ルパン三世 魔術王の遺産の攻略ページ
| ジャンル |
ステルスゲーム |
| 制作 |
バンプレスト |
| 発売 |
バンプレスト |
| 開発 |
バンプレスト |
| ハード |
プレイステーション2 |
| 発売日 |
2002年11月28日 |
| 価格 |
6980円(税別) |
| プレイ人数 |
1人 |
『ルパン三世 魔術王の遺産』は、2002年11月28日にバンプレストから発売されたアニメ『ルパン三世』を題材にした
プレイステーション2用ゲーム。フルポリゴンのキャラクターとムービーによって『ルパン三世』の世界を表現した3Dアクションゲーム「シネマティックアクションアドベンチャー」の第一弾である。過去にも3Dアクション『ルパン三世 ピラミッドの賢者』(1998年)が発売されているが、本作はアニメーションムービーを用いず全編が3DCGで展開される。メインテーマには「ルパン三世'79」が使用されており、次回作以降も同様となっている。アメリカでは『Lupin the 3rd: Treasure of the Sorcerer King』。イタリアでは『Le avventure di Lupin III: Il tesoro del Re Stregone』として発売された。
ゲームシステム
プレイヤーはルパンとなって、フライパンや催眠ガスで警官や銭形を眠らせたり、愛銃ワルサーP38で襲い掛かってくる敵を倒したりしてストーリーを進めていく。また、得意技の変装により警官、観光客、銭形、城の衛兵などに成りすまして敵を欺くシチュエーションも多い。欺いている途中にうまくいけば相手から時計やフィギュア、警官の身分証などが掏り取れる。ただし、ワルサーP38はルパンを殺そうと襲い掛かってくる敵にのみ有効であり、銭形や警官などの、ルパンを捕まえるために襲い掛かってくる敵、および一般市民に向かって発砲するとゲームオーバーとなってしまう。これはルパンの「基本的には不必要な暴力および殺人を避けるが、非道な相手には容赦しない」という主義に基づくものであり、続編でもこのシステムが採用されている。プレイヤーは基本的にルパンだけだが、劇中で何度か次元と五ェ門でストーリーを進めることもある(その際、どちらかを選択可能)。次元は愛銃のコンバットマグナムで敵を蹴散らし、五ェ門では斬鉄剣で敵のみならず障害物を斬ったりすることができる。一方、今作の時点では不二子と銭形を操作する機会はない。難易度は高く、ダンジョン的要素と逐一現れる敵に対しての操作はもちろん、主要なアイテムを発見しない限り次のステージには進めない構成になっている。
世界中の財宝をあらゆる手を駆使して手に入れる世紀の大泥棒、ルパン三世。今度のターゲットはヨーロッパのとある街「ゴルデンガッセ市」に佇む古城「ハンネヴァルト城」の現当主「テオドール・ハンネヴァルト」主催のチャリティーパーティーに展示されるという「栄誉の水差し」。水差しだけでも一見高価そうに見えるがこれはルパンが狙っている真のお宝の鍵に過ぎなかった。ルパンの真の狙いは、ハンネヴァルト城の何処かに隠されているという大量の金貨。その金貨はいにしえの時代に『魔術王』と呼ばれた「ランドルフ二世」の遺産だという。金貨の在り処の鍵となるのが栄誉の水差しとテオドールの所持する「勝利の水差し」。更に、栄誉の水差しの現所有者にして今回のチャリティーパーティーの協力者である少女「テレーゼ・ファウスト」も何かを探ろうとしていた。果たして、ルパン一味は『魔術王の遺産』に辿り着くことが出来るのか…?
