287 注:殺し合いの場です 金本尊大、サービスちゃん、冴島春樹、宝木皐月、護摩堂暁人
皆の協力で遂に城が完成する。涙を流しながら喜び合う姿に謎の感動を呼んだ。
落成記念にパーティを開催する。
288 敗北続きの先に希望 古畑六星「国騙り」のブルース
アルフェリーを自分の失策で死なせたことを悔やむブルース。
しかし、歌月がいなくなった独りでも考察をつづける六星に希望を見出し、自分が道中回収したある肉片と考察メモを託して
マルハドールの元へと向かう
289 最後の試練に向かう愚者の列車 デッドエンド、阪口翔、羽原晃、吉川美夜、日高敬介、シルヴァン・シモン・エロワ・スシュアスカ・アルバトス
流れてくるChoo Choo TRAINの音に誘われデッドエンドの元へ向かう阪口。羽原が引き留めようとするが、
デッドエンドに怯えてしまい阪口が去って行くのを見ることしかできなかった。
ファンファンウィーヒッタステーッステーと踊るエグザエル軍団に吉川も混ざるが、エグザエルに殺されてしまう。
そこにアスカとシルヴァンがデッドエンドと遭遇する。
吸血鬼であるデッドエンドに嫌悪感を示すが、彼の計画、ラスト・エンブリオを聞いて利害関係の一致から誘いに乗る。
デッドエンドから冴島らが建築した城の情報を得て、そちらに向かう。
なお、エグザエル集団を引き連れていたためか、ラスト・エンブリオをラスト・エグザエルと間違える読者が多数いた。
290 君の笑顔はもう、戻らない リリーシャ・マイルス
デッドエンドに日高を連れていかれたリリーシャ。
日高のフォローで持ち直しかけていた心も、遂に折れてしまう。
291 衝突する正義 ジャスティス★ガール、四十物ほのか
「間違ってるよ、こんなやり方やっぱり間違ってる!」
「何言ってんだほのか。こうでもしないと悪は倒せないぞ」
「それが『正義』や『断罪』の限界だっていうなら、私はそれ以上になる。誰も犠牲にしないヒーローが『美少女騎士』だ!」
攻撃しても回復するジャスティスに対し、ほのかも状態異常攻撃に切り替えて反撃する。
今まで仲良くなってきたほのかを討つことは本当に正義なのか
思い悩みジャスティスガールの動きにも迷いが出てくる。
それでも正義を貫くためにジャスティスガールはほのかに猛攻をしかける。
自分の迷いから目を背けるかのように。
292 翔べ、瞠! 半井瞠音恋千聖ころび3号
ころび3号の改造を進める一行。
その途中、瞠は遠くでジャスティス★ガールと戦ってる友達のほのかを発見する。
すぐにでも加勢に向かいたい瞠だが、ころび3号の調整が終わって動けるようになるまでは行くべきではないと千聖が引き止める。
だが、瞠は「友達がピンチなんだ!」と千聖の制止を振り払い、コンコルド型パワードスーツで飛び去ってしまった。元々瞠のパワードスーツは飛行能力により機動力を高めに作ってしまったため、千聖のパワードスーツでは追いつくこともできない。
果たして瞠は友の窮地に間に合うのか?
一方、千聖はシステムダウンロード中で動けないころび3号を放置するわけにもいかず、急ピッチで調整を急ぐのであった。
293 卑劣なる安息 サー・クロスフォード
全ての参加者が生存のためにそれぞれの戦いをしていた頃。
宇宙騎士はハリボテの城でぐーすか眠っていた……
寝ている場所が禁止エリアにならないことを祈る。
294 タチアガレ ミノス
兄弟弟子、師を同時に失い、打ちひしがれるミノス。
絶望の余り命を絶とうとするが、轟の死を恐れず立ち向かう漢気を想いだし、再び立ち上がる。
295 一つの真相 壱階雛
雛の追憶により明かされた事実。
雛もまた、月ノ輪と同じく前回のロワに参加していたリピーターだったのだ。
トリスメギトスを主催としたロワにおいて彼女は月ノ輪とは別ルートから脱出したのである。
しかし、結局ロワに再び参加させられている現在に、雛は溜息をつく。
