世界に愛され、剣を手にするために生まれてきた人間。ヴァルキリーよりもなお神に近い。
剣に出会うまでの保険として生まれ持っての幸運があり、人が人のままでなし得る行為はおよそすべてうまくいく。
剣の寵愛があるため表面化することはないが、サイレンさん本人は史上まれに見る無能。生まれ持った才能が皆無な上、努力を覚える余地がなかったために何にも出来ない。寵愛がなければまともな会話も怪しいくらいあたまがわるい。
生まれてから一度も上手くいかなかったことがないし、両親とも可愛い可愛いサイレンさんには甘々の躾しかしなかったのでとってもわがまま。
剣というかラクシアという星はサイレンさんが大好きで、最高の特典を与えたが、残念ながら才能や人格までは操作できなかったため、クッソ無能で自分勝手というとんでもない怪物が生まれてしまった。
あるとき、サイレンさんは黒い男に出会う。男は見るからに怪しい塊をサイレンさんに差し出し、受け入れよと言う。警戒心というものが存在しないサイレンさんは躊躇なくそれを受け入れ、異界の神より力を授かる。
授かった力はビナー。理解、同意、同情などの象徴とされる。本来であれば心を読んだり、高い分析能力として発現するはずの力だが、サイレンさんは自己中なので「自分に対する同意を強制する能力」と解釈を捻じ曲げて力を発現させた。
生まれの本能からか、最近のサイレンさんは神を目指していたようだ。・・・・・・といっても方法なんて分からないから、とりあえず今現在で祀られてる神のマネでもしてみようということで、森の深くに神殿を造ってひたすら自分をあがめるだけの人たちを集めていた。
そもそも信仰があるからといって神になれるわけではないし、神になった後もせいぜい100人程度の信仰では力を維持できないわけだが、サイレンさんは特別なので危うく神の力を手に入れるところだった。
もう少しのところで
モスルクに見咎められ、やべーじゃんつって排除された。結構ギリギリで間に合った感じらしい。どうでもいいけど、たぶんモスルクは世界に嫌われた。
余談だが、サイレンさんは魔神の苗床として最高の素材である。もしドールがサイレンさんと出会っていたら
レギールですら対応できない事態になっていたかもしれない。
余談も余談だが、本来サイレンさんは召異魔法以外のほぼすべての魔法・特殊能力を使用し得る。厳密にはサイレンさんの意思を斟酌した世界が起こすそれっぽい現象。
ただサイレンさんは想像力が人間種の最低値なのと、ゲーム的な処理を考えるのが面倒だったためにこの能力が発揮されることはなかった。
最終更新:2020年10月16日 20:25