ルパン三世 (CV : 栗田貫一)
次元大介 (CV : 小林清志)
石川五ェ門 (CV : 井上真樹夫)
峰不二子 (CV : 増山江威子)
銭形警部 (CV : 納谷悟朗)
テレーゼ・ファウスト (CV : 倉田雅世)
テオドール・ハンネヴァルド (CV : 坂東尚樹)
レオポルド・ラング (CV : 島香裕)
フランツ・ハスダル (CV : 大塚明夫)
カール・シクスト (CV : 天田益男)
マティアス・クルツ (CV : 矢尾一樹)
老人 (CV : 松岡文雄)
トマーシュ・ファウスト博士
コレクションアイテム一覧
| アイテム名 |
入手方法 |
| GAMEカード |
第1章・11車両目2階 すりとりアイテム。 |
| BGMカード |
第1章・11車両目1階 すりとりアイテム。 |
| DORAMAカード |
第1章・9車両目1階 すりとりアイテム。 |
| 飲み薬 |
第1章・6車両目 すりとりアイテム。 |
| ホイッスル |
第1章・8車両目1階 すりとりアイテム。 |
| グラビアの切り抜き |
第1章・5車両目 すりとりアイテム。 |
| 身分証 |
第1章・2車両目 すりとりアイテム。 |
| 懐中時計 |
第2章・北翼館1階 すりとりアイテム。 |
| 特殊警棒 |
第2章・北翼館2階 すりとりアイテム。 |
| キーピック |
第2章・北翼館2階 すりとりアイテム。 |
| コミックブック |
第2章・北翼館2階 すりとりアイテム。 |
| 眼鏡 |
第2章・北翼館2階 すりとりアイテム。 |
| ウィスキーボトル |
第2章・北翼館3階 すりとりアイテム。 |
| レーザーポインター |
第3章・北翼館3階 すりとりアイテム。 |
| ライター |
第3章・北翼館3階 すりとりアイテム。 |
| 財布 |
第3章・北翼館1階 すりとりアイテム。 |
| サムカフ |
第3章・北翼館3階 すりとりアイテム。 |
| サングラス |
第3章・北翼館1階 すりとりアイテム。 |
| ビタミンのサプリメント |
第3章・北翼館2階 すりとりアイテム。 |
| シガレットケース |
第3章・北翼館2階 すりとりアイテム。 |
| スタンガン |
第3章・南翼館2階 すりとりアイテム。 |
| 折りたたみ式ナイフ |
第3章・南翼館2階 すりとりアイテム。 |
| 家族の写真 |
第3章・南翼館1階 すりとりアイテム。 |
| 恋人の写真 |
第3章・南翼館1階 すりとりアイテム。 |
| ハンディライト |
第3章・旧王宮1階 すりとりアイテム。 |
| タブレット |
第1章・8車両目2階 すりとりアイテム。 |
| 腕時計 |
第3章・旧王宮1階 すりとりアイテム。 |
| ゴーレム君人形 |
第4章・地下迷宮・玄室 円盤を入れる直前 |
| 恋人からの手紙 |
第3章・旧王宮2階 すりとりアイテム。 |
| 懐中電灯 |
第3章・旧王宮1階 すりとりアイテム。 |
| ペーパーナイフ |
第3章・旧王宮1階 すりとりアイテム。 |
| ルパンの手配書 |
第1章・12車両目 すりとりアイテム。 |
| 次元大介の手配書 |
第1章・10車両目2階 すりとりアイテム。 |
| 石川五エ門の手配書 |
第1章・10車両目2階 すりとりアイテム。 |
| 峰不二子の手配書 |
第3章・南翼館3階 すりとりアイテム。 |
| 銭形幸一への辞令 |
どの章でもいいので銭形からスル。 |
| 警備各位関連資料01 |
第1章・3車両目 すりとりアイテム。 |
| 警備各位関連資料02 |
第2章・北翼館3階 すりとりアイテム。 |
| 警備各位関連資料03 |
第2章・北翼館1階 すりとりアイテム。 |
| 警備各位関連資料04 |
第3章・旧王宮1階 すりとりアイテム。 |
| 警備各位関連資料05 |
第3章・旧王宮1階 すりとりアイテム。 |
| 警備各位関連資料06 |
第3章・南翼館2階 すりとりアイテム。 |
| ルパンのフィギュア |
第1章・13車両目 すりとりアイテム。 |
| 次元のフィギュア |
第2章・北翼館2階 すりとりアイテム。 |
| 五エ門のフィギュア |
第3章・南翼館3階 すりとりアイテム。 |