「さて、そろそろ動き出しますかね」
そう言って彼女は参加者が減ってきた頃合を見計らって動き出した――彼女はいるだけで周囲の平和を皆無にする能力者。その能力を利用しステルスマーダーとしてどこかの集団に潜り込み、今度は優勝を狙うつもりなのだ。
296 変貌 ライム・テテュス
会場中に散らばる人間の死体という死体を喰い集めて、より巨大な怪物と化していくライム。
その姿は既に人間の腕や足があちらこちらから飛び出して、粘液と共に眼球が地面に滴り落ち、血液や糞尿が混ざり合った臓物色の粘液の化物であり、異形中の異形と化していた。
297 痛みの歌 ローズ・ブラッドロベルト・エヴァン戌井無像
ミノスの一撃を受けながらも、辛うじて生き延びたローズ・ブラッド。
しかしその前に狂気の神父ロベルトが。
無痛体質のおかげで痛みなく戦えるが、それは時として恐怖となる。
ロベルトにじわりじわりと弄られ、遂に死の恐怖の涙を流す。
痛みに狂い我を忘れることもできずに、ローズ・ブラッドはロベルトにより磔刑を受ける。
298 悲劇的アイロニー ヒトガタグソクムシハエトリグサ異常種、月ノ輪、葛城恭介
必死に逃げる月の輪であったが、植えつけられた発信機で追いつかれる。
そしてヒトガタグソクムシとハエトリグサ異常種の言葉で、自分が生徒を守ろうとして、実際には対主催の足を引っ張っていた
だけということを知らされる。
絶望する月の輪の元へ一人の男が。氷の城から脱出した恭介だった。
撃ってとのヒトガタグソクムシの言葉に恭介が引き金を引く。
(そんな……じゃあ、私は何の為に……ははははは……
所詮、獣が人を護るなど、おこがましかったということか……)
乾いた銃声が鳴り、獣が地に倒れた。
「末井さん、仇は討ったよ」
その言葉は虚しさを含みながら空に消えた。
299 シンキング・タイム まとめ編 ライザック・ニューソン
鬼気迫る顔で考察をまとめていくニューソン。
原稿用紙に凄まじい勢いで文字を刻み込み、その枚数は数百枚にも及ぶ。
300 崩壊の前に クリフ・シュテイルアリッサ・ブルックリン
デュオの落ちた城の中庭に向かうアリッサ。そこに待っていたのは絶望しながら転がるデュオの首。
刀を抱えた一人の男であった。
この男がデュオに止めを刺したと知りながらも、アリッサはそれを受け入れた。
だがクリフは目の前の女がデュオの仲間と知り攻撃を仕掛けようとする。
しかし氷の城の崩壊が進んだため、二人は闘わずに別々に脱出した。
アリッサはデュオを弔えなかったことを後悔しながら、城から脱出した。
301 鬼から見た、人の姿とは 忌影丸ビクトリーマン
摩耶香との戦いで負った傷を静かに癒していた忌影丸。
彼は戯れにビクトリーマンからボクサー時代の話を聞く。
辛い練習の中でも、強くなるため、自分に負けないために励む人間たち、彼らを見て輝きをビクトリーマンは見た
忌影丸は、人間は弱っちろいから、その弱さに負けないように強くなれるのかと空を仰いだ。
その時、空に厭なものを感じた。会場全土を巻き込む陰謀のにおいを。
忌影丸とビクトリーマンは療養を切り上げ、においのする方角へと飛んだ。
302 苦悩の男の娘勇者 チャペル・サンハート
毛利とビーミを殺したことで勇者としての資格に思い悩む。
その道中、溶解した死体を見つける。
残された粘液から、ライムの仕業であることを確信する
303 インターミッション hole
ヒンデンブルグとの戦いで破損したパーツを修復するhole。
彼女もまた、ヒンデンブルグの戦闘データを取り入れていた
304 続く闘争 ナラシューヤ比良坂葉耶
放送が終わった後でも変わらず争い続ける二人。
互いに拮抗し、何かのきっかけがなければ決着がつかないほどである。
305 戦場を駆けて マルハドール、「国騙り」のブルース
六星と別れハリボテの城へと向かっていた。
