはメモしとかねっと」
彼女の疑問を無造作に一蹴しながらスィリーは自分の体を探るが、そんな服装で何かを隠せるわけもない。
人精霊はこの世界でも変わっていない。スィリーに掛かれば、全てが無意味で馬鹿馬鹿しくなる。
(……ああ、そうか)
気付いて、フリウは笑った。
「む。小娘。人を嘲る奴は嘲られているのだと気付くべきだ。
ところで小娘はメモ持ってっか?」
「持ってないよ、そんなの」
「分かってはいた。小娘は所詮、役立たずだと」
「あんたに――」
言われたくない。という台詞を喉の奥に飲み込む。
「……ううん。ありがとう、スィリー」
「メモは無いぞ。まあ感謝は受け取っておくが」
憮然としている人精霊。とても懐かしい姿。
辺りは硝化の森ではない。かつての水溶ける場所ではない。取り戻したのは花ではない。
それでもフリウ・ハリスコーは取り戻した。
(信じられる……あたしは信じられる。言葉を全部覚えてる)
ミズー・ビアンカ。ベスポルト・シックルド。リス・オニキス。
チャッピー。要。潤。アイザック。ミリア。
彼らの言葉を覚えてる。彼女の人生に携わった者達の、すべての言葉を覚えてる。
彼らの生命は終わってしまった。自分が終わらしてしまったものもある。
だけど、それは無くなってなんかいない。
忘れていた。だけど、取り戻した。
(あたしはもう大丈夫だ。アマワ。お前の用意した絶望を退けられる)
まだ言葉を聞ける。元の世界に戻り、気の良いハンター達と言葉を交わせる。
そう信じることが出来る。
もうひとりではないのだから。
「それで、これからどうすんだ小娘?」
「そうだね、どうしようか」
彼女の呟きは、もう孤独に満ちてはいなかった。
腕は動かないが、頬が濡れているのを自覚する。
そして、既視感。
「……え」
目前に、死んだはずの人精霊が漂っている。多少焦げてはいたが。
「な、なんであんた生きてんのよ――」
「小娘はあれだな。やはり修行が足らん。飲んだくれの師匠は見つかったか?
まあ咄嗟に無抵抗飛行路に逃げ込んだんだが、最近は突然体が爆発するらしい。これはメモしとかねっと」
彼女の疑問を無造作に一蹴しながらスィリーは自分の体を探るが、そんな服装で何かを隠せるわけもない。
人精霊はこの世界でも変わっていない。スィリーに掛かれば、全てが無意味で馬鹿馬鹿しくなる。
(……ああ、そうか)
気付いて、フリウは笑った。
「む。小娘。人を嘲る奴は嘲られているのだと気付くべきだ。
ところで小娘はメモ持ってっか?」
「持ってないよ、そんなの」
「分かってはいた。小娘は所詮、役立たずだと」
「あんたに――」
言われたくない。という台詞を喉の奥に飲み込む。
「……ううん。ありがとう、スィリー」
「メモは無いぞ。まあ感謝は受け取っておくが」
憮然としている人精霊。とても懐かしい姿。
辺りは硝化の森ではない。かつての水溶ける場所ではない。取り戻したのは花ではない。
それでもフリウ・ハリスコーは取り戻した。
(信じられる……あたしは信じられる。言葉を全部覚えてる)
ミズー・ビアンカ。ベスポルト・シックルド。リス・オニキス。
チャッピー。要。潤。アイザック。ミリア。
彼らの言葉を覚えてる。彼女の人生に携わった者達の、すべての言葉を覚えてる。
彼らの生命は終わってしまった。自分が終わらしてしまったものもある。
だけど、それは無くなってなんかいない。
忘れていた。だけど、取り戻した。
(あたしはもう大丈夫だ。アマワ。お前の用意した絶望を退けられる)
まだ言葉を聞ける。元の世界に戻り、気の良いハンター達と言葉を交わせる。
そう信じることが出来る。
もうひとりではないのだから。
「それで、これからどうすんだ小娘?」
「そうだね、どうしようか」
彼女の呟きは、もう孤独に満ちてはいなかった。
腕は動かないが、頬が濡れているのを自覚する。
 時刻は零時丁度。
放送が、始まる。
放送が、始まる。
【023 パイフウ 死亡 094 シャナ 死亡】
【残り 45人】
【残り 45人】
【D-5/森/2日目・00:00】
【奇跡ではない、だが同じもの】
【ヴァーミリオン・CD・ヘイズ】
[状態]:疲労。 軽傷。
[装備]:なし
[道具]:有機コード、デイパック(支給品一式・パン6食分・水1100ml)
船長室で見つけた積み荷の目録
[思考]:放送を聞く。残りの大集団への接触も考慮しつつ、これからどうするか考える。
[備考]:刻印の性能に気付いています。ダナティアの放送を妄信していない。
火乃香がアンテナになって『物語』を発症しました。
【奇跡ではない、だが同じもの】
【ヴァーミリオン・CD・ヘイズ】
[状態]:疲労。 軽傷。
[装備]:なし
