「機動戦士GUNDAM SEED―Revival―」@Wiki

ソラ・ラクス初対面

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匿名ユーザー

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変装したソラが外で飲み物を飲む。
統一連合の中でも秘密警察の介入が少なく住民も安定した、比較的危険の少ない地区。ちょっと変わった雰囲気のオープンカフェで閑散としている。
外には大きなスクリーン。どこからか聞こえる歌姫の声をBGMに、ソラは今までの出来事に思いを馳せる。

正義とは。統制とは。自由とは
単語の意味は知っているが、それ以上は探りたくとも未熟な彼女には見当つかない。
平和ってどんな世界のことをさすのか。誰かに教えてほしい。
お父さん。お母さん。シンさん。誰でもいい
「…おしえてよ」
カツン、と靴の音が鳴る。

「答えを求めているのですか」
少し距離をあけて、女性が隣に立っていた。
大きめの帽子を被っており、影がかかって顔は見えない。
自分の独り言が声に出ていたことに驚きつつ、女性の言葉にさらに焦る。
「…あ、そのっ」
「ふふ。何か悩んでいらっしゃるようなので、声をかけてしまいました」
服装は普通の一般的な女性。お嬢様口調なのに少し崩れてる。(この辺りは適当に)
何か違和感を感じつつ…格好も雰囲気も完全に歌姫とは異なっている。

「平和って…何でしょう」  
誰も答えられないだろう抽象的な質問をするソラ。出会って間もない、名も知らぬ女性にする問いかけではないと思いつつ口に出る言葉。
「難しいですわね」
女性は俯いたままで、表情は一切見えない。

「人は病に侵され傷の痛みを知るまで、自らは健康であると信じています。何も起こっていない状態こそが一番良いのだと、多くの人が望んでいる。…貴方もそう思いませんか?」
「え?」
「気付かなければ、痛みを感じなければ、辛いことは何もない……問題はありません。そう思いませんか?」
突然の、しかも連続したふしぎな質問に頭が混乱する。
 ※ここでさりげなく統一連合政治の美点を説かれる等色々 (ラクスの主張は考えてみたものの、正直判らなかったので省略)
ソラは何となくしこりを残しつつ、反論はできない
何故か過去――レジスタンスの実態すらよく知らなかった頃に、シンから言い放たれた言葉が頭に過ぎる

<戦うことが出来ないなら……何も聞かず、口をつぐみ、ここで見たもの感じたもの全てを忘れて、この場所から遠くへ離れろ>

表のスクリーンに大きくオーブの歌姫の姿が映し出される。
「もう行かなくてはなりません」
頃合であったのか、新曲のプロモーション映像を一瞥し女性は去ろうとする。

「…あなたは貴方なりの答えを探してみてはいかがですか。
その質問に、正しい解答は存在しないのですから」

はっと顔を上げるソラ。
女性の優しげな声色が耳から離れず、延々と流れる華やかな音楽も、艶やかなステージもどこか遠く感じる。

レジスタンスのメンバーの言葉を思い出す。(あの女には替え玉がわんさかいる、とかステージ以外の表舞台にはまず表れないだろう、とか)
その姿はスクリーンのラクス・クラインとはかけ離れていた。普通の女性の格好であったし…まさかこんな場所にいるはずがない、そう思うのに
気付けばその足で、女性を追いかけている。
「待って――あなたは、誰…!」

車に乗り込む寸前の彼女。足を止めて振り向く
完璧な正しさを纏いながら、柔らかく微笑む。

「ラクス・クラインですわ」

立ち尽くすことしか出来ないソラ。その女は確かに美しかった。

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