そこにハリボテの城で待っているはずのマルハドールが咳き込みながらグリンガレットにまたがりやってきた。
曰く、ブルースの仇であるアスカとシルヴァンが、吸血鬼デッドエンドと手を組み、対主催たちへと襲撃を掛けると。
ブルースはそれを聞き、ほんの一瞬口元をゆがめてアスカとシルヴァンが向かうという冴島の城へと走った。
306 人類最終試練~Last Embryo~ 開幕の鐘は鳴らされた ルーク・ヘルディオス、葛城琴音、紗世鬼姫、イルファリー・フォン・クォーツローズ、葛葉摩耶香、芦塚陽菜、荒木夢無、ヒトガタグソクムシ、ハエトリグサ異常種、葛城恭介、デッドエンド、阪口翔、日高敬介
アルカディオに簡素ではあるが墓を作ったルークたち。そこへ恭介らがやってくる。
妻の無事に恭介は静かに喜びを見せるが、オリヴィアの最期を聞いて涙を見せる。
ルークは恭介が看取ったもみじの話をし、イルファリーは空の姉に向け皆を守ることを誓う
摩耶香は手にした絆のタロットを見つめ、夢無は拳を握りしめていた。その傍ら、芦塚は静かに寄り添っていた。
紗世鬼は琴音の手を抱きしめ、琴音もまた微笑み返した。
ヒトガタグソクムシとハエトリグサはそんな彼らを嬉しそうに眺めていた。
皆が皆、それぞれの決意をした時だった。
突如空が無数の化物に覆い隠された。
化物の生まれる先を視ればそこには一体の吸血鬼。
「さあ、始めようか。――人類最終試練(ラスト・エンブリオ)、その幕を開こう!!」
奴の名はデッドエンド。死の結末を齎す絶対悪。
307 我、より赤き血を求めん 赤原翔
集めた死体の血をカードに振りかけるが、デッキは戻らない。
もっと強いカードと血が必要だと赤原は判断する。
308 人類最終試練~Last Embryo~ 殲滅の使徒 ロベルト・エヴァン、戌井無像、宝城令レイカ・シューリス、羽原晃
どうして阪口が連れていかれるのをじっと見ていることしかできなかったのか。
羽原は自分の弱さに苦しんでいた。
そこへ法力の剣が降り注ぐ。羽原をキマイラだと見抜いたロベルトが化物を殺さんと襲い掛かってきたのだ。
逃げられない死に絶望する羽原。そこに二人の女が現れた。
宝城とレイカ。ロベルトの脅威を知り、対主催へ奇襲させないため、そして目の前の少年を救うため。
今まで影から支援してきた二人が表へと舞い降りた。
ロベルトは化物を守ろうとする人間へ激しく憎悪の炎をもやし、戌井と共に牙をむく。
激しい激闘の末、レイカと宝城はロベルトと戌井を相打ちになりながらも打ち倒す。
そして羽原に声を掛けようとした。だが、羽原の顔に映っていたのは絶望だった。
自分と一緒にいた友人が化物に連れていかれ、自分は何もできなかった。
目の前で自分を守ろうとした人が無残に殺されていくのを、自分は見ているだけだった。
その事実は羽原の限界を超え、絶叫しながら逃げていく。
追いかけようとするレイカと宝城であったが、二人の命も限界が来ていた。
手を伸ばすこともできず二人は、影の中、静かに死んでいった。
309 人類最終試練~Last Embryo~ とある正義の結末 ジャスティス★ガール、四十物ほのか、半井瞠、怪人ブギーファントム
ジャスティスガールの猛攻の前に撃ち落されたほのか。彼女を救ったのは瞠だった。
千聖のサポートで完成したペンギン型パワードスーツを纏い、千聖の静止も振り払いジャスティスガールへ立ち向かう瞠。
しかし彼女らの闘いを、デッドエンドの放った蝙蝠たちが遮った。そして化物の覆う空を裂いて一人の怪人が。
ブギーファントムの悍ましい力の前に、ほのかも、瞠もあえなく殺されてしまう。
ほのか達の死体の前で高笑いする怪人。怪人に正義の騎士は名乗る。
「私は不気味なる怪人(ブギーファントム)、君は何というのかな」
「私はジャスティス★ガール……」
(いや、違うな。これじゃない)

