きっさんらが
たんぽぽ娘02
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rockshow
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「君はタイムマシンでここに来たんだね。」
「ええ。私のお父さまが発明したの。」
彼は彼女を見た。
こんなに素直な顔つきの子は見たことが無い。
「なら、ここにはよく来るのかい?」
こんなに素直な顔つきの子は見たことが無い。
「なら、ここにはよく来るのかい?」
「もう何度も。
ここは私のお気に入りの時空座標だから。
何時間居ても飽きないの。
ここから見えるものは、みんなみんなすてき。
おとといは兎を見たの。
きのうは鹿。
今日はあなた。」
ここは私のお気に入りの時空座標だから。
何時間居ても飽きないの。
ここから見えるものは、みんなみんなすてき。
おとといは兎を見たの。
きのうは鹿。
今日はあなた。」
「でもどうやって昨日に行ったんだ?」
彼は聞いた。
「もしかして、同じ場所の好きな時間にいつでも帰れるのかい?」
彼は聞いた。
「もしかして、同じ場所の好きな時間にいつでも帰れるのかい?」
彼女は言った。
「このマシンは別のどれかと同じ時間の経過に影響されるんです。
そして、同じ時間に居たければ、24時間ごとに戻る必要がある。
でも私はそうはしないの。
違う時間に居るほうが遥かに楽しいから。」
「このマシンは別のどれかと同じ時間の経過に影響されるんです。
そして、同じ時間に居たければ、24時間ごとに戻る必要がある。
でも私はそうはしないの。
違う時間に居るほうが遥かに楽しいから。」
「父さんは君と一緒に来ないのか?」
上空では鳥の群れがV字になって飛んでいる。
少女はそれを何度か見上げてから話し始めた。
「私のお父さんは病弱で・・。」
そして最後にこう言った。
「お父さんは、できるものならばとても来たいと言っているんだけど。
でも私が、私の知ってることを全部話したの。」
そしてこう付け足した。
「そしてそれは父が本当に来ることと、ほとんど同じだと私は思っています。
・・分かってもらえますか?」
少女はそれを何度か見上げてから話し始めた。
「私のお父さんは病弱で・・。」
そして最後にこう言った。
「お父さんは、できるものならばとても来たいと言っているんだけど。
でも私が、私の知ってることを全部話したの。」
そしてこう付け足した。
「そしてそれは父が本当に来ることと、ほとんど同じだと私は思っています。
・・分かってもらえますか?」
少女が彼を見つめる瞳には、彼に分かってもらいたいという切望があった。
「私もそう思うよ。
君の話だけで、父さんは十分満足しているはずだ。
そして君にとって、これは素晴らしいタイムマシンに違いない。」と言った。
「私もそう思うよ。
君の話だけで、父さんは十分満足しているはずだ。
そして君にとって、これは素晴らしいタイムマシンに違いない。」と言った。
少女は静かにうなずいた。
「私は風が吹く草原に行ってみたかったんです。
23世紀では、心地の良い草原は本当にごくわずかしか残ってないから。」
「私は風が吹く草原に行ってみたかったんです。
23世紀では、心地の良い草原は本当にごくわずかしか残ってないから。」
彼は笑った。
「20世紀にもそんなものはほとんど残っていないよ。
そういうものは、もはやコレクターの収集対象になるくらいに希少だ。
私も、もっとこういう場所を訪れたいよ。」
「20世紀にもそんなものはほとんど残っていないよ。
そういうものは、もはやコレクターの収集対象になるくらいに希少だ。
私も、もっとこういう場所を訪れたいよ。」
「あなたはこの近くに住んでいるの?」
少女は聞いた。
少女は聞いた。
「私は3マイル(約5km)ほど向こうに行ったところに住んでいる。
今は休みをとってることになってるんだが、充分じゃないんだ。
妻が陪審員(国民の中から選ばれた一般の人々が、裁判の審理に参与する制度)で召集されて、一緒に来られなくてね。
途中では帰って来られないから、今回は残念な休みで終わるだろう。
私の名前はマーク・ランドルフさ。」
今は休みをとってることになってるんだが、充分じゃないんだ。
妻が陪審員(国民の中から選ばれた一般の人々が、裁判の審理に参与する制度)で召集されて、一緒に来られなくてね。
途中では帰って来られないから、今回は残念な休みで終わるだろう。
私の名前はマーク・ランドルフさ。」
「私はジュリー。」
少女は言った。
「ジュリー・ダンバーズ。」
少女は言った。
「ジュリー・ダンバーズ。」
少女にぴったりな名だ。
真っ白なドレスもぴったりだった。
青い瞳もぴったりだ。
そして、丘と9月の風。
多分、少女は森の中の小さな集落に住んでいるのだろう。
しかしそれは全く問題じゃない。
もし彼女が未来から来たふりをしていたとしても、彼女は彼を気に入ったのだ。
本当に重要なことは、少女を初めて見たときに感じた。
そして彼女の優しい顔を見るたびに優しさを感じた。
真っ白なドレスもぴったりだった。
青い瞳もぴったりだ。
そして、丘と9月の風。
多分、少女は森の中の小さな集落に住んでいるのだろう。
しかしそれは全く問題じゃない。
もし彼女が未来から来たふりをしていたとしても、彼女は彼を気に入ったのだ。
本当に重要なことは、少女を初めて見たときに感じた。
そして彼女の優しい顔を見るたびに優しさを感じた。