| 不二子のフィギュア |
第3章・北翼館2階 すりとりアイテム。 |
| 不二子のトレカ01 |
第1章・8車両目2階 すりとりアイテム。 |
| 不二子のトレカ02 |
第2章・北翼館1階 すりとりアイテム。 |
| 不二子のトレカ03 |
第3章・北翼館2階 すりとりアイテム。 |
| 不二子のトレカ04 |
第3章・南翼館1階 すりとりアイテム。 |
| 不二子のトレカ05 |
第3章・旧王宮2階 すりとりアイテム。 |
変装衣装一覧
| 変装衣装名 |
入手方法 |
解説 |
| 警官の服 |
第1章・列車 |
警官に変装できる。同じ警官の目をごまかせるほか、後半のステージで銭形を油断させる意外な効果もある。 |
| 観光客の服 |
第1章・列車 |
観光客に変装するが、必要とされる場面はない。敵に見破られることも多い。 |
| 銭形の服 |
第1章・列車 |
銭形警部に変装できる。警官たちの上役だけに、警官に対してはとくに有効。当然ながら、銭形には通用しない。 |
| 機動隊の服 |
第3章・北翼館1階 |
南翼館で警備に当たっている機動隊員に変装する。第3章以外では、とくに必要とされる場面はない。 |
| 招待客の服 |
第3章・南翼館 |
旧王宮でパーティーに興じているテオドールの招待客に変装する。この衣装を着ていないと通れない場所もある。 |
| 衛兵の服 |
第3章・旧王宮1階 |
パーティー会場で警備に当たっている衛兵に変装する。同じ衛兵から情報や手がかりを入手したいときに役立つ。 |
| ラーベンクロイツの服 |
第3章・旧王宮1階 |
ラーベンクロイツの団員に変装する。団員はもちろん、戦闘員に対しても有効で、後半のステージでもとくに重宝する。 |
武器一覧
| アイテム名 |
解説 |
| リキッドガン |
「スリープシリンダー」という弾薬をセットして、敵を眠らせることができる。頼りになる武器だが、射程が短いのが難点。 |
| ワルサーP38 |
ルパンの愛用銃。Cpapter2より次元から渡され、使えるようになる。3種類の弾丸があり、いつでも変更することができる。 |
| フライパン |
振り回して殴り倒し、気絶させるための武器。攻撃範囲が意外に広く重宝する。また、他の武器と違って弾がいらないので何度でも使える。 |
| ナンバー |
ムービー名 |
| No.1 |
ヘルデンリートシュロス駅にて |
| No.2 |
屋根を進んでいくルパン |
| NO.3 |
仕事をさぼっている警官 |
| No.4 |
銭形の作戦 |
| No.5 |
銭形の追跡を断ち切る |
| No.6 |
テレーゼとルパン |
| No.7 |
テレーゼと警官ルパン |
| No.8 |
テレーゼと銭形ルパン |
| No.9 |
栄誉の水差しを奪取 |
| No.10 |
ゴルデンガッセ市街にて |
| No.11 |
ハンネヴァルド城へ |
| No.12 |
展示室にて |
| No.13 |
苦悩のルパン |
| No.14 |
出かける次元 |
| No.15 |
出かける五エ門 |
| No.16 |
次元、廃墟の門にて |
| No.17 |
五エ門、廃墟の門にて |
| No.18 |
次元、古美術店にて |
| No.19 |
五エ門、古美術店にて |
| No.20 |
次元、カフカにて |
| No.21 |
五エ門、カフカにて |
| No.22 |
次元、廃墟へ |
| No.23 |
五エ門、廃墟へ |
| No.24 |
次元、謎の戦闘員と遭遇 |
| No.25 |
五エ門、謎の戦闘員と遭遇 |
| No.26 |
次元と3人の傭兵 |
| No.27 |
五エ門と3人の傭兵 |
| No.28 |
次元、傭兵たちに勝利 |
| No.29 |
五エ門、傭兵たちに勝利 |
| No.30 |
次元、手がかりを失う |
| No.31 |
五エ門、手がかりを失う |
| No.32 |
ハンネヴァルド城上空 |
| No.33 |
北翼館・別館に侵入 |
| No.34 |
大聖堂にて |
| No.35 |
展示室に謎の戦闘員登場 |
| No.36 |
戦闘員を倒したルパン |
| No.37 |