息を吸う。表情は笑顔で、可愛く。
こういうのは気分なんだろ、ほのか。

「正義騎士ジャスティス☆ワルキューレ!きらめき☆オンステージ!」

そして彼女の世界は暗転する。
正義を貫いた少女の亡骸の前で、怪人はどこか羨ましそうに見下ろしていた。
310 少女達の眠りし地 青井凛吾赤井羽亜兎シルフィード
遠くから激戦が繰り広げられる様子を見て向かう赤青一向。
しかし、辿り着いた先に残されていたのは、少女たちの死体だけであった。
戦士たちの死を前に、シルフィードはただ呆然と立ち尽くす
311 HEY!タクシー! I・ヒンデンブルグ、サー・クロスフォード
しばらくぶりに目を覚ましたクロスフォードさん。
あたりを見回すと、自分の愛馬のガントレットがいないことに気づく。
おのれ馬を奪うとは卑劣なとの言葉。お前が言うな。
通りがかったヒンデンブルグに頼み込み、足代わりになってもらう。
312 人類最終試練~Last Embryo~殺戮者襲来!風雲 冴島城! 金本尊大、サービスちゃん、冴島春樹、宝木皐月、護摩堂暁人、近衛日和、シルヴァン・シモン・エロワ・スシュ、アスカ・アルバトス、マルハドール、「国騙り」のブルース
城完成を祝う冴島たち。しかし、襲撃の音が響く。冴島の指示の元、襲撃者を撃退するために多数の罠を設置する。
自身も丸太を装備し、襲撃者を迎え撃つ。罠を破壊しながら迫るシルヴァンとアスカ。
サービスちゃんと護摩堂が捨て身を掛けるが、彼らの前に惨殺される。
宝木も動揺したすきに致命傷を負わされ、兄の名を呼びながら死亡する。
彼らの死を受け尊大が前に出る。
「自分でも気に入らないが、どうやら僕はこいつらを殺されてかなりムカついてるらしい 」
必死に粘り、尊大がシルヴァンを倒すことに成功する。
シルヴァンは失った家族の幻影を視ながら死んだ。
一人になり追い詰められたアスカは、封印の十字架を外してしまう。
その頃、城の内部には日和が興味本位で紛れ込んでいた。
そして城門にはマルハドールとブルースが到着した。
313 人類最終試練~Last Embryo~ 一世一代の大博打 金本尊大、冴島春樹、近衛日和、アスカ・アルバトス、マルハドール、「国騙り」のブルース
暴走した腐敗能力の前に苦戦する尊大と冴島。
必死に反撃に出ようとするが、一発の銃弾が尊大を貫いた。
腐敗能力に巻き込まれ精神が追いつめられた日和が尊大を撃ったのだ。
最後に残された冴島も残された罠で応戦するがアスカに殺害される。
日和も、目の前の惨劇に嘔吐しているところに止めを刺される。
殺戮を終えたアスカが立ち去ろうとしたとき、一人の男が立ちはだかる。
「国騙り」のブルース。国をも騙る天才詐欺師。
間に合わなかったことに舌打ちしながら、ブルースは最後のギャンブルに挑む。
何も能力を持たないブルースをアスカは勝利を確信する。
しかし、自分自身の腐敗能力を逆に利用され、燃焼ガスを生成され爆破される。
城の外に放り出され、アスカは太陽を見上げながら、かつての陽だまりを思い出しながら死んでいった。
そしてブルースもまた限界が来ていた。ブルースは最後にマルハドールに人生最後のギャンブルの結果を尋ね、息を引き取った。
314 人類最終試練~Last Embryo~ 審判の日、来たる ルーク・ヘルディオス、葛城琴音、紗世鬼姫、イルファリー・フォン・クォーツローズ、葛葉摩耶香、芦塚陽菜、荒木夢無、ヒトガタグソクムシ、ハエトリグサ異常種、葛城恭介、デッドエンド、阪口翔、日高敬介、赤原翔
デッドエンドの圧倒的な力の前に次第に追い詰められていく摩耶香たち。
それでもあきらめず立ち向かう姿を、デッドエンドは称賛する。
逆転の一撃を放つために、摩耶香がタロットを発動しようとした時だった。
摩耶香の腹にナイフが刺さり、少年がタロットカードを奪い取っていた。
守るすべを失い、摩耶香がエグザイル感染者に殺されてしまう。
「僕のデッキ、僕のカード、戻ってきて、戻ってこい、戻ってこい!!!」
奪ったタロットに血を振りかけて叫ぶ赤原。しかしデッキが戻るわけもなく、赤原は絶望し自殺しようとする。
その無様な姿に失望したデッドエンドに吸血されて殺害されてしまう。
最後まで現実から逃げ続けた哀れな最期であった。
摩耶香を失い追い詰められる一団。
…その時風が変わった。
摩耶香の死体から異様な魔力が溢れ、虚ろな瞳でこちらを視た。
『緊急事態発生、発動条件に従い「審判」を強制発動』
『緊急事態用人格インストール開始……インストール完了』
『状況確認……終了』
『現時点での有効対策の演算開始……演算結果「ここにいる全員の抹殺」を登録』
『……殲滅(エリミネート)』
『XX.審判』…発動。
315 人類最終試練~Last Embryo~ 堕ちし英雄の鎮魂歌、或は奈良修也 ナラシューヤ、比良坂葉耶、アリッサ・ブルックリン
デッドエンドの放った眷属を薙ぎ払いながら戦い続けるナラシューヤと葉耶。
二人の間にアリッサが割り込みはいる。全てを呪う二人に変わらず手を差し伸べるアリッサ。
然し彼女の胸を、嘗ての同朋たるシューヤの剣が貫いた。
剣を抜き、葉耶へと向けようとしたとき、アリッサの声がシューヤの耳に入った。
