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ローゼンメイデン百合スレまとめ@ウィキ
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ローゼンメイデン百合スレまとめ@ウィキ

──C or D

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匿名ユーザー

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 ──C or D


 雑誌をめくる音というものは案外響くものだと知ったのは今しがた。
 翠星石は暇そうにクッションを抱きながら雑誌を黙読している少女を見つめている。
 何も会話はない。それ故に雑誌の音が耳に届くのだ。
「蒼星石は犬、ですよね」「……は?」
 蒼星石と呼ばれた少女は怪訝そうに手元の雑誌から顔をあげた。その表情には警戒の念さえ浮かんでいる。
「また何を…僕は人間だよ」
「そういうことじゃねぇですよ」
「じゃあ、なんだい?」
「だから、犬っぽいですね、っていう話です!」
 蒼星石に瓜二つ──双子なのだから当然ではあるが──の翠星石がクッションを抱きながら言う。
 その様子に蒼星石は小さくため息を吐くと、雑誌に視線を落とした。
「無視するなです!」
 そのつもりはなかったのだろう。不幸にも、投げたクッションは蒼星石の手元を弾いた。

「翠星石…」
「な、なんですか…!」
 後少しで、本気で怒り出しそうな妹に怯えながらも強気な口調は変わらない。
 クッションと雑誌は蒼星石の位置より1mほど離れてしまった。
「雑誌、取ってきて」
「は?嫌ですよ」
 蒼星石に体の力を抜ききって、動く気配は微塵もない。
 対して、負けず嫌いの性格が出てしまった翠星石は謝ることもせず、蒼星石を睨む。
「君が飛ばしたんでしょ?君が取るべきだよ」
「嫌だって言ってるです。…犬なんだから蒼星石が取ればいいんですよ」
「………」
「そうですよ。『取って来い』するのは犬の仕事です」
「翠星石。本気で怒るよ?」
 普段は仲の良い彼女達だが、蒼星石の方は専ら道徳心が強く、遊びと言えど物を大事にしないことを良しとはしない。
「躾のなってない犬です」
「……──もう、いいよ」
 話し出す前に間があったのはそこで深くため息を吐いたから。
 蒼星石は立ち上がると雑誌を拾い上げ、ドアノブに手をかけた。
「ちょっ…待ちやがれです!」
 ドアノブを捻り、将にドアを開けようとしたところで慌ててその背中に飛びつく。

「どこ行きやがるですか!」
「言ったでしょ?本気で怒るよ、って」
「…っ!約束は!?」
「無効」
 約束というのは、普段から部活動で忙しい二人の休みが久々に重なったので、今日はずっと一緒に居ようね、と言ったことだ。
「裏切り者!」
「君が最初にふざけたこと言い出したんでしょ?」
「貴女が…っ!」
 蒼星石の腰を抱く翠星石の腕に力がこもる。
「貴女が、ずっと雑誌読んでたから…」
 蒼星石は腰の腕を緩めさせ、振り返ると片割れの前に片膝を付いた。
「泣かないでよ…」
「寂しかったんです…」
 二人でゆっくりすることなんて、本当に久々なのに。蒼星石は翠星石を見ようともせず、ずっと雑誌とにらめっこしていた。
 蒼星石は翠星石の頭を抱き抱えるとポンポンと宥めるように頭を叩いた。

「だから…構って欲しかったんです…!」
「こうやって一緒にいるじゃない」
「でも、ずっと雑誌ばっかりじゃなかったですか!」
「翠星石…」
 蒼星石にとっては、一緒にいること自体が充実したことで。例えお互い何をしていようとも楽しい時間であった。
 しかし、比較的精神年齢の低い翠星石にとっては、一緒にいるのなら同じことをしたいと思っている。
 そこに食い違いができた。それだけの話であった。「ごめんね…」
 耳元にそう囁きながら口付けを送りながら、ぼろぼろ溢れる涙を指先で拭ってやる。
「愛されてない気がします…」
「僕は愛情表現に乏しいんだよ。どうしていいか分からないんだ…」
 翠星石の顔中にキスを送っておきながら、何が乏しいものかと問いたくもなるが、事実、自分ではそう思っていた。
「なら…」
 次に翠星石から蒼星石の頬へキスが送られた。
 翠星石の瞳には特有の熱っぽさが浮かんでおり、蒼星石は誘われるままに翠星石を抱き上げた。

 健全な光の射し込む寝室には不似合いである妖艶な空気が充満していた。
「っあ…も、ぁぁっ!…そうせ…っ!」
「まだ、だよ…」
 快楽に翻弄され跳ねる翠星石の首筋にギリと食い込むほど歯を立てる。
「っやぁぁ!…あ、あ、っ…っい、たっ」
 もうどのくらいこうしているのか分からない。分かるのはただただ早く満たされたいということ。
 言葉をいくら重ねるより、体を重ねる方が翠星石には分かりやすい愛情表現であった。
「そうせ、っ…っあああっ…もう、…はやくっ…」
「早く、…何…?」
 できるだけ低い声でそう囁くとそれにも反応して体が大きく波打つのが分かった。
「あ、あっ…や、イジ、ワる…しない、でぇ…」
「ほら…」
 中の指のスピードを上げてやると、甘い声が一層強くなる。
「ひぃっ、あぁっ…も、もぅ…イ、イき…」
「何?」
「イ、か、せて…くださ、」
 その言葉にうっすらと嫌な笑みを浮かべて、指を一本増やし、スピードを更にあげる。
 きゅうきゅうと締め付けてきて絶頂までのカウントダウンを始める。
「っく…ひゃぁ…っアアアアアァァァっ!」
 ビクンビクンと痙攣のように体を跳ねさせ、翠星石は絶頂に達した。

 はぁ、と首筋を撫でながら深くため息を吐く翠星石を振り返る。
 今は汗だなんだとべたべたになってしまった体を清めるために浴槽に浸かっている。
「どうしたの?」
「やっぱり蒼星石は犬です」
「え?またその話?だから僕は人間…」
「そうじゃなくて!」
 翠星石が言うにはこうだ。
 先日、真紅と週刊誌を読んでいたところ「犬よりか猫よりか」という何気ない記事を見たという。
 凛とした態度にしっかりと芯の通った性格が蒼星石っぽいと思いそう言ったらしい。
「すぐ噛みつくですし…、跡になってませんか?」
 行為の最中。ほんの稀ではあるが、自分の欲望を押さえるために首筋に噛みつくことがある。
 ほほう、それなら。と蒼星石はにやりと笑う。
「なら君は猫だね」
「は?私は人間ですよ」
「天の邪鬼な性格に躾の行き届いてない態度…極めつけに」
 蒼星石は後ろを向いて、翠星石に背中を見せた。
「……っ!」
「引っ掻き傷」
 蒼星石のそれよりも高確率で付くその傷跡。
 絶頂に達するまでもがくために、蒼星石の背中にくっきりと残る細い痕。
「君は猫、僕は犬。まぁ、いいんじゃない?そんな関係でも」
 首筋の痕を慰めるようにペロリと舐めあげると、翠星石から再び甘い声が上がる。
 二人の夜はまだまだこれから。 
 

 
 
 終わり

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