テレーゼとルパンの声 |
| No.38 |
不二子と出会うルパン |
| No.39 |
セキュリティールームにて |
| No.40 |
中庭ではりきる銭形 |
| No.41 |
旧王宮にて |
| No.42 |
テオドールの秘密部屋侵入 |
| No.43 |
不二子の侵入 |
| No.44 |
銭形を眠らせる |
| No.45 |
本物の水差しを奪取 |
| No.46 |
隠し通路へ |
| No.47 |
次元と五エ門 |
| No.48 |
次元とクルツ |
| No.49 |
クルツに勝利した次元 |
| No.50 |
五エ門とシクスト |
| No.51 |
シクストに勝利した五エ門 |
| No.52 |
次元を待つ五エ門 |
| No.53 |
五エ門を待つ次元 |
| No.54 |
ガーゴイル登場 |
| No.55 |
テレーゼの手紙 |
| No.56 |
テオドールにやられるルパン |
| No.57 |
流されたルパン |
| No.58 |
老人との出会い |
| No.59 |
捕らわれの不二子 |
| No.60 |
ハスダルの最期 |
| No.61 |
ルパン、歩いてくる |
| No.62 |
ルパン対ガーゴイル |
| No.63 |
タロス始動 |
| No.64 |
タロス崩壊 |
| No.65 |
テオドール、なれの果て |
| No.66 |
テオドールの最期 |
| No.67 |
エンディング |
DRAMAはゲームを進めていくことで自動的に入手できるので、ほとんどのものは苦労せずに集められるのだが、一部のイベントは任意に選択しないと出現しないため、普通にプレイしただけでは全てを集めることはできない。No.3、6、7はルパンの変装が入手のポイント。No.14〜31、48〜53は第二章、第四章で次元と五エ門を選択する箇所が、それぞれの入手ポイントになっている。このポイントをおさえておけば、全DRAMAを入手することができるだろう。
年表
880年頃
880年~890年
924年
925年
935年
1135年
1230年
1257年
1330年
1333年
1344年
1348年
1349年
1357年
1391年
1402年
- ベツレヘム礼拝堂でヤン・フスが説教師として活動を始める。
- グナーデ橋完成。
1410年
1415年
1419年
- 神聖ローマ皇帝ジギスムント、対フス派十字軍を要請。
- フス戦争始まる。
1420年
1435年
- フス派の内部抗争。
- リパニの戦いで穏健派が全権掌握。
1436年
- ジギスムントとフス派に「協約」結ばれる。
- フス戦争の終結。
1524年
1526年
1528年
1542年頃
1556年
- 反宗教改革の動き。
- カトリック強行派のイエズス会を招聘。
1576年
- ランドルフ二世即位。
- ランドルフ二世によるハンネヴァルト城の大改装始まる。
1602年
- ランドルフ二世の侍医マイヤー、ラーベンクロイツー思想による結社設立。
1609年
- カトリック·プロテスタントの融和政策「信仰の自由令」発布。
1611年
- ランドルフ二世、弟のマティアスによって幽閉される。
1613年
- 反宗教改革の動き加速。
- マティアス、プロテスタントを迫害。
1618年
- ゴルデンガッセ城での「窓外放擲事件」発生。
- 三十年戦争勃発
1620年
- ワイゼルベルグの戦い。
- カトリック軍がプロテスタント軍を破る。
1621年
1627年
1631年
- ルター派プロテスタントのゼクソン軍がゴルデンガッセに侵入。
1648年
- プロテスタントのスウェーデン軍がゴルデンガッセを攻撃するも、市民が撃退。
- ウェストファリア条約締結により三十年戦争終結。
- 神聖ローマ帝国、事実上の解体。
1740年
1744年
1845年
1875年
1883年
ファウスト家の現在に至るまで