「大丈夫……私は…貴方を……赦、し…………」
昔の仲間を裏切ってもなお赦そうとするアリッサにナラシューヤは動揺してしまう。
その動揺がナラシューヤに一瞬の正気をもたらし、隙を突かれ葉耶に殺害されてしまう。
ナラシューヤはある女の名前を口にしながら死んでいった。
その名の意味は誰にも知られることは、もはやない。
316 流しているのはオイルか涙か 音恋千聖、ころび3号
めぐみ先生の乗っていたパワードスーツパーツを使いパワーアップしたころび3号と共に、瞠を追いかける千聖。
しかし、既に戦いは終わり、瞠たちの亡骸が残されているだけであった。
もっと早くバージョンアップが終わっていれば護れたのにと嘆くころび3号。
その時、遠くから圧倒的な魔力を探知し、守るために、ころび3号と千聖は戦場に飛ぶ。
317 憎しみの瞳 クリフ・シュテイル
氷の城から立ち去ったクリフは状況を整理するために展望台へと向かった。
特に激しい戦局を観察したとき、そこに一人の少年を見つけた。
「ルーク…ヘルディオス…ッ!」
血染の蝙蝠最後の一人、ルーク。
彼の姿を見つけた時、復讐心に顔を歪ませて展望台を足早に出ていった。
318 最終試練の外野にて 青井凛吾、赤井羽亜兎、シルフィード
戦士として一緒に戦うことを楽しみとしていたほのかや瞠を失い茫然とするシルフィードを抱きかかえる赤井。
青井は、ほのかと瞠の残留思念を、シルフィードへの感謝の気持ちを伝える。
シルフィードは青井に感謝し、借りは絶対に返すことを誓う。
残留思念から、クラスメートが城に集まっていることを聞き、赤青組はそちらに向かう。
然し既に城の仲はもぬけの殻だった。
319 人類最終試練~Last Embryo~ 言葉よりも記憶よりも、心に刻み残る意思 ルーク・ヘルディオス、葛城琴音、紗世鬼姫、イルファリー・フォン・クォーツローズ、葛葉摩耶香、芦塚陽菜、荒木夢無、ヒトガタグソクムシ、ハエトリグサ異常種、葛城恭介、デッドエンド、阪口翔、日高敬介、忌影丸、ビクトリーマン、音恋千聖、ころび3号
封印されていた審判の力により殺戮兵器と化した摩耶香。『審判』に抗おうとするも、その力に囚われて、抵抗することもできない。
魔力砲で吹き飛ばされ地面を転がされる夢無。そこで彼は1枚のカードを見つける。摩耶香が死ぬ直前、託したカードであることに気づいた瞬間、追撃の攻撃が夢無に迫る。
「させない、これ以上、誰かが死ぬのは御免だ!」
そこへころび3号と千聖が空から参戦し、夜の歌を発動して夢無を守る。
しかし、ころび3号と千聖が加わっても守りに手いっぱいで突破口が見つからない。
「ふう、意志を捨てただ暴れるだけの化生と果てたか」
デッドエンドがため息をつき、落胆する。人の意志を尊ぶデッドエンドにとって今の摩耶香は闘う価値もない化物に過ぎなかった。
そして摩耶香から、夢無たちへと目線を向け、戦いを挑もうとする。
暴走した摩耶香だけでもどうしようもないのにデッドエンドに今戦いを挑まれたら自分たちに勝ち目はない。
絶望する夢無たちであったが、そこに声がとぶ。
「なんでえ、ずいぶんとつまんねえ女になったな摩耶香。そうは思わねえか?え、夢無」
その声は忌影丸とビクトリーマンであった。因縁を持つ夢無は忌影丸を睨むが、忌影丸は一つ提案をする。
デッドエンドは俺たちが相手してる間に、てめえらは摩耶香を救えと。
忌影丸が味方することを訝しむが、嘘をつかない鬼の掟を信頼し、デッドエンドを彼らに任せる。
そして、夢無は仲間たちと共に摩耶香に託されたタロットを手にして立ち向かう。
仲間たちとの『絆』と共に。
320 人類最終試練~Last Embryo~ 絆の価値、奇跡の意味 ルーク・ヘルディオス、葛城琴音、紗世鬼姫、イルファリー・フォン・クォーツローズ、葛葉摩耶香、芦塚陽菜、荒木夢無、ヒトガタグソクムシ、ハエトリグサ異常種、葛城恭介、デッドエンド、阪口翔、日高敬介、忌影丸、ビクトリーマン、音恋千聖、ころび3号
夢無が『絆』を空に掲げ発動する。しかし、本来のタロットの持ち主でない夢無ではダウンロードに時間がかかる。
発動までの時間、ルークたちは決死の覚悟で時間を稼ぐ。
降り注ぐ弾幕を紗世鬼が消滅させ、イルファリーは正面から摩耶香に立ち向かい、審判の見えない鎌をころびのマレビトホネキリが切り裂く。
無数のレーザーをルークの光操作能力で捻じ曲げ、吹き飛ばされた岩石を芦塚が破壊する。
琴音は子守唄を歌って摩耶香の心に呼びかけ、恭介はグソクムシら非戦闘員に降り注ぐ攻撃から庇う。
絆のカードに光が集まる。あと少しで発動できる、その瞬間に莫大なエネルギー波が夢無を襲った。
庇いに行く時もなく、夢無がエネルギー波に飲み込まれてしまった…
「夢無よぉ、なにぼけっと突っ立ってんだ?」
しかし、彼は死んではいなかった。いち早く気づいた忌影丸が夢無を庇っていた。
宿敵のお前が何故と問いかける夢無に、忌影丸は鬼の筋を通しただけと言葉を残し、瞼を閉じた。
『絆』に光が満ちる。夢無はゆっくりと立ち上がり、タロットを『審判』に向け放つ。
その光は『審判』を穿ち奇跡を生んだ。
止めることのできないはずの審判の力を封じ込めたのだ。