[道具]:有機コード、デイパック(支給品一式・パン6食分・水1100ml)
船長室で見つけた積み荷の目録
[思考]:放送を聞く。残りの大集団への接触も考慮しつつ、これからどうするか考える。
[備考]:刻印の性能に気付いています。ダナティアの放送を妄信していない。
火乃香がアンテナになって『物語』を発症しました。
【火乃香】
[状態]:やや消耗。軽傷。
[装備]:騎士剣・陰 (損傷不明)
[道具]:デイパック(支給品一式・パン6食分・水1400ml)
[思考]:放送を聞く。残りの大集団への接触も考慮しつつ、これからどうするのか考える。絶望しない
[備考]:『物語』を発症しました。
[状態]:やや消耗。軽傷。
[装備]:騎士剣・陰 (損傷不明)
[道具]:デイパック(支給品一式・パン6食分・水1400ml)
[思考]:放送を聞く。残りの大集団への接触も考慮しつつ、これからどうするのか考える。絶望しない
[備考]:『物語』を発症しました。
【コミクロン】
[状態]:疲労。軽傷。
[装備]:エドゲイン君
[道具]:デイパック(支給品一式・パン6食分・水1000ml) 未完成の刻印解除構成式(頭の中)
刻印解除構成式のメモ数枚
[思考]:放送を聞く。残りの大集団への接触も考慮しつつ、これからどうするのか考える。
[備考]:かなりの血で染まった白衣を着ています。
火乃香がアンテナになって『物語』を発症しました。
『キリランシェロ』について、多少疑問を持っています。
[状態]:疲労。軽傷。
[装備]:エドゲイン君
[道具]:デイパック(支給品一式・パン6食分・水1000ml) 未完成の刻印解除構成式(頭の中)
刻印解除構成式のメモ数枚
[思考]:放送を聞く。残りの大集団への接触も考慮しつつ、これからどうするのか考える。
[備考]:かなりの血で染まった白衣を着ています。
火乃香がアンテナになって『物語』を発症しました。
『キリランシェロ』について、多少疑問を持っています。
【オーフェン】
[状態]:疲労。身体のあちこちに切り傷。
[装備]:牙の塔の紋章×2
[道具]:デイパック(支給品一式・パン4食分・水1000ml)
[思考]:クリーオウの捜索。ゲームからの脱出。放送を聞く。絶望しない。
0時にE-5小屋に移動。
(禁止エリアになっていた場合はC-5石段前、それもだめならB-5石段終点)
[状態]:疲労。身体のあちこちに切り傷。
[装備]:牙の塔の紋章×2
[道具]:デイパック(支給品一式・パン4食分・水1000ml)
[思考]:クリーオウの捜索。ゲームからの脱出。放送を聞く。絶望しない。
0時にE-5小屋に移動。
(禁止エリアになっていた場合はC-5石段前、それもだめならB-5石段終点)
【人精霊と小娘】
【フリウ・ハリスコー】
[状態]:全身血塗れ。両腕骨折。全身打撲。だが絶望しない。
[装備]:水晶眼(眼帯なし)、右腕と胸部に包帯 スィリー
[道具]:デイパック(支給品一式・パン5食分・水1500ml)、缶詰などの食糧
[思考]:放送を聞く。ゲームからの脱出。
[備考]:アマワの存在を知覚しました。アマワが黒幕だと思っています。
ウルトプライドが再生するまで約半日かかります。
【フリウ・ハリスコー】
[状態]:全身血塗れ。両腕骨折。全身打撲。だが絶望しない。
[装備]:水晶眼(眼帯なし)、右腕と胸部に包帯 スィリー
[道具]:デイパック(支給品一式・パン5食分・水1500ml)、缶詰などの食糧
[思考]:放送を聞く。ゲームからの脱出。
[備考]:アマワの存在を知覚しました。アマワが黒幕だと思っています。
ウルトプライドが再生するまで約半日かかります。
【追記】
【D-5/森】の一部分の木が伐採されています。
【D-5/森】に装備品『神鉄如意』と『贄殿遮那』が半ば埋もれています。
※神鉄如意の損傷は不明。次の書き手さんにまかせます
※シャナの装備していたタリスマンは粉々になりました。
※火乃香の装備している迷彩外套は起動しますが、
血が付着している部分と損傷している部分は透明化しないため、明るい屋内等だと視認される可能性があります。
【D-5/森】の一部分の木が伐採されています。
【D-5/森】に装備品『神鉄如意』と『贄殿遮那』が半ば埋もれています。
※神鉄如意の損傷は不明。次の書き手さんにまかせます
※シャナの装備していたタリスマンは粉々になりました。
※火乃香の装備している迷彩外套は起動しますが、
血が付着している部分と損傷している部分は透明化しないため、明るい屋内等だと視認される可能性があります。
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