ヨーハン・ファウスト博士の息子ユストゥス・ファウストは、錬金術師にして医師のパラケルススに預けられた後、ゴルデンガッセにてファウスト博士の従者ワーグナーに育てられた。1558年、カレル大学の医学部に入学。1562年に修士号を獲得した後、1563〜68年にかけて各地を遊学した。後の回想によると、この時期にメフメト・エフェンディと会い、カバラの秘蹟を授けられ、また当時すでに有名であった降霊術師ジョン・ディーに占星術や魔術言語 (エノク語)を教わったとのことである。1570年、カレル大学にて医学博士号を取得。ランドルフ2世が即位すると彼に仕え、魔術・錬金術の研究に貢献した。ランドルフ2世の侍医マイヤーが主催した「東方の英知」会の重要なサロンメンバーでもあった。1592年に結婚、数年にて2児をもうけた。ランドルフ2世と「東方の英知」会(ラーベンクロイツ)の反目が際立つようになった1610年頃、王の側についたユストゥス・ファウスト博士は「栄誉の水差し」とタロスの鍵を預けられて逃亡した。水差しと鍵はその後に厳重に秘匿され、そのありかを記したものはファウスト家に伝えられた。暗号化された上でエノク語で書かれたこの書は難解を極めていたため、ずっと後世になってトマーシュ・ファウスト博士が解読するまで「栄誉の水差し」が発見されることはなかった。父ヨーハンと違って短気でも悪戯者でもなかったユストゥス・ファウストは、ファルツ侯爵領のクニットリンゲンで医師としてある程度の尊敬を受けながら、1629年に死んだ。ファウストの一族は以後もクニットリンゲンに在住していたが、1672年にフランス軍によって町が破壊された後、戦災を嫌ってマグデブルクに移り住んだ。このころすでにヨーハン・ファウスト博士の悪名はドイツ中に流布していたため、血縁ということは伏せるようになった。ユストゥスから4代を経たゲオルグ・ファウストの時に、シレジア戦争における戦功で叙爵、以後プロシアに連なる下級貴族となり、現在に至る。テレーゼの父トマーシュは、ゲオルグから数えて8代目。ヨーハン・ファウストからは13代目にあたる。ユストゥスが残した書の謎を解くためか、この家系は学者や研究者を数多く輩出しているが、小貴族のため遺産はあまりない。
ハンネヴァルド家の現在に至るまで
ボヘミア王フェルディナント3世(ランドルフ2世の従兄弟兄弟の子)の4男、ルドルフがハンネヴァルド伯爵に封じられたのが、現在のハンネヴァルド家の始まりである。重要都市であったゴルデンガッセが、なぜ王の4男に譲渡されるようになったのかは、若い頃カレル大学に留学していたルドルフと、秘密結社ラーベンクロイツの関係のためであった。当時すでにヨーロッパ随一の魔術結社となっていたラーベンクロイツの実力ですら、ランドルフ2世のあみだした秘儀とは較べものにはならなかった。結社としては、なんとしてもゴルデンガッセの地下に遺されている、魔術王ランドルフの遺産を手に入れなければならないと考えた。そのためにも身内を領主にして、ゴルデンガッセを支配しておく必要がある。ここで白羽の矢を当てられたのが、ルドルフであった。カレル大学で神学を学んでいたルドルフは、神秘主義にのめりこんで、ラーベンクロイツに入会していたのだ。当時はちょうど三十年戦争後で、疲弊した国を立て直すため、王家としては多額の財源を必要としていた。ラーベンクロイツは、ルドルフへのハンネヴァルド城委譲を引き換えに、資金を王家に流すことを申し出る。こうしてルドルフがハンネヴァルド伯爵として立てられることとなったのである。ただ1つだけ、ラーベンクロイツとしては誤算があった。結社としてはルドルフとその一族には、操り人形としての存在以上のものは求めていなかったのだが、ルドルフの子孫のなかに、結社が思ったより能力のある人物がいたのである。19世紀のなかばに出現したレオポルド・ハンネヴァルドである。ラーベンクロイツの中でも枢要を占めるようになった彼は、ランドルフ2世の遺産を利用しようとして、再びハプスブルクの支配を取り戻そうと目論んだのである。ヨーロッパを裏から操ってきたラーベンクロイツが、本当に世界を支配しようと目論むようになった最初の契機であった。以後もハンネヴァルド伯爵家は、秘密結社ラーベンクロイツの中枢の一員の座を保持しており、代々の城主は、ランドルフ2世の遺産と世界の支配を求め続けている。
カレル1世