『ありえない―――このような事態、予測―不―能――』

『演算処理不能!?演算処理不能!?演算処理不能!?演算処理不能!?』 
『ERROR!!』『ERROR!!』『ERROR!!』『ERROR!!』『ERROR!!』『ERROR!!』
『ERROR!!』『ERROR!!』『ERROR!!』『ERROR!!』『ERROR!!』『ERROR!!』
『こんな、こんな、こんなァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!』
――「審判」システムがバグと認定されました。バグ処理のため、削除を行います
『アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!』

世界が光に包まれた。
光が収まったとき、そこには一人の少女が立っていた。
審判の効力が消え失せ、摩耶香が自我を取り戻したのだ。
しかし、審判が消えるということは、自らの命も終わりを迎えるということ。
摩耶香は最後に自分の心を取り戻せたこと、皆にサヨナラを言えることを感謝して、審判のカードと共に消滅した。

321 人類最終試練~Last Embryo~ 一人の怪人が見たオペラ ブギーファントム、古畑六星
笑いながら正義を貫いたジャスティスガール。恐怖にも負けず立ち向かったほのか。涙をこらえて戦った瞠。
制限能力を持つブギーファントムにとって敵ではなかったが、何処か彼女たちに憧れている自分がいた。
「羨ましいな…」
呟きは気づかぬうちに漏れていた。
その時、遠くから光の柱が見えた。審判の光だ。
瞬間移動で、展望台に向かい戦況を監察すると、審判の力で摩耶香が暴走していた。
元々審判はブギーファントムが死んだ時の保険であったが、今回は本来の用途で発動したようだ。
しかし、最後は『絆』の力で『審判』は消滅してしまった
その事実にブギーファントムは慌てるが、自分の仕事を果たすために戦場に向かった。
一方、古畑も審判の光を別の場所から目撃していた。
対主催組が戦っていると判断し、合流するために戦場に向かう。
322 人類最終試練~Last Embryo~ さよならだけが人生だ ルーク・ヘルディオス、葛城琴音、紗世鬼姫、イルファリー・フォン・クォーツローズ、葛葉摩耶香、芦塚陽菜、荒木夢無、ヒトガタグソクムシ、ハエトリグサ異常種、葛城恭介、デッドエンド、阪口翔、日高敬介、忌影丸、ビクトリーマン、音恋千聖、ころび3号
忌影丸が『審判』に苦戦する対主催グループの援護に回っていた頃、ビクトリーマンはデッドエンドと一人で戦っていた。
全力を出した鬼と吸血鬼の戦いは凄まじく、それは大地を揺るがすほどであった。
しかし、善戦したものの実力差からビクトリーマンは敗北し、飛ばされてしまう。
飛ばされた先にはデッドエンドの尖兵と化している阪口がおり、その彼をかばうべく千聖は自身のパワードスーツを盾として阪口を庇うも、結果としてビクトリーマンの巨体に弾き飛ばされて、二人は近くの崖から落下してしまう。
新たな犠牲者が生まれたことに悲しみとデッドエンドへの怒りを顕にする対主催グループ。
しかし、『審判』との戦いの直後で対主催陣の消耗が激しく、このままデッドエンドに挑めば対主催陣の敗北は濃厚である。
だが、対主催グループはデッドエンドによる悲劇を一秒でも早く終わらせるべく、更なる犠牲を覚悟の上で憎き相手に挑もうとする。

そんな対主催グループをイルファリーは「ここは『俺』に任せろ」と言って制止する……同時にイルファリーの姿がみるみる内に変貌していった。
驚く仲間達を尻目に、イルファリーの眼に二つの幻影が映り込む。

亡き友・摩耶香の幻影は悲しそうな表情をしてイルファリーに語りかける。
イルファリー「分かってるよ、分かってるよ摩耶香。でも、私はもうイルファリーとしては生きていけない。
混血の私を唯一差別しなかったお姉さま。貴女が死んだとき、きっとイルファリーも死んだのよ。だってお姉様が死んだのに、妹の私が生きているわけにはいかないじゃない」

亡き姉・アルフェリーもまた悲しそうな表情でイルファリーに語りかけた。
イルファリー「でもね、お姉さま。私は、デットエンドを倒したい。この世界で出来た仲間を守りたい」

「だから、『私』は死んで、『俺』になる」

「『吸血鬼』イルファリーは今ここで死ぬ。私は―俺は、『軍人』ヤルダンスだ」

ヤルダンス大佐の降臨――それはもう二度とイルファリーに戻らないと決めたヤルダンスの決意だった。
今、デッドエンドとヤルダンスの戦いが始まろうとしていた……

323 人類最終試練~Last Embryo~ 愚者に捧げる歌はどこ 阪口翔、音恋千聖、ライザック・ニューソン
崖下に落下した阪口、千聖は辛うじて生きていた。
しかし、落下のショックで千聖はパワードスーツから投げ出され、そんな無防備になった彼女を阪口は絞殺せんとする。
半身不随の身では逃げることも叶わず、助けてくれる仲間もいない。
絶対絶命の状況、そして想い人に何もしてやれないまま首を絞められて死にゆく自分の不甲斐なさを千聖は嘆き悲しんだ。
しかしそこへ、偶然近くに居合わせたニューソンが駆けつけ、阪口にワクチンを施した。
それはエグザエルウイルスのサンプルを元に作り出した「清木場ワクチン」の類似品であった。
ワクチンによって阪口はエグザイルウィルスから解放され、同時に魔術の知識もあるニューソンの術によってデッドエンドの洗脳も解けた。
想い人が正気に戻ったことに千聖は喜びのあまり阪口に抱きつき、そしてニューソンに多大なる感謝をするのだった。

しかし阪口は、自分を助けてくれた千聖とニューソンにお礼を言うやいなや、千聖のデイパックから武器一式(これはころび3号を改造する際に余ったもの)を拝借し、デッドエンドがいる戦場へと向かおうとする。
阪口がデッドエンドに戦いを挑むつもりだとわかった千聖は止めようとする。
「ダメよ阪口くん、死んでしまうわ! いかないで!!」
だが、千聖の静止を振り切って阪口は陽気に歌いながら走りさるのだった。
千聖は急いでパワードスーツに乗り直し、ニューソンと共に阪口を追いかけようとする。

一方、ニューソンは理解していた。
長くウィルスに晒されていた阪口の肉体は限界が近づいており、その命は手遅れなほどに風前の灯だということに。
そして愚者は自分の命の終わりに気づいているからこそ、あえて死地に向かおうとしているのだと。
324 人類最終試練~Last Embryo~ The Soldier ルーク・ヘルディオス、葛城琴音、紗世鬼姫、イルファリー・フォン・クォーツローズ、芦塚陽菜、荒木夢無、ヒトガタグソクムシ、ハエトリグサ異常種、葛城恭介、デッドエンド、阪口翔、日高敬介、ビクトリーマン、ころび3号
「『血薔薇の兵士』、ヤルダンス――デッドエンド、俺が貴様にとっての死の結末だ」
イルファリー、否ヤルダンスは宣言し、重火器を駆りデッドエンドに向かった。
消炎が舞い、血しぶきが飛ぶ吸血鬼の戦い。
仲間がため死をも恐れぬヤルダンスの戦いはデッドエンドをして、敬意を抱かせるほどであった。
しかしデッドエンドも絶対悪の異名を持つ吸血鬼。
ヤルダンスが撒き散らす弾丸を血で生成した刃で切り落とす。
遂に手持ちの弾丸が無くなり、接近戦へと持ち込む。
壮絶な格闘の末に、デッドエンドがヤルダンスの心臓を貫いた。
しかし、ヤルダンスは不敵に笑っていた。
その時デッドエンドは気づいた。彼の腹には大量の爆薬と銀の弾丸が巻き付けられていることに。
姉を失い、摩耶香を失い、そして後ろには失いたくない仲間たちがいる。
彼/彼女は己の死など恐れる理由なぞなかった。
デッドエンドを爆炎が焼き、銀の弾丸が切り裂く。
煙が晴れた時、そこに居たのは、ヤルダンスの死体。そして…
「見事だヤルダンス。貴殿の戦い、そして死をも我物とした意志。私は敬意を表する」
致命傷を負いながらも、いまだ健在のデッドエンドだった。
ヤルダンスの命をもってしてもまだ死なぬデッドエンド。
それでも、ヤルダンスの命を無駄にはしないと戦いを挑もうとする対主催組たちの耳に、歌が聞こえてきた。
どこか陽気な歌だ。いったいどんな愚者だろう。死地の中歌おうとする馬鹿の顔は。
おどけながら愚者が、阪口が現れた。
325 人類最終試練~Last Embryo~ memento mori ルーク・ヘルディオス、葛城琴音、紗世鬼姫、芦塚陽菜、荒木夢無、ヒトガタグソクムシ、ハエトリグサ異常種、葛城恭介、デッドエンド、阪口翔、日高敬介、ビクトリーマン、音恋千聖、ライザック・ニューソン、ころび3号
「本当はさ、歌で殺し合いを止められたらって思ってたよ。暴力で止めようとしたんなら、殴られた側も殴った側も、痛いからさ」
真剣な意志も見えず、力もなく、先ほどまで自身の傀儡であった阪口をデッドエンドはどこか軽んじていた。
いくら重傷を負っていても、勝利を確信していた。事実、デッドエンドの拳は、阪口によける暇をも与えず彼の胸を貫いた。
「阪口君!だめえ!!」
追いついた千聖が叫ぶ。阪口は血を流しながらそれでも歌い続けていた
ほんの一瞬、千聖に笑いかけると、デッドエンドに向けて言った
「人間を、舐めるなよ」
そして隠し持っていた銃の引き金を引き、デッドエンドの心臓を撃ち抜いた。
デッドエンドは地に倒れながら衝撃に満ちていた。
まさか自分を倒すのが彼だとは予想していなかった。
自分の眷属に化したのも、戦地で歌い続けたのも、すべては自分を侮らせ、最後の一撃を放つための布石だったのか
そしてデッドエンドは笑みを浮かべた。
これは罰だ。人間を敬うと言いながら、奴隷と化しながらも諦めなかった愚者を単なる愚か者と見た自らへの罰だ。
彼は、阪口は、人の可能性に満ちた、己の焦がれる人間だ。