カレル1世は、ゴルデンガッセ市(当時はズラタ・ウニチカ市)を国際都市にした国王である。1330年に王位についたカレル1世は、1348年にゴルデンガッセで最初の大学であるカレル大学を設立した。大学の設立によって、ドイツ・ポーランド・スカンジナヴィアなど各地より多くの生徒・教師などが流入した。さらにカレル1世が錬金術に興味を抱いていたこともあって、たくさんの錬金術師・魔術師もやってきたのである。都市が整備されるにしたがって、商人・技術者なども定着することになり、ゴルデンガッセの人口はこの時期に急激に増加している。またカレル1世も外国人を優遇する政策をとった。たしかにゴルデンガッセは成長したのだが、あまりにも急激に増えた外国人に対して、スラヴ系の人々__特に貴族たちは不安を感じ、また外国人を優遇するカレル1世の政策に不満を募らせることとなった。このような不安と不満が、フス派の伸張を呼び、カレルの死後にゴルデンガッセを中心とした戦乱を巻き起こす要因となったのである。
フス戦争
一般にフス戦争は、ボヘミアで起こった宗教改革運動と、それを抑えようとする旧宗教勢力との争いであると思われている。しかしボヘミアにおいては、旧来の住人であるスラヴ系王家の男系が途絶えたあと、王位を継いだドイツ人のルクセンブルク家は、外国人__特にドイツ人を優遇する政策を取ってきた。これがドイツ人の流入を増加させ、シェクト人との摩擦を増やすに至った。この時勢にあって旧来の(ローマ教会的、ひいてはドイツ的な)教会勢力のありかたを否定するフス派は、反ドイツ感情を抱くスラヴ系シェクト人のあいだに急激に広まったのである。ただしフス派による宗教改革は、シェクト人の同朋意識と極めて連帯していたため、後のルター派やカルヴァン派のような、国を超えた広がりを見せることはなかった。
ファウスト博士とゴルデンガッセ
著名な魔術師ヨーハン・ゲオルク・ファウスト博士は、あまり長期間ゴルデンガッセに滞在したことはない。1499年から1503年の間に1度、1524年にもう1度訪れているだけである。しかし当時すでに錬金術の都としても知られていたゴルデンガッセ(当時はまだズラタ・ウニチカ)で、錬金術やなんらかの秘儀を学んだことは確かだろう。同時期に、パラケルスス、コルネリウス・アグリッパなどの、そうそうたる魔術師・先駆的医師がゴルデンガッセを訪れていることから、交誼を結んだと思われる。特にパラケルススとは関係が深かったようで、後にフランス国王フランソワ1世の侍医となった時に使った梅毒の治療法は、パラケルススが考案したものだった。ファウスト博士は死の前年、パラケルススに実子を預けているが、この子供はパラケルススにとって馴染み深いゴルデンガッセで育てられ、後にランドルフ2世の宮廷魔術師となった。
魔術王ランドルフ2世
ランドルフ2世は、統治者としては凡庸であったと言わざるを得ない。フス戦争におけるプロテスタントの勝利以来、ボヘミアにおけるプロテスタントの勢力伸張は著しいものがあった。ローマ教皇・ドイツ系諸侯は、これを苦々しく思う。当然のごとく教皇およびカトリック派諸侯は、プロテスタントに対し弾圧的に出ることを望んでおり、国内には反宗教改革の動きが起こり始めていた。にもかかわらず、ランドルフ2世が選んだのは、プロテスタント信仰を容認する「信仰の自由令」であった。ボヘミアにおけるプロテスタントのシェクト族(在地領主)の力を慮っての処置ではあったが、当時の中欧全体の情勢を見れば、この政策はカトリック・プロテスタント両派の対立を深めたに過ぎない。事実、この法令に自身をつけたボヘミアのプロテスタントは、カトリック教会の領土から教会建設用の資材を切り出すなどの行動をとり、三十年戦争のきっかけを作っていくのである。為政者としては凡庸であったランドルフ2世だが、文化・芸術の保護者としては、世界に類例がないほどの君主であった。東洋の君主に例えれば、南朝は陳の後主や北宋の微宗、日本の足利義政のように。これらの君主の共通点は、政治に対する興味をさして持たないかあるいは失い、情熱を文化・芸術に傾倒してしまっている点である。その中でランドルフ2世で特徴的と言えるのは、オカルティズムに対する傾倒が非常に強い点である。古今東西を分けず、独裁者が長命・不老をもとめてオカルティズムに走ることは珍しいことではない。またカレル1世以来、ゴルデンガッセはポーランドのクラカワと並んで魔術や錬金術に携わる者が多い土地柄であったこともある。それにしてもランドルフ2世のオカルト傾向は甚だしく、特に魔術・錬金術への執着が強かった。ついには魔術師・錬金術師を目指し、極秘裏ではあったが賢者の石の生成にも成功した。もともとゴルデンガッセ近辺は、貴金属生産量の多い場所ではあったのだが、ランドルフ2世が美術品や珍奇物の収蔵、ハンネヴァルド城の改築に使った資金は、余りに豊潤すぎた。これは錬金術による金の精製が成功していたためである。王の側近で侍医でもあったマイヤーが、ラーベンクロイツ運動の一端を担っていたことから、ラーベンクロイツのスポンサーであった。