「――――最高の、終幕(デッドエンド)だ」

デッドエンドは最大の賞賛を述べ、死の終焉を迎えた。

326 人類最終試練~Last Embryo~ ゲームのデバッグ調整はちゃんとしようね! ルーク・ヘルディオス、葛城琴音、紗世鬼姫、芦塚陽菜、荒木夢無、ヒトガタグソクムシ、ハエトリグサ異常種、葛城恭介、日高敬介、ビクトリーマン、音恋千聖、ころび3号、ブギーファントム、古畑六星
遂にデッドエンドを打ち倒した対主催組。
しかし、想い人の阪口の死を前にして、千聖が発狂しかけてしまう。
幸い、ころび3号のフォローのおかげで、精神を持ち直す。
何処からかオペラが聞こえてきた。ドン・ファンの台詞を述べながら、怪人が彼らの前に姿を現した。
制限能力で彼らの力を封じたブギーファントム。力を封じられても諦めようとしない彼らを羨みながら殺そうとしたとき、
彼女を呼びかける声がした。
「歌月ちゃん!」
ああ、私の嫌いな探偵だ。そして―――
「だめだよ歌月ちゃん。そんな簡単に人を殺しちゃ。…君が罪を背負わないためにも」
古畑は凶行に及ぼうとしたブギーファントムを、恐れず瞳を正面から見た。
古畑は気づいていた。彼女のどうしようもないくらい孤独を。淋しさを。
ブギーファントムは一度ふっ、と笑うと古畑に言った。

「私は不気味なる怪人(ブギーファントム)、歌月と同じこの姿以外は、生まれも心も全てが醜い
この死しか知らぬ禍々しき怪物は地獄の業火に焼かれながら、それでも天国に―――」

そしてブギーファントムは自身に火をつけた。
古畑に対して僅かなりとも情を抱いた時点で、彼女の参加者の管理と言う絶対のアイデンティティが崩壊していたのだ。

業火に包まれながら怪人は歌う。

「I am the Phantom of the Opera! The Ugliest creature on earth! and as the fires of hell burn this ugly creature, I still dream of a place in heaven!」

327 第五回放送 ノヴァ(真)
第五回放送。呼ばれたのは、
吉川美夜、ローズ・ブラッド、月ノ輪、宝城令、レイカ・シューリス
戌井無像、ロベルト・エヴァン、四十物ほのか、半井瞠、ジャスティス★ガール
サービスちゃん、護摩堂暁人、宝木皐月、金元尊大、シルヴァン・シモン・エロワ・スシュ
冴島春樹、近衛日和、アスカ・アルバトス、「国騙り」のブルース、アリッサ・ブルックリン
ナラシューヤ、赤原翔、忌影丸、葛葉摩耶香、イルファリー・フォン・クォーツローズ
坂口翔、デッドエンド、怪人:『ブギーファントム』/歌月・歌月
以上28名。残り29/138名

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2015年11月19日 18:34