思想としてのラーベンクロイツ
ラーベンクロイツ運動は、17世紀にドイツから起こった汎知主義的学術運動のことである。ラーベンは鴉、ゲルマン神話によれば知恵の象徴である。クロイツすなわち十字は、当然キリスト教である。ゴルデンガッセとラーベンクロイツの関係が始まったのは、ランドルフ2世の統治下、1602年からである。ランドルフ2世の侍医を務めていたマイヤーは、当時文化人の間に広まりはじめていた汎知主義的学術思想としてのラーベンクロイツ運動に共感し、「東方の英知」会という結社を作った。少なくとも当初は、後のラーベンクロイツのような秘密結社ではなく、知的活動を趣旨とするサロンのようなものだった。ランドルフ2世以降も、ハンネヴァルド王とその母体であるパプスブルク家に影響力を持ちつづけ、徐々に変質してヨーロッパの暗部に蠢く秘密結社へと変貌していった。
秘密結社ラーベンクロイツ
「東方の英知」会を含む幾つかの結社を元に、現在もヨーロッパ各国に暗然たる影響力を持つ、秘密結社ラーベンクロイツが作られた。秘密結社ラーベンクロイツの活動が、正確にいつごろから始まっのかは分からないが、三十三年戦争のころからすでに存在していたことだけは確かである。ランドルフ2世の治世の末頃には、すでに活動を開始していた形跡もある。ランドルフ2世は、作り上げた錬金術の秘技を巡ってラーベンクロイツと対立したがゆえに、幽閉の憂き目にあったとも言われている。本来のラーベンクロイツ運動があくまで学術思想であったのに対して、秘密結社ラーベンクロイツは神秘主義的・魔術的活動を行なうかたわら、占いによる助言や脅迫、暗殺などで権力と結びつき、ヨーロッパの暗部を支配する闇の権力組織となっていった。一部は表向きの魔術組織として残っていたが、それすらも裏の組織の窓口だった。活動開始よりわずか40年あまり後の三十三年戦争末期には、早くもさまざまな王家や国家とつながりを持ち、巨額の闇資金を貯えていた。ラーベンクロイツの影響は、あまり表だっては現れないため、その全体像を掴むことはできない。しかしながら、権力者の側にあった多くの予言者や占い師などは、ラーベンクロイツとなんらかの形で接触していた。ナポレオンなどの近世・近代の独裁者の影には、常にラーベンクロイツがあったと言われるほどである。ゴルデンガッセ市およびハンネヴァルド城の領主であったハプスブルク家とラーベンクロイツの関わりは、ランドルフ2世に始まる。秘密結社ラーベンクロイツの母体となった組織「東方の英知」会がまだ知的サロンであったころ、そのスポンサーであるハンネヴァルト王が、ハプスブルク家のランドルフ2世であった。ランドルフ2世が幽閉された後、三十三年戦争での敗北によって疲弊したハプスブルク家は、すでに影の権力と富を獲得していたラーベンクロイツと取り引きし、錬金術に没頭してラーベンクロイツと深く交わっていたルドルフをハンネヴァルド・ゴルデンガッセ伯爵とし、代わりに資金を供出させた。これ以降200年近くの間、ハンネヴァルド伯爵家はラーベンクロイツの影響化に置かれていた。ハンネヴァルド伯爵家も、ランドルフ2世の研究の成果であるところの魔術的なものごと(その多くはランドルフ2世とともに失われた)をいくらか引き継いでいたが、それを利用してラーベンクロイツの中枢的存在となったのは19世紀半ば、ランドルフ2世以来の大魔術師レオポルドが爵位を継いでからである。
市街 (観光案内抜粋)
2026年01月20日 (火) 20時56分57秒
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最終更新:2026年01月20日 20:56